MUV-LUV ALTERNATIVE 救世主になれる男   作:フリスタ

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02

Side マサキ

 

「(シロ、クロ聞こえるか? 忘れてたんだけど、これから行くところではリーディングって言って、心を読まれる可能性がある。防げるか?)」

 

「(大丈夫だよ)」

「(任せろニャ!)」

 

 

 

サイバスターでこの世界にリンクさせた時に表示された日付は10月22日。今の時間は大体8時30分頃だろう。原作通りの時間ぐらいだ。

 

俺達は家を後にして、荒廃した街並みを見ながら進んでいく。タケルは少し落ち込んでいるようだ。

 

「タケル。先に言っておくけど、今日は10月22日だ。お前の友人達も生きている」

 

タケルはその言葉に反応する。

 

「タケルが2回目を繰り返している理由とか詳しく俺は知らないけど、生きているなら助けられるだろ? しっかりやれよ?」

 

「……あぁ」

 

 

 

「見えてきたな。タケルは何も話すなよ? 話すのは夕呼先生に会ってからだ」

 

「分かった」

 

タケルが元々いた現実世界でのここは、タケルの通う学校だった。

しかし、【国連太平洋方面第11軍横浜基地】という今の現実の姿を見せている。

そう、これもタケルにとっては現実の世界なんだ。

 

「こんなところで何をしているんだ?」

 

門兵が2人いる。近寄ってきて俺たちに話しかけてくる。

 

「外出していたのか? 物好きな奴だな。どこまで行っても廃墟だけだろうに」

 

「隊に戻るんだろう? 許可証と認識票を提示してくれ」

 

タケルは俺の言った通りに黙っていてくれるが、「あぁそういえばこんな事もあったな……」という感じの表情を見せている。

 

さて、通じるかな?

 

「あ~戻る前に香月夕呼博士に連絡を取ってもらいたい」

 

「香月博士に? ……問い合わせてみよう。名前は?」

 

「白銀タケルと海堂マサキ。あ、それと伝えて欲しい事がある」

 

「何だ?」

 

「【4から5】【00】【脳】って伝えて欲しい」

 

「何だそれは? まぁいいが……」

 

夕呼先生なら反応するキーワードを伝えてみる。これで駄目なら捕まろう。

門兵の一人が連絡を取っている。

もう一人が少し緊張感を出し始めたので、一応ってことで俺は両手を上げて敵意は無い事を伝えておく。しばらく待たされて門兵が帰ってくる。

 

「おい。博士がお前の事を知らないそうだがお前と話したいそうだ」

 

 

 

俺は門兵たちに聞こえないように話し始めた。

 

『アンタ誰?』

 

初対面に向かってなんて口調だ。少し機嫌も悪そうだ。

 

「初めましてですね夕呼先生」

 

『先生? あたしは教え子を持った覚えは無いわよ?』

 

「この世界ではね。率直に言いましょう。俺は海堂マサキ、異世界から来た。それと白銀武の方は因果導体?って奴で、この世界は2度目だ」

 

『っ! ……異世界……因果導体。どこまで知ってるの?』

 

「タケルの方は計画が第5段階に進んだ経過を経験してる。俺は側面からそれを見てきた感じかな」

 

あなただったら、あなた自身の言葉を信じられる?牢屋で頭冷やして来なさい!!

とでも言われてしまいそうな予感がするが……。

 

『……迎えをよこすから待っていなさい』

 

よしっ第一関門クリア!

 

「何だって?」

 

「迎えをよこすだって」

 

門兵2人は疑問符を浮かべた表情で俺たちを見ていた。許可証と認識票を出せば通れるというのに何故? という顔だ。そりゃ仕方が無い話だ。どちらも持ってないんだから。

 

 

 

それから検査に4時間ぐらいかかり、俺とタケルは夕呼先生の執務室に通された。

 

「ふぁ~」

 

「眠そうね。あなたが海堂マサキ?」

 

「あ、はい。すみません」

 

まぁ仕方ないでしょう? 4時間も細かい身体検査や血液検査をさせられてるんだから。

 

「まぁいいわ、因果導体と異世界人ね……」

 

「異世界人?」

 

「あら聞いてないの? 海堂マサキはこの世界の住人じゃないわ。データを照合してもそれらしい人物は出ないし……その見た目で18歳とはね……」

 

「同い年!?」

 

「……あんた達本当に知り合いなの?」

 

「あ、今日初めて会っただけですから。言うの忘れてたスマン」

 

「え、あ、あぁ」

 

「それで? あんた達は何を知っているの?」

 

夕呼先生は椅子に体重を預けて、椅子の軋む音を鳴らす。机の引き出しに手を掛けるので、俺は一応止めとく。撃たれないと分かってても銃を向けられるのは嫌だ。誰だってそうだ。俺がそうだし。いや、撃たれる可能性もあるか。やっぱ止めよう。死ぬのはまだ早すぎる。

 

「あ、銃は勘弁してください」

 

「え? じゅう?」

 

「っ!? ……あんたは何? 人間なのかしら?」

 

「人間だって結果が出たと思うんですけど?」

 

「……まぁ今は良いわ、白銀から話してもらえる?」

 

「あ、はい」

 

タケルが話し始める。1回目に体験した事。覚えている事。そして、更にその前の世界は平和だった事。

 

人類がBETAに勝つ為のオルタネイティブ4。その結果が出せない『4』に見切りを付けて、10数万人だけ宇宙へ逃げ出すオルタネイティブ5。後の残された約10数億人は滅ぶのを待つだけの世界。そこから記憶があやふやだが、2年近く粘った気がすると。

 

タケルが1回目に体験した世界だと2ヵ月後の12月24日。そこが前回のタイムリミットだった。

 

「あなたが言っていること……どうやって信じればいいって言うの?」

 

「あ~その事なんですけど。隣で霞ちゃんがリーディングしてるんですよね?」

 

「そうなのか?」

 

「っ!?」

 

あ、驚かせちゃった。

(やしろ) (かすみ)。オルテネイティヴ3の時に生み出されたリーディング能力者だ。

 

「あ、すみません話の腰を折ってしまって」

 

「……いいわ。あなたは異世界から来たって言ったわよね?」

 

「はい」

 

「どうしてこの世界の事を知っているの?」

 

「ん~?……さぁ?」

 

俺が居た世界のゲームでしたなんてアホ過ぎるもんな。ここは知らぬ存ぜぬで押し通そう。俺にリーディングは効かない様にしてあるし普通に嘘付こう。

 

「気付いたらこの世界に来ていて、生体反応があったからタケルの家に入って、で ここに来たってところです。何故かこの世界の人の事を知ってるんですよね……知らない人もいるけど」

 

「……そう。生体反応って言ったわね。戦術機に乗っていたの?」

 

「似たようなものに乗ってきましたね」

 

「……アンタ、今日の朝 帝国斯衛軍衛士と会ったでしょ?」

 

「あれ、何で知ってるんですか?」

 

「やっぱりね。私があんた達に興味が湧いたのがタイミングの良さ、いえ悪さかしら? 今日正体不明の戦術機が空を悠々自適に飛びまわり、帝国軍斯衛の衛士と相対し、一瞬で振り切ったそうよ」

 

「一瞬で……振り切った?」

 

「あはは、申し訳なく思っております」

 

「はぁ~……頭痛くなってきた。その戦術機は今どこにあるの?」

 

「この基地に横付けしてあります」

 

「は? どこに?」

 

見えないようになってるから、そりゃそうだね。

 

「90番格納庫でしたっけ? そこに置いておけるなら見せられますけど」

 

「何でそんな事まで知ってるのよ……」

 

夕呼先生は頭を抱えながら机に突っ伏している。こんな人だっけ?

 

「90番格納庫?」

 

そう、タケルがこの2回目の世界で乗るXG-70の専用と言ってもいい格納庫だ。アレだけ広いんだからサイバスターの1機や2機格納しても問題ないだろう。

 

 

 

「広いな~」

 

ゴウン…ゴウン…。と、大型貨物を運ぶ音がする。乗っているのは見た目、管理の人が一人と夕呼先生。タケル。俺の4人だけなのだが。見えないサイバスターが更に乗っていた。

 

これに乗せる時に、見えないのに動作音などがする光景を夕呼は額に手を当てて溜息ばかりだった。

 

そして、ついに90番ハンガーに着いた。

 

「お~これなら少しは動かせそうだ。じゃあ不可視モード解除しますね」

 

姿を現す銀色の戦術機。いや、戦術機などではない。夕呼はその機体を食い入るように見つめていた。

 

「この3対6枚羽で飛ぶの? 武装が見当たらないけど? 動力は?」

 

「えっと、マニュアルによると、『フルカネルリ永久機関』で、俺の精神力みたいなものが持つ限り稼動できます」

 

「え? 燃料はガソリンとか、電気とか、そういうものじゃねーの?」

 

「魔法と科学が融合した様な機体でね。試してみます?」

 

ディスカッターを異次元から取り出す。

ジャキーン! とサイバスターの手に西洋の剣が輝き出現した。

 

「武装はこのように好きに出せます」

 

「夢ね」

 

いえ現実ですから。

何も無いところから出てくる剣に夕呼は頭を抱えるのをやめた。

 

俺は機体を降りて、シロとクロも連れてくる。

 

「で、こいつらが武装でもあり、使い魔(ファミリア)のクロとシロです」

 

「マサキ、それだけじゃ伝わらないニャ!」

「あ、こらシロ!」

 

タケルと夕呼先生の顔がキョトーンとしている。この表情は見た事が無いかもしれない。

「え? 今喋ったのってこの猫2匹?」 ていう顔をしている。

 

あ、視線がコッチに戻ってきた。クロとシロは「僕たち猫ですよ? 喋るわけ無いじゃないですか」 「お疲れなのでしょう?」みたいに俺の足元を歩き回っている。汗ダラダラ流してんじゃねーか。

 

「……喋る猫」

 

「喋ったわね」

 

「そりゃ喋るでしょう猫なんだから」

 

「「その理屈はおかしいニャ! ……あ」」

 

夕呼先生は再び頭を抱え始めた。

 

「と、まぁそんな感じでBETAを倒すための機体として参加させてもらいますよ」

 

「それは駄目ね」

 

はい?

 

「周辺国が黙っていないわ。ただでさえ未確認の空飛ぶ戦術機が目撃されてるのよ? 他の国にこれ以上の情報が行くのは大問題なの」

 

「はぁ? じゃあサイバスターは?」

 

「使えないわね。出撃禁止よ」

 

「そりゃねーよ。せっかく用意したのに……戦術機にも乗れるけど……はぁ」

 

「海堂、今何て言った?」

 

「せっかく用意したのに?」

 

「その後よ。戦術機にも乗れるって言ったわよね?」

 

「え? はい。でもタケルも乗れますよ?」

 

「白銀はこの世界を体験してるからいいのよ。何で異世界人のアンタが乗れるの?」

 

「ぁ……さぁ?」

 

「今、『あ』って言ったでしょ! 何を知っているの?」

 

「違います違います。『あ、そういえば何でだろう?』って意味ですよ」

 

ナイス咄嗟の一言!

 

「マサキは戦術機の知識もあるニャ」

「整備班としても役立つし設計も出来るニャ」

 

「海堂……何者よ」

 

「あ、何者で思い出した。お願いがあるんですけど、戸籍とか身分がないと動けないので何とかできますか?」

 

「あぁ、それならもうやってるわよ。でもあんた達をどこに配属させるか……」

 

「あ、夕呼先生。前の時は先生が俺を衛士訓練学校に入れてくれて『第207衛士訓練小隊』に訓練兵として……」

 

「なるほど……我ながらいいアイディアだわ……今回もそうしましょう。まだ外で訓練してるでしょうから行って来なさい。話は通しておくわ」

 

「はい!」

 

「シロ、クロ行くぞ。喋るなよ?」

 

「待ちなさい。アンタはこっちよ海堂」

 

何故にホワイ?

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 香月(こうづき) 夕呼(ゆうこ)

 

まりもに連絡を入れてからまた格納庫にあるサイバスターの前にやってきた。

 

「面白いモノを手に入れたわ」

 

因果導体にこの世界の知識がある異世界人。社のリーディング結果から言っても、事が不利に働く事は少なそうだ。

 

「このサイバスターって機体も気になるし……」

 

魔法と科学の合体? 魔法って何よ?

でも一瞬で武御雷を振り切るデータも届いてはいる。本当の事なら……。

私はサイバスターの脚部に触れてみる。

 

ビーコンッ! ビーコンッ!

『自爆装置が作動しました。停止には認証登録者による解除が必要です。自爆まで残り20分。自爆装置が作動しました。停止には―――』

 

「はぁ!?」

 

「あ、解除すんの忘れてた。いやぁ俺以外が触ると色々と起こる事になってるんですよ」

 

笑いながら目の前の少女のような少年は言う。

 

「暢気に言ってる場合じゃないのよ! 何? アンタ異世界から来た破壊神!? 全然笑い事じゃないわよ!」

 

「あはは、面白い事言いますね。ちなみにサイバスターはこの世界だと存在自体がブラックボックスみたいなんで、解析とかは一切出来ないです。よろしくお願いしますね……さて、どうです?」

 

「……止まった」

「(ふぅ、実際は自爆しない事は伝えない方が良いか……。絶対怒られるもんな) ところで、俺も訓練兵になるかと思ってたんですが?」

 

「一瞬でレーダーからも捉えられなくなる機体に乗っているという事は、相当なGが掛かっているということよね? それを容易く操り、更に戦術機も乗れるし、開発系統も出来ると」

 

「そうですね」

 

「そんな人材を遊ばせておくほど余裕は無いの」

 

「まぁそれは知ってますけど……まぁ大丈夫か」

 

「まずは実力から見せてもらうわよ?」

 

私は90番格納庫を後にして、海堂とともにシミュレーターデッキにやってきた。

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 神宮寺まりも

 

夕呼から『新人が今からそっちに見学行くわ。白銀武って言ってね、アンタのタイプでしょうね。『特別な存在』だから後はよろしく』という連絡が来た。

 

「全く夕呼ったら……」

 

しかし、この時期に男が来るとは……しかも夕呼の言う『特別』。

 

「あれか?」

 

遠目に、こちらに向かってくる男がいた。

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side タケル

 

夕暮れのグラウンドに来た。

 

「もし……そこのお方」

 

「え? ……俺?」

 

声を掛けてきたのは、御剣冥夜だ。

 

「……? 何か? ……どうかされましたか?」

 

俺は懐かしさを覚えてい凝視していた。

……救えなかった人の一人だ。

 

「あ、いや……えっと、何?」

 

「危険です故、外部の方のここからの立ち入りはご遠慮下さい」

 

「あ、いや」

 

あぁくそっ しどろもどろじゃねーか。

 

「どなたかをお探しですか?」

 

「―――御剣、いいんだ!」

 

更に後方から女性の声が掛かる。まりもちゃんだ。

 

「教官」

 

「……白銀武だな?」

 

「はい」

 

「…… ……。小隊集合ッ!」

 

「207小隊集合しましたッ!」

 

入院中の(よろい) 美琴(みこと)以外が集まる。

 

「よし……では紹介しよう。新しく207小隊に配属された白銀武訓練兵だ」

 

「白銀武です。よろしくお願いします」

 

「この時期というので驚いただろうが、とある事情により徴兵免除を受けていた者だ」

 

「色々とありまして……今後ともよろしく」

 

「訓練には明日から参加してもらう。わかったな?」

 

「「「「はいっ!」」」」

 

「とりあえずは、一緒に食事でもして早く交流を深めることだ。榊、食事のあと兵舎への案内など、諸々頼んだぞ」

 

「はい!」

 

委員長がハッキリと返事をする。

やっぱり委員長って言っちまうな。

 

「では残り10分、引き続き訓練だ。白銀は少し見学をしていろ」

 

懐かしい顔ぶれだ。オルタネイティブ5が始まった時からもう記憶が無いかのようにボロボロだから、一緒に居たのか、離れ離れになったのか、死んだのか、生き残れたのかすらも分からない。だが、先はそう長くは無かっただろう。

 

「……でも、生きてる」

 

俺は訓練を続ける彼女達を見て、「今度こそは」と意気込んでいた。

 

 

 

委員長に基地内を案内された後、PXでの食事になっていた。俺はまりもちゃんに言われたとおり、食事を一緒にして親睦を深めようとしていた。

 

「ところで白銀」

 

「ん? どうした?」

 

「……聞いておきたい事があるの。単刀直入に聞くわね。あなた……期待して良いの? 神宮寺教官からは『特別な人物』だと聞かされているわ」

 

「ああ」

 

「それは、私たち……いえ、ひいてはこの国の、この星のためになる『特別』なのよね?」

 

「……そうだ……少なくともオレはそのつもりだ」

 

「それは頼もしいな」

 

「香月博士と神宮時教官のお墨付きだから、きっと大丈夫だよ!」

 

たまが賛同してくれるが、

 

「……だといいけど」

 

彩峰は本音は覗かせずに諦観しているようだ。

 

そんなこんなで一応仲良くやれそうだ。

明日からの訓練も楽しみだ。

 

まず最初の目標は総合戦闘技術評価演習をクリアして一刻も早く衛士になることだ。

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side マサキ

 

【目標沈黙】

 

【動作教習応用過程終了】

 

『言うだけの事はあるわね……これほど動ける奴は数えるほどしか見た事が無いわ』

 

モニター越しに夕呼先生の声が聞こえてくる。

 

「あの」

 

『何?』

 

「設定変えて良いですか? 動作が遅くて操作がし辛いんで」

 

『遅い? シミュレーター上、アンタが乗ってたのは【吹雪】なのよ?』

 

吹雪は非常に扱いやすい機体だ。様々なオプションパーツとも相性が良く更に上の【不知火】にも装備によっては引けを取らない。しかし、そう言われても試したい動きとかできなかったし。まぁでも、サイバスターの後だとどれでも同じに感じるかもしれない。

 

「すぐ済みますから。(カタカタカタカタカタッ)」

 

流石にその内出てくる新OSの【XM3】までは行かないが、これだけでも5%ぐらいは動きやすくなるはずだ。俺の与えられた技術屋としての頭脳がそう告げている。

 

「再起動して、再トライします」

 

『……もう出来たの?』

 

「仮設定ですけどね。……行きます」

 

仮想敵(アグレッサー)も少なかったため、3倍ぐらいに増やして、更に動きを高速化してみた。

 

『アグレッサーの設定まで……?』

 

36ミリ突撃砲を手に短距離跳躍(ショートブースト)を効かせながら最小限の動きで邪魔なものから排除していく。

 

『何て速さなの……残り4……いえ、3機』

 

カチッカチッ

 

「あれ、弾切れか……弾薬まで制限掛ける必要は無かったかな。まぁいい、ラスト!」

 

俺は短刀に持ち替えて残りの敵を排除した。

 

【動作教習応用過程・改訂版終了】

 

『……出てきなさい』

 

 

 

あー面白かった。思ったとおりには動けなかったけど楽しいもんだな

 

「海堂、今日はもう休みなさい。それと、明日私の執務室に来て。渡すものがあるわ」

 

「はぁ分かりました……。あの、どこで休めば?」

 

「ピアティフ」

 

「ご案内いたします」

 

夕呼先生の秘書官のピアティフ中尉だ。

俺はピアティフ中尉に付いて行きながら考え事をしていた。

 

結局俺は何を見られたんだろうか?

戦術機に乗せられて、BETAの巣(ハイヴ)を落としてこい。とか無理難題を吹っかけられるのだろうか? サイバスターに乗っていいなら成功の可能性は非常に高いと思うが……戦術機だとな……。

 

「海堂さんコチラです……右です右」

 

「あ、すみません」

 

考え込んでいる内にピアティフさんを見失っていたようだ。

 

「(やっぱり方向音痴ニャ)」

「(レーダーが無いとどこにも辿り着けないニャ)」

 

「(うるせいやい)」

 

明日は何を渡されるのだろうか……?

 

Side out

 

 

 

 




感想などは随時受付中です。



正直なとこ言うと、すごくシリアスに書き直したいというか、新作で最初から書きたいって気持ちもあるけど、基本シリアスが難しいと感じるので挫折する気しかしない。
その時は、ただの衛士で書きたいな。帝国軍で。それぐらいしか考えてない。

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