もし、俺が提督になったら   作:単品っすね

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艦隊のアイドル

 

 

 

 

 

川内に連れられ、まずは羽黒の部屋。正直、案内とかいらないんだけどな。迷ってもいいからとりあえず一人がいい。その方が落ち着くし。

 

「そういえば提督は何歳?」

 

「今年で19」

 

「じゃあ、大学生だ!」

 

「うん」

 

「習い事とか部活はやってた?」

 

「サッカー始めてピアノ始めて少林寺始めて野球始めてピアノやめてサッカーやめてプール始めて野球やめてプールやめて中学で剣道部、高校でゴルフ部」

 

「色々やり過ぎじゃない⁉︎」

 

「いやっ……まぁそうか」

 

「てことは少林寺、だっけ?それはまだやってるんだ」

 

「やめる予定はない」

 

「ふーん。少林寺ってどんなことやんの?」

 

「技かけた方が早いけど……」

 

「………やめとく」

 

「そう」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

そんな会話をしながら羽黒の部屋へ。と、思ったら川内がいきなりこっちを向いた。

 

「うがー!暗い!暗いよ提督!」

 

「……………そう」

 

「それ!『そう』なんて返事本当にする人初めて見た!」

 

何が言いたいかは分かる。俺はコミュ障というより、人に話しかける勇気がないだけだ。だから、ある程度気心の知れた仲じゃないと、向こうから話しかけない限り会話は出来ない。また、相手が余り親しい仲じゃないと返事がどうしても素っ気なくなってしまう。だから、中々友達が出来ない。

………ていうか、ここまで自分のことわかってて直せないのも中々珍しいな。

 

「とにかく、もっと仲良くしようよ。せっかく抽選100人の中からこんな機能が当たったんだから!」

 

「まぁ……それは分かるんだけどさ……」

 

どうしたもんかね……と、俺は髪の毛をかき上げる。その時だ。

 

「あれー?川内ちゃんと、誰?」

 

「あ、那珂ちゃん!」

 

川内の前にいるのは那珂改二だった。

 

「あー……私達の提督だよ」

 

「そうなの⁉︎私、艦隊のアイドル那珂ちゃんだよー!」

 

おぉ!その台詞生で聞いてみたかった!

 

「どうも」

 

「って、なんか暗い⁉︎どうしたの⁉︎」

 

「これが素なんですけど……」

 

「それなら那珂ちゃんが元気をあげよう!那珂ちゃんスマーイル☆」

 

「えっ……あ、うん」

 

「あれれー?なんか元気ない?」

 

すると、川内が口を挟んだ。

 

「那珂、提督困ってるから。今日は改二のみんなにだけ挨拶して帰るみたいだから。続きは明日ね」

 

「はぁーい!じゃあねー提督!」

 

「さよなら」

 

そのまま那珂ちゃんは去っていった。なんつーか、あれだな。嵐の中でも輝いてそうな奴だな。

 

「じゃ、とにかく明るくね提督。もうすぐ羽黒さんの部屋に着くから」

 

「うぃっす……」

 

って、言われてもなぁ……基本ネガティヴシンキングの俺が明るく、かぁ……。まぁいつも通りでいいか。

 

 

 

 

 

 


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