とある不幸なソードアートオンライン   作:煽伊依緒

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第二話(第三話)です‼
設定とかにいろいろと悩んで遅くなってしまいました。
まだまだ上手く書けませんがよろしくお願いします‼


第二話《夢と希望》~決意~

キリトの後ろを付いて歩き、だいたい一時間が経過した時ようやく市街地に着くことが出来た。

なにせ市街地からあまり離れてはいないのにモンスターと遭遇しまくったせいで遅くなってしまった。

市街地に着いた時――――――というかハチを倒して歩き始めた時から辺りは真っ暗で、たぶんキリトがいなければ俺は森で一人寂しく迷っていたはずだ。

 

「どうする?奥の方へ行けば安い宿はあると思うけど、そこら辺にある宿にするか?」

「いや、流石にこれ以上迷惑かけられないしな・・・そっちが決めてくれ、宿賃もそっちに払ってもらうんだし・・・」

「そうか、なら少し遠いけど奥の方にある宿でいいかな?」

「ああ、わかった」

 

そんなことを話しながら上条とキリトは夜の街を歩いていく。

その後ろをこっそりと、キリトの索敵スキルにも見つからないほど巧妙に追いかけている姿が一つあった。

 

「ところでさ、さっきこのゲームは後50層以上も残っているって言ってただろ?」

「ああ、それがどうした?」

「ってことはさ今までに倒したフロアボスもいるってことになるよな?」

「そういうことになるな」

「どんなのがいたんだ?龍とか蛇とかか?」

「たぶん想像しているものよりもはるかに大きいと思うけどな・・・」

 

そこまで言うとキリトは道の右側にあった建物の一つを指さしながら言った。

 

「とりあえず後のことはここに入ってからにしようぜ」

 

そう言うとキリトは先行して建物の中に入っていく。

上条も慌てて後を追い、中に入る。

建物の中は外見よりも広くはなくどことなく田舎の宿を想像させるものだった。

 

「おーいこっちだこっち」

 

キリトは手を振りながら店員さんの前に立っていて、何かしら店員さんに話しかけているようだった。

上条がキリトの近くまで移動すると、キリトは罰の悪そうな顔をしてこう言った。

 

「えーと、だな・・・空き部屋が今あと一つしかないそうなんだよ・・・」

「・・・・・・まじか・・・・・・」

 

重い空気が漂っている中、最初に静寂を破ったのはキリトの方だった。

 

「俺がどこか別の宿屋に行くよ」

「いや、全部任せ切っちゃっているしここは俺が行くよ」

「いやいや、初心者なんだからここは俺が・・・」

 

こんなことを数十分も続けて結局どちらが行くかは決まらず、夜も遅いという理由で一つの部屋を二人で使うことになった。

 

「じゃ、じゃあ俺は床で寝るから・・・」

「いやそこくらいは大丈夫、いつも俺バスタブで寝てるし」

「・・・・・・大丈夫か・・・・・・?」

「・・・・・・仕方のないことだから・・・・・・」

 

そんな会話をしながら上条とキリトは部屋に入る。

 

「じゃあまず何の説明からしてもらおうか・・・」

「とりあえず知りたいのはこの右手じゃないか?」

 

上条がニヤつきながらそう言うと、キリトは顔を乗り出しながら答えた。

 

「そうなんだよ・・・・・・状態異常を触れただけで吹き飛ばし、馬鹿高い攻撃力を持ってるし・・・・・・いったい何なんだろう?」

 

(たぶんイマジンブレイカーの能力だとは思うけど・・・・・・これは言ったほうがいいかな・・・・・・?)

 

上条はそんなことを思いながらキリトの話を聞く。

 

「で、いろいろと考えた結果なにかしらのスキルが発動していると俺は思うんだよね」

「⁉そ、そうか、じゃあスキル欄を見てみるよ」

 

そう言うと上条は慌てて右手を振るってウインドウを出す。

すると丁度今そこに一通のメッセージが届いた。

 

「ん?これって確かプレイヤー間で飛ばせるメッセージだよね?」

 

上条はそう言いながらウインドウを可視化状態にしてキリトに見せる。

 

「ああ、そうだけどそれがどうかしたのか?」

「いや、だってこの世界に俺の知り合いって言ったらさっき会ったお前ぐらいだし・・・」

「そういやそうだな・・・とりあえず開けてみたら?」

「わかった」

 

上条は光っているメッセージ欄をタップして内容を確認する。

 

 

          『 上条当麻君へ』

 

こんにちはお久しぶりですね、鈴木です。と言ってもまだ一日もたっていませんが・・・

VR世界の心地はいかがですか?楽しんでいただけるとこちらとしても嬉し

いです。

さて、前置きはここら辺までにしてそろそろ本題に入りましょうか。

今きっと君はなぜ自分がこんなところにいるのか、そしてなぜ私がこんなこ

とをしたのかを気になっていると思います。

それにはいろいろなわけがあるのですがここで書くと長くなってしまうので

書かないでおきます。

話しを戻しまして、今あなたはVRMMOいわゆる仮想世界に来ています。

そして、あなたはそのゲームをクリアしなければ元の現実世界には帰ってこれません。

さらにはそのゲームでHPがゼロになった時、あなたは死にます。

言葉通りの意味ですのでお気をつけてくださいね。

さて、聞きたいことなどは時間がないので聞いてあげられませんが上条君・・・いやトウマ君

健闘を祈ってます。

 

                            鈴木より

 

 

上条はそのメッセージを読み切ったまま体が動かなかった。

そこでまたしても静寂を破ったのはキリトだった。

 

「どうした? ラグってんのか?」

「えっ?」

 

キリトにそう言われて上条は自分がフリーズしていたことに気が付き慌てて声を出した。

 

「い、いや・・・・・・何でもない・・・・・・」

「・・・・・・まあ、詮索はしないでおくよ・・・・・・」

 

キリトはそう言うと反対側を向き装備などを外して部屋着のようなものに着替えた。

着替えたといってもウインドウを操作しただけなのだが。

 

「で、だよ。その右手は結局なんなんだ?」

「ちょっ、顔近えよ。とりあえずスキル欄見るからそこどいてくれ」

「えっ? あっすまない、取り乱した」

 

キリトはそう言うと顔を戻しベットに座った。

それを見てから上条は右手を振るいウインドウを開いてスキル欄を確認する。

 

「えーとなになに?スキル、《イマジンブレイカー》このスキルが発動している場合、バトル中の攻撃力が敵のレベルに応じて強化され、状態異常および特殊攻撃を無効化する。但し、この効果は右手首より先にのみ有効。さらに、このスキルが発動している場合武器を装備することが出来ない」

「・・・・・・えっと―――、それって・・・・・・」

「キリトの言う《ソードスキル》だっけ?それが使えないってことだよな・・・」

 

上条はそこまで言うと自分の右手を握りしめて、その拳を見る。

 

「でも、そんなことするはずがない・・・・・・この世界はあいつの世界なんだ・・・・・・そんなことをしたら・・・・・・あいつは・・・・・・何を考えているんだ・・・・・・?」

 

キリトはそう言うと顔を伏せ考え事を始めたように顔をしかめた。

上条は自分の拳から顔を上げて呟いた。

 

「とりあえず今日はもう遅いし寝ようぜ?」

「ああ、そうだな」

 

そうは言ったもののキリトは渋い顔を止めず、悩み続けているようだった。

 

「明日もいろいろとレクチャーしてくれるんだろ?これ以上俺のことで悩ませるのはまずいよ、寝ようぜ?」

「・・・・・・そうだな・・・・・・寝るか・・・・・・」

 

キリトはそう言ってゆっくりとした動きでベットの中に入った。

 

「なあ、トウマ」

「ん? なんだ?」

「お前に何があったかは俺にはわからないけどさ・・・聞きたいことがあったら何でも言ってくれよ・・・・・・」

「・・・・・・あんがとな・・・・・・んじゃ、明日もよろしく‼」

「了解だ。厳しくいくから覚悟しておけよ?」

「うげっ・・・まあよろしく頼むな」

「じゃあ、お休み」

「おう、お休み」

 

そう言った後上条はベットの反対側に座り込んだ。

(さっき、何でも聞いてくれって言ったとき顔が少し曇ったが・・・・・・何かあったのか・・・・・・?)

上条はそこまで考えて意識を変える。

このゲームはクリアするまで現実には戻れない、キリトの発した言葉が上条の頭の中をぐるぐると回り続ける。

そして現実の世界でやり残したことや、やりたいこと、やらなければいけないことなどを思い出す。

拳を握りしめる。

 

やってやる。

 

『このいかれたゲームを作ったやつがまだいるのなら、そいつのいかれた幻想を俺がこの右手でぶち殺す‼』

 




戦闘シーンを入れずに終わってしまいました・・・
次回からは頑張って入れていこうと思います‼

誤字や脱字などがあれば感想によろしくお願いします‼

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