Angel Beats! ~君の歌と僕の想いと~   作:形代レイジ

8 / 21
ちゃうんです。
決してサボってた訳じゃないんです。

頑張って書いたんです。

書き始めたらなかなかまとまらなくて、それでも3500字になっちゃいました。


では第六話どうぞっ!


第六話 世界の真実 その2

学校を出た僕達はその足で食堂に向かっているところだ

 

 

「そーいえばさ」

 

 

僕はさっきの疑問を立華さんに問いかけてみた。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「さっきはあやふやにされちゃってたけど、どうして僕が麻婆豆腐食べったって分かったの?」

 

 

「…なんとなくよ」

 

 

「なんとなくなんだ…」

 

 

やっぱり教えてはくれないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「敷島君あなたどうするの?」

 

 

立華さんは発券機にお金を入れながら聞いてきた。

 

 

「んー、さっきは麻婆豆腐しか食べなかったからまだちょっとお腹空いてるし何か軽いもの食べるよ」

 

 

麻婆豆腐って美味しかったけど量はそんなになかったから単品での夕食は務まらまかった。

でも何食べよう。チャーハンはさっき分けてもらったから違う日に食べるとして、何かおすすめとかあるのかな?

 

 

「立華さん、何か軽めでおすすめのってない?」

 

 

「そうね。昔、『学食メニュー人気ランキング』って言う企画をやったことがあるのだけどその時は肉うどんが1位だったわ」

 

 

「へぇ、肉うどんか」

 

 

さっき見たとき和食のところに何種類かうどんはあったけどその中では一番オーソドックスなやつだった。

 

 

「ええ、私もよく食べるの。」

 

 

「じゃあ肉うどんにしよう」

 

 

お金は借りたやつがあるから大丈夫だ

あ、お金の事聞いておこうかな

 

 

「立華さん、お金ってどうしてるの?僕持ってなかったんだけど」

 

 

「それなら学園から食費として月の初めに貰えるわ。でもそれは必要最低限だからあまり使い過ぎちゃだめよ」

 

 

お金は学校から出るのか。

じゃあ、部屋にあるのかな。

まあ何はともあれお金の心配はこれでしなくてよくなったな。

 

 

「学食がばかりではお金が掛かるからってお弁当とか作ってくる人もいるのよ」

 

 

「じゃあ食品とかも売ってるんだ」

 

 

「ええ。次どうぞ」

 

 

立華さんは食券を買い終えたみたいで僕に発券機の場所を譲ってくれた

 

 

 

肉うどんの食券を買った僕は立華さんとカウンターへ向かっている

 

 

「立華さんは何にしたの?って麻婆豆腐…」

 

 

やっぱり麻婆豆腐好きなんだな

 

 

「別にいつも食べてるわけじゃないわ」

 

 

「そう…」

 

 

「じゃあ、行きましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこか席空いてるかな」

 

 

時間は7時過ぎとちょうど夕食時で食堂は生徒で溢れかえっている。

 

 

「それなら大丈夫よ。友達が席を取っておいてくれてると思うから」

 

 

「そっか、じゃあ大丈夫だね」

 

 

そっか生徒会で遅くなるから取っておいてくれてるんだ。

ん?

 

 

「ちょっと待って!友達って、一緒に食べるの?」

 

 

知らない女の子と一緒に食べるとかちょっとハードル高いって!

あれ?そう言えばさっきも知らない先輩と一緒に食べたっけ。

でも優先輩は僕の事知ってたみたいだし。

立華さんはそんな僕の心配事とは全く関係ない返事を返してきた

 

 

「大丈夫よ。その友達も私達と同じで死んでここに来た娘達だから」

 

 

え?死んでここにって、どういうことだ?

それじゃまるで死なずにここにいる人が居るみたいな言い方じゃないか。

 

 

「それって…どういう事?」

 

 

「それも含めて後から話すわ。「かなでー」あ、さき」

 

 

どうやらその友達が居たみたいだ

 

 

「こっちこっちーってかなで、そいつ誰?」

 

 

声を追って目を向けるとこちらを鋭い目つきで睨んでくる女生徒がいた

いきなりそいつ呼ばわり…

あとその目怖い、怖いよ。

 

 

「えっと、今日からこの世界に来ました。敷島めぐるです」

 

 

「あーなるほど、それでかなでにこの世界についての話を聞こうって訳ね」

 

 

「そ、そう言う事です…」

 

 

さきと呼ばれていたその女生徒は納得したのか睨むのをやめてくれた。

ってあれ?まだ睨んでる?

 

 

「ちょと、さき!彼、怯えてるじゃない」

 

 

もう一人いた女生徒が助けに入ってくれた。

 

 

「も、もう睨んでないわよ!」

 

 

あ、うん彼女は元々目つきが悪いみたいだ

 

 

「私は三浦すず、すずって呼んでね」

 

 

と助けに入ってくれた女生徒が名乗ってきた。

 

 

「えっと、三浦さんで…」

 

 

いや、いきなり下の名前って無理でしょ。

 

え?いや、優先輩はほら。苗字知らないから…ね。

 

 

「えー」

 

 

そこ、ぶーたれない!

 

 

「私は、清水さき」

 

 

次は目つきの悪い女生徒か

 

 

「し、清水さんで」

 

 

名前で呼んだら殴られそう。

 

 

と、一通り自己紹介が済んだところで立華さんが声をかけてくれた。

 

 

「それじゃあ、そろそろ席に着きましょ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、次は何について話そうかしら」

 

 

さっきの事も気になるけど僕は一番知りたいことを聞いてみることにした。

 

 

「えっとそれじゃあ、僕の記憶がない事についてお願いします」

 

 

初めて会った時の立華さんは僕の記憶がない事を知っている様な口ぶりだった。

 

 

「わかったわ。初めて会ったときこの世界に来る人によくある事って言ったの覚えてる?」

 

 

「もちろん。よくあるってことは記憶がちゃんとある状態でここに来る人もいるって事?」

 

 

「そうよ。記憶喪失は生前の私達の死に方が関係してるの」

 

 

「死に方?」

 

 

「ええ。敷島君、人間の記憶ってどこにあるか分かる?」

 

 

「もちろん。脳だよね」

 

 

「そう。そして死んだ時に脳に損傷を受けるような死に方をするとこの世界に来た時一時的に記憶障害が起こるの」

 

 

つまり僕も何かしら脳に影響が及ぶ死に方をしたのか。

 

 

「一時的?って事は僕の記憶も戻るって事だよね」

 

 

「そうね。この世界にはその人間の本来の姿で来るの。大けがで死んだ人傷跡一つない状態で、病気で死んだ人は病気にかかっていない健康な状態でやってくるから。脳を損傷して死んだとしてもちゃんと治ってやってくるわ」

 

 

「じゃあ、どうやったら記憶は戻るの?」

 

 

「それは分からないわ。あなたのような人を私は何人も見てきたけれどみんな個人差があったわ」

 

 

「そっか、でも記憶は戻るんだ」

 

 

それだけ分かれば安心かな…

 

 

「敷島君は何か覚えてることはないの?」

 

 

僕は自分の名前すら憶えていなかったんだ…

 

 

「何も…あ、でも何故か人に謝るのがうまいんだよね。あと先生からの評価が妙に高かった事かな」

 

 

そういえばこの世界に来てすでに2回も土下座してるんだった。

 

 

「謝罪が得意なのはきっとあなたは生前、謝罪を沢山するような人生だったのね」

 

 

え、それって何をやってもダメなダメ人間だったってこと…なのか。

なんかショックだな

 

 

「でも先生達からの評価が高かいのは真面目な人間だったからじゃないかしら。この世界では生前の事が反映されていることが多いから」

 

 

ん?

 

 

「反映されてる?」

 

 

「そう。生前での事を反映することによってこの世界に馴染みやすくしているのだと思うわ」

 

 

「じゃあ、僕より先にこの世界来た人たちは僕の生前の事が分かってるって事?でもどうやって…」

 

 

 

「それについては次話す内容にかかってくるのだけど、さっき私達は死んでこの世界に来たって言ったでしょ?」

 

 

「うん」

 

 

さっき疑問に思ったことだ。

 

 

「それってどういう事なの?死なずにこの世界に来た人が居るみたいな言い方だよね」

 

 

「それはちょっと違うわ。彼らは元からこの世界にいる人たちなの」

 

 

「元から?」

 

 

立華さんはおかしなことを言ってきた。

 

 

「この世界には…、こう言う言い方は好きじゃないのだけど、この世界には死んでやって来た者と元から住んでいる()がいるの」

 

 

何か含みのある言い方だ…

 

 

「元からってそれじゃまるで…」

 

 

「そう、彼らは正確には人間じゃないわ。」

 

 

「なっ…」

 

 

「私は彼らの事を物だとは思ってないわ。彼らはこの世界でちゃんと生きているもの。彼らは私たちが楽しく学校生活を送るための手助けをしてくれているの」

 

 

「まって、そもそもなんで学校なの?別に学校じゃなくたって」

 

 

そうだ、なぜ学校?しかも高校だけなんだ?

 

 

「高校生に該当しない人はどうしてるの?」

 

 

「この世界には高校生しかいないわ」

 

 

「なんで…」

 

 

「この世界は生前、理不尽な人生を送り青春時代をまともに送れなかった人達がその青春を取り戻すための世界なの」

 

 

「つまり僕の人生も理不尽な人生を送って理不尽に死んでここに来たって事?」

 

 

「…ええ」

 

 

「そっか。じゃあこの世界に居る人間(・・)はみんな理不尽で報われない人生を送ってきたんだ…。」

 

 

 

 

 

 

「じゃあさ、この世界の友達ってみんなこの世界の()なの?」

 

 

「……ええ。あなたの事を元から知っている人達はみんなこの世界の人間(・・)よ」

 

 

 

 

そうか。

リョウタも委員長達も先生もみんな…

 

 

「敷島君?」

 

 

「僕はどうしたらいいの?どうやってここで生きていけばいいの?」

 

 

「そんなの簡単よ。ちゃんと授業に出て友達と思い出を作って、青春を過ごせばちゃんと報われるわ」

 

 

「でもみんなは…」

 

 

本当の友達じゃないんだ…

そんなんでちゃんと青春を過ごせるのかよ…

 

 

 

 

 

 

 

『俺たち唯一無二の親友だろ?』

 

 

 

 

っ!

 

 

 

そうだ…そうだよね。

リョウタ達は生きてるんだ。

リョウタは僕を親友だと言ってくれた。

それでいいじゃないか。

 

 

例え偽りの友達でも友達であることには変わらない。

 

 

例え偽りの友達でも本当の友達になればいいだけだ。

 

 

 

 

「生きるよこの世界で。例え記憶が戻ったとしてもそれを乗り越えられるぐらいのいい人生を生きてみせるよ!」

 

 

「そう、じゃあもう大丈夫かしら」

 

 

「うん。ありがとう立華さん」

 

 

「また何かあったら私に言ってね。力になれる範囲なら何とかするから」

 

 

「うん。じゃあ、僕は行くね…………あの立華さんさっそくなんだけどもう一つ教えてもらってい?」

 

 

「…ええ。何かしら」

 

 

流石の立華さんも呆れてる…

 

 

「えっと、僕の部屋ってどこ…?」

 

 

「それなら生徒手帳に書てあるわ」

 

 

『男子学生寮2号館3-23号室』

 

あ、ほんとだ。

 

 

「じゃ、じゃあ。今度こそ行くね」

 

 

僕は歩き出す。

リョウタ…親友が待っている僕の部屋へ

 

 

 

 

 

おまけ

 

「あれ?鍵開いてない?リョウタまだ帰ってないのかな…」

 

 

「……………あ」

 

 

「忘れてたぁぁあ――――」

 

 

 

「め、めぐる。俺は待っててやるぜ。俺は…お前の親友だから…な」ガクッ

 

 

 

 

 

 

 

序章:完

 

 

 

 

 

 

 




心理描写って難しいですよね…
最後めぐる君があっさり自分が理不尽な人生を送ってきたんだと受け入れる事が出来たのは記憶がないゆえにです。

それはさておきやっと序章が終わりました!

今からが本番ですよー!

明日はついにあのひさ子さんが登場!(※投稿は日曜になってますが僕は土曜に投稿したつもりで書いてます)


次回も是非読んでいってください!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。