Plongez dans le "IS" monde.

ACX/Flash-back.2

「ラストサン隊、二時の方向に戦闘機が十五機！　至急撃墜してください！」

「……はい」

　十五人が私達を殺しに来ている……そういうわけではないんでしょうけど、この空にいるほとんどが敵兵が死ぬこと、友軍が死ぬこと、そして自分が死ぬことを仕方ないと考えているのでしょう。

　私は……そう思えません。

　殺さなければ自分が殺される。そんなことは分かります。

　でも、私は殺したくないです。

　そんな理由で誰かの命を奪うなんて……怖くてできません。

　私はISを使わなくても人を殺せる圓明流という手段を持っているので……この戦場で誰かを殺したら、これからも同じことをしてしまうような気がして……

「ガーリートーク、ぼーっとするな。敵さんは待ってくれないぞ」

「ま、無理しないでこの前みたいにやればいいのよ」

「ベイルアウトしてもおっ死ぬんなら運命って奴さ」

「オランジェ、不謹慎」

　私は、例え敵といえども殺したくないので羽だけを潰してベイルアウトさせていますが……完全なわけがありません。

　私達がいるのは地上から遙か離れた上空五マイル。

　例え低い高度からベイルアウトをしてパラシュートを開いたとしても十回中十回生き残るなんてことはありません……むしろ半分も生き残れるか……

　私が撃墜した戦闘機はまだ十数機ですが、既に私のせいで亡くなった人も何人かいるでしょう。

　今更、ではありますけどね。

「ガーリートーク、行きます」

「墜ちんなよー？」

　絶対に、墜ちません！