友人と別れゼロ魔の世界に・・・   作:佐藤家の二人目

12 / 16
今回は骨を折った才人の看病から始まります。
才人とジェンテの関係はどうなっていくのでしょうか。
ゆっくり読んでいってください。



第11話 才人とキュルケ

韻竜のキャラをつかみ損ねたジェンテだけどね・・・

才人まだ起きないんだよ。

どうしよう、私が目を離したばかりに死んでしまったら・・・

いつも一緒にいればよかったと思うよ。

下僕を止めるぐらいなんでもないからね。

早く起きてくれないかな。

怪我はグラスの持ってきてくれた秘薬を使って治したよ。

出血多量って言うほど血は流れてなかったよ。

早く起きてね、才人・・・

 

 

 

授業にもちゃんと出るようにはしてるけど手がつかないよ。

あと、また告白されたけど断ったよ。

だって胸をじろじろ見てくる人なんだよ?

気持ち悪いよね。人のことは言えないけどさ。

 

 

才人はシエスタに看病を手伝ってもらってるよ。

授業中はシエスタで授業後は私。

シエスタには給金を払ってやってもらってるよ。

そうじゃないとシエスタが手伝えないそうだよ。

学院の奉公人と言う扱いなんだって。

だから私が代わりに雇わないと学院での仕事ができて看病ができなくなるんだって。

手伝ってくれる人はシエスタぐらいだね。

マルトーさんも我らの剣が・・・っていう感じになってるよ。

心配してるみたいだね。

みんなに心配されてるところを見ると平民が勝ったのが重要らしいよ。

貴族が平民を奴隷のように扱うこの世界では、才人のような人はいないからね。

 

 

 

 

 

 

しばらくして才人が起き上がったよ。

 

「才人大丈夫?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「骨折れてるけど直そうか?」

 

「直せるのか!」

 

ドタン

才人が床に落ちる。

才人は私の部屋で寝ていたんだけど、そんなに身を乗り出したら危ないよ。

 

「う、うん」

 

「あ、ごめん」

 

「いいよ」

 

今の状態を客観的に表すと、才人がベッドから乗り出して私を床に押し倒しているようだね。

 

「才人?」

 

「え、えーっと」

 

「あのね、床に押し倒したのは事故だってわかってるけどね」

 

「はい!」

 

「起き上がるときに胸を揉むのは事故じゃないと思うんだけど、どうなの?」

 

「す、すいません。許してください!」

 

「責任取ってくれる?」

 

「まだ無理です」

 

「まだ?」

 

「すいません!責任なんて取れません」

 

「じゃあ一回空をとんでみようか」

 

「やめてください!」

 

「エアハンマー」

 

「うわあああぁぁぁ」

 

才人を部屋の窓から外へ飛ばしてみたよ。

ここは2階だからきっと大丈夫だよね。

 

 

 

あのあと秘薬を使って骨の折れているところを直して怪我も治しておいたよ。

才人の護身用に剣か何かあるといいけど。

確か、才人がガンダールヴはあらゆる武器を使えるとか言ってたから銃も使えるのかな?

それと才人が恐怖と感謝で私の言葉に従うようになったよ。

どうしよう。二人目できちゃったよ。

ギーシュは才人に負けていたよね。

ギーシュを鍛えておくべきなのかな?

鍛えてあの二人を私の護衛にすれば・・・

才人はだめだね。鍛えるのはいいけど護衛にはできないよ。

むしろ私が才人の護衛にならないとね。

 

 

 

あれ?才人がキュルケの部屋に入ろうとしているよ。

今は夜だからアレをするのかな?

キュルケだから冗談ではすまなさそうだね。

でも才人を束縛する必要もないから見なかったことにしようかな。

でも才人がへんなことをされるかもしれない。

一応安全のため覗いておこうかな。

私が覗いてるのを見られたら勘違いされちゃうけど、才人が心配だから覗くことにするよ。

さて、中はどうなってるのかな。

 

「フレイム、窓に向かって火を吐いてくれ」

 

あれ?才人がキュルケの使い魔のはずのフレイムを従えてる・・・

と思ったけど主従と言うよりは友人だね。

でもなんで外に向かって火を吐かせてるのかな?

後ろから人の気配が近づいてくる。

私に用があるという感じではないね。

キュルケに用事があるのかな。

そういえばキュルケは夜な夜な男を部屋に呼んでるってタバサから聞いたような気がする。

才人もそれで呼ばれたみたいだね。

じゃあ邪魔しないように部屋に戻らせてもらうよ。

ちなみに才人はキュルケの誘いを断ったそうだよ。

ルイズからそう聞いたよ。

 

 

次の日にキュルケの部屋の窓の下で焦げた制服を着た生徒が数人見つかったらしいよ。

何があったのかは覚えていないらしい。

多分才人とフレイムが打ち落としたんだろうね。

 

 

才人に昨日何があったのかを聞くと、キュルケと約束していた数人の男を才人が撃退したらしいよ。

一晩で数人と約束しているのがすごいと思ったよ。

もともと一番強い人だけに用があったらしいよ。

そして一番になった才人をキュルケが誘惑してきたみたいだけど、才人は断ったそうだよ。

断れる人は少ないから才人にすごいねって言うと責任が取れなくなると言っていたよ。

きっとあの時、空をとんで考えを改めたんだろうね。

いいことだと思うけど、脅迫みたいになってるから気分は悪いよ。

脅迫じゃなくお願いにしておくべきだったかなと思うけど・・・

お願いにしても何も変わらないね。




とりあえずキュルケのところに呼ばれるところまで書きました。
ジェンテが恐怖政治を敷いている王女に見えてきました。
こんなキャラにするはずではなかったんですが。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。