Angel Beats! ~君の歌と僕の想いと~   作:形代レイジ

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もう何も言うまい…

ただこれだけは言っておこう。


『サボりではないと!!!』


遅れて申し訳ありません。

10話をどうぞ。


第十話 決意と出会い

「あれ…あたしいつの間に寝ちまってたんだろ」

 

 

どうやら昨日考え事したまま寝ちまってたらしい。

 

 

「…っ。あたし、また泣いてたのか…?」

 

 

目元が熱い。

起きてもなお、あたしの両目からは涙が溢れていた。

 

 

「枕が濡れてる…」

 

 

「どんだけ泣いてんだよ、あたし」

 

 

なんで泣いているかなんて考えればすぐ分かった。

いつもの夢のせいだ…

あいつが死んでから毎日のように見るあの夢…

 

あの時のあいつの笑顔が脳裏に焼き付き離れない…

 

そしてあたしを罪の意識へと誘っていく

 

 

 

 

 

ぐぅ~

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

ぐぎゅ~

 

 

 

 

「…腹減ったな」

 

 

 

なんともタイミング悪くお腹がなった。

 

 

「そーいえば、この世界来て何も食べてなかったな…」

 

 

昨日は早い時間に寝ちまってそれきり起きなかったしな。

自分でもよく寝たもんだと思う。

部屋にある時計を見たら現在時刻は朝の9時だった。

あたし自身そんなに寝る方じゃない。

 

 

「やっぱ疲れてたんかな」

 

 

昨日は色々あったから、自分でも気づかず疲れが溜まってたんだろう。

 

 

「ここ、学食あったよな」

 

 

あたしは昨日の案内図を思い出していた。

ここの学食は寮のすぐそばにあった気がする。

 

 

…ん?

 

 

「スンスン…」

 

 

あたしはふと自分の匂いを嗅いでみる。

 

 

「汗くせー」

 

 

あの夢を見た後は決まってこうだ。

 

 

「はぁ。シャワー浴びてくか」

 

 

 

 

 

 

 

 

シャワーを浴びた後、あたしは財布だけを持って学食に向かった。

 

 

「へー。結構いい感じじゃん」

 

 

それに結構広い。

 

 

「お、あそこの階段の上のとこステージっぽいな」

 

 

…つい弾きやすそうな場所を探してしまった。

 

あたしの悪い癖だ。

弾きやすそうな場所を見つけては弾いてたっけ。

 

 

「おっと、飯、飯~」

 

 

あたしは適当にトンカツ定食の食券を買ってカウンターへ向かった

朝から揚げ物大丈夫かって?

あたしをなめるなよ。

 

 

カウンターに着くとそこには、いかにも学校の給仕って感じのおばちゃんが居た。

 

 

「おばちゃんトンカツ定食ひとつー」

 

 

「おや、こんな時間に朝食かい?」

 

 

「ちょっと寝坊しちまって」

 

 

「一応、昼休み以外の時間の学食の利用は校則違反なんだけどねぇ」

 

 

「おばちゃん、そこを何とか。昨日も何も食ってなくて」

 

 

「まったく、仕方ないね。10分ほど待ちな」

 

 

流石おばちゃん。

こーゆー人はどっちの世界でもいるもんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食を済ませたあたしは昨日あたしが目覚めた屋上に来ていた。

もちろん昨日の生徒会長に見られねーように2号館側には近づかないように気をつけてな。

 

 

「さて、これからの身の振り方をちゃんと考えねーとな」

 

 

この世界であたしがあいつにしてやれること…

 

 

 

「あたしのできることなんて限られてる…」

 

 

 

あたしのできること。

 

あいつにしてやれること。

 

あいつが好きだったこと。

 

 

 

「そんなの一つしかねーよな…」

 

 

 

正直、あたし自身迷っている。

これがあたしの罰になりうるのかどうか…

 

 

 

『僕、ひさ子さんのギター好きだから』

 

 

 

「ははっ。そーだな、あたしがしてやれる事はお前が好きって言ってくれたギター弾いてやるぐらいしかないよな」

 

 

 

あたしはこの世界で弾き続けると決めた。

 

 

 

あいつの元へに届くように。

 

 

 

 

 

 

 

あの約束を果たすために…

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと」

 

 

あたしは今、軽音部の部室であるところの例の空き教室に居るわけだが…

 

 

「ひっどいなこのギター」

 

 

部室には2つのエレキギターがあるがその両方がメンテナンスもされずにここに置かれてたらしい。

 

 

「こっちなんて弦がだるんだるんじゃねーか…ハァ」

 

 

こりゃ、弾けるようになるまでちとかかるな。

 

 

「ま、四の五の言わず始めますか!」

 

 

あたしはギターのメンテナンスに取りかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「っと、こんなもんか」

 

 

あたしは2つのギターを一通りメンテナンスし終えた。

 

 

メンテナンスは2時間ほどかかって気づけば昼休みの時間になったらしく校内が騒がしくなっていた。

 

 

「昼飯にすっか」

 

 

さっきここ来る前に購買で買っておいたパンをかじる。

昼食を食べていると1つ疑問が浮かんだ

 

 

「それにしてもこの学校の奴ら全員死んでここにやってきたのか…?」

 

 

さっき、確かにあたしは遅い時間に学食に行ったが誰もいなかった。

校則違反とは言えこんだけ生徒がいりゃ不良の1人や2人は居ると思う。

それに屋上もだ。どの校舎の屋上にも誰一人いなかった…

 

 

「…まぁ、みんな真面目なんかな」

 

 

 

 

それよりギターを弾くってのは決めたけど具体的にどうするかな…

 

一人で弾くってのもなんか味気ないよな…

 

 

「やっぱ弾くからにはバンドやりたいよなー」

 

 

誰かいねーかな?

こんだけ生徒が居れば1人や2…ん?

 

いや、いるじゃねーか!

 

 

「昨日のギター少女がっ!」

 

 

そーいえば昨日あの子の声を聴いた瞬間、我を忘れて追いかけてたよな…あたし。

 

それぐらいあたしの胸に響いたって事か。

 

ますます昨日の少女に会いたくなってきた。

 

 

「よし、そーと決まれば」

 

 

あたしは昨日の少女を探すために部室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

昼休みの終わりを知らせるチャイムだ。

 

 

「取り敢えず昼の演奏はここで終わりだ。また放課後ここで弾くから良かったら聴いてってくれ」

 

 

パチパチ パチパチ

 

 

あたしが演奏を終えると生徒たちは拍手を残し教室に戻っていく。

 

 

「早いとこあたしも行くか」

 

 

コツ、コツ

 

 

どうやら一足遅かったらしい。

 

 

「授業に出て?」

 

 

またか…

 

 

「昨日と言いしつこいね、あんた」

 

 

「あなたもね」

 

 

コイツはこの学校の生徒会長らしい

 

 

「他の先生に見つかったら楽器も没収されるわ」

 

 

他の先生って

 

 

「あんたは取り上げないの?」

 

 

「…」

 

 

返事はない。

 

 

 

噂をしてると、他の先生たちがやってきた

 

 

「お前!授業中に何やってる!ん?そのギター、昨日音楽室から無くなったやつじゃないか?」

 

 

「……」

 

 

面倒事は嫌いだ。

 

 

私はギターを抱えて走り出した。

 

 

「あ、こら待て!」

 

 

校舎に入り右に曲がり左に曲がり

 

 

「っ!行き止まり!?」

 

 

くそ、またこんなところでっ

 

 

 

ガラガラガラ

 

 

 

後ろの窓から音がしたと思えば、私は窓の外に引きず出されてれていた。

 

気づけば私は誰かに口を手で塞がれている。

 

 

「あれ?いないですね?」

 

 

「向うも探します?」

 

 

「いやー、もういいでしょう」

 

 

追いかけて来た先生たちが帰っていくのを確認すると私を助けてくれた女子生徒が話しかけてきた。

 

 

「ふぅ、ちょっと危なかったな。あたしも昨日あの先生に追いかけ回されたっけ」

 

 

「…あんた誰?」

 

 

「あたし?」

 

 

女子生徒は私を手をさしだして言ってきた。

 

 

 

 

「あたしはひさ子。あんたと共闘させてくれないか?」

 

 

 

 

 

 

 

次回:共闘




やっと岩沢さんと出会えることが出来ました。

最後の◇から下は岩沢さん視点になってます。これからたまに◇が出てくるときがあるのでその時は、めぐるとひさ子以外の視点に切り替わります。

ややこしくてすみません。

それと岩沢さんとひさ子さんの区別がしやすいように岩沢さんの一人称を「あたし」から「私」に代えさせて頂きました。なにとぞおろしくお願いします。

そろそろ物語も大きく動き出そうとしています!

投稿が遅れるかもしれませんが許して頂けますようお願いします。

遅れて居る時は『あいつ、今頑張って書いてんだな』って温かい目で見守ってください。

決して『遅いわよ、クソ、このクソが』とか、ゆりっぺ風には思わないでくださいお願いします。

泣きます。

まだ書き慣れておらず2千字書くのに5時間とかかかっちゃうんで大目に見てください。

では次回も是非読んでいってください。

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