もし、俺が提督になったら   作:単品っすね

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話せる

 

 

 

 

 

 

ようやく、俺の全改二の艦娘達との挨拶が終わり、今は自室で寝転がってる。今日1日で女の子と話した人数記録をぶっち切りで振り切った。

 

「あー……疲れた……」

 

俺は部屋でダルーンとしている。明日から艦これやりたくねーな……。いややりたくないことないし、別にあいつらが嫌いってわけじゃないけど、なんか…こう、気を使っちゃうんだよな……。まぁ扶桑さん改二欲しいし、普通にやりますけどね。

 

「はぁー……」

 

「どうかしたの提督?」

 

「いや、疲れただけ……ん?提督?」

 

「やっほー」

 

川内がいた。

 

「ぶぅーっ!」

 

「うわっ……!な、何⁉︎どしたの⁉︎」

 

「な、なんでここにいんの⁉︎」

 

「や、私達も外に出れるか実験してみたんだけど。見事に大成功」

 

「大成功じゃねぇよ!てかお前……俺、まったく気付かなかったんですけど」

 

「忍者ですから」

 

えっへん、とおそらく成長期真っ最中であろうそこそこの胸を張る川内。

 

「早く戻れ!母親に見つかったら面倒だ!」

 

「そんなこと言っても、提督がパソコンシャットダウンしちゃったから無理だよ」

 

俺は自分のパソコンを持ってない。家族兼用の物を使っているのだ。

 

「パソコンなら向こうの部屋だ!戻るぞ!」

 

俺が部屋を出ようとした時だ。

 

「ただいま〜」

 

母親の声がした……帰って来やがった……。

 

「おい、お前まじどうしてくれんの?俺が女を部屋に連れ込んだなんて親にバレたら赤飯炊かれんだろうが!」

 

「いやっ…そんな関係じゃないし……」

 

「高校生活で俺は女と話したことなかったんだよ!共学なのに!」

 

「ならパソコン持って来ればいいじゃん」

 

「急に自分の部屋にパソコン持ってったら不自然に思われるだろ!最悪、エロサイト見てるって思われるわ!親から信頼ないんだから!」

 

「うわあ……。いやそれくらい平気でしょ……」

 

「ダメだ。親がこっちの部屋に来る可能性自体許されない。万が一もあるんだから」

 

「じゃあ、私にどうしろっていうの?」

 

「ちょっと待ってろ。いいな?何が起きてもお前はこの部屋から出るな。ていうかあのクローゼットから出るな」

 

「はぁ⁉︎こんな所で待ってるの⁉︎」

 

「すぐ終わるから!」

 

俺はそのままリビングへ。そして、パソコンをiPhoneでリモートした。そのまま自分の部屋に戻る。

 

「おい、出て来い」

 

「はいはい……」

 

クローゼットから出てくる川内。

 

「行けるか分かんないけど、とりあえずリモートした。この中から行けるか?」

 

「んー……分かんないけど、やって見るね」

 

で、艦これを起動した。だが、何も起こらない。

 

「無理みたい。元々パソコン用のゲームだし」

 

「マジかよ……」

 

「大輝ー」

 

「っ!」

 

母親の声を聞き取った瞬間、コンマ数秒の早業で川内をクローゼットに叩き込むと共に部屋の中で寝転がった。そして、手元ある携帯でパズドラのフリ。

 

「なに?」

 

「さっきから何ドタバタ騒いでんの?」

 

「アレだよ。パズドラで狩られたんだよ。マジでファッキンだわ本当に……」

 

「物に当たらないでよ。あんた携帯二つも壊してんだから」

 

「わーってるよババァ。あ、今日の晩飯何?」

 

「あーそれなんだけど、買い物するの忘れちゃったらカップ麺買って来てくれる?」

 

「自分でいけよ」

 

「もうパジャマに着替えちゃったもん」

 

「いや俺もなんだけど。あ、じゃあ買ってきたら100円な」

 

「はいはい。なんでもいいから行って来て」

 

「うーっす」

 

そのまま金をもらって親はリビングに戻った。で、俺は再びクローゼットを開ける。

 

「酷いよ提督」

 

「悪かったな……場合が場合だったから……」

 

「ふぅーん、大輝って言うんだ?」

 

「うっ……」

 

「それと携帯二つも壊してるんだ?」

 

「黙れよ……じゃあ俺はカップ麺買ってくるから。お前はここにいろよ」

 

「えー。私も行きたい」

 

「っざけんな。バレたらどうすんだよ」

 

「さっきの痛かったんだけど……」

 

「知るか。お前の分も買ってきてやるから。それで我慢しろ」

 

「今ここで大声出してもいいんだけど?」

 

「よし、行こうか。でもその服装は目立つから着替えろ。俺の服貸してやる」

 

「はーい」

 

「そこのタンスに入ってるから。俺が戻るまで部屋出んなよ」

 

俺はそのまま部屋を出てトイレに入った。大体、5分もすれば終わってるだろ。俺なんて30秒で終わるし。で、まさに30秒後、俺はトイレを出た。念のためノックをする。

 

「いいよー」

 

言われて入ると、俺は思わず川内を凝視してしまった。こいつ、何着ても可愛いな……。

 

「? 何?」

 

「や、なんでもない……。行くから。親は今コタツで寝てる。今しかない」

 

「それより提督は着替えないの?」

 

「あっ……」

 

そういえばパジャマだったな……。俺はタンスの中を漁った。

 

「えっ、待ってここで着替えるの?」

 

「え?うん。………あ、そうか。向こう向いててもいいし、見たければこっち見ててもいいし」

 

「えっ⁉︎ち、ちょっと!女の子と一緒の空間で着替えるとかなんともないの⁉︎」

 

「剣道の遠征とかでは当たり前だったしなぁ」

 

「そ、そう……じゃあ、向こう向いてるから、終わったら言ってね」

 

「ん」

 

言いながら俺は着替えた。………なんか、普通に話せてるな俺。急だったし必死だったとはいえ、なんだかんだ話せるじゃん。そんな事考えながら俺は着替え終わった。

 

「行くぞ」

 

そんなわけで、川内と夜の買い物である。

 

 

 

 

 

 


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