ラブライブ! 青い春の一ページ   作:溝呂木 水月

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どうも皆さん、おはこんば本当に申し訳ありませんでしたァアァァァァーーッ!
水月です!もうすっかり時間が過ぎてしまいまして本当に申し訳ありません(土下めりこみ)
今回は前回でも軽く言いましたが、ことり回です。チュンチュン可愛い。
こちらも結構難産でした。
次回からはなるべく早く投稿できるようにしていきます!!!

それでは、第4話です。
どうぞ。


第4話 弱みを握られた執事

「お帰りなさいませ、お嬢様方……」

 

「おぉ~!似合ってるねぇ!」

 

「うんうん!本物の執事さんみたいやね!」

 

こんにちわ……薫です……。

今現在俺は執事服(燕尾服とも言うのか?)を着てμ’sの面々の前にいます。

この謎の状況の発端は昨日に遡る。

 

 

 

 

 

「お帰りなさいませ!お嬢さ……ま……」

 

「わぁっ!本当に薫君が執事やってるぅ~!」

 

皆さんこんにちわ。絶賛大ピンチの薫です。

 

「こっ、ことり!何故ここに!?」

 

「うちの店長さんとここの店長さんが知り合いらしくて、来てみたんだ~……噂では聞いていたけど本当に薫君がいるなんて~♪」

 

ここは俺が今1か月限定でバイトをしている執事喫茶、『Ombra』(イタリア語で影という意味らしい)。

先日道に迷っていたお兄さん(『Ombra』の店長さん)を助けた際、スカウトされた。

しかしこちらもμ’sのサポートとか駄菓子の研究とかもあるので忙しい。

その旨を伝えたところ、1か月試しにやってみて、気に入ったら継続してくれないかというものだった。

1か月といっても週三日だし、なによりバイト代も少しばかり色を付けてくれるというので引き受けたのだ。

引き受けたのは良いのだが……

 

「よりにもよってことりに見つかるとは……」

 

そう。μ’sのメンバーには出来るだけ知られたくなかった。特にことりと希。

二人とも絶対しばらくずっとからかってくるし、皆の前でも衣装を着させるに違いない。

そんな俺の心の中をのぞいたのか、ことりは嬉しそうに

 

「ねぇ薫君、今度皆の前でも執事服着てよぉ~♪」

 

等とほざきやがりました。予想的中かよくそぅ!!

しかし今ここでことりを抑えれば俺のこの痴態は最低限に抑えられるはず!

やってやるぞッシャオラァァ!

 

「あ、いやことり?さすがにそれは恥ずか「おねがぁい♪(超絶脳トロエコー)」しょうがないなぁ!一肌脱いでやるかぁ!いやまぁ着るんだけどね!HAHAHAHA!」

 

ことりの脳トロボイスには勝てなかったよ……。

今まで一緒に過ごしてきて一度もこのお願い(効果:俺が融ける)に勝てた試しがない。多分70敗くらいしてる。いやお願いされすぎだろなんで微塵も耐性つかないんだよ。

俺が半絶望的になりながらもことりを席へ案内する。

ことりはメニューをじっと見つめると、安定のチーズケーキと、紅茶を注文してきた。

 

「あ、ねぇ薫君。このチーズケーキって薫君が作ってくれるの?」

 

「え、あぁ、一応な。ていうかもう作ってあるし」

 

俺がそう答えると、ことりは心底嬉しそうな満面の笑み(『コトリエルの浄化の笑み』と名付けよう)になった。

 

「そっかぁ~♪薫君の作ったケーキ、楽しみだなぁ~♪」

 

なんか滅茶苦茶期待されてる。料理はそこそこ得意だが、お菓子は上手くも下手でもないのでちょっとプレッシャー。

ともかくことりの注文を受けた俺は厨房に入り、さっそく昨晩作ったケーキを取り出す。

作り方は簡単。

まずは細かく砕いたクラッカーと無塩バターを混ぜ、型の底に敷く。

次にミキサーで卵、グラニュー糖、レモン汁、ふるった薄力粉を混ぜる。

さらに、生クリームと、あらかじめ加熱し柔らかくしたクリームチーズも入れて混ぜる。

先ほどの型に今混ぜた生地を流し込み、170℃に予熱しておいたオーブンで40~45分焼いて一晩冷蔵庫で冷やしたものがこちらになります。

まるでどこぞの料理番組のように数分でチーズケーキを盛り付け、店長直伝の紅茶を入れてことりの待つテーブルへ運ぶ。

 

「お待たせしました。『薫特製しっとり濃厚チーズケーキ』と、店長のイチオシ紅茶です」

 

「わぁ~!早いし美味しそう♪」

 

大好物のチーズケーキを前に、ことりがコトリエルの浄化の笑みを放つ。

かおる に 252521 の ダメージ!

かおる は たおれた!

さすがことり……!意識をこちらに向けずにこの俺を倒すとは……!

 

「それじゃあ薫君、いただきます♪」

 

パクリ、とことりが小さく切り取ったチーズケーキを口に運ぶ。

すると、咀嚼するごとにことりの笑みが深くなっていき、目元もトロンとしてきた。

そしてコクン、と飲み込むと、

 

「うぅ~~ん!美味しいぃ~~♪」

 

どうやら絶賛のようだ。ことりの表情が見たことないくらい緩んでいる。超絶可愛い。

こんなに美味しそうに食べてもらえると作った甲斐があるってものだ。これからもちょくちょく作ってみようかな。駄菓子加えたりして。

 

「こんなに美味しいチーズケーキは初めてかもぉ♪」

 

「そ、そこまで言われるとなんか照れるな……」

 

「だって本当に美味しいんだもん♪ほら、一口食べれば分かるよ~」

 

そういうとことりは、フォークでチーズケーキを切り取り、俺の口元へと運んで待って待って何この展開ィィ!!

 

「ちょ、こ、ここことり!?」

 

「はい、あーん♪」

 

困惑する俺にとびきりの笑顔でチーズケーキを差しだしてくることり。くっそぉ可愛い!

 

「ほらほら、早く食べないと落ちちゃうよ~」

 

「いや、でもほら、俺今お仕事中だし……」

 

それにこれ間接……。

 

「……ことりに食べさせてもらうの、嫌……?」

 

「いただきます!」

 

やはりことりには敵わぬか……。そう心の中で悟ると、俺はチーズケーキを頬張る。

 

「ね、美味しいでしょ♪」

 

「う、うん、美味い」

 

正直、ことりの事を意識しすぎて味なんて分からなかったが。

 

 

 

その後、何事もなかったように残りのチーズケーキと紅茶を平らげると、ことりは満足そうに席を立った。

 

「はぁ~♪美味しかったぁ~」

 

「それはよかった……」

 

なんかことりの登場で一気に疲れた……。

疲れ切った俺を尻目に、ことりは「ごちそうさまでした♪」と言うと、足取り軽やかに店を出た。

 

 

「あっふ……めちゃ疲れた……」

 

あの後、急にお客が入ってきて、さらに疲労困憊となった俺は帰りの支度をしていた。

ふとしまいっぱなしだった携帯を見ると、ことりから通知が来ていた。

 

「何々……?」

 

『今日はありがとうね♪それと、今度またあのチーズケーキ食べたいな♪

 

 

 

 

追伸

薫君の執事服姿を見た皆の反応が楽しみです♪』

 

「おっふ」

 

忘れてた……!

 

 

 

この後2か月くらいネタにされたのはまた別のお話。




いかがだったでしょうか。
ことり回でした。
今回もかなり難産でした。
さて、今回はだいぶ遅れてしまいましたが、次回からはなるべく早く投稿できるように頑張ります。
それと、「10の希望」の方も、よろしくお願いします。

それではまた次回。

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