バカとIS   作:陸のトリントン

1 / 22
陸のトリントンです。

この作品は

・粗雑な文章(急な場面展開等)

・オリ主最強(しかしバカである)

・オリジナル展開(暗い展開あり)

が含まれています。

それらを不快に感じる人は速やかにブラウザのバックボタンを押すこと推奨します。

あと、作者は豆腐メンタルのため、誹謗中傷等はご遠慮願います。


プロローグ
第一話 バカと「回想」


一人の男の子がいました。

 

名前は、「佐山翔」

 

黒い瞳に黒い髪、元気で活発な日本男児でした。

 

彼は、剣を使って怪物や悪党を倒すロボットアニメが大好きでした。

 

彼は、いつも庭でそのロボットの動きのマネをして、ごっこ遊びをしていました。

 

そんな彼はいつの間にか、独自の剣術を身に付けました。

 

その剣術で町のガキ大将や、チョイワルなお兄さん達を懲らしめていました。

 

「強くなってみんなを守りたい」

 

そんな思いが彼の心を駆け巡っていました。

 

しかし、そんな彼にも一つ弱点がありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バカであった。

 

 

 

人の顔と名前が一致しないどころか、名前も満足に覚えられず

 

体育以外の教科の成績は、赤点を行ったり来たり

 

忘れ物を取りに行くために学校へ行ったら、隣町の学校に着いたり

 

はじめてのおつかいで、暴力団の事務所をスーパーと勘違いしたり

 

学校の調理実習で、カレーライスを作ろうとしたら、なぜかうな重が出来上がったり

 

自分が日本生まれの日本人だと知らなかったり

 

そして彼が動きを真似して、独自の剣術まで得るほど大好きなロボットアニメは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最愛の女性を殺された男と、兄を誘拐された少女の旅を描いた「痛快娯楽復讐劇」であることに全く気付いていない。

 

とにかく彼は、バカであった。

 

しかし、そんなことはお構いなしと「IS」が誕生しました。

 

 

 

 

 

 

<IS>正式名称インフィニット・ストラトス。

 

篠ノ之 束が開発した、宇宙空間での活動を想定したマルチフォーム・スーツなのだが、発表された当初はあまりにも飛躍した技術や理論に、誰も注目を集めていませんでした。

 

発表から1か月後。軍事基地のコンピュータを何者かがハッキングし、2341発以上のミサイルが日本へ向けて発射された。日本はすべての軍事力を持って迎撃に向かったが、その約半数をIS「白騎士」が迎撃をしたのである。その「白騎士」を捕獲もしくは撃破しようと各国が送り込んだ大量の戦闘機や戦闘艦などの軍事兵器の大半を無力化し、従来の兵器を凌駕する圧倒的な性能を世界に見せつけた。

 

後に「白騎士事件」と呼ばれる事件によって、世界はISに注目するようになったが、女性にしか動かせない欠陥がありました。それにより、「ISは女性にしか使えない=女性は強い」というトンデモ理論が誕生し、女尊男卑という風潮が生まれました。

 

「既存の兵器を凌駕する性能」

 

「女性にしか動かせない」という原因不明の仕様

 

この二つの事柄が、彼の運命を大きく変える事に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は、ならなかった。

 

ISの登場による女尊男卑の風潮に、彼は全然気にしていなかった。

 

女のガキ大将が現れても、チョイワルな姉さんが現れても、特に気にする事無く懲らしめていました。

 

 

 

そんな彼にも一つの転機が訪れました。

 

それは彼が中学2年生の時でした。一人の転校生が彼のクラスに来ました。

 

小柄な体、水色のセミロング、内側に向いた癖毛、眼鏡っぽいものを掛けている可愛い女の子でした。

 

その女の子は良家のお嬢様で、「ロシア代表候補生の姉」がいるためか、初めの内は彼女の周りに大勢のクラスメイトが集まっていました。

 

しかし、転校生は内気で人付き合いが苦手なのか、クラスに馴染めずに、孤立していきました。

 

そんな彼は昼食を一緒に食べようと誘ったり、掃除を手伝おうとしたり、手作り弁当をあげようとしたり、荷物持ちになろうとしたり、毎日送り迎えをしようとしましたが、転校生は何も言わずに逃げてしまいました。

 

その後、先生や親に怒られ、周りからは「ストーカー」、「変態」呼ばわりされ、軽蔑までされました。

 

しかし、転校生が一人ぼっちになってるのを彼は見過ごすこともできず、誘い続けました。

 

そんなある日のこと、いつものように転校生の掃除を手伝おうと校舎裏に向かった時、事件に出くわしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転校生が女子生徒達に暴行されていた。

 

その女子生徒達は、学校の中で特に問題視されている生徒達で、暴行のみならず窃盗や恐喝などの数々の非行を行っていました。しかし、「高いIS適正」、「両親がIS企業のトップ」、「女尊男卑」という後ろ盾があるため、教師や生徒達は注意することも止めることもできませんでした。

 

さらに転校生も代表候補生であったため、潰せば自分が代表候補生になれる可能性があると考え、転校生を死角の多い校舎裏まで追い込み、転校生を排除するという計画を実行。

 

一方の転校生は、制服はボロボロで、体中は痣だらけの状態で倒れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事あるごとに有能な姉と比較され続けてきた転校生。

 

「自分も姉に負けないものを持っている」

 

「自分は無能ではない」

 

そう信じ続け、努力を怠りませんでした。

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたは何もしなくていい。私が全部してあげる。だから、あなたは無能なままでいなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その姉の言葉で、転校生の心(すべて)は壊れてしまった。

 

その後、両親に「いろんなことをもっと学びたい」と無理言って中学二年の時に転校しました。本当は、姉と一緒の学校にいるのが嫌だったからというワガママであることを、親は知る由もなかった。

 

しかし、その転校が地獄の始まりであった。

 

下駄箱のシューズが無くなってたり、お弁当が無くなってたり、体操着が体育館の裏で燃やされていたり、トイレにいたら突然水をかけられたりと、陰湿なイジメが増えてきました。

 

しかも周りから、

 

「ロシア代表候補生のオマケ」

 

「ダメな付属品」

 

「無能」

 

と毎日言われ続け、彼女を苦しめてきました。

 

さらに、学校一のバカ(佐山翔)が毎日会いに来るため、周りからバカ呼ばわりされるようになりました。

 

両親も彼女の様子がおかしいと気付き始めたが、「なんでもない」の一点張りで通し、姉には一切話ず、幼馴染には「大丈夫」と言い続け、学校生活を無理に続けていました。

 

 

 

自分が無能ではないと周りに証明したかったから。

 

 

 

だが、突然女子生徒に校舎裏に連れ込まれた時、転校生は悟った。

 

 

 

 

 

「自分は無能であると」

 

 

 

 

 

何をしても、姉に劣る。

 

何をしても、姉に勝てない。

 

何をしても、姉より弱い。

 

何をしても、自分は無能であると。

 

これは、「自分は無能ではない」というワガママの罰だと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の人生が終わる。

 

いなくなっても誰も悲しまない。

 

自分がいなくなれば、姉は喜ぶ。

 

 

 

彼女は、女子生徒達の暴行を受けながら、自分の人生が終わると確信し、ゆっくりと瞼を閉じた。




プロローグの前編が終わりました。後半の暗い展開には、どうしてこうなったと頭を悩ませました。

後編からは、暗い展開の予定はないので、期待してくれれば幸いです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。