ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~ 作:NCドラゴン
〜イッセーSide〜
「ヴァーリィィィィィ!!!!!」
眼の前で噛まれたヴァーリを助け出すために俺は思いっきり子フェンリルを殴りつける。たまらず子フェンリルはヴァーリを落とす。見るとヴァーリの体はえぐれていた……これはまずい!俺は慌ててフェニックスの涙を傷口に塗る。すると傷がどんどん治っていく……すごい効果だなこれ。
「次は赤龍帝だな!」
「くっ……え?」
俺が身構えようとするとヴァーリにせいされた
「兵藤一誠……ロキと、その他はキミたちと美猴たちに任せる」
「……お前はどうするつもりだ?」
俺がヴァーリの真意を聞くとヴァーリは
「あの二匹の子フェンリルは、俺が確実に殺そう」
ぞっとするほど冷たい声で返した。それを耳にしたロキが笑う。
「ふははははははっ!どうやってだ!すでに瀕死ではないか!強がりは白龍皇の名を貶めてしまうのではないか?」
ヴァーリはロキに言う。
「天龍を、このヴァーリ・ルシファーを舐めるな」
神々しいオーラがヴァーリから発せられ、鎧の宝玉が七色に輝き出した。
『我、目覚めるは……』
〈消し飛ぶよっ!〉〈消し飛ぶねっ!〉
『覇の理に全てを奪われし、二天龍なり』
〈夢が終わるっ!〉〈幻が始まるッ!〉
『無限を妬み、夢幻を想う』
〈全部だっ!〉〈そう、すべてを捧げろっ!〉
『我、白き龍の覇道を極め』
「「「「「「「汝を無垢の極限へと誘おうッ!」」」」」」」
『Juggernaut Drive!!!!!!』
採石場跡地全域をまぶしく照らすほどの大出力の光。これが話に聞いていた覇龍……!
「覇龍の発動……!作戦開始です!」
すると突然ヴァーリたちと子フェンリルたちが消える。転移か!?つーか作戦開始って……やっぱり何かたくらんでいたのか!?
「ふむ……スコルとハティが連れていかれた……まあいい。あ奴らがいたら十分だ」
「そうだな、フェンリルたちがいないなら十分だ」
「み?」
すると少し離れたところにエースが茫然と立っていた。一体何を……。
「お前ら!準備できたぞ!今すぐそいつらから離れろ!」
その言葉を合図にみんなが一斉に離れる。相手が居なくなったチビミドガルズオルムは一斉にエースに遅いかかる!危ない!
「覇王火葬陣!!!!!」
するとチビミドガルズオルムが一瞬で焼き尽くされる。……へ?あまりのことにみんなが茫然とした。
「き……貴様一体何をした!?覇気で強化された奴らが一瞬で焼き尽くされるなどありえん……!」
「覇王火葬陣……覇王色の覇気とメラメラの実の能力を組みわせた技さ。これなら今までの覇王色対策じゃ意味がねえ」
「すげえ……」
確かにあいつらの覇王色対策は気絶した瞬間覚醒するようになっていたから覇王色の覇気が効かないってわけじゃないんだ……。
「さて、これで後はお前ひとりだ」
そして部長たちが集まってロキを包囲した……いける!
「流石にこれはまずいな……ならば!」
するとロキを囲むように魔法陣が展開される。なんだ……?
「!転移の魔法陣です!ロキは逃げるつもりです!」
「何!?」
ここまで来てこいつ……!
「フハハハハ!我は捕まるわけにはいかぬ!まだフェンリルは残っている!いづれ貴様らを……!」
するといきなりロキを黒い炎が覆い縛る。なんだこれ!?
「ッ!この漆黒のオーラは!?
すると当たりとも言うように黒いでかいドラゴンがでてくる。
「ヴリトラ?匙か!?」
『兵藤一誠くん。聞こえますか?私はグリゴリの副総督シェムハザです』
疑問に思っていると通信機からシェムハザさんから声が流れてきた。
「あ、どうも。あのでっかい黒いドラゴンを送ってくれたのはシェムハザさんですか?」
『ええ。アザゼルに匙くんのトレーニングが終わったら、こちらに転送するよう言われましたから』
「あれ、やっぱり匙ですか!?いったい何をしたらあんな姿に!?」
『彼にヴリトラの
くっつけましたってあーたそんな無茶させて……。
『ヴリトラは退治されて神器に封じ込まれる時、何重にもその魂を分けられてしまった。そのため、ヴリトラの神器所有者は多いのです。だが、種別で分けると
「……ええ、何とかやってみます。いざとなったら、力ずくで匙を止めます」
ちょっと話が長くて何を言ってるか最初のほうは忘れたけど、とりあえずドライグを通して匙に話せばいいんだな!
『匙……聞こえるか匙?』
神器を通してテレパシーっぽく語りかける。
『……うぅ。ひょ、兵藤か……?俺、今どうなっている……?なんだか、とてつもなく熱くて体が燃え尽きてしまいそうなんだ……』
通じた!だけどすこしやばいな……。
『意識をしっかり保てよ!せっかく格好良く登場したんだから、最後まで仕事をしてからぶっ倒れてくれ!』
『……どうすればいい?』
『何か見えるか?』
『……黒い炎の中に、得体の知れない魔術か何かを感じる。それで黒い炎を消し去ろうとしている……』
一応は感じ取れてるみたいだな!
『そいつは敵の親玉だ!消し去られるな!強く念じて、そいつを繋ぎ止めてくれ!』
『わ、分かった……』
そのままロキを締め上げる力が強くなる。よしこれなら……!
「この悪神を舐めるな!」
するとロキは炎を引きちぎり、あっという間に飛んでいった。まだあんな力が!
「しまった!」
「油断したな!死ね!」
ロキは巨大な魔法陣を作り、一気に打ち出そうとする。まずい!ってあれ?覇気を感じない……?なんでだ?
「な……何故覇気が……?まだ時間はあるはずだ!?」
ロキも想定外なのか、非常にうろたえていた。
「使えないのなら、脅威は薄いわね。みんな一斉射撃よ!」
「「「「「はい!」」」」」
そして一斉に各々の遠距離攻撃を打ち出す。ロキも慌てて打ち出すものの、勢いを止められない。
「ぬ……おのれえええええええええ!!!!!」
しかしギリギリで交わされてしまった。やばい!これじゃあ逃げられる!
「逃がさん!」
しかしバラキエルさんだけはよけられたときのことを想定していたのか、ロキに近づいていた。
「覇気が使えなくても貴様一人、倒すのはわけはない!」
そう言ってバラキエルさんに向かって北欧魔術を打ち出すものの……
「俺を舐めるな!!!」
バラキエルさんは黒く染まった光の剣で切り落とす。
「な……!?何故貴様がそれを!?」
「イッセーくんにギフトで覇気を私の体に貯めこんでもらったのさ!」
そう。俺はあの会議の後、バラキエルさんにそれを頼まれたのだ。覇気をギフトで体に貯めこんでほしいと。これなら覇気の使えない人でもある程度は使えるし、使い続ければ覚醒もしやすい。先生もこれで覇気を覚醒させたんだ!そしてバラキエルさんの一撃はロキを叩き落とした。よし!
「くらえええええええ!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
俺は一気にブーストしてミョルニルをロキにたたきつける!もらった!
「何度でも言おう!この悪神をなめるな!」
しかしロキは叩きつけようとした俺の腕を狙い、ミョルニルを弾き飛ばす。まじかよ……!?
「これで終わりだ!」
そのままロキは俺を攻撃しようとする。
「くっそ……さっき決めれていれば……」
「まだおれがいるぜ!」
「!?」
「エースに出番を譲らかったのにな!」
弾き飛ばされたミョルニルをエースが掴んでいた。しかも本来の力の雷に加え、炎もまとっていた。
「いっけぇええええええええええええエーーーーーーーース!!!!!」
そして俺はパワーアップした力をそのまま譲渡する。すると炎と雷はさらに大きくなった。
「や、やめろおおおおおおおおおおおお!!!!!」
《ボボボドガガボボボガガガボボボガガガボボボガガガボボボガガガボボボガガガボボボガガガボボボガンッ!》
……正直言って想像以上の破壊力だった。空中でロキに叩きつけたはずなのに、地面にでかいクレーターができた。風圧でこれかよ……そのままロキもクレーターに落ちた……。
「はあ……やっと終わったな」
しかしなんでロキは急に覇気が使えなくなったんだろうな?
〜イッセーSideout〜
〜NoSide〜
「Drインディゴさま。ご所望のデータです」
「おお、ご苦労。ちゃんと覇気貯蓄装置とフェンリルのデータが揃ってるな」
「はい。これであれらの完成に必要なデータが揃いました」
「ピーロピロピロピロ……笑いが止まらないな!」
〜NoSideout〜
オリジナル技
覇王火葬陣「はおうかそうじん」:YKさん考案の技。覇王色の覇気とメラメラの能力を融合した技。威圧した相手を気絶ではなく自然発火させて燃やし尽くす。(元ネタは「烈火の炎」の火竜刹那の炎「瞬炎」)元ネタと違い視線を合わせなくても発動できる。但し通常の覇王色同様、同格以上の相手には効果はない。