ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~   作:NCドラゴン

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やっと書けました……仕事の関係で手と指が痛いです。


第90話 悪神来る

〜ルフトSide〜

 

オーディンたちが来てから数日、おれたちは護衛としてオーディンと行動をともにした。ただオーディンの行きたいところがキャバクラや風俗がメインでおれたちは基本的に外で待っていた。人の目がとても痛かった。あのじじいは本当に神なのか?それとも神だからああなのか?……考えても分からん。ちなみにおれは今空を飛んでいる。普段は月歩や剃刀で飛ぶが、自分の翼で飛ぶのもいいものだな。後オーディンや大多数のオカルト研究部員は馬車のなかにいる。相当広いな。

 

「いやぁ〜日本のヤマトナデシコはいいのぅ。ゲイシャガール最高じゃ」

 

中からオーディンの笑い声が聞こえてくる。本当に大丈夫かあの神?

 

「オーディン様もいい加減にしてください。私たちが日本に来たのは日本の神様たちとの会談ですよ!そろそろ旅行気分も終わりにしてください!」

 

ロスヴァイセがオーディンをたしなめるものの。

 

「まったく、お主は遊び心のわからないやつじゃのぅ。これだから彼氏が出来ないんじゃ」

 

「か、彼氏は関係ないじゃあないですかぁぁぁっ!す、好きで一人でいるんじゃないですからね!ていうか今すぐにでも……」

 

……北欧神話が心配だ。そう思いながら飛んでいると、突然でかい気配がした!みんなも感じたのか馬車から一斉にでる。馬車の馬であるスレイプニルも気づいたようですぐに止まり鳴く。

 

「何事だ?まさか禍の団(カオス・ブリゲート)か!?」

 

「わからん!でもこういう場合は良くないことが起こるもんだ!」

 

全くもってその通りだ。前方を見つめると若い男が浮いていた。だが見た目に合わない重厚なオーラを放っている。こいつ……神か。その姿をロスヴァイセやオーディン、アザゼルは知っているようで表情を変えている。ということは北欧の神か?

 

「初めまして、諸君!我こそは北欧の悪神!ロキだ!」

 

やはり北欧の神か。アザゼルがおれら代表してロキと対峙する。

 

「これはロキ殿。このようなところで奇遇ですな。この馬車にはオーディン殿が乗られているの。それを承知の上で行動だろうか?」

 

似合わない口調でアザゼルがロキに問いだす。その言葉にロキは腕を組みながら答えた。

 

「いやなに、我らが主神殿が我ら神話体系を抜け出て、我ら以外の神話体系に接触しているのが耐えがたい苦痛でね。我慢できずに邪魔をしに来たんだよ」

 

……面倒だな。

 

「堂々と言ってくれるじゃなぇか。ロキ」

 

「ふははは、堕天使の総督殿。本来、貴殿や悪魔たちにと会いたくなかったのだが、致し方ない……いっしょに静粛してくれよう」

 

その言葉におれたちは一斉に臨戦態勢に入る。確かにそこらの雑魚とは比べ物にはならない。リアスクラスはある。おれはすぐさまに獣人型になる。その変身を見たロキが一瞬驚いた顔をするがすぐに表情をもとに戻す。

 

「お前が他の神話体系に接触するのはいいのか?矛盾しているな」

 

「他の神話体系を滅ぼせばいいのだ。和平などもってのほかだ。」

 

「……神はどいつもこいつもろくでなしなのか?」

 

おれのその言葉にロキは不服そうな顔をする。

 

「心外だな。エロ平和ボケの主神と一緒にされるとは……」

 

「エロは否定できないが、それでもてめえよりもましそうだな」

 

「なんだと?」

 

「あのー、さりげなく儂を下ろすのやめてくれない?」

 

エロじじいの言葉を無視してにらみ合うおれたち。そんな中アザゼルが問いかける。

 

「一つ聞くが禍の団とは関係ないんだな?」

 

すると顔をゆがめるロキ。

 

「あんな愚者どもと一緒されると不愉快極まりないな。己の意思でここにきている。もっとも、貴様らが目障りだそうだ。我にこんなものを渡してきたわ」

 

するとロキの腕が黒く染まる……!あれは覇気!?

 

「なんでもこれを使えない者でも使えるようにする代物らしい。あいつらからの提供とは気に入らないが、これは格別だな」

 

皆が一斉に気を引き締める。当たり前だ。覇気を使うということはレベルが段違いに上がっているということだからだ。こいつの自信はこれか……!

 

「ここでもやつらはかかわってくるか……かなり厄介だな。爺さん。これが北が抱えている問題か?」

 

すると何時の間にかロスヴァイセとオーディンが出て足元に魔法陣を展開して魔法陣の上に立った。ゼフィは月歩ではねていた。

 

「いまだに頭が固いやつが居るようでの。こういう風に自ら出てくる馬鹿もいるのじゃ」

 

するとロスヴァイセが、

 

「ロキさま!これは越権行為です!主神に牙をむくなどと!許されることではありません!不満があるのならば公正の場で異を唱えるべきです!」

 

スーツ姿から鎧姿になりロキに言うが、

 

「一介の戦乙女ごときが口をはさむな!」

 

ロキに迫力に押されて口を閉じる。

 

「我はオーディンに訊いているのだ。オーディンよ。まだこのような行為を行うのか?」

 

そのままオーディンに問うとオーディンが平然と答えた。

 

「そうじゃよ。少なくともお主と話すよりもサーゼクスとアザゼルと話した方がたのしいからの。和議を果たしたらお互いに大使を送り、異文化交流をしようと思ったわけじゃ」

 

異文化交流……普通ならいい言葉だが、このエロ爺がいうと信用できねえ……その言葉を聞いたロキが苦笑した。

 

「……認識した。何と愚かな。……ここで黄昏を行おうではないか」

 

ロキがそういうとおれたちに殺気を当ててくる。確かにやばいな……だが決して敵わないような相手でもない。

 

「それは抗戦の宣言としていいんだよな?」

 

アザゼルが確認するように訊くと、

 

「いかようにも」

 

《ドカァァァァァァァァン!》

 

ロキが答えた瞬間に波動がロキを襲った。これは……後ろを見るとゼノヴィアがデュランダルを振るっていた。

 

「先手必勝だ!」

 

「いや!それはロケットダッシュなんかじゃなくてフライングだから!」

 

イッセーがほざいているが甘い。戦場に合図なんかねえよ。

 

「聖剣か。いい威力だが、神を相手にするには足りないぞ」

 

すると煙の中から無傷で出てきた。まあ予想道理といえば予想道理だったな。

 

「だったらこれはどうだ!?ゴム・スマッシャー!」

 

「ぬ!?」

 

《ドゴォオオオオン!》

 

龍の手(トゥワイス・クリティカル)を装備したゼフィが至近距離から一撃をぶちこむ。これは終わったか?

 

「……今のは素晴らしい威力だ。これがなければやばかったな」

 

「おいおい、その程度なのはさすがにショックだぜおれ……」

 

しかし出てきたロキは所々にダメージがあるものの、致命傷には程遠かった。これは見下していたことは否めないな……。

 

「待たせたなお前ら!」

 

すると時間が溜まったのか禁手状態のイッセーがでてきた。これはありがたいな。

 

「そうか。ここには赤龍帝がいたのだな。いい具合に力をつけているではないか?だが……」

 

そういうとロキは覇気を纏わせた輝きを手にためる。

 

「神を相手にするのはまだ早い」

 

放たれるロキの波動にイッセーはブーストする。

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』

 

「くらえ!アーマメント・ドラゴンショット!!!」

 

すると二つの攻撃はぶつかりあい相殺される。

 

「……特別手を抜いていたつもりはないのだがな。面白い。取り合えず、笑っておこう。ふはははっ!」

 

ふはははっって……ずいぶん単調な笑い方だな。すると馬車に残っていたリアスたちが出てくる。

 

「紅い髪。グレモリー家……だったか?現魔王の血筋だったな。堕天使が二人、天使が一匹、我に傷を負わせるほどの人間が一人、悪魔がかなりたくさん、龍人に変身するもの、赤龍帝も付属。オーディン。ただの護衛としては厳重だな」

 

「お主のような馬鹿者が来たんじゃ。結果的には正解だったのぅ」

 

ジジイの一言にロキは頷き笑みを作り、

 

「よろしい、ならば呼ぼう」

 

そういいマントを広げて高らかに叫んだ。

 

「出てこいッ!愛しい我が息子よッ!」

 

ロキが叫ぶと空間が歪みそこから十メートルくらいの大きな灰色の狼が出てきた。リアスたちは狼に睨まれた瞬間に恐怖したのか体が震えていた。無理もない。こいつ……ロキ以上にやばい!全員が一気に距離をとる。

 

「おいおい……やばいやつが来やがったな……」

 

「先生!あれはなんですか!?」

 

イッセーが分からないのかアザゼルに聞く。もっともおれは大体の見当がついているが。

 

「あれは神喰狼(フェンリル)だ!」

 

!やはりそうか!

 

「あれがフェンリル……!」

 

「かなりまずいです!」

 

「イッセー、ルフト。そいつの最悪最大の魔物の一匹だ!神を殺せる牙をこいつは持っている!イッセーの鎧でも持たないぞ!ルフトの龍鱗でも怪しいぞ!」

 

アザゼルがそういうとイッセーがフェンリルのやばさが分かったのか、気をさらに引き締める。しかしおれの龍鱗でも怪しいか……それは低く見積もってるんじゃねーかアザゼル?

 

「そうそう。気をつけたまえ。こいつは我が開発した魔物でもトップクラスの最悪な部類だ。なんせこいつの牙で神を殺せるからな。試したことはないが、他の神話体系でも有効だろう。上級悪魔や伝説のドラゴンでも致命傷を与えられる」

 

そういいロキはリアスに指を指す。こいつ!

 

「本来、北欧の者以外に我がフェンリルの牙を使いたくないんだが、この子に北欧以外の血を味わういい機会だ。魔王の血筋。その血を味わうのもフェンリルの糧になろう。……やれ」

 

フェンリルが想像以上のスピードでリアスに噛みつきにかかる。そのスピードには覇気をもってしても殆どのものが反応できなかった。だがその前におれはリアスの前にたち、武装闘気を使い、牙を受け止める。

 

「リアスに手を出してるんじゃねえよ!」

 

「……ルフト!」

 

「これは驚いたな、フェンリルに反応するスピードと牙に対抗するだけの防御力を持っているとは……だが、」

 

《ドス!》

 

「……が!?」

 

するといきなり牙がおれの腕を貫いて腹に刺さる。なぜ……!?牙を見るとそれは黒く染まっていた。こいつもか!

 

「それは我しか使えないと言った覚えはない」

 

くそ……ダメージが想像以上にでかいのかおれの意識は闇に沈んでいった……。

 

〜ルフトSideout〜




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