ハイスクールD×D ~ 堕ちた疾風迅雷と深淵を司る龍 ~   作:Mr.凸凹

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第11話

 

 

 

 

 

 満月が叢雲の隙間から淡い光放っている。

 俺達の新しい眷属仲間を丸で祝福するかの様に照らし出している。

 そう、今回は吸血鬼(ヴァンパイア)混血(ハーフ)であるギャスパー・ヴラディである。

 また偶然か必然かは分からないがリアスさんは寸分違わず原作通りの眷属を引き当ててきた。

 今は吸血鬼の狩人(バンパイア・ハンター)に殺されたのを転生させて間もないためベッドで眠っている。

 リアスさんは詳しい生い立ちを未だに把握出来ていない上に、僧侶(ビショップ)変異の駒(ミューテーション・ピース)でしか転生できなかった事を踏まえて俺に調査を命じた。

 万が一のため、部屋には俺しかいない。

 

 調査するのは問題ないが何か違和感を拭えない。

 具に観察していくとその違和感の正体に薄々と気が付いた。

 幾ら思春期で成長期だからと言っても喉仏が出ていない。

 しかも着衣の上からは確認しにくいが、骨格が女性っぽいのだ。

 そう、男の娘(ギャーくん)ではなく、女の子(ギャーちゃん)の可能性がある。

 

 いや、まあ、別に男の娘でも十分守備範囲なんだよね。

 でも、同性だと非生産的だから女の子の方がお得かな?

 

 俺は生唾を飲み込みながら確かめるために股間を覆っている下着に恐る恐る手を掛けた。

 するりと下着を股間から膝下まで下ろした。

 目に映った無毛の股間にはやはりあるべき物がなく一本筋の陰裂があった。

 

 俺は眼を奪われそうになるのを頭を振って追い出して下着を元に戻した。

 

 眼を瞑って大きく深呼吸をして心を落ち着かせる。

 

 心を落ち着かせて眼を開くと、ゆっくりと眼を開いているギャスパーちゃんが目に映った。

 

「こっ、ここは?……っ!!? あっ、あなたはっ!!? いっ、いやぁあぁあぁ~!!?」

 

 頭を上げたギャスパーちゃんは俺に気が付くと悲鳴を上げて眼を見開いた。

 俺は反射的に淵龍王の盾(アブゾーブ・シールド)を瞬時に展開させて構えた。

 次の瞬間、周りの空気がまとわりつく様に停止する。

 

『absorb!』

 

 原作知識で知っていたから時間停止を俺への攻撃と認識させて吸収無効化させる事に成功した。

 神器(セイクリッド・ギア)は想いに応えて進化する。

 概念に近い時間停止にも効果が出て一安心だ。

 これで懸念材料が一つ減ったよ。

 まあ、今のギャスパーちゃんとの実力差を鑑みるに吸収無効化しなくても時間停止は効かなかったかもしれないけどね。

 

「……なっ、何で止まってないんですかっ!!?」

 

 俺を震える指でさしながら驚いているギャスパーちゃん。

 

「成程……君の瞳は時間停止の神器(セイクリッド・ギア)を宿しているんだね」

「はぅ!!? ごっ、ごめんなさい! ごめんなさい!」

 

 にっこりと微笑んで手を伸ばした俺に、ギャスパーちゃんはぎゅっと眼を瞑りながら誤っている。

 俺は苦笑しながらギャスパーちゃんの頭を撫でた。

 

「あっ……」

 

 驚いたギャスパーちゃんは恐る恐る眼を開いてちらちらと俺の表情を伺う様に見てくる。

 

「大丈夫……ここに君を傷つける者はいないよ」

 

 目尻に涙を溜めながら上目遣いに俺を見詰めてくるギャスパーちゃん。

 

「さてと……先ずは自己紹介といこうかな。俺は姫島 綾人。我が姫君()であるリアス・グレモリーから戦車(ルーク)の駒を授かった転生悪魔だよ。そして、君も僧侶(ビショップ)の駒を授かって転生悪魔になったんだよ」

 

 俺の言葉に眼を丸く見開いて驚いているギャスパーちゃん。

 

「俺の名前を教えたよね。次は君の名前を教えてくれ。お互いの名前を呼んだら、俺と君はもう友達だよ」

 

 俺は某高町理論を展開しながら微笑みかけた。

 

「あっ、あの……そっ、その……ギャスパー・ヴラディです。よろしくお願いします、姫島先輩?」

「綾人でいいよ、ギャスパーちゃん」

 

 俺はにっこりと微笑みながら手を差し出した。

 

「わっ、分かりました……綾人先輩」

 

 ぎこちないながらもしっかりと俺の手を握り返してくれるギャスパーちゃん。

 

 それからギャスパーちゃんの身の上話に親身になって耳を傾けた。

 その内容は原作知識と殆ど変わらなかった。

 

 純血を重んじる吸血鬼に徒でさえ混血(ハーフ)なのに神器(セイクリッド・ギア)まで宿していて疎まれて迫害されていた事や、そんな中でも幼馴染のヴァレリーには着せ替え人形の様に扱われながらも心身共に救われていた事などを聞いた。

 まあ、彼女自身未だ認識していないだろう裏人格とも言える闇ギャスパー(ギャスパー・バロール)の話は出てこなかったけれどね。

 

 

 

 

 

 ギャスパーちゃんをリアスさん達に紹介する際に懸念材料だった停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)の対策として、伊達眼鏡をギャスパーちゃんにプレゼントした。

 この伊達眼鏡は俺の淵龍王の盾(アブゾーブ・シールド)をアザゼルさんが解析して作った人工神器の一つである。

 効果は所有者の意志を伴わない 神器(セイクリッド・ギア)の暴走を吸収無効化して抑える効果がある。

 まあ、吸収限界値があるが使用者の力量でその数値は上がっていく。

 特に停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)は眼を媒介とする神器(セイクリッド・ギア)なので相性はいいだろう。

 だが、ギャスパーちゃんの才能が凄まじく無意識のうちに神器(セイクリッド・ギア)の力が高まって日に日に能力が増していくので、完全に暴走を抑えるには停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)を解析して微調整する必要があるだろう。

 

 そうこうしている内にリビングへとたどり着いた。

 

 ギャスパーちゃんは俺の服の裾を掴んで微かに震えている。

 

「大丈夫だよ、ギャスパーちゃん。皆、気の良い娘ばかりだからね」

「はっ、はい……」

 

 ギャスパーちゃんは自分の掌に人という字を三回書いて飲み込んでいる。

 早速俺が教えた緊張を紛らわすお呪いを実践している様だ。

 極度の人見知りとは言えど俺が停止しなかった影響からか、少しは積極的に人と関わろうとしてくれている様だ。

 

「失礼します、新たな眷属のギャスパー・ヴラディをお連れしました」

 

 俺はしっかりとギャスパーちゃんと手を繋いでリビングへと入っていった。

 

「おっ、お邪魔します……」

 

 ギャスパーちゃんはおっかなびっくりとしながら俺についてくる。

 

「歓迎するわ、ギャスパー。私があなたの主のリアス・グレモリー。一応上級悪魔のグレモリー家の次期当主よ」

「あらあら♪ 初めまして、ギャスパーちゃん。私は姫島 朱乃。リアスの女王(クィーン)の駒を授かっていますわ」

 

 お姉様お二方は優し気な笑みを浮かべながら自己紹介をしている。

 

「こんにちわ、ギャーちゃん……塔城 白音です。綾人兄さまと同じ戦車(ルーク)の駒を授かってます」

 

 どこか無表情に見えながらも微かに微笑んでいる白音ちゃん。

 

「初めまして、ギャスパーちゃん。僕は木場 祐美だよ。一応騎士(ナイト)の駒を授かっているよ」

 

 にっこりと人当たりの良い笑みを浮かべている祐美ちゃん。

 

「はっ、初めまして……ギャスパー・ヴラディですぅ~」

 

 俺の手を握ったまま、勢い良く頭を下げて挨拶しているギャスパーちゃん。

 

 

 取り敢えず眷属の初顔合わせは何とか滞りなく行えた。

 

 まあ、周りの視線に耐えられなくなったギャスパーちゃんがソファーに座っている俺の背中にしがみつく様に隠れたり、それに対抗して白音ちゃんが俺の膝に乗ったりしたけどね。

 姉ちゃんも然りげ無く俺に腕を絡めてきた。

 その様子を苦笑して見ているリアスさんと祐美ちゃん。

 

 話がギャスパーちゃんの身の上話になると、皆親身になりながら聞いていた。

 

 まあ、吸血鬼の血を引いていると聞いた白音ちゃんがニンニク食べれば元気になれると追い掛け回していたけどね。

 それを涙目で逃げ惑うギャスパーちゃん。

 それを嗜めるでもなく微笑ましそうに眺めているリアスさんと姉ちゃん。

 それを苦笑して見ている祐美ちゃん。

 

 賑やかでいて穏やかな空気は慈愛に満ちているグレモリー眷属だからだろうか?

 他の眷属ではこうはいかないかも知れないな。

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

 新たに眷属仲間に加わったギャスパーちゃんの報告を悪魔上層部に告げると、今のリアスさんでは御しきれずに封印した方が良いのではないかと懸念の声が上がった。

 確かにギャスパーちゃんは未だ停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)を己の意思で制御しきれていないが、人工神器である伊達眼鏡のお陰で暴走する危険性は極めて低い。

 更に制御をより確実なものにするためにアザゼルさんに詳しい検査を依頼したいと打診したが色好い返事がもらえなかった。

 まあ、未だ三大勢力が冷戦状態では情報の一つも出し惜しみしたくなるのは納得しきれないものの概ね理解出来る。

 だがしかし、手を拱いていては自らの首を絞める結果となるだろう。

 

 俺は今まで培ってきたコネと人脈を使って粘り強く交渉した。

 俺の人脈といっても主なものはセラフォルー様に交渉に加わって欲しいとお願いしたぐらいだ。

 元々リアスさんの眷属のギャスパーちゃんの事なのでサーゼクス様の参加は確定していたが、セラフォルー様が加わった事で交渉はスムーズとまではいかないもののこちらの思惑通りに進められた。

 また一つセラフォルー様に借りが出来て、ますます頭が上がらなくなってしまった。

 うん。ナニをお願いされるかと思うと微かに震えが来る。

 まあ、無茶な事はお願いされないだろうが多少は無理をしないといけないかも知れない。

 

 

 

 

 

 さすがにギャスパーちゃんを連れて神の子を見張る者(グリゴリ)の本部どころか関連施設にも出向くことは出来ない。

 ヴァーリとの手合わせも悪魔と堕天使両陣営の監視付きで中立地帯で行われているぐらいだ。

 ここは日本、八百万の神々がいる国であるからどこかしらを借りる際も日本神話勢の許可が要るけれどね。

 今のところ毎回とも交渉材料は必要だが問題なく中立地帯を借りられている。

 だが今回はそこを借りる訳には行かないだろう。

 まあ、今回は手合わせと言う荒事ではないのでお誂え向きな場所がある。

 

 俺とギャスパーちゃんは駒王町外れにある神社へとやってきた。

 普通なら悪魔である俺達は鳥居を超えるとダメージを受ける。

 だがここは先代の神主が亡くなって無人となった神社を裏で特別な約定が交わされて悪魔でも立ち入る事が出来る。

 その約定を交わす際に日本神話勢と一つの取り決めが交わされているけれどね。

 まあ、要するに淵龍王である俺の力を有事の際は貸してほしいとの事だ。

 それくらいならお安い御用だと引き受けている。

 

 石段を上っていくと見慣れた顔が既に待っていた。

 

「よお! 綾人、遅かったな」

 

 白い歯を覗かせながら豪快に笑っているアザゼルさん。

 

「アザゼルさんが早く着き過ぎなだけですよ。まだ、約束の時間の一時間も前ですよ」

 

 俺は苦笑しながら応えた。

 

「まあ、楽しみだったからな。それでそっちが例の停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)の所有者の吸血鬼(ヴァンパイア)か」

 

 興味深そうにギャスパーちゃんを見詰めているアザゼルさん。

 

「ひぅっ!!?」

 

 ギャスパーちゃんは怯えた様に震えながら俺の背中へと隠れてしまった。

 

「アザゼルさん。ギャスパーちゃんはちょっと人見知りなところがあるので……」

 

 俺はギャスパーちゃんを庇う様にしながらアザゼルさんを促した。

 

「ああ、そうだな。早速検査するとしよう」

 

 俺達は連れ立って鳥居を潜って本殿へと足を運んだ。

 そこには既に様々な計測器が運び込まれていた。

 

「さあ、そこに横になってくれ」

 

 アザゼルさんに促されてギャスパーちゃんが恐る恐る計測台に横になった。

 

 俺は少しでも緊張が薄れる様にギャスパーちゃんの手を握って微笑みかけた。

 するとギャスパーちゃんは若干震えていたが、にっこりと微笑み返してくれた。

 

 

 

 

 

 

 暫く計測が続いていたが、小刻みに動いていた機械が止まった。

 

「よし! 計測完了だ。この結果を踏まえて新しい魔眼殺しを制作するからな。すまんが二~三日時間をくれ」

 

 アザゼルさんは嬉しそうに計測結果を早速吟味している様だ。

 

「お疲れ様、ギャスパーちゃん」

「はぅ~肩が凝りました」

 

 ギャスパーちゃんは肩を叩きながら安堵の溜息を吐いている。

 

「あっと、そうだ。神器(セイクリッド・ギア)の上達で一番てっとり早いのは、赤龍帝を宿した者の血を飲むことだ。まあ、今代の赤龍帝は未だ未発見だから代わりに綾人の血を飲ませるといいと思うぞ。淵龍王を宿した綾人の血でも十分効果があると思うぞ……それじゃあな」

 

 アザゼルさんはこちらの返事を待たずに急ぎ足で出て行った。

 

「帰ろうか、ギャスパーちゃん」

「そうですね……」

 

 俺とギャスパーちゃんはどちらともなしに手を繋いだ。

 

 すっかりと日の暮れ始めた境内を歩いていく。

 

 ふと、誰かがこちらを見詰めている気配に気が付いて振り返るもそこには誰も居なかった。

 

「綾人先輩? どうしました?」

「いや、何でもないよ」

 

 俺は頭を振って歩き出した。

 俺に手を引かれてギャスパーちゃんも歩き出した。

 

 俺達の影が境内から消えると木陰が揺らめいていた。

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 グレモリー眷属の一員となったギャスパーちゃんを鍛えいるために何故か俺がコーチとして抜擢された。

 まあ、ギャスパーちゃんに魔法を教えるつもりだったから渡りに船である。

 

 取り敢えず先ずは以前から疑問に思っていた吸血鬼としての弱点の克服に力を入れよう。

 

「さてと、ギャスパーちゃん?」

「はっ、はいぃ~!」

 

 俺の言葉に背筋を伸ばすギャスパーちゃん。

 つるぺたな体型にブルマが良く映えている。

 うん。オイラの大好きな太股が悩ましくて思わず頬擦りしたくなるぐらいだ。

 短めの体操着の裾からお臍がちらちらと見え隠れしているのもポイントが高い。

 

「俺が聞いた伝承だと吸血鬼はニンニクの臭いが苦手だとされているが、正確には食べる部分の根茎ではなくて花の方が苦手だった筈だ。まあ、でもこれだけ間違った知識が蔓延していると、言霊の力でそれが真実になってそうだけれどね」

「えっ、えっと……つまり、もしかして……?」

 

 俺の話を真面目に聞いていたギャスパーちゃんの顔がみるみる青ざめていく。

 

「その、まさかさ……先ずは俺の血液にニンニクを溶いたものからいってみようか?」

「いっ、いやぁっ!!? 血、嫌いですぅぅぅぅ! 生臭いのダメェェェェェェ! ニンニクも嫌いですぅぅぅ!」

 

 にっこりと微笑む俺から後ずさる様に離れていくギャスパーちゃん。

 

「ふむ。先に血嫌いから克服しないと駄目か……混血(ハーフ)とは言え、吸血鬼が血液を嫌いなんて話にならないからな。それっと♪」

 

 俺は笑顔のまま瞬動術で一気に間合いを詰めてギャスパーちゃんを抱きしめた。

 ギャスパーちゃんは必死に口を閉じて血液を飲ませられない様にしている。

 

「そんなに嫌がられると罪悪感が沸くけど……まあ、これも修行の内ってね♪」

 

 俺は眼を瞑って頭を振り乱しているギャスパーちゃんの顎を抑えた。

 そして、徐に唇を噛み切って血液を滴らせてギャスパーちゃんの唇を奪った。

 

「はむ……くちゅくちゅ……じゅるじゅる……」

「んん~!!?」

 

 眼をを見開いて驚いているギャスパーちゃんの口内へと舌を捩じ込んで血液の混じった唾液を流し込んでいく。

 

 そう言えば、俺から接吻(キス)したのは何気に始めてかな。

 何時もは姉ちゃん、最近は白音ちゃんもだけれど俺がされる方だからな。

 

「ぷはぁ~ご馳走様……どうだった?」

「はふぅ~ちょっと雑味があって癖がありますけど美味しかったですぅ~」

 

 とろんとした眼で唇を抑えながら頬を上気させて女の子座りをしているギャスパーちゃん。

 

「良かった……赤龍帝の血液と比べても問題ないって話だったけれど、口に合って良かったよ」

 

 まあ、雑味があるのは色んな因子を吸収しているからかな?

 

「さてと……次はこれに挑戦してみよう!」

 

 先程のニンニクを極小量溶いた俺の血液が入った小皿を差し出した。

 

「…………」

 

 暫く眼が踊っていたギャスパーちゃんだったが鼻を抑えながら一気に煽った。

 

「ひぎゃぁ~!!? しっ、舌が痺れますぅ~!!」

 

 口元を抑えながらのたうち回っているギャスパーちゃん。

 

 俺は空かさず再び唇を奪って唾液混じりの血液をギャスパーちゃんの口内へと流し込んだ。

 

 今度はギャスパーちゃんからも求める様に舌を絡めてきた。

 俺も負けじと更に舌使いを激しくしていく。

 

 お互いに息をするのも忘れて接吻(キス)に夢中になっていた。

 そして息苦しくなって同時に唇を離した。

 

「はぁはぁ……」

「ごほん……」

 

 眼鏡が曇るぐらい接吻(キス)をしていた事に気がついてお互いに顔を合わせ辛い。

 

「ナニをしているんですか?」

 

 桃色の空気を払拭する様に絶対零度に近い声が響き渡った。

 

 錆び付いた様に首を声の方に向けると、仁王立ちしている白音ちゃんが眼に映った。

 

 俺は丸で浮気現場を抑えられた亭主の様に固まってしまっていた。

 

 この後、姉ちゃんも加わって俺の尊厳を削り取る様な激しいスキンシップ(3P)が待ち受けていた。

 いや、まあ、俺も男の子だから女の子とのスキンシップ(3P)はむしろご褒美とも言える。

 でも何時も俺はする方ではなくされる方なのだ。

 酷い時には俺は縛り上げられて身動き一つできない状態で致される。

 一応きちんと避妊はしているとは言え、羞恥心と快楽の狭間で弄ばれるのは勘弁して欲しい。

 

 その様子をギャスパーちゃんは眼をぐるぐると回しながら顔どころか全身真っ赤にして眺めていた。

 出来れば助けてほしいところだけれど、下手に声を掛けるとギャスパーちゃんまで参加させられかねないから黙っていた。

 

 結局、様子を見に来たリアスさんが来るまで狂乱の宴は続いた。

 俺は何回吐き出したか分からない。

 疲労で腰どころか全身気怠くて指一本動かす気力も残っていなかった。

 幸いにもギャスパーちゃんは見学のみで参加しなかった。

 

 それからギャスパーちゃんは俺の顔を見ると真っ赤になって俯いてしまっていた。

 一応修練には逃げずに参加してくれているが、気不味い空気が暫く続いた。

 

 

 

 

 




アンケートの結果、男の娘(ギャーくん)ではなく女の子(ギャーちゃん)になりました。
オイラとしては男の娘(ギャーくん)でも問題なしどころかストライクゾーン内なんですけどね。
まあ、男の娘(ギャーくん)では非生産的だから女の子(ギャーちゃん)の方が良いですかね。

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