超次元調査隊トライフォース軍   作:クドウゼンキ

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第1話

クドウゼンキ:♂

クドウセイギ:♂

マリア・トラベリア:♀

ナレーション:♂or♀

 

 

エピソード1「始まり」

これはまだ自分の運命を知らぬ一人の男の壮絶なる旅の記録である。

 

ゼンキM「俺の名はクドウゼンキ、いたって普通の男子・・・のはずだった、そう、

     あの出来事があるまでは・・・。

     それはある晴れた日のことだった、いつものように、クラスメートであ

     り幼馴染のマリア・トラべリアと共に学校のテストを終え、自宅に帰宅

     しているときだった。

     その時自分に降りかかる悲劇など知るよしもなかった。」

 

ゼンキ「いや~、今日のテストはまた一段と難しかったな~。」

ゼンキが独り言を言うと、マリアが突っ込む。

マリア・トラベリアはゼンキの幼馴染であり、彼らが通ってるスクールが公認して

いるガールフレンドである。

 

マリア「何言ってんのよ、またなんだかんだでスクールNo.1取ったくせに。」

 

ゼンキ「マリアだってNo.2じゃないか、お互い様だろ。」

いつものように何気ない会話を繰り返しているときに、ゼンキの運命を変える連絡

が入った。

 

prrrr....

 

ゼンキ「ん?あ、父さんから通話だ、もしもし、父さん、どうしたの?」

ゼンキの父親の名はクドウセイギ、あらゆる部門での科学力に長けている科学界の

権威であるが、本人はそんなのは気にせず自前の気さくな性格を周囲に振舞ってい

る。

その性格のせいか、彼を慕う部下は非常に多い。

争いは好まない性格だが、自分に親しいものが相手の意図的な理由で傷ついてた場

合は容赦なく相手を追い詰める裏の人格を持つが、裏人格が出ることは非常に稀で

ある。

自前で研究所を持っている。

 

セイギ「ああゼンキか、悪いが今すぐ研究所に来てくれないか、見せたいものがあ

    るんだ。」

ゼンキ「ああ、わかったよ、父さん、すぐ戻るよ。」

 

マリア「どうしたの?何か用事?」

 

ゼンキ「いや、今父さんが研究してるものがあるんだけど、それは今までに無い新

    しい研究なんだそうだ、今俺たちがスクールで習っているのよりももっと

    すごい研究らしい。」

マリア「へえ~、ねえ、私もついて行っていいかな?」

 

ゼンキ「え?ん~多分大丈夫だと思うけど。」

 

マリア「じゃあ決まりね」

 

こうしてゼンキとマリアはセイギの待つ光研究所に行くことになった。

 

~光研究所入り口~

 

セイギ「ああ、ゼンキ来たか、マリアちゃんもいらっしゃい。」

 

ゼンキ「父さん、マリアもついていきたいって言うんだけど、いいかな?」

 

セイギ「もちろん大歓迎さ。」

 

マリア「ありがとうございます。」

 

セイギ「さあ、こっちだよ。」

 

セイギについて行き、研究所の最深部に到着した、過去にここに来たことのあるゼ

ンキはある違和感を覚えた。

 

ゼンキ「父さん、ここって前は何も無いだだっ広い空間が広がってるところだった

    よね?」

セイギ「ああ、そうだよ、でも今は違う。」

 

ゼンキ「やっぱりか・・・、この大きいのは何なの?」

 

セイギ「それを見せるために俺はお前を呼んだんだよ、ちょっとまってろよ。」

そういうとセイギは隣にあるパネルを操作し始めた。

 

セイギ「俺が見せたかったのはこいつだ。」

そういうと、今まで暗かった部屋に明かりが灯された。

 

ゼンキ「父さん、これは・・・。」

 

マリア「大きい、鉄の艦?」

マリアの言う通り、その空間にはとてつもなく巨大な一隻の艦(ふね)があった。

そしてセイギはその艦の名をつぶやいた。

 

セイギ「こいつは俺の今研究してる謎の永久機関、通称「Rドライヴ」を搭載した艦

    正式名称は「DTS-001時空航行艦プロメテウス」だ。」

ゼンキ「プロメテウス・・・?」

ゼンキはその名に聞き覚えがあった。

 

ゼンキ「その名前って・・・。」

 

セイギ「そうだ、お前にやらせていた戦闘シュミレーションでお前が自作し、名付

    けた戦艦の名だ。」

マリア「ちなみ、型式番号のDTSはどういう意味で?」

 

セイギ「D:ディメンション(時空)T:トラベル(旅)S:シップ(艦)だ。」

 

ゼンキ「すごいや父さん。」

 

セイギ「ゼンキ、お前にはもうひとつ、見せたいものがある。」

 

ゼンキ「もうひとつ?」

そう言うとセイギはゼンキをつれてさらに奥へ行った。

 

ゼンキ「父さん、俺に見せたいもう一つの物って?」

 

セイギ「これさ。」

セイギの言葉と共に照らされたそれは、鉄灰色の体、背中に十枚の翼を持った鋼鉄の

巨人だった。

 

ゼンキ「こ、これは。」

 

セイギ「まだ試作段階だがな、データが集まれば完成となるこの機体は・・・。」

セイギよりも早くゼンキがその名を呼ぶ、正しくはその物の完成した名前を。

 

ゼンキ「ハイパーフリーダム・・・。」

 

セイギ「正しくは試作段階だから「ZFMG-GNX001P プロトハイパーフリーダム」だ、

    お前が考えた、最高のスピードを持つ最強の機体だ」

ゼンキ「父さんにはかなわないな・・・。」

 

セイギ「こいつにはさっきのプロメテウスと同じRドライヴを三基搭載してある、同調

    率がまだ安定しないから、データがいろいろと必要だ。」

そしてな・・・とセイギは言葉を紡ぎ。

 

セイギ「プロメテウスとこいつには、Rドライブ以外にもう一つ、ある機関を組み込ん

    である。」

ゼンキ「ある機関?」

 

セイギ「自立学習型進化システムさ。」

 

ゼンキ「じゃあ、こいつとプロメテウスは・・・。」

 

セイギ「ああ、こいつらは学習し、進化することができる。」

話し終え、二人はプロメテウスの格納庫まで戻ってきた。

 

セイギ「今からプロメテウスの試験運行と、プロトハイパーフリーダムの稼動実験を行う。」

 

ゼンキ「わかった。」

 

~プロメテウス艦橋~

 

ゼンキ「ここがプロメテウスのブリッジか。」

 

マリア「あ、ゼンキ遅いよ~。」

 

ゼンキ「マリア、下にいないと思ったら、ここで何してるんだ?」

 

マリア「プロメテウスのCICを練習してたのよ。」

 

ゼンキ「お前がCICなら、安心できるな。」

 

セイギ「よ~し、ならプロメテウスのシステムを立ち上げるぞ。」

 

ゼンキ/マリア「わかったよ/わかりました」

そう言い、三人はプロメテウスの稼動シークエンスを始めた

 

ゼンキ「プロメテウス稼動シークエンス開始、艦システムオールグリーン。」

 

マリア「Rドライブ、問題なく稼動、動力部の感度良好。」

 

セイギ「ハイセンサー、及び、ペレクトディスフェンサー、アイドリング正常。」

 

マリア「プロメテウス全システムオンライン、発進準備完了。」

 

ゼンキ「機体の搬入は?」

 

マリア「確認済みです。」

 

ゼンキ「船体固定アームパージ。」

 

セイギ「船体浮力システム異常なし。」

 

ゼンキ「これより発進、ならびに次元転移システムの稼動実験を行う。」

 

マリア「了解、次元干渉システム起動。」

 

セイギ「転移先に仮想空間を形成、目標地点に設定。」

 

マリア「次元ホール、開きます。」

目の前の空間に穴が開く、今にも吸い込まれそうな気分になりそうな光景だった。

 

ゼンキ「前進微速、プロメテウス発進!」

プロメテウスが前進し、空間に開いた穴に吸い込まれるように消えた。

第一話 完 

 

 

 

 

 

 

 

 


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