ハイスクールD×D ~ 堕ちた疾風迅雷と深淵を司る龍 ~   作:Mr.凸凹

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第08話

 

 

 

 

 

 はぐれ悪魔を断罪していく事、早数十体。

 中には政治的に処罰する必要のある者も居たが、大概は俺の手で処罰を与える事が大半だった。

 当初は同じ転生悪魔が殆どという事で多少の同情もあったが、数をこなしていく内に心を鋼に変えていった。

 無感動で処理していき己の糧へと血肉を因子に変換して吸収していく。

 何時しか俺はコンビを組んでいるサイラオーグ殿と共にはぐれ悪魔達から恐れられる者となっていた。

 

 だが、俺は『魔法少女マジカル✩レヴィアたん』にレギュラー出演している影響からか一部、特に子供達からは人気がある。

 一度子供を人質にとったはぐれ悪魔が居たが、冷静に処理して子供を無傷で助け出すと更に加速的に人気が鰻登りとなった。

 まあ、人気が出るのも考えものだが悪い気はしない。

 でも、眼をキラキラと輝かせてありもしないレヴィアたんとの赤裸々な関係を訊ねてくるのは勘弁して欲しい。

 徒でさえ公私共に猛烈アタックしてくるセラフォルー様に若干疲弊しているのだからね。

 

 いや、セラフォルー様の事は嫌いじゃないんだよ。

 どちらかと言うと好ましい感情を抱いている。

 問題はそれがLoveではなくてLike止まりだと言う事だ。

 そんな俺の気持ちを知っていても、悪魔の寿命は長いので何時しか俺も心変わりをするかもしれないとセラフォルー様は強かに攻勢を仕掛けてきている。

 その都度、姉ちゃんの機嫌が悪くなっていくのは勘弁して欲しい。

 徒でさえ姉ちゃんの誘惑をのらりくらりと躱していっているので、姉ちゃんも躍起になって日に日に攻勢が厳しくなってきているのだ。

 

 ああ、癒しが欲しい。

 心から安らげる時間が欲しい。

 美少女な姉ちゃんに迫られて何て贅沢なと言われるかもしれないが、僅かに残った良心の呵責に縛られて心労が半端ない。

 転生悪魔だからと欲望に忠実になれたらどれだけ楽になれるだろうか?

 こればかりは転生特典で鍛えれば鍛えるほど強くなる心をもらっていても難しい問題だ。

 

 俺は重い足取りで指定された謁見の間に足を運んでいった。

 

 

 

 

 

「やっほぉ~✩ 貴方のレヴィアたんから愛のメッセージだよ♪」

 

 何やら頬を染めつつ丸でラブレターの様に今回のターゲットの書かれた指令書を胸元で挟んで差し出してくるセラフォルー様。

 だが悪戯っぽい笑顔で舌をチロリと出していて若干あざとくも感じる。

 

 何時もはグレイフィアさんが持ってくるのだがどういう風の吹き回しなんだろうか?

 しかも何気に四大魔王の内のニ柱がそろい踏みしている。

 

 俺が訝しげに指令書を受け取るとセラフォルー様の様子を苦笑して見ていたサーゼクス様が真剣な表情を浮かべた。

 釣られてセラフォルー様も真剣な表情を浮かべた。

 その眼には若干の不安の色が見て取れた。

 

「拝見します……」 

 

 俺が指令書を開くと魔法陣が展開されて立体的に今回のターゲットの情報が浮かび上がった。

 

 こっ、これはっ!!?

 そうか、とうとう来たか。

 

 そこには主殺しの罪ではぐれ悪魔となった黒歌さんの姿が浮かび上がっていた。

 

「今回のターゲットは些か君でも荷が重いかもしれない……最上級悪魔に匹敵するSSランク評価のある転生悪魔だ」

「でも今回は討伐と言うよりその妹ちゃんの保護が最優先、って感じかな……主を殺した転生悪魔の身内だから同じように危険だって言う頭の固いおじさま達が居るから先に保護しないとダメなの」

 

 指令書には小猫ちゃん……いや、まだ白音ちゃんか。

 彼女の情報も浮かび上がってきた。

 

 原作時より儚い印象を受ける華奢な肢体。

 抱きしめると折れてしまいそうだ。

 この娘を心身共に守る事は俺に出来るのだろうか?

 

 

「了解しました……手段は一任させて頂いてもよろしいでしょうか?」

 

 俺は確認する様にサーゼクス様の眼を見詰返した。

 

 出来れば白音ちゃんに手荒な真似はしたくないし、黒歌さんとの禍根も残したくない。

 禍根を残せば後々の行動に支障を来すだろう。

 

「ああ、構わないよ。君の思うとおりにするといいさ……」

 

 言質は取った。

 これで気兼ね無しに行動出来る。

 出来る限りに最善を目指して頑張りますか。

 

 それにしても今回は表向きはサイラオーグ殿は都合が付かずに実質単独任務か。

 滅びの魔力を受け継いでいないとは言えサイラオーグ殿は大王の血族で、俺は神滅具を宿しているとは言え換えの効く転生悪魔だ。

 下手をすれば死ぬ確率が高い任務だから仕方ないか。

 まあ、好都合かな。

 

 さてと、先遣隊に遅れない様にしないとな。

 あまり手間取っているとそれだけ白音ちゃんの生存率が下がるだろう。

 それだけは避けなければならない。

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 黒歌さんの足取りはそれ程苦労する事なく掴めた。

 一人だけならまだしも、悪く言えば足手纏いの白音ちゃんを連れているために強行軍に踏み切れていないのが幸いした。

 

 先遣隊が息絶えて倒れ臥している先に連れ添って歩いている猫魈の姉妹が眼に入った。

 俺は何時しか龍の羽が四枚加わって悪魔の羽四枚と堕天使の羽四枚とを合わせた計十二枚の翼をはためかせて加速していって彼女達の眼の前へと降り立った。

 

「誰にゃ!!?」

 

 空かさず白音ちゃんを背後に庇って、俺を威嚇してくる黒歌さん。

 白音ちゃんは怯えた眼で俺を見詰めている。

 

 俺は敢えて悪魔の羽と堕天使の羽、更には龍の羽が入り混じった翼を晒したまま会釈した。

 

「お初にお目に掛かります、黒歌さん……俺はサーゼクス様の妹君のリアス姫の眷属が一人、戦車(ルーク)の駒を授かった姫島 綾人と申します」

 

 俺は顔を上げてしっかりと黒歌さんの眼を見詰返して、両手を挙げて敵意がない事を示しながらにっこりと微笑んだ。

 

「その翼……それにリアス・グレモリーの戦車(ルーク)って……まっ、まさかっ!!? 噂の淵龍王かにゃ!!?」

 

 驚愕の表情を浮かべながらこちらを更に警戒した視線で射抜いてくる黒歌さん。

 対照的に白音ちゃんは恐怖が薄らいで興味深そうに俺の事を見詰めている。

 

「はい。未だ理には至っていない若輩者ですが、一応今代の淵龍王を務めさせてもらってます……今回は黒歌さんと白音ちゃんに契約を持ちかけに来ました」

 

 俺は敵意のないままにこちらの要件を簡潔に伝えた。

 

「契約? 巫山戯るな!! 悪魔の契約ほど信じられない物はない!!」

 

 隠しきれない怒りを顕にして、俺を敵みたいに睨んでくる黒歌さん。

 

 俺はその怒りを流さず受け止めて、更に口を開いた。

 

「口頭契約で済ませる気はありません……契約書をしっかりと交わして行います。それに契約違反には俺の命を差し上げます」

「…………」

 

 俺の言葉を飲み込む様に思案していて黙り込む黒歌さん。

 その表情には凄まじい葛藤が入り混じっていた。

 

「姉さま……あの屑主と違って彼は信じられると思います」

 

 白音ちゃんは黒歌さんの裾を引っ張りながら上目遣いに見詰めている。

 

 なるほど、もしかして白音ちゃんってば黒歌さんが主を殺した原因を既に知っているのかな?

 この事は好都合なのかな?

 

「はぁ~……白音? あんた、彼がテレビで見ているキャラと同じだと思っていると痛い目みるかもしれないにゃ……」

 

 ため息混じりに白音ちゃんに諭す様に言い聞かせる黒歌さん。

 

「それはそうかもしれませんが……女性や子供の味方である彼はテレビ外でも私達の味方みたいですよ」

 

 何だ。『魔法少女マジカル✩レヴィアたん』に出演していた事も強ち無駄じゃなかったみたいだな。

 

 俺が苦笑していると肩の力を抜いた黒歌さんがこちらを一瞥してきた。

 

「確かに私が疲弊している上に白音を連れていてこっちが不利なのに一向に仕掛けてこないにゃ……良いにゃ、話ぐらいは聞いてあげる」

 

 微かに警戒の色を残したままだが譲歩してくれた黒歌さん。

 

「感謝します……では、契約書に眼を通して頂けますか?」

 

 俺は懐から契約書を取り出して黒歌さんに手渡した。

 既に契約書には俺の血判とサインを施してある。

 

 無言で受け取って熟読していく黒歌さん。

 白音ちゃんはその黒歌さんの傍でそわそわと俺の方をちらちらと見ている。

 俺は眼が合う度に白音ちゃんに笑顔で手を振った。

 するとぎこちなく白音ちゃんは控えめに手を振り返してくれた。

 

 はぅっ!!?

 きゃわええ~っすよ!!

 お持ち帰りしたい!!

 その太ももに頬をスリスリしたい!!

 

 俺は表面上はにこやかに微笑みながら、内面は白音ちゃんに萌えて悶えていた。

 

 

 

 

 

「最初に確認しておくけど……この契約におけるあんたのメリットって何にゃ?」

 

 契約書をぴらぴらと振りながら訊ねてくる黒歌さん。

 

「先ず建前として眷属仲間に強力な猫魈の血を引く白音ちゃんが手に入ります……」

 

 俺の言葉に眉を僅かに釣り上げる黒歌さん。

 

「それで本音は……?」

 

 俺の本心を見透かす様に眼を細めながら訊ねてくる黒歌さん。

 

「恥ずかしながら、俺は白音ちゃんに一目惚れしていまして……白音ちゃんと一緒に悠久の時を過ごしたいと思ってます」

 

 俺は僅かに朱色に染めた頬を掻きながらも臆面もなしに答えた。

 

「はぁ!!?」

「っ!!?」

 

 俺の答えに眼を丸くして固まる黒歌さんと頬を真っ赤に染めて固まる白音ちゃん。

 

「あんた、本気?」

 

 俺をしげしげと見詰めながら訊ねてくる黒歌さん。

 

「勿論、本気です!」

 

 そう、俺は前世から白音ちゃんに一目惚れしていてずっと想ってきたんだ。

 この心に偽りはない。

 実際に目の当たりにしてその気持ちは更に膨れ上がったぐらいだよ。

 

「白音……あんたはどうしたいにゃ? 確かにこのまま一緒に行動していても手詰まりだよ」

 

 黒歌さんは白音ちゃんの眼を覗き込む様に訊ねている。

 

「姉さまと離れ離れになるのは辛いです。でも、姉さまの負担になっている今の自分は嫌いです。それに……」

 

 頬どころか首まで真っ赤にして俯いている白音ちゃん。

 

「それに、何にゃ?」

 

 面白そうに続きを促している黒歌さん。

 白音ちゃんは益々真っ赤になって縮こまっている。

 

 いや~あの~、確かに俺は恥ずかしい事を臆面もなしに言ったけど、そこまで恐縮しなくてもいい様な気がするよ。

 もしかして、自意識過剰じゃなかったら白音ちゃんも少しは俺の事を想ってくれているのかな?

 

 俺が固唾を飲んで見守っていると白音ちゃんは顔を上げて、黒歌さんの耳元で囁く様に答えていた。

 それを聞いて頷いている黒歌さん。

 

「うん、分かったにゃ。寂しいけど、ここで一旦お別れだね。白音……」

「はい、姉さま。どうぞ、息災で……姉さまの嫌疑は私が晴らします」

 

 お互いに抱きしめ合いながら別れを惜しんでいる猫魈の姉妹。

 その様子は侵しがたい神聖なものの様に感じられた。

 

「よしと! 淵龍王ちん、君と正式に契約を交わすにゃ。 白音を泣かせたら末代まで祟るぞぉ♪」

 

 白音ちゃんを開放して俺の意味深な笑みを浮かべてくる黒歌さん。

 

「はい。確約はできませんが、できる限り努力します」

 

 俺の答えに満足そうに頷きながら契約書にサインしていく黒歌さん。

 そして指を傷つけて血判を押した。

 

 続いて白音ちゃんも契約書にサインして血判を押した。

 

 契約書が光を放って魔法陣を浮かび上がらせる。

 三人を魔法陣が足元から通過して契約が正式に交わされた。

 

 

 

 

 

「さてと、これで私は身軽になって逃亡しやすくなった訳だけれど……見逃していいのかにゃ?」

 

 確かめる様に俺に訊ねてくる黒歌さん。

 

「ええ、構いません。今回の任務はあくまで白音ちゃんの保護が最優先ですから……それに、実際に話してみて貴女の為人が掴めましたからね。私欲で主を害する者とは違うと感じました」

 

 俺がにっこりと微笑みながら言うと溜息を吐く黒歌さん。

 

「信じるのは勝手だけれど……まあ、それで白音の安全が買えたなら安いもんか……白音、この子はお人好しみたいだからしっかりと轡を握ってなきゃ駄目にゃ♪」

「はい、姉さま。お気をつけて……」

 

 少し寂しそうにお別れを言う白音ちゃん。

 

「うん、白音もね……名残惜しいけどさようならにゃ」

 

 黒歌さんは何度も後ろを振り返って大きく手を振って去っていった。

 

 白音ちゃんも黒歌さんの姿が見えなくなるまで手を振り返していた。

 

「行っちゃたね、白音ちゃん……俺では黒歌さんの代わりにはなれないだろうけど、一緒にいるよ」

 

 俺が白音ちゃんの頭を撫でながら言うと、少し頬を染めながら見上げてくる。

 

「はい。よろしくお願いします、綾人兄さま」

「……にっ、兄さま?」

 

 俺は白音ちゃんの呼称に思わず聞き返した。

 

「駄目でしょうか?」

 

 目尻に涙を溜めながら上目遣いに訴えてくる白音ちゃん。

 

 うぐっ!!?

 こっ、コレはっ!!?

 贖う事ができそうにないな。

 

「えっと……駄目じゃないよ、好きに呼んでくれ」

 

 俺はにっこりと微笑みかけた。

 すると、白音ちゃんは頬の赤みを隠す様に俺の胸元に顔を埋めてきた。

 

 うぉっ!!?

 コレって、既にフラグが建ってるっ!!?

 もしかして『魔法少女マジカル✩レヴィアたん』の出演の効果かな?

 それなら嬉しい誤算だな。

 

 俺はそっと白音ちゃんを抱きしめた。

 

「さてと、未だリアス・グレモリー眷属じゃない白音ちゃんは魔法陣で転移出来ないから空を飛んでいく事になるけれど……」

「はい……私は飛べませんのでエスコートをよろしくお願いします」

 

 白音ちゃんは俺の胸元に顔を埋めたまま腰に手を回している。

 

「ああ、しっかりと掴まっていてね」

 

 俺は白音ちゃんをそっと抱きしめ返して翼を羽ばたかせて空へと飛び上がった。

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 白音ちゃんを引き連れてサーゼクス様に謁見を申し出た。

 幸いな事にセラフォルー様は既に居なかった。

 あれでも多忙な四大魔王の一柱だからね。

 その割に頻繁に俺にアタックしてくる気がするけれどね。

 

「任務ご苦労、淵龍王。一先ず、労を労おう」

「勿体無きお言葉……感謝致します」

 

 俺は王座にて座っているサーゼクス様の前で臣下の礼を取っている。

 普段は人当たりの良い方でも、そこは四大魔王の一柱。

 公私の区別をつけて接する必要がある。

 まあ、一度魔王の仮面を外したら唯のドシスコンなんだけれどね。

 

「君が白音か。君の安全は我が魔王サーゼクスの名に置いて保証しよう」

「ありがとうございます、サーゼクス様」

 

 白音ちゃんは顔を上げてサーゼクス様に答えている。

 その身体は微かに震えていた。

 

 やっぱり黒歌さんの主殺しの嫌疑を晴らそうと申し立てをするつもりだろう。

 ここで俺が出しゃばる訳にはいかない。

 俺は原作知識で事情を知ってはいるが当事者ではない。

 まあ、手は打っておいているけれどね。

 

「君の身柄は我が妹のリアス・グレモリー預りとなる。問題ないかな?」

「はい……ですが、一つお願いがあります」

 

 白音ちゃんは震える体を奮い立たせる様に言った。

 

「何かな? 出来る限りは叶えよう」

 

 サーゼクス様は優し気な笑みを浮かべながら続きを促した。

 

「姉さま……黒歌姉さまの主殺しの一件を詳しく調査して欲しいんです。何故、姉さまが主を殺したのか。先に裏切ったのはどちらなのか」

 

 一瞬眉を顰めたサーゼクス様。

 

「ふむ……黒歌の主殺害は私利私欲ではなく理由があると言う事かな? いいだろう、魔王サーゼクスの名に置いて調査を行う事を約束しよう」

 

 良かった。

 事前に黒歌さんの元主の黒い噂をサーゼクス様の耳に入れて置いた事は無駄にはならなかった。

 

「ありがとうございます」

 

 白音ちゃんは安堵の表情を浮かべながら頭を深々と下げている。

 

 

 

 

 

 サーゼクス様との謁見が終わってリアスさんと姉ちゃんに白音ちゃんを引き合わせる事になった。

 

 白音ちゃんは俺の服の裾を掴みながら不安そうにしている。

 

「初めまして、白音。私がリアス・グレモリー。貴女の身元引受人ってところね。出来れば貴女にも私の眷属になって欲しいところだけれど……」

 

 にっこりと微笑みながら手を差し出している我が主(リアス姫)

 

「綾人兄さまと居れるなら構いません……」

 

 その手をゆっくりと、しかししっかりと握り返している白音ちゃん。

 まあ、俺の服の裾を掴んだままなのはご愛嬌か。

 

「あらあら♪ 綾人ってば、また女の子を堕としましたのね。本当に罪作りな子ですわね」

 

 頬に手を当てながら微笑んでいる姉ちゃん。

 その眼は白音ちゃんを値踏みする様に輝いている。

 その視線を受けて白音ちゃんが息苦しそうに身を捩っている。

 

「姉ちゃん……自己紹介がまだだよ」

 

 俺がため息混じりに指摘すると探るような視線は止まった。

 

「あら? そうでしたわね。私は姫島 朱乃ですわ。お察しのとおり、綾人の実姉ですわ」

「よろしくお願いします、朱乃さん」

 

 お互いに笑顔なんだが俺を挟んで丸で睨み合っている様だ。

 

 俺の背に思わず冷や汗が流れ落ちていく。

 

「朱乃ってば、相変わらずのブラコンよね」

 

 その様子をため息混じりに眺めているリアスさん。

 

 唯のブラコン程度なら俺も困りませんよ。

 でも俺を異性としてしっかりと認識しているんだから質が悪い。

 まあ、そんな姉ちゃんを俺も少しばかりとは言え、しっかりと異性と意識しているからね。

 我ながら度し難い。

 

 姉ちゃんと白音ちゃんには出来れば仲良くいて欲しいけれど、それって贅沢な悩みなのかな?

 

 

 

 

 




何だか執筆している内に思ったんですけど、これって白音ちゃんが名前を小猫ちゃんに変える必要ないですよね?
既に黒歌さんの主殺しの真相を知っているし、これなら仙術も忌み嫌う必要がないですよね。

リアス眷属は軒並み強化予定ですので最初から仙術を使用させる事にしていたらこんな展開になりました。
他にも他作品から技のパロディーをするつもりですがね。

そして、何故か綾人(オリ主)を兄さま呼びする事になってしまいました。
まあ、朱乃(実の姉)の行動に一喜一憂しているシスコンな綾人(オリ主)ですので、義理と言えども有効な呼び方ですかね。

ご意見ご感想をお待ちしています。

活動報告にアーシアのヒロイン化についてのアンケートがあります。
こちらもご意見お待ちしています。(終了しました)

※何故か一誠TS化の派閥が台頭してきてます。
 いや、まあ、TS化は嫌いじゃないですよ。
 既にヴァーリをTS化してますしね。

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