とある魔眼の創造能力(クリエイティブアビリティー) 作:大神
第一話
SIDE恭麻
目が覚めたらそこは、知らない天井でした。しかも真っ白な。
そして目の前に金髪で髭の生えたじいさんが土下座していた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
うん、この人は無視しよう。さて、出口は何処かな?
「ここからは出れんのじゃ」
へ~。出れないんだ~。って!
「心読まないで下さい!?それにアンタ誰ですか!?」
「ワシか?ワシは神じゃ!それも最高神のゼウスじゃ」
神ねぇ。へ~、神か。よし。
「ピッポッパと・・・・・・あ~もしもし警察d」
「何やってんのお主!?っていうかここ電波繋がるの!?」
ん?ということはここは電波が繋がらないような所なのか?
「おい、神(?)ゼウス。ここは何処だ?元の場所に戻しやがれ」
「(?)は不要じゃ。それに無理じゃ、なんせお主はもう死んでいるからの」
は・・・・・・?死んでる?
「おま・・・・・・何言ってんの?自分が・・・・・・死んだ?ふざけてんのか!?早く元に戻せよ!」
「じゃから、無理だと申しとるだろうに!お主はもう死んでおるのじゃ。暴走車に轢かれての」
その言葉に自分は思い出した。スーパーに買い物に言った帰りに車に轢かれ、そのまま目覚めたら此処にいた。
ならばこのゼウスと名乗るじいさんの言っていることが本当の事だ。ということになる。
「自分は・・・・・・本当に死んだのか?」
「ああ、本当じゃ。何なら見てみるかの?」
ゼウスはそう言い、自分の前に空中投影した映像を出した。
そこに写されていたのは、真っ赤な水溜りの中に倒れている俺。その周りで警官達が忙しそうに、慌しく動いていた。
「これが、自分?」
「ああ、おぬしじゃ。全く凄い惨劇じゃのう」
ゼウスの言うとうり、本当に凄い惨劇だ。
「にしても凄い血の量だな。本当にあんな大量の血が自分の中に流れていたのか・・・・・・」
「ん?あれはお主の血ではないぞい?」
「は?だって俺の周りに広がってる赤い液体だぜ?血じゃないなら何なんだよ」
「あれはのう、トマトケチャップと、トマトと、キムチの素、野菜ジュース、トマト鍋の素、赤ワインその他もろもろ赤いものじゃ。おぬし、この後トマト鍋を作ろうとしとったじゃろ?」
「トマト多いな!?ドンだけトマト好きなんだ自分!?いや、確かに嫌いではないけども!」
「お主の死因は頭を強く打ったことによる脳震盪じゃ。まあ、ワシの所為でもあるのじゃがの」
「は?もう一度言って」
「じゃからお主の死因は頭を強く打ったことによる――」
「いや、その後。誰の所為だって言った?聞き違いなはずなんだが」
「ワシ」
「よし、ひとまず落ち着いた所でO☆HA☆NA☆SIしようか」
――電波が混線しております。少々お待ちください――
「で、何か言うことは?」
「マチガッテシナセテシマイ、マコトニモウシワケゴザイマセンデシタ。キョウマサマ」
俺はゼウスにO☆HA☆NA☆SIして少し教育してやった。
ゼウス曰く本来ならば自分はあの事故の後奇跡的に助かり、一流企業で働いて職場の同僚と結婚し、息子二人、娘一人というしあわせな家族を築いた後、老衰で死ぬらしかったのだが、朝食を食べながら仕事をしており、そのときたまたまナイフを滑らせて、書類に突き刺さってしまった。
皆さんもここまで来たら分かりますよね。はいそうですよ!テンプレですよ!
その書類に書かれていた事項は俺の人生についてだったのだ。まあ、そんな書類にナイフなんて凶器を刺されたらそのまま死んでしまうわけで、俺は今此処に居るらしい。
「で、自分はこれからどうすりゃ良いんだ?どうせあの世逝きなんだろ?ならさっさとやっとくれ」
地獄だろうが天国だろうがどっちでも言いから、と付け足す。
「いいや。お主には地獄にも天国にも逝ってもらわん。お主には生き返ってもらうぞい。元々ワシのせいなんじゃからの」
「へ~そう。なら元の世界へ「それは出来ん」なんで」
「お主はあの世界ではもう死んでおるためじゃ。死人が生き返ったなんて事があってはその世界の均等が崩れていまうのじゃ」
簡単に言うと自分が生き返ったらその世界が終わるということだ。
「じゃあどうするんだ?天国にも地獄にも逝かず、元の世界にも戻れない。もしかして此処でお前の部下として働けと?」
「そんな事はせん。お主にはとある『魔術の禁書目録』、『とある科学の超電磁砲』の世界に行ってもらう」
禁書と電磁砲だと?死亡フラグ満載じゃねえかこのヤロー。何か?あっちで死んでまた此処に戻って来いと?ふざけんなよまたO☆HA☆NA☆SIしてやろうか?愚神めが
「それは勘弁じゃ。もうあれは受けとうない・・・・・・。まあ、もちろんあの世界で生きていける程度の能力はもたせてやる(・・・・・・)わい。」
「もたせてやる(・・・・・・)?君、何か勘違いしてないかい?」
「モッテイタダケマセンデショウカキョウマサマ」
「うむ、くるしゅうない」
俺の中での優先事項は、
俺〉友人〉本〉〉〉〉勉強〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉(超えられえない壁)〉〉〉〉〉〉〉虫〉〉〉〉〉〉〉〉神
だ。
「ワシ虫以下!?神なのに虫以下!?」
だってほら、自分、無神論者だし。
「ワシの存在を否定された」
「で、どんな能力つけてくれるんだ?」
「何か希望はあるかの?」
「特に希望はないかな。ああ、でも初見の人の能力が分かるような身体的能力があるといいかもな。ほら、昔の漫画で人の身体情報が分かるようなのあったじゃん。あんなので」
「他にはないのかの?」
「別にいらなくね?後は適当に頼む」
「欲のない人間じゃのう」
「欲なんてあったところで何の役にも立たないからな。人間あればいいのは金よ金」
「厄介な者を死なせてしまったかもしれんの・・・・・・」
自分が厄介?そりゃただの偏見だろ。人を脅したり、殺したりしてない分いいだろうよ。自分はちゃんと働いて金稼ぐぞ?
「まあいいわい。それじゃあ、能力はワシが適当に考えてお主の希望にもできる限り添うようにするわい。原作知識も入れておくからの。じゃ、送るぞ?」
「ああ、頼む」
「ちなみに行くところは原作の平行世界だから原作崩壊しても構わんぞ?」
「了解」
「ではいくぞい」ガコン!
・・・・・・は?ガコン?
足下を見ると綺麗に直径一メートルほどの丸い穴があいていた。
まあ、死んでいても今の俺には質量があるらしく、当然――
「ふぉぉぉぉぉぉ!ゴォラ!馬鹿神!愚神!テメェ次あったらブッ殺ス!」
落ちます。いえ、堕ちます。
「ではの~」
恭麻Sideoff
ゼウスSide
ふ~。やっと行ったか。あやつはワシが今まで相手にした人間の中で一番厄介・・・・・・いや、恐ろしかった。特にあの、O☆HA☆NA☆SIとかいうものは・・・・・・思い出すだけで恐ろしい。
「ま、そんな事考えとらんで早くあやつの能力設定を考えんとな。あやつに文句を言われかねん。いや、普通はそんな事ないのだが、あやつならなぜかやってのける気がする」
はて、何故じゃろ?
「まぁ、良い。まずは能力設定じゃ。あやつ、希望の能力は・・・・・・直感などではつまらんから、此処につけるとするかの。あの世界での能力は・・・・・・おお、こんなのは面白いかもしれんな。しかしオーバースペックかもしれん・・・・・・ま、何とかなるじゃろ」