ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~   作:NCドラゴン

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今日で連日投稿は終わりです。次は月曜日投稿です。


第34話 決闘と別名称

~イッセーside~

 

イッセーだ。あの後ゼノヴィアに勝手なことを言われて切れた俺は自分から喧嘩を売ってしまい、木場がそれに加わる形になった。その後このまま戦闘になるかと思いきや、ゼノヴィアの提案により、殺し合いに発展しなければ教会には一切知らせない私的な決闘として受けることになった。俺対イリナ、木場対ゼノヴィアという形で。

 

「………笑っているのか?」

 

ふとゼノヴィアと木場の会話が耳に入る。気になって木場の顔を見てみると、木場は不気味なほどの笑みを浮かべていた。俺まで寒気を感じるような笑顔だ。普段のイケメン爽やかフェイスからは考えられない。……聖剣がそこまで憎いのか。

 

「うん。倒したくて、壊したくて仕方なかったものが目の前に現れたんだ。嬉しくてさ。ふふふ……悪魔やドラゴンの傍に居れば力が集まると聞いていたけど、こんなにも早く巡り合えるだなんてね。」

 

ドラゴン……俺が使ってる赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に宿ってるドライグのことか?力が集まる……今回の一件……ひょっとして俺のせいでもあるのか?

 

「……魔剣創造(ソード・バース)か。神器所有者は頭の中で思い描いた魔剣を創りだすことが可能。魔剣系神器の中でも特異なもの。……聖剣計画の被験者で処分を免れた者がいるかもしれないと聞いていたが、それはキミか?」

 

「…………。」

 

何も言わない木場……ただ俺でも分かるほど殺気を増している。……殺し合いに発展しないだろうな?

 

「兵藤一誠くん。」

 

「ん?なんだイリナ?」

 

木場の方を考えていたらイリナに呼ばれた……それにしてもいい服だ……体のスタイルが良くわかる!

 

〈相棒……。〉

 

ドライグが嘆くような声を出してる気がするけど、気のせいだな!いまはそれよりもイリナだ!

 

「可哀想な兵藤一誠君、ううん、昔のよしみでイッセー君って呼ばせてもらうわね。なんて運命のイタズラ!聖剣の適正が合って、イギリスに渡り、晴れて主のお役に立てる代行者になれたと思ったのに!ああこれも主の試練なんだわ!久し振りに帰ってきた故郷の地!でも、それを乗り越える事で私は一歩また一歩と真の信仰に進めるはずなのよ!さぁ、イッセー君!私がこのエクスカリバーで貴方の罪を裁いてあげるわ!アーメン!」

 

「……(-_-;)」

 

イリナ……お前さっきと別の意味でやばいぞ?

 

「けど関係ねえ!こい!赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!」

 

『Boost』

 

赤龍帝の籠手を発動して力を倍加させる。

 

「……神滅具(ロンギヌス)!」

 

「それって、赤龍帝の籠手?こんな極東の地で赤い龍の帝王の力を宿した者に出会うなんて!」

 

二人はそろって顔をしかめている。やっぱこいつってすごいんだな。

 

〈当然だ。かつて二天龍と称された俺を宿した存在だぞ?〉

 

ドライグの自慢が入る。なんか今回饒舌だな。

 

〈作者が俺のことを忘れていたからな。この機に目立ってやる。〉

 

メタだよそれ!

 

《バキィイイン!》

 

なんか破壊音がしたと思ってそっちを見たら木場の剣が砕けていた。あっさりとかよ!?

 

「我が剣は破壊の権化。砕けぬものはない。」

 

「くっならこれはどうだ!?」

 

すると木場は再び剣をだす。

 

「無駄だな。」

 

ゼノヴィアは再び剣を折ろうとするが、木場はそれを受け止める。

 

「ぐ、ぐぅうう!」

 

「貴様……なぜその力を使える?」

 

ゼノヴィアが剣が折れなかったことに驚いていると思ったが、別のことに驚いているようだ。

 

「……だが無駄だ!」

 

するとゼノヴィアが再び剣を振るう。木場は受け止めようとするが、

 

《バキィイン》

 

今度は一撃で砕かれた。よく見ると刀身が黒く染まっている。あの現象は……!

 

「……あれは覇気!?」

 

「イッセーくん何を言ってるのよ?あれは神力よ。」

 

「シンリョク……!?」

 

覇気じゃないのか!?

 

(あれはまず間違いなく覇気だな。誰かが教えたのか?だとしても名称違いなのは怪しい……。こっちではそう伝わってることなのか?)

 

でもそんなことは今は関係ない……洋服破壊(ドレス・ブレイク)で勝負を決める。

 

「……いやらしい顔つきだわ。……神力使わなくても考えが分かりやすいわ。」

 

怪訝な表情をしてくるイリナ。なんだと!?

 

「気をつけてください。イッセー先輩は手に触れた女性の服を消し飛ばす力を持っています」

 

「小猫ちゃん!?なんで敵にアドバイスするの!?」

 

俺は抗議する小猫ちゃんに睨み返された。

 

「エスへお一世先輩は女性の敵、最低です。」

 

「痛烈なツッコミだよ小猫ちゃん!」

 

本当に毒舌だね!

 

「なんて最低な技なの!イッセー君!悪魔に堕ちただけではなく、その心まで邪悪に染まって!ああ、主よ。この罪深き変態をお許しにならないで下さい!」

 

イリナが祈りをあげながら、悲哀に満ちた表情で俺を見つめてくる。

 

「そんな可哀想な奴を見る目で見るな!」

 

「最低ド変態です。」

 

小猫ちゃんからの悲痛なツッコミがまたでる。

 

「イッセーさん!そんなに女性の裸に餓えていたらなら、私に言って下されば……!私、イッセーさんの為ならこの身の犠牲をいとわないです。」

 

「アーシア!?」

 

自己犠牲の精神はまぶしいけど、君はそんな大胆な事を言わないでくれ!

 

『Boost!』

 

三度めの倍加だ。因みに二度めはイリナと会話中に終わっている。

 

「こっちもそろそろ決めちゃいましょうか!」

 

イリナは俺に刀を向け、ダッシュしてくる。速い!一気に詰め寄ってきた。けどこんなもの、ルフトのしごきに比べれば!

 

「やるわね!避け方がかなり上手いわ!主に余程鍛えられているようね!」

 

「まぁね!俺のご主人様や先輩はしごきが厳しくてさ(とくに先輩の方が!)!おかけで自分より格上が相手でも頑張れる!」

 

『Boost!』

 

「行くぜ!赤龍帝の籠手!」

 

『Explosion!』

 

倍加を止めて、この時点まで上がった力の状態を少しの間動けるようにした。こうして止めないと中途半端になって、パワーアップが解除されてしまうからだ。俺の体に力が駆け巡っていく。まだ四回の倍加だが、これでいけるだろう。俺は何時でも服を弾け飛ばすだけの魔力を用意しておき、イリナに向かっていった。

 

「剥ぎ取りゴメン!」

 

「卑猥な!」

 

イリナが体を捻って俺の突進をかわすが……。

 

「まだまだだ!」

 

女の服を弾け飛ばすのに夢中になっていた俺は、イリナの動きに徐々に適応していった。煩悩がなす業なのか、避ける先までなんとなく見えるぞ。

 

「いつも以上にイッセー君の動きがいいですわね。」

 

「スケベ根性がエスへお一世先輩の身体機能を向上させているんです。」

 

「……いつでもあの動きができればいいのに。おまけに覇気の真似事までしてやがる。あの煩悩は呆れ通り越して、言葉がでない。」

 

すいませんねエロくて!

 

「こうなれば……見聞の神力!」

 

すると突然イリナが適確にカウンターを返してきた!こ、これは先読みの覇気か……!?

 

「ぐうぅ……。」

 

意識がとびかけたまま俺は……。

 

「……させません。」

 

「げほっ!?」

 

小猫ちゃんにぶんなぐられた。な、なんで?

 

「……そんな剥ぎ取り技させません。」

 

どうやら、誰かにぶつかりそうだったのを、小猫ちゃんがとめたようだ。ど、どうせならそのまま部長に……!

 

「…………。」

 

《げしぃん!》

 

「ごぶぅ!?」

 

そんなことを考えていたら、頭を踏まれた。……このサイズはルフトか!?

 

「へんなことを考えるな。」

 

す、すいません。

 

「大丈夫?イッセー君。あのね、これは卑猥な技を開発した天罰だと思うの。これに懲りたら、あんなエッチな技は封印する事。いいわね?」

 

イリナが心配そうにしながら、そう言ってきた。そ、それは!

 

「……い、嫌だ。……魔力の才能をほぼ全部使い込んで開発した技だぞ……もっともっと女の子の服を弾け飛ばすんだ。……これでも女子の服をスケスケにする技とどちらかにするべきか真剣に悩んだんだ……。」

 

「……本当に真剣に悩んでたっぽいから性質がわりぃな《グリグリグリグリ》」

 

「べ、べりごまぜないで……いだい!」

 

顔が!顔が沈む!

 

 

 

「うう……痛かった。」

 

あの後アーシアに治療してもらった俺は、木場とゼノヴィアの戦いを眺めていた。といっても木場の剣はすべてゼノヴィアに一撃で砕かれていた。

 

「はぁぁぁあああああ!」

 

木場が気合を発し、手元に何かを創りだしていき、剣の形となる。

 

「その聖剣の破壊力と僕の魔剣の破壊力!どちらが上か勝負だ!」

 

木場の手に現れたのは巨大な一本の剣だった。禍々しいオーラを放ちながら、木場は両手で構える。なんで大きさだ。2メートルを越えている。それ見たルフトは呆れたように溜息をつく。

 

「……あほか?それじゃかてん。」

 

それを聞いた俺は困惑してしまう。ゼノヴィアもそんな木場を見て、心底落胆している。

 

「残念だ。選択を間違えたな。」

 

《ガギィィィン》

 

激しい金属音を立てて、巨大な刀身が宙を舞った。折れたのは木場の魔剣であり、ゼノヴィアのエクスカリバーは一切欠ける事なく、難なく木場の魔剣を破壊した。

 

「君の武器は多彩な魔剣とその俊足だ。その巨大な剣は間違い、自慢の動きを封じる事になる。破壊力を求める?君の特性上、それは不要だ。そんな事も分からないのか?」

 

木場の腹部に聖剣の柄頭が深くめり込む。

 

「ガハッ!?」

 

(やはり負けたか……実力的にもダメだったエスへお一世は勿論だが、祐斗も祐斗だ。冷静に戦えばあんなぶざまに負けはしなかった。だがそれ以上に、驚きだったのはあいつらが覇気使いだったことだ……。冷静に戦っても怪しかったな。)

 

「……ま、待て!」

 

倒れた木場は手を伸ばすが、決着がついたのは誰の目にも明らかだった。朱乃さんが結界を解き、辺りを支配していた紅いオーラが消えた。

 

「先輩、次はもう少し冷静になってから来るといいさ。リアス・グレモリー、先ほどの話をよろしく頼む。」

 

そう言って、去ろうとするゼノヴィアを木場は憎々しげに睨んでいた。ふと立ち止まり、ゼノヴィアは視線を俺に向けた。

 

「一つ言っておこう。白い龍(バニシング。ドラゴン)はすでに目覚めているぞ。」

 

な、何だと!白い龍、ドライグが言っていた自分と対をなす二天龍の一角。それがもう目覚めているのか?勝てるのか俺は!?

 

「いずれ出会うだろうが、その調子では絶対に勝てないだろうな。」

 

……断言されました。

 

「ちょっと待ってよ、ゼノヴィア。じゃあ、そういう事でイッセー君。裁いて欲しくなったら、何時でも言ってね。アーメン!」

 

胸で十字を切りながらウインクすると、イリナも早足でこの場を立ち去った。つーか十字に切ってたせいで頭に痛い。

 

「ちょっと待ちなさい祐斗!」

 

部長の叫び声が聞こえたので聞こえてきた方へ顔を向けてみると、そこにはその場を立ち去ろうとしている木場とそれを止めている部長の姿があった。

 

「私のもとを離れるなんてこと許さないわ!あなたはグレモリー眷属の騎士(ナイト)なのよ!、はぐれになってもらっては困るの。戻りなさい!」

 

「僕は、同志たちのおかげであそこから逃げることができた。だからこそ、彼らの恨みを魔剣に込めないといけないんだ……!」

 

部長の言葉にも耳を貸さずにその場を立ち去ろうとする木場だったが、その前にルフトが立ちふさがる。

 

「……そこをどいてくれ。僕は同志たちの無念を晴らさなくちゃ……!」

 

「今のお前じゃ殺されるのが落ちだ。そうすれば無駄死にだな。お前の同志は。」

 

「!!!」

 

その言葉に木場はルフトに剣を向ける。おいルフト!?

 

「取り消せその言葉……!」

 

「事実だ。お前みたいな死にたがり野郎を生かして死んだなんて……お前の同志は無駄死にだな。」

 

「とりけせえええええええええ!!!!!!!!!」

 

そのまま木場はルフトに斬りかかるが……。

 

「……ふん。」

 

《ドゴォン!》

 

「ごふっ……!」

 

「全く……あっさり仕留められやがって……だから冷静になれって言ったんだ。」

 

そのままルフトは木場を担いで出ようとする。

 

「どこにいくの?」

 

「なんとかしてみようと思う……ああ、リリス、お前も来い。」

 

「う、うん。」

 

そのまま二人は木場を担いだままどこかに消え去った。……大丈夫なのかな?

 

~兵頭エスへお一世sideout~

 

なんでわざわざ俺の名字つけた!?あれか!?もう俺の名前は兵頭エスへお一世ってことなのか!?

 

ピンポーン。

 

ふざけんなーーーーーーーー!!!!!!!


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