Angel Beats! ~君の歌と僕の想いと~   作:形代レイジ

10 / 21
お待たせしました!

ひさ子さんってやっぱいいよね!


少しでもひさ子さんファンが増えることを期待しつつ


第八話をどうぞ!


第八話 生徒会長 その2

「今は授業中よ」

 

 

「ぃ!?」

 

 

マジでビビった。

ちょっと変な声出ちまったじゃねーか。

脅かすなよ。

勝手にドア開くとかどこのホラーだよ!

しかも目の前に居る女の子は白い肌に白い髪、何を考えてるのか分からない表情と、いかにも幽霊みたいなやつだった。

 

 

「今は授業中よ」

 

 

女の子は小首を(かし)げて再び言ってきた。

 

 

「いや、聞こえてるから!」

 

 

「じゃあ、教室に戻って」

 

 

「は、はぁ。つーかあたし、ここの生徒じゃないんだけど」

 

 

「あなたは今日からここの生徒よ」

 

 

いやいや、おかしいだろ!?

勝手に生徒にすんなよ。

 

 

あれ?でも生徒手帳にはあたしの名前書いてあったし…

 

 

「あなた何年生?」

 

 

「さ、3年だけど」

 

 

「じゃあ3号館ね。ここが1号館だから2つ隣の校舎よ」

 

 

どうやら学年で校舎が違うらしい。

 

 

「あ、あぁ」

 

 

って、あたしは何ふつーに話してんだぁ――!

 

 

「そもそもあんた誰だよ?」

 

 

さっきから偉そうに話やがって、わざわざご丁寧に注意までしに来るし。

 

 

「私はこの学校の生徒会長よ」

 

 

生徒会長だったのか――!

 

 

まさか生徒会長だったなんて。

 

 

「その生徒会長がなんでこんなとこに?」

 

 

「教室から見えたのよ。だから先生に許可をもらって注意しに来たの」

 

 

わざわざ律儀なことで。

あたしが屋上に居るのが見えたって事は2号館、こいつは2年生か。

 

 

「授業に出て。そうすればあなたはいつか報われるから」

 

 

「む、報われる?」

 

 

生徒会長はおかしな事を言ってくる。

 

 

「そうよ。あなたは生前の記憶はある?」

 

 

生前の記憶だと!?

一体この子はなにもんだ?

 

 

「生前って事は、やっぱりここは死後の世界なのか!?」

 

 

そうだ、あたしが今一番知りたかったこと。

 

 

「ええ、そうよ」

 

 

そうか、やっぱりあたしは死んだんだ…

 

 

「その様子だと記憶はあるみたいね」

 

 

「ああ、いつ死んだかどうやって死んだかちゃんと覚えてる。ほんの十数分前の事だしな…」

 

 

あたしはあの時の光景を思い出していた。

 

あの鈍く光る刃…

 

あの鼻をつく嫌な匂い…

 

あの鉄の匂いで満たされたあいつの部屋…

 

あの不気味に笑うアイツの顔…

 

 

「大丈夫?」

 

 

「っ!あ、ああ。大丈夫だ…」

 

 

忘れたくても忘れられない。

 

忘れちゃいけない…

 

 

「そう…」

 

 

あたしは何とか自分を落ち着かせた。

 

 

「落ち着いた?」

 

 

あたしは静かにうなずく。

 

 

「大丈夫よ。ちゃんと授業に出れば」

 

 

「報われるって?」

 

 

「そうよ」

 

 

報われる?

 

あたしが?

 

はは、あたしが報われていいわけがない。

 

 

この世界はあたしの犯した罪を償う牢獄…

 

この世界で一生罪を償い続けろってことか…

 

きっと、あいつは許してくれねーよな

 

 

 

 

やめやめ、今はこの世界でどう生きるか考えよう。

 

 

「じゃあ、あたしは行くよ」

 

 

あたしは生徒会長に軽く声をかけて校舎に入ろうとした。

 

 

「そう、あなたの教室なら生徒手帳に記載されて「ああ、違う違う」…?」

 

 

あたしは授業を受けるつもりなんてない

 

 

「あたしは授業なんてうけねーよ」

 

 

「ちょっと」

 

 

「あたしの人生はこの程度で報われるよーなもんじゃない。報われちゃダメなんだ…」

 

 

「じゃあな、生徒会長」

 

 

「待って」

 

 

バタン

 

 

あたしは生徒会長を置いて校舎に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーっ、これからどーすっかなー」

 

 

あたしは特にすることも思いつかずただ廊下を歩いている。

 

 

「にしても静かだな」

 

 

今あたしが居るとこはどうやら空き教室多い場所みたいだ。

 

ふと、あたしはいくつもある空き教室の1つに視線が行った。

 

 

「ん?」

 

 

教室の中に何かが置かれていた。

 

あたしはドア越しに中を覗くと

 

 

「これは…」

 

 

そこには、あまり使われていないのか埃をかぶったエレキギターが立てかけられていた。

 

 

ギターだけじゃない…ベースもドラムも置いてある。

って事は

 

 

「ここ軽音部の教室なのか?」

 

 

気が付けばあたしは教室に入っていた。

あたしは何も考えず立てかけられているギターの前までやってきて

 

 

「ギター…」

 

 

とつぶやいていた。

 

そして無意識にギターを手に取り軽く埃を落とし

 

あたしはそのまま

 

 

「っ!」

 

 

何…弾こうとしてんだ、あたしは…

 

もう弾かないって決めただろ…

 

 

あたしはギターを元の位置に戻すと教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あたしは結局何も思いつかなかったので階段を下りて1階まで行くことにした。

 

 

「つか、4階建てってでかいな。それが3つもあんのか」

 

 

下りるのは楽だけど、こりゃ上りが大変だな。

エレベーターがほしいぜまったく。

などとくだらない考え事をしていると上から声がした。

 

 

「おい、君。こんな所で何してる」

 

 

「何って、することなくて暇なんで散歩してんだよ」

 

 

あたしはテキトーに答えた。

 

 

…あれ?

あたし誰と話してんだ?

恐る恐る顔を声がした方へ向けると

 

 

「ほう、授業サボって散歩か…」

 

 

なんか怒ってるおっさんが居た。

 

 

「え、えーっと」

 

 

あたしは勢いよく階段を駆け下り始めた。

 

 

「お、おい!待て!」

 

 

なにが悲しくて死んでまで先生に追っかけられなきゃいけねんだ―――!

 

 

あ、そーいえば、生前よく授業サボって先生に怒られたっけな。

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

はっ!

 

「ここ…学校?」

 

「っ!」

 

「声…声が、出る!」

 

「これなら歌える!」

 

「あの、音楽室ってどこ………」

 

 

 

 

 

次回:運命のボーカル




いかがだったでしょうか?

ちょっとひさ子さんの口が悪すぎた気がします。

それと岩沢さんファンの皆様(たぶんほとんどの方)すみませんでしたー!

最後さらっと登場させてしまって申し訳ありません。

僕も岩沢さん好きですよ?でもこの作品はあくまでひさ子さんがヒロインなので…

次回ちゃんとひさ子岩沢コンビで書きますので許してください。


それでは、今回も読んでくださりありがとうございました。


p.s.作者はAB!ゲームの発売延期にショックで心が砕け散っているので投稿が遅れるかもしれません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。