Angel Beats! ~君の歌と僕の想いと~   作:形代レイジ

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どうも、形代レイジです。

もう毎度の事ですが投稿が遅れたこと深くお詫び申し上げます。



今回でライブまで行くと思っていたのですが思いのほか長くなりそうだったので分割して投稿です。(といっても今日投稿した分しか書けてません)

なのでタイトルが変更になっておりますがご了承ください。

では十三話をどうぞ。


第十三話 ひさ子の心の叫び

「もう誰も死なないでよ………っ」

 

 

「死んでないわ」

 

 

振り向くとそこには生徒会長が立っていた。

 

 

「…え?」

 

 

そして後ろから間抜けな音が

 

 

 

ぐぅ―――ぎゅるるる

 

 

 

「………はぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

あの後あたし達は岩沢を保健室のベットに寝かせに来てていた。

 

 

「そうか、死後の世界でもメシは食べなきゃダメなのか…」

 

 

こ、この音楽キチわぁ――

 

 

「曲作り始めてから一回もメシ食ってないだと!?バカなのか!?」

 

 

こいつは思ってた以上に筋金入りだぜ…

これから先、大丈夫かあたし。

主に精神的な意味で…

 

 

「なーんか、目が回るなとは思ってたんだよ」

 

 

「思ってたんだよじゃねーよ…ほら、いっぱい食べなさい!」

 

 

あたしは購買で適当にパンやらおにぎりやらおよそ10個ぐらい買ってきて岩沢にわた…押し付けた。

 

 

「ひさ子なんかオカンみたいだぞ?」

 

 

「あぁん?」

 

 

こいつケンカ売ってんのか!?

 

 

「体は生きていた頃と変わりはないわ。ただ、死なないってだけで」

 

 

不意に言葉が投げかけられた。

ああ、いたっけ生徒会長

 

 

ガサガサ

 

もきゅもきゅ

 

 

 

「死なない?」

 

 

ガサガサ

 

もきゅもきゅ

 

……

 

 

「ええ。この世界では私達みたいな死んでやって来た人間は死なないの。たとえ死んでもすぐ元に戻るわ」

 

 

なるほどな、もう死んでるから死ぬことはできないって訳ね。

 

 

ガサガサ

 

もきゅもきゅ

 

………

 

 

「マジかよ…てか死なずに来たやつがいるみたいな言い方だな」

 

 

ガサガサ

 

もきゅもきゅ

 

…………

 

 

「この学校のほとんどの生徒は最初からこの世界に居るわ」

 

 

ガサガサ

 

もきゅもきゅ

 

……………

 

 

「は?それってどういう…」

 

 

ガサガサ

 

もきゅ?

 

 

「じゃあ私はこれで。明日はちゃんと授業に出て」

 

 

ガサガサ

 

もきゅもきゅ

 

 

「あ、おい!って行っちまった」

 

 

ガサガサ

 

もきゅもきゅ

 

 

「なあ、岩さ…ってうお!」

 

 

「どうしたひさ子?」

 

 

何、普通にどうした?って首かしげてんだよ。

お前にそんな風に言われたら。

あ、あぁ。いやどうもないわって答えちまいそうになるだろ!

 

いや今はそんな事言ってる暇はない。

緊急事態だ…

 

 

 

 

「…あの大量の食いもんどこいった…?」

 

 

ベットの上には先ほど渡した食料のゴミしかなかった。

 

 

「オカンがたくさん食べろっていったじゃないか」

 

 

「誰がオカンだって?」

 

今はそれは置いとくとして。もちろんあとで問い詰めるけどな。

 

いや、それにしてたって…さっきからツッコまなかったけどさ。

あんな可愛い効果音つけて両手でパン頬張ってたよな?

それでどうしてこうなるんだ…

 

 

 

効果音とは裏腹に尋常じゃないスピードで食べていたようだ。

 

 

岩沢…なんて恐ろしい子!

 

 

「はあ、もういいよ。」

 

 

あたしはさっき教室で岩沢が言ったことについてどうしても言いたいことがあったのだ。

 

 

「あんたさ…さっき、誰にも必要とされたことがないって言ってたけどさ…少なくともあたしにはあんたが必要だ」

 

 

あんな言い方悲しすぎるだろ…

生前あったことは分からないけど…それでも。

 

 

「…」

 

 

「あたしだけじゃない…他にもきっとあんたを、あんたの歌を必要としてくれる奴がいる…いたっていいだろ?だからもうちょっと自分の体を大事にしてくれよ頼む…もう目の前で誰かが死ぬのは嫌なんだ……」

 

 

「ひさ子…?」

 

 

気が付けばあたしは岩沢に自分の犯した罪を告白していた。

 

 

「岩沢…あたしは、あたしはね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人を…殺したんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「昔ね…」

 

 

あたしは岩沢をあたしが目覚めたあの屋上に連れてきていた。

なんとなくこの場所で話したかった…

 

 

「生きてた頃さ、何もなかったあたしをさ、今のあたしにしてくれた奴が居たんだよ」

 

 

「今のひさ子?」

 

 

「そ、あたしさ昔はギター超ヘタだったんだぜ?そもそもギターなんて色々やってきた暇つぶしの一つ程度のものだった…」

 

 

「っ!」

 

 

そりゃ岩沢ならそーゆー反応するよな…

音がどうとか偉そうに言ってた奴が実は音楽なんてお遊びでやってましたって言ったようなもんだしな。

いや事実言ったんだがな。

 

でも、あくまでこれは昔の話だから。

そんな悲しそうな顔しないでくれ…

 

 

 

「でもさ。そんなあたしにさ、裏表のない真っ直ぐな笑顔であたしの弾くギターが好きだって言ってくれた奴が居てさ…」

 

 

 

「気づいたらそいつのためにいつもギターを弾いてやってたんだ…」

 

 

 

「ただあいつの笑顔が見たくてさ…」

 

 

 

「それであたしは…あいつに……いつまでも傍でお前のためだけにギター弾いててやるって約束してさ…」

 

 

 

あたしはここで一旦高ぶっている気持ちを押さえつけ、結末だけを話す。

 

 

「まあ結論から言うと、ちょっと事故があってさ。あいつはあたしの身代わりで死んじまったんだ」

 

 

あたしは言葉を濁していた。

この場で岩沢にすべてを語れないのはきっと自分の弱さのせいだ…

 

 

嗚呼…あたしは弱いなぁ

 

 

「あたしが…あたしのギターに出会ったからあいつを不幸にしちまったんだ」

 

「それであたしはギターなんて一生持たないって決めてたんだ…たとえ死んでも」

 

「なのに…なのに、あんたに出会っちまったんだ。神様って意地悪だよな…なぁ、岩沢もそう思わね?」

 

 

あたしは岩沢に問いかけた。

別に答えを求めてるわけではない…

ただ、岩沢にも神に対して言ってやりたいことがあるのではないかと、そんな気がしたのだ。

 

 

「…ひさ子」

 

 

「ごめん、変な話して。なーんか見損なったろ?あんたに散々偉そうなこと言っといてさ…ホントはあたしにはそんな資格なんてないんだよ…」

 

「こんな話したらきっとあんたに嫌われちまうって黙ってようと思ってたのに…バカだよな…」

 

 

でも誰かに聞いて欲しかったんだよな…あたし

あたしは弱いから…一人で抱えるには重すぎるから…

 

 

 

 

 

「そんなことない…見損なったりしない。そんなことで嫌いにならない!」

 

 

 

「…え?」

 

 

 

「ひさ子のギターは真っ直ぐじゃないか。ひさ子の出す音は、音楽をちゃんと愛してる音だ。さっき言ってた奴の事を思ってすごく練習して、指がズタズタになるまで練習しなきゃあんな音は出せない!」

 

 

「っ!」

 

 

「だからひさ子も、ひさ子の音も私は大好きだ!さっきひさ子は自分のギターのせいで不幸にしたって言ってたけどそれは違う。私はひさ子のギターで幸せな気持ちになったよ」

 

 

 

「だから、嫌いになんかなるわけないだろ」

 

 

「……」

 

 

まったくこいつは…

 

 

「…ばか。なんでまた惚れさせるかなあ」

 

 

あたしは岩沢に寄りかかった。

かっこよすぎだろこいつ…

 

 

「……よし!決めた!あたしはあんたとバンドを組む!嫌とは言わせねーぞ」

 

 

押してダメなら押し倒せだ!

 

 

「え、いや私はまだ…」

 

 

「1日だけでいいんだ…だからさ…」

 

 

あたしはサイコーの提案をした。

 

 

 

 

 

「ライブをしよう!」

 

 

「ら、ライブ?」

 

 

「そう、明日の昼校舎の前で授業中に!準備はあたしが全部やるからさ、ギターかき鳴らして神も授業もメチャクチャにしてやるんだ!」

 

 

「ひさ子授業になんか恨みでもあるのか?」

 

 

余計なツッコみはしなくていいっての!

 

 

「終わったらあたしはあんたから身を引く」

 

 

「え?」

 

 

 

ここで落とせなきゃゲームオーバーだ。

 

 

あたしは今までしたことのないようなキメ顔でこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最初で最後のゲリラライブだ。付き合ってくれるよな?」

 

 

 

 

 

次回:最初の戦い(ファーストライブ)

 




いかがだったでしょうか…

今回はひさ子さんの独白回(一部独白回)でした。
ひさ子さんの心情が自分でも掴みきれてません…
あとひさ子さんがギターは暇つぶしみたいな事言ってますが、原作では絶対そんなことないです!根っからのギタリストです!

今回はギャグ少な目シリアス大目のつもりで書いてます。なってるはずです…


岩沢さんがもきゅもきゅ言い続けてたのは気にしないでください…
自分で書いててちょっと萌えてしまった。

あとどこかで見たことのあるようなセリフについてはきっと気のせいです。
と私はキメ顔で(ry


予定では次回でひさ子sideは一旦終わります。

今回も読んでいただき誠にありがとうございました。


~今日の余談~
今回はAB!の話じゃないのですが…
今日、帰りの途中で本屋に寄ったのですが、最近話題のあの漫画をまとめ買いしてきました。
え?なんの漫画って?あれです。あの黄色いタコ型の…
そうです。暗〇教室です。←隠す必要性はないです。はい。

投稿が完了したら読もうと思ってます。
あした…起きれるかな………

でわでわ!またね♪


※投稿して早々読み返してみて誤字脱字・抜けていた箇所等修正しました。

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