バカとIS   作:陸のトリントン

15 / 22
皆さんお待たせしました。

番外編です。

更新が遅れてしまいまして、申し訳ございません。


番外編 「翔」と「夜明け」

人は誰しも人生の夜明けというものを迎えます。

 

喧嘩の後だったり、綺麗な情景を見た後だったり、誰かのご祝儀だったり、色々あります。

 

私の夜明けは、一人の男でした。

 

バカで、デリカシーが無くて、ものを覚えるのが苦手だけど

 

強くて、自分に正直で、信念を曲げない

 

そんな人でした。

 

今日は、そんな男の夜明けを話します。

 

どうして、彼が語らないのか?

 

 

 

彼、恥ずかしくて話したがらないんです。

 

なので私、更識簪がお話します。

 

 

 

佐山翔の夜明けを・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、私と翔が付き合って半年ぐらいの事でした。

 

 

 

PM4:30 とある喫茶店

 

「プレゼント?誕生日だっけ?」

 

「そうじゃなくて・・・つ、付き合って・・・半年経ったから・・・その・・・」

 

「記念日ってことか。もらっとくよ、簪」

 

「あ・・・ありがとう!」

 

翔の不器用な笑顔を見て、私は筒状のパズル(プレゼント)を渡せたことに喜んでいた。

 

 

 

その時の私は、目に映るすべての物が希望に満ち溢れていた。

 

 

 

初めてのハンバーガーショップ。

 

初めてのゲームセンター。

 

初めての映画館デート。

 

初めての・・・キス。

 

 

 

私は翔にいろんな初めてを貰った。

 

 

 

強くて、どんな相手にも負けない、私の傍にいてくれる。

 

私だけのヒーローだった。

 

 

 

 

 

 

「で、次どこ行く?簪」

 

「え・・・えっと。じゃあ・・・」

 

私は翔と一緒にどこかへ行こうとした時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様が佐山翔か・・・」

 

「「ん?」」

 

一人の男が遮った。

 

その男は、翔と同じぐらいの長身で、長い金髪を後ろで二つに束ねていた。

 

翔とは違ってクールな雰囲気に鋭い目つきをしていて、どこか中世の貴族の服装をしていた。

 

そして右手にはレイピアを持っていた。

 

 

 

 

 

 

「誰だお前?」

 

「貴様のような男に名乗る名など無い」

 

「自惚れてるのかお前?」

 

「貴様ほどではないがな」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 

 

二人の間に流れる沈黙に私は耐えきれず、金髪の男に声を掛けた。

 

「あの・・・どちら様・・・ですか?」

 

「・・・・・・ウィリアムだ」

 

「どのような・・・用事で・・・」

 

その直後、レイピアを私達二人に向けた。

 

「佐山翔・・・貴様を倒し、更識簪を貰う」

 

「・・・え?」

 

私は驚きを隠せなかった。翔を倒すと堂々と宣言し、私を誘拐することに・・・

 

 

 

今まで翔が戦ってきた相手は、みんな揃って姑息な手段で倒そうとしていました。

 

人質をとったり、騙したり、仲間を呼んで倒そうとしたり、とにかくあらゆる手段を用いて倒そうとして返り討ちに遭ってきました。

 

だけど、ウィリアムという男性は正々堂々と翔に決闘を申し込んで来ました。

 

何か大きな覚悟を背負って・・・

 

 

 

「上等じゃねえか・・・てめぇをぶっ倒して、簪と一緒にデートスポット巡りさせてもらうぞ!」

 

「では、この先の山林で決するとしよう」

 

この時、私は翔が勝つと思っていた。

 

 

 

誰にも負けない。誰よりも強い。どんなことがあっても挫けない。私だけのヒーロー。

 

そんな翔が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は・・・常にゆとりを掲げ、相手をきちんと見据えようとしない!」

 

 

 

私の想いを正面から受け止めて・・・

 

 

 

「それは即ち、自分の命すら正面から見たことが無いということだ!」

 

 

 

私の命を救ってくれた・・・

 

 

 

「何も恐れていないと心を欺き、一時の情念に自らの心を隠しごまかす奴には!」

 

 

 

自分の信念を曲げずに・・・

 

 

 

「覚悟して知れ。お前の真の姿を・・・」

 

 

 

誰よりも素直に生きて・・・

 

 

 

「初めて恐怖に怯える様を!」

 

 

 

どんなことがあっても恐れず・・・

 

 

 

「臆病が・・・」

 

 

 

臆することなく勝利を掴んできた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔が・・・私の目の前で倒れていた。

 

全身の切り傷から血が滲み出て、立ち上がる気配など無かった。

 

 

 

PM5:30 山林

 

「さて・・・お前をどうすべきか。見せしめとして切り刻むも良し、もしくは・・・ん?」

 

袖口の汚れを見た瞬間、ウィリアムはなぜか倒れている翔に関心を持った。

 

「ほう。貴様如きが私に傷をつけるとは、これも一つの可能性か・・・いいだろう。無意味に命を奪うのは導師の思惑と反する。私は導師の患いを除きさえすればよい」

 

 

 

 

 

 

翔・・・起きて。

 

「次の日の出まで猶予を与える」

 

お願い・・・起きて!

 

「それまでに××教会で更識簪から離れると宣言をしろ」

 

立ち上がって・・・そして、いつものように勝って!

 

「行くぞ、更識簪」

 

私を守るって約束したじゃない!お願い、起き上がって!

 

「ど、どうして・・・私を・・・」

 

「導師が必要としているからだ」

 

助けて・・・助けて、翔!

 

「い、嫌!離して!」

 

「手荒な真似は避けたかったが、止むを得ん」

 

その時、私の後頭部に衝撃が走った。

 

「助・・・けて・・・翔・・・」

 

私の意識はそこで途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PM8:00 ××教会

 

 

 

「は・・・うえ!はは・・・!ただ今戻りました!」

 

「・・・ここは?」

 

私が意識を取り戻したとき、外は深い闇に包まれ、人の気配など無かった。

 

ロウソクが灯っていて、その光で分かったことは長椅子が綺麗に並べられてあり、真ん中には赤い絨毯が一直線に敷かれてあった。私は××教会に連れてこられたと理解した。

 

私の手足は縄で縛られて身動きができない状態で教会の中央にいた。

 

携帯電話は目の前にあったけど既に壊されていた。

 

赤い絨毯の先には女性が描かれている絵画の前で喜んでいるウィリアムがいた。

 

 

 

「母上! お喜び下さい。私の大勝利です! あの方を邪魔しようとする輩をコテンパンにやっつけてやりました! 翔の奴、今頃尻尾を巻いて逃げ出している事でしょう!ウィリアムは使命を果たしたのです!」

 

私は、翔が負けた時の事を思い出した。

 

 

 

彼のレイピアさばきに翻弄される翔の姿。

 

彼の言葉を黙って聞いてる翔の姿。

 

そして、恐怖に怯える翔の顔・・・

 

ウィリアムに負けた理由。

 

それは圧倒的な力量と技術の差ではなく、気持ちで負けた・・・

 

 

 

 

 

 

「母上。先ほどの報告、一つだけ訂正がある。しかしそれも翌日には、貴方の命日には解決します。この私が・・・」

 

「翔・・・」

 

 

 

 

 

 

PM9:30 ××教会

 

私は怖かった。どんなときも私を守ってくれた大切な人がいない。喫茶店でプレゼントを貰って喜んでいた彼がいない。私を救ってくれたヒーローが・・・いない。

 

ウィリアムが用意した食事も、のどを通らない。

 

私は一人。

 

私は無能・・・違う。無能じゃない。

 

それに翔は必ず戻ってくる。

 

 

 

 

 

 

『ロシア代表候補生のオマケ』

 

 

 

「翔は・・・来る」

 

 

 

『ダメな付属品』

 

 

 

「私を・・・助けに・・・」

 

 

 

『無能』

 

 

 

「助けに・・・」

 

 

 

『あなたは何もしなくていい。私が全部してあげる。だから、あなたは無能なままでいなさい』

 

 

 

「翔・・・・・・助けて」

 

私は、裸のウィリアムを横目に唯々泣いていた。

 

 

 

 

 

 

PM11:30 ××教会

 

「母上。私は今日まであなたを求めてきた。あなたの声を、笑顔を、温もりを」

 

裸のウィリアムが突然喋りだした。クールな雰囲気などそこには無く、何かを求め興奮している顔だった。

 

「しかしあなたは!・・・あの方が羨ましかった。あなたに慕われるほどのあの方が、殺してやりたいほど羨ましかった!」

 

彼は鼻血を出しながらも声を荒げてた。

 

「だから私はあんな事を!・・・愚かだった。愛されるにはまず愛さなければならなかった。あなたはそれを身を持って教えてくれたのに、私は・・・」

 

彼の異常なまでのマザコンに恐怖を覚えたが、その直後に私は衝撃の光景を見た。

 

 

 

彼の右腕から青い電流が流れ、一本のレイピアが現れた。

 

 

 

「そうです。父上を愛した果てにあなたがいる。だから今は使命のために・・・」

 

彼は立ち上がってレイピアを横に振った。

 

その直後、後ろの女性の絵画が落ちた。

 

「さようなら・・・母上」

 

そして彼は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

私は眠りにつけなかった。

 

これからどうなるんだろう。

 

私の人生が今日で終わるの?

 

やっと、自分の明日を掴めたのに。

 

翔・・・今どこで何をしてるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐山翔は初めて敗北した。

 

これまで幾多の人間と組織と喧嘩を繰り広げ勝利を掴んできた。だが積み重ねてきた勝利は、自分の命を直視させず強さの自信のみに依存を強めていった。

 

だがウィリアムの喧嘩で自信は崩れ去った。

 

翔の太刀はウィリアムに直撃することなく避けられ、逆にレイピアの餌食になっていった。

 

ウィリアムの圧倒的な覚悟の前に翔は敗北を喫し、気を失った。

 

そして目を覚ました彼は、すでに真夜中である事と簪がいない事と死の恐怖を理解した。

 

恐怖に屈した彼は、傷だらけのまま太刀を背負いウィリアムの指定した××教会へゆっくりと歩んでいた。

 

簪に別れを告げるために・・・

 

 

 

 

 

 

AM0:50 ××教会前

 

 

 

「簪、俺は死にたくないらしい。俺は・・・逃げる。喧嘩はおしまいだ」

 

簪が愛する男はそこにはいなかった。死の恐怖に怯え、パズルを片手でいじる傷だらけの馬鹿がいた。

 

「おまえとも・・・あぁ、でも、今の俺はお前が手伝ってくれたおかげなんだよな」

 

パズルをいじる手は徐々に早くなっていった。

 

「お前はもう俺の中にしかいなくなる。だから、俺といっしょに・・・いっしょに・・・いっしょに・・・」

 

彼はパズルをいじりながら教会の門の前で止まった。

 

電柱の灯りで目的地の看板を確認し、いざ赴こうとしたが足が動かない。

 

 

 

簪がいなくなる・・・

 

簪がいなくなるのは嫌だ。だけど死にたくない。

 

 

 

死への恐怖、簪がいなくなる恐怖。

 

 

 

その二つの恐怖が翔を苦しませる。

 

「俺は・・・俺は・・・」

 

 

 

カチャッ

 

 

 

何かが外れる音がした。

 

翔が持っていた筒状のパズルだった。その筒から何かが飛び出ていた。

 

「ん?」

 

翔は筒から飛び出てものを電柱の灯りに当てた時、何かの文字が浮かび上がった。

 

それは・・・

 

 

 

 

 

 

AM0:55 ××教会

 

私は眠れなかった。恐怖に怯え眠れなかったわけではなかった。

 

「違う・・・私は・・・私は・・・」

 

翔に出会う前の出来事がフラッシュバックして眠れなかった。

 

『無能』

 

『オマケ』

 

『付属品』

 

それらの言葉が私の頭の中を駆け巡っていた。

 

「痛い・・・やめて・・・助けて」

 

あの時の痛みが体の中から込み上がってきた。

 

「翔・・・」

 

もう・・・だめ・・・

 

 

 

 

 

 

『あああぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

教会の外で誰かが叫んでいた。私はその叫び声で意識を取り戻し、その声に耳を傾けた。

 

 

 

『ああぁぁ!!だぁぁっ!!わぁぁぁぁっ!!ああぁっ!くそぉっ!!!』

 

 

 

この声は・・・!

 

 

 

『簪ぃぃぃっ!!!愛してるッ!!おまえに夢中だ!!簪いいぃぃぃぃぃぃいいい!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・バカ」

 

 

 

そんなに叫ばなくても・・・翔を愛してるのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AM1:00 ××教会

 

「確認する。そのまま更識簪から去るならよし。しかし、敵対するつもりなら我がレイピアでこの地から消し去ってくれる!」

 

服を着たウィリアムは教会に招き入れた翔にレイピアを向けて、確認を取っていた。

 

私はただ二人を見つめていた。

 

変態な言動を見てた私は、ウィリアムのクールな言動も変態チックに見えてしまった。

 

一方の翔は顔を俯かせ、彼の言葉を聞いていた。

 

全身は傷だらけの姿に私は不安を覚えた。翔が死ぬんじゃないかと。

 

だけど・・・

 

 

 

「ああ?好きにしな。斬りたきゃ斬れ!殺したきゃ殺せ!だがな・・・お前には無理だ!誰にもできない・・・俺と簪を離すことだけは!」

 

 

 

翔の顔は恐怖に怯えてなかった。いや、前より輝いてるように見えた。

 

「覚悟を決めたか・・・」

 

ウィリアムは翔の懐に潜り込み斬りかかろうとしたが、翔は太刀で難なく受け止めた。

 

「誉めてやろう!我が得意の一撃を防いだ!」

 

「へえ・・・お前良い奴だな!」

 

「茶化すな!」

 

鍔迫り合いの中、翔の顔はなぜか喜びに満ちていた。

 

本当に大切なものを見つけたような顔をしていた。

 

「いや、防いだのは偶然だったが・・・まあいいや」

 

あれを防いだのは偶然なんかじゃない。ちゃんと相手の動きを見て対応していた。

 

「なあ簪・・・」

 

「・・・何?」

 

「もう少し、生きてみるかあぁぁぁぁぁ!」

 

翔は鍔迫り合いのままウィリアムを思いっきり突き飛ばした。

 

「うおっ!」

 

ウィリアムは長椅子を破壊しながら突き飛ばされていた。

 

「こ、こいつ!このわずかな時間に何があった!?」

 

体勢を立て直し翔に斬りかかったが、翔は余裕の顔で受け止めた。

 

「愛・・・かな」

 

「お前もか・・・よかろう!なら我が愛の前に散れ!愛よ・・・な!」

 

二人の愛の剣劇が始まろうとした時、翔はあるものを踏んでいた。それは・・・

 

 

 

ウィリアムが母上と言っていた絵画だった。

 

 

 

「おまえ・・・その汚らわしい足を我が家宝から退けろ!」

 

「やだね。どかせてみろよ!」

 

翔が構えをとった瞬間、絵画にヒビが入った。

 

「我が聖域を!」

 

怒りに我を忘れたウィリアムは翔の所へ走りだした。

 

「この、不完全で出来損ないの愚か者がぁぁぁぁぁ!」

 

意味不明なセリフを叫び、そのまま翔の腹部にレイピアを刺した。

 

「翔!」

 

翔の腹部からレイピアを辿り血が流れていた事に私は叫んだ。

 

「まだだ。お前の全身を串刺しにして・・・」

 

レイピアを引き抜こうと力を込めた時、ウィリアムはある異変に気付いた。

 

 

 

レイピアが動かない・・・

 

 

 

「なっ!・・・ま・・・まさか!?」

 

ウィリアムが気付いた時には既に遅かった。

 

(バカ)は太刀を振り下ろす準備をしていた。

 

「悪いなぁ。捕まえるのが面倒くさかったんでよぉ!」

 

翔はためらいも無くウィリアムの左肩に太刀を振り下ろした。

 

苦痛の顔を浮かべながらもウィリアムは翔に対抗しようとしたが・・・

 

「まだ、この程度で我が愛は切れぬ。そのために捨てたのだ、母をあの方の為に!」

 

「じゃあ無理だ。捨てる奴には俺を止められない」

 

「今は捨てる事が母上の夢に・・・夢に繋がる・・・」

 

「チェェェーストォォォ!」

 

翔はそのままウィリアムを地面に叩き付けた。かなりの衝撃だったのか、絵画ごと床がへこんだのだ。

 

「バカ・・・な・・・」

 

そのままウィリアムは意識を失った。

 

「俺はバカじゃねえ」

 

翔は腹部に刺さったレイピアを抜き捨て、叫んだ。

 

 

 

「俺は夜明けの翔。簪に夜明けの素晴らしさを教えるために来た男だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AM3:55 とある山頂

 

「翔・・・二度とあんなマネは・・・しないで」

 

「あれは、捕まえるのが面倒だったからやっただけで・・・」

 

「だから・・・しないで」

 

「分かった」

 

戦いの後翔はすぐに私の縄をほどいて、ある場所に連れて行った。

 

 

 

「ところで・・・ここで一体何を?」

 

全身包帯まみれの翔は、教会から盗んだ毛布を私に渡して何かを待っていた。

 

「もうすぐ来るから待て」

 

壊れた腕時計を何度も確認し、壊れてる事に驚く翔。

 

怯えてる姿より、おバカな姿の翔を見て私は安堵していた。

 

「ん?来たぞ」

 

翔の言葉どおり、山頂から何かが現れた。

 

「綺麗・・・」

 

 

 

山々の背後から現れた太陽。翔が私に見せたかったのは日の出だった。

 

日の入りとは違って、どこが幻想的で神々しさを感じた。

 

「なあ簪」

 

「何?」

 

「俺・・・」

 

何か思い詰めた顔をしながら翔は口を開いた。

 

 

 

「俺・・・犬苦手なんだよ・・・」

 

「・・・ぷっ!」

 

「何がおかしい!?」

 

「だ、だって・・・日の出を見た後に・・・い、犬が苦手って・・・ここで言う所じゃ・・・ない・・・でしょ・・・ふふっ」

 

「いや・・・こんな時に言わなかったら・・・」

 

翔が必死に弁明しようとした時、ズボンのポケットから何かが落ちた。

 

「これは・・・」

 

私がプレゼントしたパズルだった。しかもちゃんと解かれていた。

 

「ちゃんと・・・解いたんだ」

 

その筒状のパズルに刻まれていた文字、それは・・・

 

 

 

 

 

 

『I LOVE SYO』




次回の番外編は未定です。

本編の方もスローペースでありますが、執筆中でございます。

ご期待ください。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。