まあ、ただの説明会みたいなものです。
にぼっしーネタは四話からなのですが、素手ににぼっしーネタをやっている設定です。(書き終った後に見返して気が付いた)
では、どうぞ。
あの後、教室に戻り落としてしまった本(幸いにも誰も気が付かなかった。)を拾い、放課後、勇者部部室に向かっていた。
にしても…なんか、体が重いような…気のせいかな。
そう思いながら、勇者部部室に到着する。
「失礼しま~す。」
「お、来たわね、輝積。」
風先輩が出迎えてくれた。
部室に入る。そこには、風先輩、東郷さん、友奈、夏凜、樹ちゃんがいた。
「さて、輝積も来たところだし、説明するわね。」
結構軽い感じで言う風先輩。結構重要なことだと思うんだけどな~。
勇者部部室の奥、黒板があるところに連れていかれ座らせられる。座ってるのは友奈、樹ちゃん、東郷さん(東郷さんは車椅子)そして俺。どうやら、説明をしてくれるのは風先輩と夏凜のようだ。
「まず、今日起きた出来事について話すわ」
「おい、ちょっと待て、俺については何も話さないのかよ。」
「えっとね、夏凜や私が大赦から来たメールは、輝積を監視しろってことだけなのよ。」
「そう。だから、あんたが樹海にいるなんて思わなかったし、まさか、勇者になるなんて考えもしなかったわ。」
「あのアプリが原因だと思うんだけど…」
俺はそう言って携帯を取り出し、風先輩からもらったアプリを表示する。
「それね。そのアプリは勇者の適性がないと発動しない筈なのよ。なのに…」
「発動したと…」
「それにね、女の子じゃないと発動はしない。」
「輝積君、心は乙女だもんね~」
「おい、どういう意味だ?友奈?」
「あれ?今日、教室で読んでたの少女漫画だったよね?」
「いつそれを!!」
「東郷さんが気が付いて、それを教えてくれたの。」
「おい、東郷…」
俺は東郷さんを見つめるが目を合わせようとしない。というか、目を背ける。しかも、少し笑いながら。
「そんなことより、風先輩、今回の出来事は一体…」
話しを反らしやがったな、東郷。今度からさん付しないぞ、この野郎。
「今回の事は、今日、しかも、昼休み終りにメールが来たのよ。しかも、それを読んだ直後にあいつらが表れてね。」
「私には、そのメールが来なかった。」
夏凜が少し不機嫌そうに言う。
「まずは、説明するわね。」
風先輩は真面目な顔になり説明を開始する。
「まず、今回戦った奴等、あいつらもバーデックスよ。」
「え?でも、十二体以上いたよ。」
「樹の言う通り、十二体以上いたわ。けどあいつらは、バーデックスでも、星屑って呼ばれてる奴等なのよ。」
「星屑?」
「星屑は、十二体のバーデックス…星座型のバーデックスとは違い、数が多い。その分力は弱いけどね。」
「でも、なんで、そんな奴等が来たんですか?神樹様の預言では、十二体の星座型のバーデックスが表れると…」
「そこは、大赦が調査中よ。」
「結構、大赦もわからないのよ。」
「そうなんだ…」
少し暗くなるな。わからないことばかりだもんな。
「でも、わからない事ばかりじゃないわよ。」
風先輩が突如として話し始める。
「あいつらは、十二体のバーデックスを全部倒せばいなくなるらしいの。」
「良かった~」
樹ちゃんが少し安心した顔になる。他の皆も一緒だ。
「けど、なぜ、今頃、そんな奴等…星屑が表れたのかしら…」
東郷さんが悩みながら言う。また、雰囲気が暗くなる。
「まあ、わからないことは置いといて、勇者部の活動するわよ。」
「切り換え早!?」
「風先輩はいつもこんな感じたよ。」
「お姉ちゃんらしいけどね。」
「そうですね。暗く考えても仕方がないですよね。」
「はぁ…本当に能天気ね…あんた達は…」
夏凜が飽きれて見ている。まあ、暗くなってもしょうがないか。
「て、ことで、勇者部の活動をするわよ。」
「すみません、今日は帰っていいですか?」
俺は、風先輩に言う。理由は簡単だ。体が重くなってきて、苦しいのだ。多分、戦いの疲れや緊張が今頃来たのだろう。
「え?どうかしたの?」
「いえ、なんか、変に緊張したのか、疲れてしまって…」
それと、もうひとつ原因がある。それは、この勇者部だ。よく考えて欲しい。美女が五人、そこに、男子俺一人。ある意味でプレッシャーがかかるのだ。
「大丈夫?輝積君?」
友奈が近くで聞いてくる。あれ?友奈って…こんなに可愛かったっけ?
「全く、あんな戦闘で疲れるなんて、本当にやる気あるの?」
「やる気あるなしの前に、ほとんど強制のような…」
「しょうがないわね…疲れてるなら、無理はさせられないわ。」
風先輩がそう言ってくれる。
「夏凜、輝積のこと家まで着いてってやって。」
「「は?」」
ハモる俺と夏凜。え?夏凜と一緒に下校?
「な、なんで、こいつを家まで送ってやらなきゃいけないのよ!!」
「え~だって、夏凜の隣に住んでるの輝積じゃん。」
「あ!そういえば、そうですよね。夏凜さんと輝積さんはお隣同士でしたよね。」
少しニヤニヤとしてる風先輩。そして、純粋にお隣であることを思い出した樹ちゃん。なんなんだ、この姉妹の差は…
「夏凜ちゃん、病人を責任持って家まで送って行く。これも、歴とした勇者の活動だよ!」
友奈、それは、違うと思う。しかも、俺、病人じゃねーし。
「そうよ!例え新人部員だとしても、ちゃんと送ってやらないと!!」
「い、嫌よ!!な、なんでこんな奴を!」
「はーい、四の五の言わない。行かないと、明日からにぼっしーって呼ぶわよ。」
「にぼ…夏凜さん、お姉ちゃんに何を言ってももうダメだと思いますよ。」
「樹、今、にぼっしーって言おうとしたわよね!?」
「俺、疲れたので、先に上がります。明日からはちゃんと活動しますんで…」
俺はお疲れさまでしたと言って話している勇者部部員を勇者部に取り残し部員を出る。因みにだが、お疲れと返してくれたのは、友奈と東郷さんだけでした。
俺は、疲れが溜まったであろう体に鞭を打って自転車に乗る。スピードは疲れているためか出ていないが、歩くよりはマシだろう。
「ちょっと!待ちなさい!!」
後から夏凜が追いかけて来る。
「おう、どうした、にぼっしー?」
「あんた、次にその名前で呼んだら殴るわよ。」
「ごめん。冗談だよ。」
「本当、疲れてるの?」
「ああ。体が重く感じるんだ。」
「戦ってる時は?」
「何も…放課後になってからかな…重く感じて来たのは。」
「そう。」
自転車に乗りながら、話す俺と夏凜。
話しをして、疲れを忘れようとするが、逆に体が重く感じて来る。途中から、息切れが起こる。
「あんた、大丈夫?」
「大丈夫…じゃ、ない、かも。」
家まで後少しだ。
アパートに到着して、夏凜に肩を借りて玄関前まで送って貰う。素手に意識が朦朧としているのだ。
「あ、ありがとう。」
「本当に大丈夫なの?いきなり疲れ始めたように見えるけど…」
「大丈夫じゃない…そんじゃ…送ってくれてありがとう。」
俺は、玄関の鍵を開けて家の中に入り玄関を閉めて、靴を脱ぎ、そのままの格好でベットに上半身だけ乗せて倒れてしまった。
体が重い…最初は疲労だと思っていた。だが、まるで、色々なものが体に流れ込んで蓄積してくるかのようなそんな感じで体が重いなっていき、意識も朦朧としてきたのだ。
その時、覚えていることは、右手に、いつもポケットに入れているお守り…いつ、どこで手に入れたかわからないがいつも持っている。俺は、このお守りを右手に握り締めて、意識を手放した。
はい、主人公に異変が起きました。
次回、急展開です。
お守りの話しは、後で主人公説明の時に書きます。
それでは、次回予告とうぞ~
次回予告
「ほら、昨日君と一緒に…」
「少し、静かにしてくれ。」
「起きなさい!!」
次回 同居人