ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~ 作:NCドラゴン
~Noside~
「いったいどうなっているんだ!?」
ライザーは混乱していた。楽勝だと思っていたレーティングゲーム。しかし今の状況はライザーが圧倒的に不利だった。
「なぜ奴らは一人もやられていない!?こちらに唯一対抗できる黒雷光の巫女を相手するユーベルーナにはフェニックスの涙を与えておいた……なのに何故負ける!?」
ちなみユーベルーナが持っていたフェニックスの涙は朱乃が攻撃したときに一緒に砕け散った。
「おのれ……かくなるうえは俺自らリアスを……!」
「自分と相手との実力差が本当にわかっていないみたいだな。」
「誰だ!?」
ライザーが見た先には自分に屈辱を与えた男、ルフトが膨大な魔力を出して机に腰をかけていた。
「き、貴様いつからそこに……!?」
「最初からだ。」
「ば、馬鹿な……!?そんな魔力を出して俺が気づかないだと……!?」
「仙術を使えば気配を消すこともたやすい。」
ルフトの扱う仙術は基本的に補助系の物が多く、気配を消すとことも出来る。まだ低レベルではあるものの、ライザーを騙すには充分だった。
「ぐぐぐ……だが聞いているぞ!あの俺を問答無用で気絶される技は使用を禁止されていると!」
それがライザーの勝算だった。
「あの気絶させる技が使用を禁止されている以上、貴様に勝ち目はない!」
「やれやれ……そういえば言ってなかったな。覇王色の覇気で相手を気絶させる条件を。」
「気絶させる条件だと?」
「そう……相手を気絶させるには……。」
《ドゴォン!》
「ぼごぉはぁ!?」
気づかぬうちに一瞬で殴られたライザーはその勢いのまま窓ガラスを突き破り、そのまま校庭に落ちる。
「相手との間に隔絶した実力差がないといけねえ……分かったか?」
「が、がはぁ……このぉ!」
そう言って炎を放つが、
「どこにうってんだ?」
「な!?」
ルフトは一瞬で真後ろに移動する。
「ふん。」
《パァアアン!》
そのまま手のひらでライザーの頭を叩く。しかしあまりの威力にライザーの頭が吹き飛ぶ。
「ご……あ……?」
ライザーは何が起きたのかは判断できずにいた。一瞬で殺されたせいだ。
「やはりマルコと同じようなものか……だったら、数十回殺せば息絶えになるだろう?」
「ば、ばかめ……フェニックスである俺がその程度で……!」
「お前はさ、斬られたことはあるか?」
「……?」
ライザーはルフトの言葉の意味が分からなかった。だが次の言葉を聞くと顔を青ざめる。
「刺されたことはあるか?えぐられたことはあるか?千切られたことはあるか?ねじられたことはあるか?折られたことはあるか?丸め込められたことはあるか?つぶされたことはあるか?……ないよな……?」
「き、貴様は……!?」
「こう見えて拷問に関する知識も持ってるぜおれは。」
《ニタリ》
そう言って笑うルフトの顔はまさに悪魔だった。
そこからルフトの悪魔のごとき蹂躙劇。斬り刺しえぐり千切りねじり折り丸めるつぶされる……。無論ライザーも反撃を試みるも、攻撃は一つも当たらずに交わされる。まさに一方的な蹂躙劇だった。
「ぐが……がが……お、おのれぇぇぇ!」
今、ルフトの目の前で丁度10回目の蘇生をするライザーの姿があった。
「いい加減諦めろ。お前程度じゃおれには勝てない。 」
ライザーの実力はルフトの世界では海軍本部少佐クラス。これだけ見るなら強いかもしれないが強力な能力の割に低すぎる。事実ライザーと同じ能力を持つマルコは大将クラスの実力者である。
「この俺が!たかが転生悪魔ごときに負けるだと!?あり得ん!」
そう言いながら炎をルフトめがけて放つが。
「剃。」
で避けられ、
「おらよ。」
「ごあ……!?」
股の間を蹴り上げられる。あまりの威力に体が千切れる。
「これで11回目か……。」
「がっ……はっ……!」
もう殆ど虫の息である。
「能力にかまけた馬鹿はこの程度か。マルコと比べるのも失礼だな。そろそろ終わらせるか。」
「ま、待て!分かっているのか!?」
「……あ?」
ライザーがルフトに対して何かを話す。
「この婚約は悪魔の未来のために必よぼ!?」
しかし最後まで言い切る前にルフトがライザーをぶん殴る。
「だからといって、リアスがお前みたいなクズとくっつかなきゃいけない道理なんてどこにもねえ。」
「ぐ……おのれ……!」
「そしてお前には五つの罪がる。」
そう言って指を立てながら説明する。
「一つ、おれの恩人の声でげびたセリフを吐いたこと。」
一つ目の指を立てる。
「二つ、能力を無駄に使いおれの認めた男を汚したこと。」
二つ目の指を立てる。
「三つ、英雄を汚したこと。」
三つ目の指を立てる。
「四つ、おれの尊敬する人たちを馬鹿にしたこと。」
四つ目の指を立てる。
「五つ、リアスに無理矢理迫ったこと。」
五つ目の指を立てる。
「よって貴様には地獄を見せてやる!」
立てた指を力強く握りしめる。そこにルフトが溜めていた膨大な魔力が収束してくのをライザーは見逃さなかった。
「な、なんだその魔力は!?」
「おれの全魔力を使い発動できる地獄魔法……一回の戦闘で一回しか使えないが……貴様程度にそれで充分!!!喰らえ第一地獄、紅蓮地獄!!!」
そうルフトが唱えると同時に地面から赤い草が生える。しかしただの草ではなかった。
「ぐおおお!?刺さる!?」
「そいつは紅蓮地獄に生える踏めば針の様に突き刺さる草、針々草。そしてこれが!」
今度は突然木が生える。こんどもただの木ではなかった。
「き、切れるだと!?」
「刃物の様に切れ味鋭い葉を持つ木、剣樹。」
「お、おのれ……ごはぁ!?」
突然ライザーが血を吐き、膝をつく。そのときに針々草が膝に刺さるが、ライザーには気にしている余裕はなかった。
「き、貴様……俺の体になにをした!?」
「針々草と剣樹には毒が塗りこんである。その毒は貴様の体の自由を奪う。」
「そ、そんなことが……!?」
「本来なら毒蜘蛛にかませるが、生憎毒蜘蛛は再現できなくてな……だがこれで十分……!」
そう言ってライザーに近づくルフト。反撃しようとするもライザーは十分に体をうごかせない。
「そして獄卒代わりにおれが攻撃してやるよ……五指銃‘斑’!」
《どどどどどどどどどどどどす!》
「ぐはぁあああああああ!?!?!?」
一瞬で蜂の巣ごとく風穴だらけにされてしまう。
「ん……?もう効果切れか。」
その言葉どおり、剣樹と針々草が消えていく。それらが消えたため、ライザーを支えるものがなくなった。
「所詮その程度だったな雉もどき。」
そう言いながらもう用はないとばかりに背を翻して立ち去ろうとするルフト。
「ま、待て……!」
「!!!」
ルフトが慌てて振り返った先には、傷は再生したものの殆ど息絶えのライザーが立ち上がるところだった。
「驚いたな……ソレを受けてまだ立ち上がるか……雉もどき。」
ルフトの見立てでは心がへし折られリタイアすると思っていたようである。それが立ち上がったのだから驚きである。
「はぁ……はぁ……お、俺は!誇り高きフェニックス家の三男坊!ライザー・フェニックスだ!フェニックス家の看板がかかっている!……だから……だから絶対に負けられん!」
そして再び炎を手に灯すライザー。その炎はさっきまでの炎より大きかった。それを見たルフトはただただ感服した。
「無礼を詫びようライザー・フェニックス。貴様は誇り高き男だ。その誇りに免じて見せてやろう……おれの悪魔の実の能力を。」
そう言い終えると、ルフトの体がどんどん大きくな り、姿も変わっていく。その姿はまるで、
「青い……ドラゴン!?」
そう、巨大な青いドラゴンだった。
「お前は……ブネ家の血を引いていたのか!?」
「違うな……。これは悪魔の実……ヘビヘビの実、モデル
「悪魔の実だと……!?何だそれは!?……いや……今はどうでもいいい……貴様の名を教えてくれ……。」
「ルフト、竜成ルフトだ。」
「行くぞ竜成ルフト!これが俺の最高の炎だ!」
そうライザーが宣言すると炎の温度が更にましたのか、色が白く変色する。
「ほう……さっきまでとは段違いの熱量だ……ならば今のおれの最高の技をみせてやろう!」
そう言うと口に水を溜め込む。そこからもれでるある気配をライザーは見逃さなかった。
「その水……!まさか聖水か!?」
「ああそうだ。今の俺は聖水を吐ける。」
「ば、バカな……いくらドラゴンと言えども、聖水を吐くなんて……。」
「苦労したぜ?聖水を吐けるようになるまで、聖水を飲みまくったからな。」
「な……に!?」
「悪魔にとって、光や聖なるものは毒だ。だが毒なら体に慣らせない道理はない。」
「く、……狂っているな貴様は。」
「いや、戦う上でどうしても光への耐性は必要だった。それよりも終わらせよう。」
そう言って四つんばいになり発射体制に入るルフト、それを見てライザーも腕を大きく後ろにそらし発射体制になる。
「喰らえ……今のおれが放てる最高の一撃……ハイセイント・ウォーターカノン!」
「でぇありゃああああああああ!!!!!!」
ルフトの吐いた水とライザーの放った炎はぶつかり合い、一瞬拮抗するが……。
「くそう……。」
すぐにライザーの炎を貫きライザーを消し飛ばす。
「……今度会うときはもっと強くなるんだなライザー・フェニックス。」
『
今ここにレーティングゲームは終了した。本人達の予想どおりであり周囲の評価を覆す結果で。
~Nosideout~
オリジナル技
地獄魔法 第一地獄、紅蓮地獄
インペルダウンの紅蓮地獄を再現する魔法。ルフトの魔力をほとんどを使ってようやく発動できる魔法。それでもまだ完璧に再現してないので実は未完成。それでも相当なやばさを持っている。
五指銃‘斑’
五指銃で斑を放つ。通常の五倍。