バカとIS   作:陸のトリントン

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今回はクラス代表戦の話です。

今回執筆して思ったのが、

主役・・・代表戦にあんまり関わってないじゃん。


第十三話 バカと「乱入」

クラス代表戦当日。

 

アリーナの観客席は生徒達で溢れ、盛り上がっている。

 

クラス行事ということもあるが、もう一つ盛り上がっている理由がある。

 

 

 

一回戦

 

織斑一夏 対 凰鈴音

 

世界で初めてISを動かした男と中国代表候補の対戦である。

 

この世紀の一戦を見逃さないと、盛り上がっているのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、この男だけは盛り下がっている。

 

 

 

「はあ・・・」

 

「どうしたのさーやん?」

 

ため息をしてる翔に、隣に座っている本音は物珍しそうに見つめていた。

 

「簪がクラス代表戦に参加してるのは知ってるだろ?」

 

「うん」

 

「応援しに行こうと更衣室に向かったら、先生達に止められたんだ・・・」

 

「えぇ・・・」

 

さすがの本音も翔の言動にドン引き。

 

 

 

 

 

 

クラス代表戦でも彼はバカであった。

 

 

 

そこへマドカと清香がやって来て、マドカは翔の言動を非難した。

 

「更衣室は他のクラス代表もいる。貴様が入れば、代表戦どころじゃなくなる。簪の努力を無駄にするつもりか?」

 

「ちょっとマドカ。いくら何でも言いすぎだよ」

 

「事実を言っただけに過ぎない」

 

「それでも翔君は傷ついてるよ」

 

「なら、その程度の愛しか持ってないということだ」

 

清香の言葉をものともせず、マドカは淡々と言い返した。

 

「マドっち、事実を素直に言うのは良いけど少し棘があるよ~。そんなんじゃ、言いたいことがちゃんと伝わらないよ~」

 

「マドっち?」

 

「うん、マドっち」

 

「・・・そのあだ名はやめろ」

 

「えぇ~」

 

「ふふっ」

 

本音のあだ名に不本意な態度を見せるマドカ。清香はそんな光景を見て、なぜか笑みをこぼしていた。

 

 

 

「よし!決めた!」

 

何かを決意したのか翔は突然立ち上がる。

 

「何を決めたのさーやん?」

 

「もう一回、更衣室に向かう!」

 

「「え・・・」」

 

本音と清香はドン引き、マドカは諦めた表情をし、周りの生徒達は翔から離れて行った。

 

「となれば、善は急げだ!」

 

そう言い、翔は簪がいると思われる更衣室へ全速力で向かった。

 

 

 

 

 

 

「・・・あいつの考えが分からん」

 

「マドカ、佐山君の考えが分かったら素直に凄いと思う」

 

「うん。さーやんの考えが分かれば、世界中の人達と仲良くなれるよ~」

 

「・・・更識簪・・・お前は強い」

 

マドカは改めて、簪の心の強さを尊敬したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生たちもいなかったから進めたけど、更衣室はどこだ?」

 

攻略できたら、世界中の人達と仲良くなれる(バカ)は絶賛迷子中である。

 

(特別保護監察って言っときながら、誰も保護観察しなかったな・・・)

 

考えが読めない時点で、保護観察自体が難しいことに気付かない彼である。

 

 

 

「まあ、全部のドアを開ければ分かるか」

 

すべてのドアを開けようと「更衣室A」と書かれた部屋のドアに手を掛けた時・・・

 

 

 

「私は唯、応援しに来ただけよ」

 

「それだけなの・・・」

 

ドアから、更識姉妹の会話が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

「ええ。それだけよ」

 

「・・・・・・」

 

「そんなに顔を強張らなくて大丈夫。私達、家族じゃない」

 

「家族・・・」

 

「だから、姉として妹の晴れ舞台を「本当に・・・そう・・・思ってるの?」簪ちゃん?」

 

「本当に・・・姉として・・・私の所に・・・来たの?」

 

「か、簪ちゃん?」

 

「・・・嘘よ」

 

「え?」

 

「私をまた・・・無能扱いし「ち、違うわよ!」やめて!」

 

突然簪はその場にうずくまり、震え始める。

 

「嫌・・・来ないで・・・私に・・・近づかないで・・・」

 

「か「簪!」き、君は「てめえは下がれ!」え、ええ・・・」

 

翔の突然の乱入に戸惑いながらも、楯無は翔の言うとおりに下がり遠目で二人のやり取りを見る。

 

「簪!しっかりしろ!」

 

「来ないで!やめ「簪!しっかりしろ!」誰か助け「俺を見ろ!簪!」・・・え?」

 

簪は我に返りふと前を見ると、そこには必死な形相で心配している翔がいた。

 

「翔、私・・・私「何も言うな」でも・・・ま・・・た・・・」

 

そして簪はそのまま翔の腕の中で眠りについた。

 

「くっ!・・・なんでお前だけに・・・」

 

翔は簪を抱えたまま歯を食いしばっていた。

 

だが楯無は簪の身に一体何が起こったのか理解できていない。

 

「か、かんざ「すいません・・・ちょっと保健室へ連れて行きます」ちょ、ちょっと!」

 

翔は疾風の如く更衣室を去り、保健室へと向かう。

 

 

 

「簪ちゃん・・・一体、何があったの・・・」

 

 

 

楯無は一人呆然と立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さーやん遅いね~」

 

「何があったんだろう?」

 

「あいつの考えが分かれば苦労などしない」

 

「それにしてもマドっちが清香のルームメイトだったなんて意外だな~。マドっちは全然話してくれないから」

 

「マドカって、冷たそうに見えて結構優しいんだよ!私が寝坊しないように起こしてくれるし」

 

「あくまでルームメイトの間柄でやってることだ」

 

「マドっち、照れない照れない」

 

「照れてなどいない。あと、そのあだ名はやめろ」

 

「マドカ、本音にあだ名つけられたらずっと変わることは無いから」

 

「えへへ~」

 

「誰も褒めていない」

 

翔が帰りを待ちながらも、三人(本音と清香とマドカ)は会話しつつ、一夏と鈴の戦いを観戦している。

 

「おりむー強い!絶対に強い!」

 

「これならクラス代表戦、優勝間違いなしだね!」

 

本音と清香は一夏の戦いぶりに優勝は間違いないと確信してたが・・・

 

 

 

(機体性能に頼りすぎてるな二人とも・・・まあいい。そんな事を気にしてたら、「あいつ」など殺せないな・・・)

 

マドカは二人の戦いに関心など持ってなかった。

 

「おお!おりむーが一気に勝負を仕掛けてきた!」

 

「いけー!」

 

 

 

だが、二人(本音と清香)の期待は、乱入者によって打ち砕かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間はちょっと遡り、保健室。翔は簪をベットで寝かした後、保健室の先生の診断結果を聞いていた。

 

「フラッシュバックだね。でも、症状は軽いからすぐに目が覚めるからアリーナに行ってクラス代表戦観に行ったら?」

 

「いや、目が覚めるまでここにいちゃ、駄目ですか?」

 

「いいわよ。もしかして・・・その子の彼氏?」

 

「はい」

 

「あら!そうだったの。だったらお邪魔虫は、さっさと退散しないとね」

 

先生は笑顔で保健室を去り、翔と眠っている簪だけとなった。

 

「簪・・・」

 

翔は眠っている簪の手を握り締め、彼女が目覚めるのを待っている。

 

しかし翔の表情は哀しく、まるで死なないでくれと言わんばかりの想いを簪の手に込めていた。

 

「どうして・・・お前だけが、こんな目に遭わないといけないんだ。一夏だって、凄い姉がいるのに比較なんてされないし、むしろ羨ましがられてるのに・・・なんでお前だけが・・・簪・・・」

 

 

 

翔は、簪に対する理不尽な暴力から守って来た。

 

有能な姉がいることを生意気だと言い、襲って来たり、

 

有能な姉に劣化物の妹は不要だと言い、襲って来たり、

 

姉より優れた妹など存在しないと言い、襲ってきたが、

 

翔はそれらの暴力から簪を守って来た。

 

だがIS学園に入学し、二人は別々のクラスになってしまう。ロシア代表の姉がいるせいで、必然的に比較されることになる。

 

 

それは、翔が傍にいない簪にとって一番の苦痛でしかない。

 

 

「簪・・・俺どうればいいんだ。お前がいなくなったら、お前の作るカップケーキをどうやって食べるんだよ・・・」

 

 

 

その直後、アリーナから爆発が起こったが翔は気にせず簪から目を離さなかった。

 

 

 

「簪・・・俺は・・・お前を思い出の中の人にしたくないんだ。もっといろんなことをして、もっと笑って、もっと楽しんで、それから『PLLLLL』ん?」

 

携帯電話の着信に翔は、仕方なく対応する。

 

 

 

「はい、佐山ですけど・・・」

 

―どこにいる?―

 

声の主はマドカだった。

 

「保健室」

 

―貴様に頼みがある。今すぐアリーナのピットへ向かい、そこで打鉄を装着しろ。―

 

「なんでだ?」

 

―アリーナに無人機のISが乱入してきた―

 

「無人機?」

 

―とにかく打鉄で落とせ、以上だ―

 

「お、おい!」

 

 

 

マドカの一方的な電話に戸惑いつつ、翔はアリーナへ向かった。

 

「その前に、置手紙」

 

簪に置手紙を置いてから、向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナでは、所属不明のISの襲撃により、観客席では上級生の誘導に従い避難をしていた。

 

「誰と電話してたの?」

 

()に電話をし、侵入者を倒すよう頼んだ」

 

清香の問いかけにマドカは淡々と答えた。

 

「ええ!そんなことしたら「奴なら、ガラクタを壊すなど造作にもない」で、でも相手が「あれは無人機だ」無人機?」

 

「あんな人もどきの動きは、無人機特有の動きだ」

 

「なんで分かるの?」

 

「見ればわかる」

 

マドカは清香の驚きに動じることなく答える。

 

「そうだとしても・・・誰が何の目的で?」

 

「兄さんのISを強化させるために、篠ノ之束が送りこんだんだろう」

 

「え?篠ノ之束ってあのISを作った人?」

 

「無人機もあいつが作って送り込ませただろう」

 

「で、でもこんな大袈裟な事をしなくても」

 

「あいつの事だ。兄さんのISが強化できるなら、私達を殺す事にためらいはない。身内以外の人間など、あいつから見ればゴミクズ当然だ」

 

マドカの発言に清香は動揺し始める。

 

「マドカ・・・嘘だよね」

 

「あくまで私の予測だ」

 

「そ、そうだよね。ははは・・・」

 

淡々と答えるマドカに清香は笑って、何とか気を保とうとしていたが・・・

 

(マドカ、どうして冷静にそこまで分かるんだろう?IS学園に入って一か月も経ってないのに・・・)

 

マドカに対しての疑惑が晴れなかったのである。

 

 

 

(「あいつ」と比べれば、束など大したことのない奴だ)

 

ペンダントを握り締めるマドカ。その中には待機状態のISが入っているが・・・

 

(「あいつ」を殺すまで・・・このISは使わないようにしよう)

 

マドカには「あいつ」以外のことは眼中に入っていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナのフィールドでは決着はついていた。

 

一夏と鈴の連携、セシリアの援護射撃により所属不明のISは既に機能を停止していた。

 

「ギリギリのタイミングでしたわ」

 

「セシリアならやれると思っていたさ」

 

「そ、そうですの!?と、当然ですわね!」

 

 

 

だが、そこに翔の姿はなかった。

 

 

 

「ふぅ。なんにしてもこれでおわ・・・」

 

 

 

―警告―

 

敵ISの再起動を確認

 

ロックされています

 

 

 

「え!?」

 

「一夏!まだあいつ動いてる!」

 

 

 

 

 

 

左腕だけになった敵ISは織斑に照準をあわせ、発射体形をとっていた。

 

(まだ、動けるのか!)

 

一夏は雪片弐型を構え、敵ISに突撃しようとしたが・・・

 

 

 

「ふん!」

 

 

 

その声と同時に一夏の横を何かが横切り、一夏を止める。

 

「・・・え?」

 

一夏を横切った何かは敵ISの胸に深々と刺さり、動きを止めた。

 

「あれは!」

 

一夏は分かった。敵ISに刺さってるのは、近接ブレードの葵だ。そして、そんな無茶苦茶な使い方をするのは奴しかいない。

 

そう・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チェストォォォォォ!」

 

(バカ)が遅れてやって来た。

 

翔は飛び蹴りの態勢を保ったまま、敵ISに向かって瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使い蹴りの一撃を与える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・はずだったが、勢い余って刺さった葵ごと敵ISを蹴飛ばし、大きな風穴を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「えええええ!!」」」

 

一夏、鈴、セシリアは驚愕した。自分たちが三人がかりで倒したと思った所属不明のISを、瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使ってのキック一発で終わらせてしまった。

 

しかも葵ごと蹴飛ばし、大きな風穴を開ける。

 

そんな離れ業をやってのける人間などいたのか?

 

「な、何が・・・」

 

「蹴り一発で終わらせやがったアイツ・・・」

 

「貴方は人間ですの・・・」

 

一夏と鈴、セシリアは笑う気すら起きない状態になっていたが、

 

 

 

「さっさと簪の所に戻るか・・・」

 

翔は用を済ませたと思い、瞬時加速(イグニッション・ブースト)でアリーナのピットへ向かった。暗い顔をしたまま・・・

 

 

 

「千冬ね「織斑先生だ」一体何があったのか説明「翔が倒した。それだけだ」」

 

 

 

一夏が面食らったのも無理はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、はあ、はあ」

 

翔は簪がいる保健室へ向かっていた。周りの声など気にする事無く彼は走る。

 

「・・・簪」

 

彼の頭の中は簪の事で一杯だった。

 

「俺はまだ、お前に言わなきゃならねえことがあるってのに・・・!」

 

保健室に着いた翔は力いっぱいドアを開ける。

 

「簪!無事「翔・・・静かにして」」

 

簪はベットから起き上がって、夕日を眺めていた。

 

「翔・・・」

 

「な、何だ簪?」

 

「クラス代表戦どうだった?」

 

「・・・中止になった」

 

「え?」

 

簪が驚くのを横に翔は、ベットの隣にある椅子に座りこむ。

 

「無人機がアリーナに入って無茶苦茶にしたせいで、中止になった・・・」

 

無人機の乱入による中止はさすがの簪も驚きを隠せなかったが、翔の暗さにも驚いていた。

 

「翔・・・どうしたの?」

 

「・・・簪、お前は辛くないのか?」

 

「何が?」

 

「IS学園にいる事」

 

「辛くないって言ったらウソだけど・・・今は「無理しなくていいから」え?」

 

翔は突然語り始めるが、汗が止まることなく流れ、目は泳ぎ、何かに怯えてる様子であった。

 

「お前が無理してISに乗る必要は無いんだ。お前は頑張ったんだ、十分頑張ったんだ。代表候補生になるのがすげえ難しいのに、お前は頑張ってなれたんだ。それに専用機なんて持ってるんだ。普通に手に入る代物じゃねえんだ。誰もお前を馬鹿にしたり、蔑まさない。絶対にだ。もしそんな奴がいたら、俺がぶっ倒すから。俺がお前を守るから。だから「翔・・・」え?」

 

だんだんと息が荒く、早口になって行く翔に簪は優しく手を握った。

 

「翔・・・辛いのは皆同じなの。でもね、皆それを受け入れて前に進んでるの」

 

「でも・・・お前、フラッシュバックを「大丈夫だから・・・」でも、それが起こるの知ってたのに「・・・怖いの?」・・・ああ」

 

簪が苦しんでいるのにどうすることもできないことに翔は罪悪を募らせいた。

 

「翔・・・あの時言った事憶えてる?」

 

「あの時?」

 

「『俺は夜明けの翔。簪に夜明けの素晴らしさを教えるために来た男だ!』って言った時の事」

 

「あったな・・・そんな事」

 

翔はその時のことをうっすらと覚えていた。

 

「翔は、自分の夜明けを見たこと無いの?」

 

「俺の夜明けは、簪かな」

 

「・・・私?」

 

「あん時、今の俺がいるのは簪のおかげなんだ。だから簪と一緒にいれば、怖い物なんて何もないって思ってたんだ。だけど、俺は「それで・・・いいの」」

 

簪は、翔に微笑みながら語る。

 

「私も、翔も・・・お互いの夜明けを見つけた。だから・・・今もこうしていられると思う。だから今度は・・・二人だけの夜明けを・・・見つけない?」

 

「二人だけの・・・夜明け・・・!」

 

それを聞いた瞬間、さっきまでの暗い顔がどこへ行ったのか。翔の顔は喜びに満ち溢れていた。

 

「それだ!俺、この学園での目標をそれにする!」

 

「え?」

 

「俺ずっと悩んでたんだ。この学園で何をしようか、どう過ごそうかって。でも、この悩みが無くなったよ!簪!俺と一緒に『二人だけの夜明け』を見つけよう!」

 

「見つけたらどうするの?」

 

「生涯、お前と共に生きる!」

 

「・・・バカ」

 

「あ・・・すいません」

 

顔を赤くしながらも、簪は嬉しかった。IS学園での目標を決められず、焦り、己の不甲斐なさに落ち込んでいた翔が、立ち上がってくれたことを。

 

(これが・・・夜明けの翔・・・)

 

簪は決意した。

 

 

 

自分の過去に決着をつける。

 

 

 

それは、かつて自分を捨てた姉と対立することを意味する。

 

それがどんなにツライものだとしても、逃げない。自分の選んだ道を後悔する生き方をしては、夜明けなど見れないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで、簪。一緒に風呂入ろう!」

 

「イヤ」

 

目標を見つけても、彼はバカだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・疲れた」

 

一夏は疲れを感じながら、自分の部屋へ向かって行った。

 

 

 

所属不明のISによる乱入。

 

三人の連携でやっと一矢報いたと思ったが、倒してなかった。

 

倒してないと思った矢先、翔の一撃で倒された。しかも、訓練機で。

 

 

 

「情けねえな。専用機を持って、千冬姉と同じ武器を持ってるのに、また守られるのは・・・」

 

誰かに守られるのに悔しがる一夏だったが、一つだけ確信したものがあった。

 

翔が専用機を持ったら、勝てる生徒は少なくとも一組にはいない。

 

翔の戦い方に常識はない。ただ、相手を倒すぐらいの事しか考えていないだろう。

 

オマケに訓練機であんな無茶苦茶な戦い方をする。そうなると専用機を手に入れたら、手が付けられない状態になる。

 

「俺も・・・強くならないと!」

 

そう自分に言い聞かせ、一夏は自分の部屋の前に着いた。

 

「今は休むか」

 

まずは体を休めようと、ドアを開けたが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お帰りなさい。ご飯にします?お風呂にします?それとも、わ・た・し?」

 

「・・・え?」

 

休めそうにもないと感じた織斑一夏であった。




次回は、フランスの貴公子が登場します。

後、番外編も投稿します。『夜明けの翔』を名乗った話にする予定です。

ご意見、ご感想、お待ちしております。

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