運が悪すぎて資材が一万切った頃に北神様がオーバーキルしてくれた。一生付いていきます。
現在は資材回復中。
水源を探して早二時間。
日も暮れかけているし、できる事ならば今日中に見つけたい。人間は三日水を飲ま無いと死ぬらしい、艦娘はどうなのだろうか?
もっとも、自分の身で確かめるつもりはさらさら無いが。そもそもがこれは『俺』の身体では無く、『夕張』の身体なのだ、いつか返す日がくるのかもしれないし、なるべく傷つけたくも無い。
それよか水をとっとと見つけて『湧別』に戻りたい。疲れたし身体痛いし、幸いなのはここまでで幾つか果実を見つける事ができたことだろうか?バナナ(のようなもの)だったのでここは東南アジア諸国のどこかで確定だろう。
まあ、日本周辺の国々じゃなくて南米の辺りだったりとかしたらお手上げだが。
早く休みたいものだ。
ーーといって見つかれば苦労はしないんですがね!
案の定見つからず、日が暮れてしまった。夜の探索は危険だ、なんらかの野生動物に遭遇する可能性もある。
ピクミンだって夜には巣(?)に帰るのだから、私だって帰ろう。
『湧別』に戻り、ソファをかろうじて使えるかな?という程度にまでしてから勢いよくソファに飛び込む。
結果、ソファはボキャっと情け無い音を立てながら壊れた。
えー。まるで私が重いみたいじゃん。確かに艤装は重いけれどもさ、この展開を誰が予想できただろうか、いや予想できるはずが無い(反語)。
ま、まあ風が入ってこ無い分十分でしょ!……窓とか扉とか空いてるけど。窓は蔦が風除けになってるからいいんだけどね……。
取り敢えずバナナ食って寝た。
たいそうおいしゅうございました。
あれは、戦いが始まってすぐの頃。
敵の要する拠点がある島を攻撃しようと、戦力を削ぐため最初に爆撃。私達はすっかり敵が戦力を喪失したものだと思い、油断しきって敵の懐までとびこんでしまった。
あの戦いの中で最初に犠牲になったのは、私の指揮下の子。
私が煙幕を使って退避したあとに、島からの砲弾によって最初の犠牲となった。
眼帯の仲間からの通信に対応する暇も無かった。
撤退すらもうまくいかず、敵方の爆撃機によって、月の名を持つ彼女達は、二番目の姉を、もしくは妹を失う事になってしまった。
結果は惨敗。なんの成果も上げることはできず、私は仲間を二人も沈めておきながらおめおめと逃げ帰ることしか、できなかった。
姉妹のいない私には、彼女達の悲しみの全てを、理解することはできない。
「……ぁー」
なんか悪い夢でも見た様な嫌な目覚めだったが、喉の痛みが少し引いていた。バナナが良かったのか、それとも何かを口にしたことがよかったのか。まあ、治るにこしたことはない。
今日の予定は、またもや水源兼島の探索、及び艤装についての調査だ。
艤装は後回しでも構わ無いだろう、今すぐ何かが来るとは限ら無いわけだし。
やはり優先すべきは水源だろう。仮に水分を取る必要がなかったとしても水浴びはしたい。潮風と流されていた影響かベタベタして非常に気持ち悪い、あと暑い。
あとこの島の地理も正確に把握しておきたい。昨日の探索では、感覚的に二〜三割程度しか探索を終えてい無い感じだ。
まだまだ果実などはありそうなので食料に関する問題は半分程度解決したと考えてもいいだろう。
太陽の角度からしてまだ九時か十時といったところだろうか。時間はたっぷりあ……まあ、水が無ければダメなんだけどさ。のんびり探していきましょうかね。
正直方角が全く分からないので、『湧別』の右とか左で区別しているのだ、私が流れ着いていたのは湧別の左側、ちなみに昨日の周辺探索も左側だった。
というわけで今日は湧別の正面から右にかけてを探索しようと思う。できることなら早めに水を見つけて、何とか武装の確保に移りたい。
何が起きるかわからないし、あれだけの数の残骸や壊れた武装があったのだ、近くに激戦区ある、もしくはあったことは明白。
だったら、深海棲艦でも艦娘でも周囲にいる可能性は大いにある。だが、深海棲艦は勿論のこと、艦娘が味方だという保証も無い。
つまりは自分以外は全て敵だと考えて行動すべきだということ、自分に危害が及ぶリスクの多い方法をとるべきでは無い。
もっとも、水源を探す方法なんて知ってるわけ無いし、闇雲に歩き回るだけなのだけれど。少なくとも、小川の様な物は、外周を回った時にはなかった。
泉、もしくは池などを探さなければなるまい。『湧別』は結構左寄りだから、未探索領域は島の面積的にも結構広い。これは期待してもいいかもしれ無い。
「……ょぅ!」
いってみよぅ!ってこれは龍驤の台詞だったか。
探し始めた早数時間。数本の果樹は見つかったものの水源はみつからず。既に日も真上に登ってきていた。
「ぅー……」
暑い。凄くとんでもなく以上にアルティメット凄まじく異常なほどにありえ無いくらい馬鹿みたいに信じられ無いほど暑い。
南国なめてたわ。
昨日は起きた時には既に日も傾いていたし、波に足をつけたりしていたからまだマシだったが、今日はずっと森の中を歩きっぱなしだ。
昨日から一切水をとって無いこの状態は、間違い無く脱水症状からの熱中症になっててもおかしく無い。
おかげで艦娘が普通の人間よりだいぶ頑丈だということはわかった。正直こんなことで判明して欲しくはなかったが。
まあ、自分の生物(?)としてのスペックが高いことがわかったんだ、悪いことでは無いか。
それにしても、もうそろそろ正面から右側にかけての領域は調査が終わるんだが……一向に水源が見つから無い。
何だ?水源の見つから無い呪いでもかかってるのか?雪風なら運命的な何かでものの数分で見つけているだろうに……。
こんな時に自分(夕張)の平均的な運が少し恨めしくなる。初期値十二で改造しても十七だしな……。まあ、運が悪いよりはマシだけど。
早く水を飲みたい……。
さらに数時間後、昼飯(マンゴーっぽい何か、少し苦味がある)を食いつつ探していたら割とあっさり湖が見つかった。だいたい二十メートル×七〜八メートルくらいの楕円形だろうかーーこれでは湖というよりは池だな。
ま、そんなことはどうでもいい。もうベタベタするのにはうんざりなんだ、水浴びをしたい。
ーーと言うわけでとびこんでみよう、とうっ!
「…………」
ちなみに、飛び込んだところの水深は運悪く三十センチしかなく、凄く虚しい気持ちになった。テンション下がる……。
次はゆーちゃんかRoma出たら投稿するかも