不器用な彼の物語   作:ふぁっと

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彼と彼女の「紹介記録」

 

 

 

少しだけ語りましょうか

 

 

私たちのことを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しょくーーーーーーん!!

 

 初めましての人は初めまして。久しぶりの人も初めまして。私は………そうだな、Xとでも名乗っておこうか。

 今回、君たちに紹介したいのは私が撮ってきた“聖祥六大女神”のことだ。

 

 ん? まず、“聖祥六大女神”が分からないとな?

 やれやれ………。君たちはいったい何年聖祥小学校にいるのだ? これくらい常識だろうが。まぁ簡単に言ってしまえば、聖祥小学校に通う女子で誰もが認めるであろう美しさ・可愛さなどを併せ持つ6人のことを指す。

 

 さて、それでは順に紹介していこうか。

 

 

 

 No.1 高町なのは

 

 まず紹介するのは、高町なのは嬢だ。茶髪の元気な女子だ。聖祥三女神の時代から君臨しているまごうことなき女神の1人である。

 一時期は霧谷巧という全男子の敵といっしょにいるところが多かったが、アリサ嬢が引き離そうとしていたことが実を結んだのか今はあまり並んでいるところは見ないな。その代わり、最近は影月裕也というこれまた男子の敵の傍にいるのが見受けられる。

 以前の………言い方は悪いが、作り物のような無理してる笑みではなく、自然に笑うようになったおかげか、彼女を支持するファンは増えていく一方だ。笑顔が1番似合う女子としてもランクインしているぞ。

 

 

 No.2 アリサ・バニングス

 

 次はバニングス家のお嬢様だ。金髪のツンデレ娘である。なのは嬢と同じく、聖祥三女神の時代から君臨している1人。そのおみ足から繰り出される足技は私たちの業界ではご褒美です。ちなみに私は彼女のファンクラブの会員番号003である。

 クラスの中でも委員長的立場でまとめ役。よく勘違いする者がいるが、彼女はクラス委員長ではない。ついつい反抗して蹴り技を貰ってしまうのは仕方ないことです。えぇ、仕方ないことです。

 最近はすずか嬢といっしょにイチャイチャしているところをよく見かける。百合は………アリだと思います。

 

 

 No.3 月村すずか

 

 次は月村家のお嬢様。紫の髪の不思議系お嬢様だ。なのは嬢とアリサ嬢と同じく、聖祥三女神の1人である。水と油という訳ではないが、なのは嬢とアリサ嬢の2人の間の緩衝材みたいなポジションである。

 見たところ、あまり自己主張は強くないが、逆にそこが良いとの意見がある。保護欲をかもしだされ、守ってあげたいと。ただ、彼女の運動神経はかなり良い。恐らく、クラス………いや、学園一ではないだろうか。

 彼女のファンはそんな彼女を守ろうと日夜鍛錬を続けているという噂があるが………はてさて。

 

 

 No.4 フェイト・テスタロッサ

 

 イタリアからやってきた転校生。金髪のツインテールの天然系少女だ。なのは嬢と知り合いらしく、仲が良い。私の勘だが、アリサ嬢とすずか嬢のような関係ではなかろうか。

 転校してきて早々に「好きな人がいる」との発言には驚いたが、一体誰のことか。クラスメイトではないと思うが、もしかしたらなのは嬢のことを指しているかもしれない。百合はアリだと思います。

 やはり外国人らしく、国語系の授業は苦手なようである。国語の授業の彼女の百面相は我がクラスの風物詩となりつつあるな。

 双子の姉妹でこちらは妹である。

 

 

 No.5 アリシア・テスタロッサ

 

 イタリアからやってきた転校生その2。金髪を首の後ろでひとまとめにしている。フェイト嬢とは双子ということで、本当にそっくりである。ちなみにこちらが姉であるが、フェイト嬢より背は低い。

 運動能力は高いようで、すずか嬢と良い線で戦えるのではなかろうか。次の体育の時間が楽しみである。

 アリサ嬢と同じく、早々にファンクラブが出来た。彼女のお手やおみ足に殴られ蹴られることに快感を感じるクラブだ。我々の業界ではご褒美です。特に汚物を見るような見下す目が最高です。我々の業界ではご褒美です。私も入会されてもらった。

 

 

 No.6 チンク・スカリエッティ

 

 イタリアからやってきた転校生その3。銀髪のストレートで眼帯をしている。病気か怪我かは分からないが、紳士はそんな小さいことは気にしないのだ。何故かは分からないが、彼女は小さいままな気がする(どことは言わないが)

 聖祥六大女神の中では一番背が低く、そのことを指摘すると蹴りが飛んでくるとの噂。フェイト嬢たちと同じくイタリアからやってきたが、知り合ったのはこっちにきてからだそうだ。

 彼女にもファンクラブはあり、親公認で本人非公認である。と、ここまでは分かったのだが、それ以上は調べることができなかった。人数はそこそこいるようだが、その内容がまったくの不明。噂によれば、彼女のファンクラブには貢献度というものがあり、その貢献度によって彼女の親であるジェイルさんから秘密の写真というものが貰えるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 ふーむ。こんなところか………おっと、もう1人いたことを忘れてた。

 

 

 No.7 ???はやて

 

 聖祥小学校には通っていないが、裕也家に住まう少女だ。上の名前は分からない。裕也に兄弟がいたとは聞いていないが………。お互い名前で呼んでいたので、かなり仲が良い様子。

 もし、彼女が聖祥小学校に通うことになれば、女神の仲間入りは間違いないだろう。是非とも来て欲しい。それとなく裕也にO・HA・NA・SHIしておくか。

 車椅子で移動していたところをみると足が悪いのだろう。彼女のために学園をバリアフリーにしておくのも手ではある。

 

 

 では、今日はここまでにしておこうか。

 しょくーん! また次回に!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 じゃあ、今度は―――私が続けましょうか。

 

 初めまして、皆様。私の名は八雲紫。幻想郷の賢者をしております、しがない妖怪ですわ。

 良い機会ですので、皆様に幻想郷のことを少しだけ、お話しましょう。

 

 幻想郷とは妖怪と人間が暮らす楽園世界。これは皆様と同じ世界にあります。ただ、2つの結界に覆われておりますので、幻想郷とそちらの世界では行き来ができません。

 え? 幻想郷に来たい? そうですわね………私が赴くのを待つか、皆に忘れられるようになるか、でしょうか。時々、結界を越えるほど強い“想い”を抱く者は越えてこちら側にやってきてしまいますが、稀です。もしくは、規格外の力を持っていたり、自らの運命に逆らうような者でしたり、

 

「ふむ。呼ばれたような気がした」

 

 えぇ、彼みたいな人はふらっと来ますが、これは更に稀ですわ。まったく、スキマの世界に勝手に入り込むのはあなたぐらいですわ。

 

「うむ。まぁいいではないか。減るものではないしな」

 

 私の精神が減るのです。はい、さようなら。

 

 こほん。

 

 ですので、貴方が来たいというのならば、私を待つか………幻となるのを待っていてください。あぁ、私はかなり気紛れですので。

 

 そういえば、三途の川とも繋がっていますわ。もしかしたら、そっちから来れるかもしれませんが………必ずしも幻想郷に辿り着くとは限りません。もしかしたら、貴方が知らない全く別の世界に辿り着くこともありますわ。

 

 

 では、そろそろ幻想郷の住人をご紹介しましょうか。まずは1人目、と。

 

 

「ゆかりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 

 はい、この凶暴そうなのが“風見幽香”と呼ばれる妖怪です。“四季のフラワーマスター”との二つ名の通り、花に関しては右に出る者はいませんわ。能力に反して危険な妖怪ですので、あまり人間は近づかないようにしてくださいね。

 

「死にさらせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 彼女の傘は日傘ですが、このように戦闘では光線を出すこともできます。また、格闘技術も高いので接近したらしたで地獄を見ることになりますわ。遠近ともに得意としていますのでもし戦うことになったら逃げることをオススメしますわ。

 あぁ、もう1つ通り名がありましたわ。“幻想郷最強の妖怪”………最強(笑)

 

「あんたでしょ! あの鴉に情報を流したのは!」

 

 はて、何のことでしょう?

 

「裕也のこと! 私が外の世界で戦ったこと! 知ってるのはあんたくらいでしょうが!」

 

 あらあら、あなたが人間の男の子を名前で呼ぶなんて。よほど気に入ったのね?

 

「―――っ!?」

 

 はい、お疲れ様。ご退場~♪

 

「覚えておきなさいよ! 次会った時は殺してあげるから!!」

 

 はいはい。では、次の方をお呼びしましょうか。

 

「みょんっ?」

 

 お次は“魂魄妖夢”………あら、ごめんなさい。貴女の出番はカットされて、代わりに萃香になったんだったわ。

 

「みょんっ!?」

 

 では、ご退場~♪

 

「みょーーーんっ!!」

 

 では、気を取り直して。

 

「おぉ!?」

 

 あら、良い匂いのお酒ね。

 

「あぁ、これ。人里の酒屋の店主が作った試作だよ」

 

 あらそう。機会があったら寄ってみることにするわ。

 

「で、何の用?」

 

 今、彼らに幻想郷の住人のことを紹介しているのよ。さて、このふわふわと掴みところのないのが“伊吹萃香”。見て分かるとおりの鬼ですわ。

 

「鬼だぞー強いんだぞー」

 

 そうですわね。人間との友好度は高い方ではないでしょうか。いざ戦闘になれば逃げることをオススメしますが、酒を飲む仲間としてなら近くにいても問題はないですわ。ただ、酒にはかなり強いので、飲む速度を見誤らないことですわ。

 それに、萃香は寂しがり屋なところがありますからね。

 

「そうだぞー寂しいんだぞー」

 

 あらあら。いつものことですが、酔っていますわね。

 

「えへへーお酒おいしいぞー」

 

 外の世界はどうでした?

 

「ん? 面白い奴がいっぱいいたぞ! 裕也とか白い子とか黒い子とか………そういや、文屋が新聞に書いてたな」

 

 そうですわね。いったい誰が情報を流したのやら。

 

「誰だろうねー? あ、紫。後で飲みに行っていい?」

 

 構いませんわよ。

 

「わーい、じゃあー、帰るー」

 

 さて、後は………あぁ、彼女がいたわね。えいやっと。

 

「うわわっ!?」

 

 はい。河童の“河城にとり”ですわ。

 

「な、なに!? 何事!? そしてここはどこ!?」

 

 私が呼んで、ここは私の世界ですわ。

 そうですわね。彼女も人間に対してはかなり友好的な妖怪です。よく人里で見かけますわ。

 

「まぁね。きゅうりとか色々と必要な物は人里に行かないとないからね」

 

 でも、きゅうりなら自分たちで作ってませんでしたか?

 

「自作もしてるよー。でも、味は負けてないけど、数がね………」

 

 なるほど。最近は香霖堂の方でも見かけますわね。

 

「あそこの店主が拾ってきたのは外の世界の物が多いからね。それを直しがてら調べるのが最近の趣味」

 

 うふふ。貴女たち河童はエンジニアでしたね。機械技術を始め、様々な技術に対して強い関心と知識を持っています。技術を磨くことや知識を欲することは構いませんが、それらが幻想郷に害するモノだと判断しましたら、迷わず取り上げますわよ?

 

「うっ、そこらへんは分かってるわ………」

 

 貴女たちは核エネルギーとかも普通に作りそうだから困るわ………まぁいいです。

 そういえば、一時的とは言え、香霖堂が外の世界と繋がったことがありましたわね。その時に外の人間と会ってましたけど、どうでした?

 

「あー、外の世界のことは話に聞いてたけど、大分進歩してるみたいだね。あの時は長居させると彼が幻想郷に閉じ込められちゃうと思って、慌てて返したけど………」

 

 えぇ。英断でしたわ。半日くらいあの場所にいられたら、帰ることはできなかったでしょうね。

 では、次にいきましょうか。はい、ご退場~♪

 

「うわあっ!?」

 

 さて、次は………彼女にしましょうか。

 

「ケロッ!?」

 

 こんにちは。幻想郷はどうかしら?

 

「あー、あんたはあの時の妖怪か………。今のところ問題はないよ。強いていうなら、新しいゲームやマンガが買えないことかなー」

 

 そればかりわね………。幻想郷に流れてくるのを待つしかないですわ。気が向いたら、私が持って来てもいいですわよ。

 

「期待しないで待ってるよ。で、私をここに呼んだ理由は?」

 

 貴女の分霊について、ですわ。

 

「私の分霊? あぁ、そういえば戻ってきてないのが1つあったような………」

 

 えぇ。その1つのことです。今も元気にやってますわよ。

 

「へぇ、消滅したもんだと思ったけど………でも、元気に?」

 

 まぁ色々ありまして。近々、幻想郷に来ると思いますわ。その時に会いになられたらどうです? 主と2人同時に。

 

「主? 2人?」

 

 これ以上は秘密ですわ。本人と会った時までの。

 あぁ、私としたことが忘れてましたわ。彼女の名前は“洩矢諏訪子”。神の一柱で祟り神を統括する土着神ですわ。

 

「信仰しないと祟るぞ~」

 

 幻想郷でも(一部ですが)熱狂的なファンがいる有名な神ですわ。

 

「ちょっと待って。私はあんな変態な奴らを信者とは認めてないわよ」

 

 あらそうでしたの? 毎日熱心に信仰しているようでしたが。

 

「あれは単にうちの巫女目当てでしょうが! 邪な気配が駄々漏れなのよ!」

 

 でも信仰には違いはないと思いますわよ。

 

「それでも! それでも、あれはいらない! 欲しくない!」

 

 まぁ、私としてはどちらでもいいですけどね。

 では、ご退場~♪

 

「ケロッ!?」

 

 

 

 さて。まだ幻想郷の住人はいるのですが、さすがに私も疲れてきましたわ。ここいらで一旦終了としましょうか。

 

 え? 幻想郷にいない幻想郷の住人がいる?

 

 あぁそういえばそうでしたわね。私が友人の家に作った結界。あそこにはまってしまった人たちがいましたわね。彼女たちも元々は幻想郷に移住しようとしたはずでしたのに、何が悪かったのか別の結界の中にはまってしまいました。

 それだけならば私がすぐになんとかできましたのに、どこかの規格外の所為でかなり変異してしまいましたのね。今となっては私の手すら弾くような結界ですの。

 中にいる魔女がなんとかしてくれると思いますから、彼女たちの紹介はその後ですわね。

 

 え? もう1人忘れてる?

 

 あぁ。私のことですの?

 

 最初に語りましたわよ? え? 足りない? うふふ。でも残念。まだ貴方たちには教えてさしあげませんわ。

 

 

 では、皆様。ごきげんよう。良い夢を。

 

 




あと数話で無印編を終わらせる予定。

で、無印とA'sの間で幻想郷編とか含めた話をやるつもりだけど………幻想郷編のネタがない。
現状だと、3~4話で幻想郷の話が終わってしまうので、ネタ募集。

今まで出ていないキャラでも問題はないので、何かないかしらー?

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