メロンちゃんと!!   作:明日

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筆が乗る、とはこういうことをいうのかもしれ無い。
お気に入り感謝です。

一部修正


生存環境確保作戦!

 

何の考えも無く森林地帯に踏み込んだわけだが、どうしたものか。

あても無くさまようわけにもいかないし、何か目印にでもなるものがあればいいんだが……。

 

いや、そんな都合のいいことは起きないだろう。それにこの島の大きさだ、まっすぐ進めば否が応でも海に出る。

 

いつ助けがくるのかわからないし、そもそも来るのかすらわからない。

だが敵はいつ来てもおかしくない。

 

まあ、だからと言って何があるわけでも無い。現状は変わら無いのだ。もっとも未来に希望は持てるかもしれ無いが。

 

とりあえず、最優先目標は生存可能環境の確保だ。水と食料、艤装に必要だと考えると燃料と弾薬が必要で、しばらくここに隠れ潜むのだとすれば雨風を凌げるだけの拠点が必要だ。

 

流石に拠点は欲張りだが、弾薬と水源は確保したい。

食料は魚を獲れば何とかなるだろうし、こうして歩いているぶんには燃料を消費するとは考えにくい。

 

普通に考えて燃料は艤装を動かすのに使うのではないだろうか。

 

砂浜にいるときに試してみた……と言うか気付いたのだが、艦娘は艤装を使って浮いているのだと思う。

 

海面を使って姿を確認した時、私の身体は普通に波を被った。そこから数歩進んで見ても、欠片も浮かぶ様子を見せなかった。艤装を装備してはやっていない、そもそも起きてから一度も艤装を装備すらしていないのだが。

 

よって艦娘は艤装が無ければ水上に浮かぶことはできないのだろうと推察したのだ。そこから考えるとおのずと燃料の使い道は限られてくる。

もっとも、燃料を飲むとかの訳わからん使い道で無ければだが。

 

つまり、弾薬さえあれば戦闘は可能な訳だ。ゲームで燃料がなくなると出撃できなくなるのは水上に限っての話だと思われる。

 

よって、現状生存には水源と弾薬が必要なのだ。だが、弾薬は後回し、まずは水源だ。

 

喉が痛い(多分海水とかのせい)ので水を飲みたい。声すら出ない現状はなかなか辛いものがある。

 

草を掻き分け、枝を払い、蔦を引きちぎる。正直負傷中の身には大変な道のりだ。

 

だが、進まねば未来は無いのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だいたい、島の中央まで来たところで、突然茂っていた植物が途切れ、開けた場所に出た。

今迄は私の身長の倍や二倍、それ以上の木々が立ち並んでいたが、今は膝までの高さの草しか生えていない。その草の奥に、コンクリート製と思わしき建物が建っていた。

 

ヒビの入った外壁は大部分が蔦に覆われ、窓ガラスは割れる、でなく砕けている。ドアなどそもそもなかったかのように朽ちてしまっている。

 

大きさはだいたい小型のプレハブ家屋程度だ、水源や弾薬の前に拠点に使えそうなものがあるとは、これは幸先がいいかもいしれない。

 

そう思って建物に向かって数歩踏み出した矢先、足のつま先を何かに強打して盛大に転んだ。

 

「ーーッ!!ーーッ!!」

 

痛ったぁー!!痛いって!

つま先から背中を通り、脳髄まで電撃に貫かれるような痛みが迸った。出ない声を絞り出し、草の上で足を抱えて転げ回る。

 

数分もの間転げ回っていただろうか。ようやく痛みが治まってきた頃(当然痛みは続いているが)、こけた原因の何かに制裁を下してやろうと草をかき分けたところ、地面に円柱状の物体が埋まっていた。

 

……ドラム缶……?

 

では無く、コンクリート製の筒ーーつまりは井戸だった。井戸……つまりは水だ!

 

思わず飛びついて、中を覗き込む。飛び降りる訳にはいかないので、何か汲むものを持ってこ無くては……。

 

「…………!!」

 

……ってコレ空井戸じゃ無いですか!!ぬか喜びさせ無いで欲しかったな……。

 

でも、これがあったということは、水があったということを示している。まあ、塩水しか出無いところに掘る訳も無いだろうし、付近に水源があるのは間違いない。

 

……枯れて無ければいいが。

 

とりあえずは、水源の前にこの謎の建物が何を目的としたものなのか、を確かめないとなら無いだろう。

 

既にドアの無い入り口から、中を覗き込む。内装は、窓から大量の蔦が侵入しており、ソファのような何か(中破)と椅子だったらしき何か(大破)、机っぽい何か(大破)があった。

 

ソファのような何かは蔦を払う必要がありそうだけども、かろうじて使えそうだ。ひとまず、寝床を確保といったところか、目的が意図し無いところから埋まっていくが。

 

それにしても、この家(ボロ屋)はこんな海のど真ん中に、何を目的として作られたのだろうか?少なくとも現在は使われてい無いのは確かだが。

 

まあ、この場所がなんに使われていたのかなど、私には関係の無い。私にとって問題なのは、使えるか否か、それだけだ。

 

何か使えるものがないか家を漁っていたらボールペン(乾いて書けない)や何かの書類(日に焼けてしまって読めない)が出てきたが、なんの足しにもなら無い。せめて保存食でもあればよかったんだが……。

 

まあ、嘆いていても仕方ない。艤装をひとまずこの家に運んで水源探索に移るとしよう。でもあれ、結構重いんだよなぁ……。しかも大半の武装が無いからフルバージョンだったらもっと重くなるのかぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

疲れた体に鞭打ってえっさほいさと艤装を運び、小型のプレハブ家屋の前にに置く。……小型のプレハブ家屋って言いにくい。

 

よし、これからここを『湧別』と名付けよう。さながら『湧別基地』と言ったところか?

 

……一切の設備が無いけどな。

 

さーて、休憩もしたし、水源探しに戻りますか!


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