MUV-LUV ALTERNATIVE 救世主になれる男   作:フリスタ

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こちらでも、大変お待たせいたすぃました。

色々あるんですよ。生きてるとねw



09

 

 

 

 

 

 

 

Side マサキ

 

 基地に戻るとタケル達207小隊はシミュレーターに乗っていたようで、更に本日の早朝、吹雪が搬入されているとの事だ。これは弄らずにしておこう。原作通りにタケルがXM3の基本概念を思いつくまで放って置こう。いや、もう直接言いに行くか。

 

「やぁ、207小隊諸君。お待ちかねの吹雪はどうかな?」

 

 俺は人差し指と親指部分だけ指抜きとなったオリジナル軍手をグッパーグッパーと着けて委員長たちに軽く挨拶した。指先の感覚がモノを言うなんてことはないが、仕事がしやすくなるのは確かだ。真似してる奴らも結構いる。

 

「マサキ……整備(メカニック)だったの?」

 

「まぁね~しっかり整備してやるからな」

 

 俺は手を振って唯依姫と合流した。

 

「おは~唯依姫、来たね武御雷~」

「お、おはようございます。何故ここに将軍専用機が……?」

 

 あぁ、唯依姫は知らないのね。まぁ普通は冥夜の存在は知らないのかな。

 この武御雷は唯依姫が乗る武御雷とは格が違う。見た目は色が紫で性能は基本的に同じだ。

 

 元々、この武御雷は将軍家の人間、もしくはそれを直衛する人間が乗る機体であり「将軍家の人間は前線に立って模範となるべし」との思想から、 格闘戦能力(とくに長刀)を重視した設計で、他の機種と比べ機動力などがすばらしく秀でている。 その中で乗り手の偉い順でカラーリングが変わり、この紫であるType-00Rは将軍のみが搭乗を許される特別仕様機なのだ。

 

「唯依姫の山吹色の武御雷を並べてみようか」

「そんな恐れ多いこと出来ません!!」

 

「あれは特別仕様なのか」

「そうみたいね」

 

 タリサとステラはその色の意味を深く考えずに行ってしまった。あっちは今日も模擬戦の後に実機演習。そして、データをまとめた後にミーティングだ。忙しいのはどこも同じだ。

 

 

 

「冥夜様」

「月詠……いえ……月詠中尉……何でしょう?」

 

「ッ 冥夜様! 私どもにそのようなお言葉遣い―――おやめください!!」

「そうです! 斯衛の者はいかな階級にあっても―――」

「将軍家縁の方々にお仕えする身であります!!」

 

 月詠中尉と3バカ……神代(かみよ) (たつみ)(ともえ) 雪乃(ゆきの)(えびす) 美凪(みなぎ)は帝国斯衛軍の軍服に身を包み、冥夜に頭を下げる。―――うん、やってるね。

 

「冥夜様……武御雷をご用意いたしました。なにとぞ……」

 

「己の分はわきまえているつもりだ。一介の訓練兵には吹雪でも身に過ぎるというもの」

 

「おやめください! 冥夜様には―――」

 

「くどい! すぐに搬出いたせ! 他の者が何事かと思うであろうが!」

 

「―――この武御雷は冥夜様の御為にあるのです。冥夜様のお側に置くよう命ぜられております。どなたのお心遣いかは……冥夜様もご存知のはず。どうかそのお心遣いを無下になさいませぬよう……」

 

「……勝手にするがよい」

 

「ご承諾、感謝いたします。では我々はこれにて……」

 

 

 月詠中尉は去り際に、タケルを睨み付けるかのように一瞥していった。

 

 

 

 

 207小隊はタケル以外が戻っていく。午前の訓練の準備かな?

 

「御剣冥夜……殿下に似ておられる……」

 

「そりゃあ双子だからね」

 

「そうなんですか!? 双子だなんて……聞いたことが……」

 

「あ、拙かったっけか? 今の聞かなかった事にしといてね」

 

「……はぁ」

 

 唯依姫は『Need to know』と理解したのか気持ちを切り替えたようだ。

 

「おょ、タケル。ここにいると怖いお姉さんが来るぞ~」

「マサキ……どこまで知ってるんだか」

 

 基本的に全部さ。

 

「ここで何をしている」

 

 ほら来た。月詠さんだ。

 

「月詠さん……」

 

「名を呼ぶ許しを与えた覚えはないがな……白銀武。何をしていると聞いている」

 

「さっき中尉がオレに何か言いたそうでしたからね」

「死人が何故ここにいる?」

 

 そう、この世界の本当のタケルは既に死んでいる。並行世界(パラレルワールド)のタケルがこの世界に来てしまっただけだ。しかし、死んだ人がいるというのは意味が不明なわけで、冥夜に近づく不審人物として見られているわけだ。

 

 まぁそんなことはどうでも良いんだけどね。オレとしてはあの機体を改造したい。

 

「あの~取り込み中すみません月詠中尉? あの武御雷、改造していいですか?」

「貴様! 愚弄する気か!! ……ん? その声は……」

 

 

 半分本気ですが? そうだな……とりあえずはブースター付けて、その分だけGキャンセル強くして、ライフル強化もしたいなぁ。

 

 

「中佐駄目ですよ!」

「中佐? ……その出で立ち。もしや、海堂正樹中佐ですか?」

 

「なぜ敬語? そうですけど?」

「失礼しました。殿下よりコレを預かっております」

 

 おぉ、月詠さんが俺には怒らない。なるほど、悠陽とか月詠大尉の方が手を回してくれたんだな。そして、渡されたのは沙霧大尉に渡した時よりも少し分厚い書状。また長そうな文面で、加えて難しい文章でよく分からないよ。何々? 僕と契約してまほ……。

 

「是非とも斯衛軍に来て頂けないかと、殿下よりの書状です」

「え~、断ったのに?」

 

「「「「「なっ!!?」」」」」

「ん?」 「な、何だ?」

 

 この場にいたオレとタケル以外が騒然とする。

 

「主任が斯衛軍の誘いを断ったって!?」

「主任すげーっ!!」

「嘘でしょ!?」

「殿下の誘いを!?」

「殿下直々にか!?」

 

「こらー聞き耳立ててないで仕事しろーっ!」

「いやいや中佐! 何をしたか分かってるんですか!?」

 

 俺は軍手に包まれた鋼の拳をブンブンと振って檄を飛ばすが、突然 唯依姫がオレの肩を掴み前後に揺らす。なになに!? や~め~て~。

 

「だ、だって俺の居場所はここだけだろ? なら帝国軍に行ってもな~」

 

「「「「「主任……」」」」」

「中佐……」

 

 

「まぁ悠陽に『ごめん』って伝えといてよ」

「「「「「呼び捨て!!?」」」」」

 

「あぁそう呼んでくれって言われて……ってサボるなーっ!! 働けお前らーっ!」

「いやいや中佐! 何をしてるか分かってるんですか!?」

 

 また前後に揺らされる。や~め~て~。

 

「……だって呼び捨てにしないと睨むんだもん」

「だもんって……」

 

 

「殿下が下のお名前を呼び捨てで呼べと!?」

「主任すげーっ!!」

「頷ける点はあるがな……」

「あの分厚い書状の返事に3文字かよ!!」

「しかも手紙じゃなく伝言!!?」

 

「月詠中尉は俺のことは聞いているのにタケルの事聞いてないの?」

 

「いえ聞いておりませんが、海堂中佐はこの者をご存知なのですか?」

 

 あるぇ~? 俺ちゃんと説明したよな~? してなかったっけ? ……あ、してねーか。

 

「国連軍のデータベースを改竄してここに潜り込んだ目的は何だ!」

「城内省の管理情報まで手が回らなかったのか? まさか追求されないとでも思ったか!!」

 

 あ、ちょっと目を離したらまたタケルが攻められてる。

 いや~、しかし下から見上げると、この武御雷がグラン○ンに見えるんだよな~。スマートなグラ○ゾン。紫色だし……。グ○ンゾンにしちまうか? いや、流石に無理だな。うん無理。そんな技術情報は俺の脳内には無い。ブラックホールエンジンなんて知らんのよ。あ、でも違うエネルギーを利用すれば……例えば縮退路(しゅくたいろ)を形成して、いや、でも資材もないし無理だよな。よし、諦めよう。無理なモノは無理だ。しかし、出来る限りの性能アップはやってしまおう。

 

 

 

「冥夜様に近づいた目的は何だ! 返答次第によっては、今この場でもう一度死―――」

「―――何をしている!! 月詠! 神代、巴、戎! まだいたのか? ここで何をしていた!」

 

「冥夜」

 

「冥夜様をそのように呼ぶなどっ!」

「よい。私が許した」

 

「冥夜様は、この者がどのような男かご存じないのですか!?」

「知らぬ……だが、ここではそれでよい。もうよい、下がれ」

 

 おぉ、俺が武御雷に見惚れている間に話しが進んどる! グラン○ンは置いといてアッチに助太刀に行くか? いや、それもいっか。タケルの問題だからな。

 

「そんじゃ早速調整するぞ~。作業に取り掛かれーっ」

「「「「「はいっ!!」」」」」

 

「主任~。XM3はまだ搭載しないんですか?」

 

「あぁ少しだけ待ってくれ。唯依姫の武御雷には搭載していいけど」

 

「了解です……あの、許可貰ってますよね?」

 

 もちろん。そこまでなら許可貰っている。そこまでならな。

 

「チーフ。ソ連から戦術機が入ってきましたよ」

 

 あぁ、クリスカとイーニァ専用で複座型のやつだな。チェル何とかってやつ……っておい!

 

「1機だけじゃないのか?」

 

 振り向いた先の、少し離れた格納施設には3、4、……目の前にはまだ搬入されていく機体が見える。聞いてたのは複座型の搬入だけのはずだ。仮にラトロワさんやターシャが乗るとしたらこっちの不知火とかを乗りやすいように改良して乗せるだけだと思ってたんだが……ん、違うのが更にきた。後ろに続くアレはソ連の機体じゃない。

 

「部長~。統一中華戦線軍からの搬入もありま~す」

 

 あぁ、あの中国娘か。これが終わったら弄るか。

 

「中佐。私は一度受付に行かなければなりませんので、失礼します」

 

「あいあ~い」

 

「変なことしちゃ駄目ですよ?」

 

 何をするってんだ俺が。少しだけだよ! そう少~しだけ改良を加えて……そう! 改良だよ! 『より良く改める』と書いて改良だ。良くするんだから良いじゃない。今だって割とお手隙ですし、今なら緊急時のブースターもセットでお付けして……って、中華の搬入が終わったと思ったら、まだ来るぞ。

 

「なぁアレは?」

 

「ソ連の追加だそうですよ」

 

 ……ってことはラトロワさん達も機体持参確定で、更に予備機体まで持ってきたのか。太っ腹だな。技術力が欲しいってのは俺からしたらよく分からん感情だけど、その辺の裁量は夕呼先生に任せよう。

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 横浜基地へ向かう車内

 

「中佐。横浜基地が見えてきました」

 

「そうか、ありがとうターシャ」

 

 資料を読んでいたフィカーツィア・ラトロワは顔を上げて窓の外を見た。

 極東防衛の要と言える基地。横浜基地。

 彼女の目から見る日本と言う国は、愚かな国家に見えていた。

 

「資料にある海堂正樹中佐は18歳らしいですね」

 

「親の七光りか何かだろう。若い者を祀り上げて国を維持しようとしているのか知らんが、若造に中佐などと言う重責を与える国が長く持つはずも無い」

 

 これがラトロワの目に映る愚かな国の答えだ。

 しかし、ラトロワの副官を務めるターシャと愛称で呼ばれる少女はナスターシャ・イヴァノワ。十代半ばの少女だが大尉だ。それだけ優秀であるといえる。ラトロワ自身、ターシャの事は認めているし信頼している。しかし、資料にある男だけは信用できなかった。内容がほとんど無いからである。

 

 以前はどこの軍にいたのか? どれほどの衛士なのか? どれほどの戦歴があるのか? 何れも答えは無いだろう。資料には顔写真も無く、新型OSの開発担当者としか書いていない。恐らくこれも大したOSではないだろうし、他人の手柄を貰ったのだろう。そのようにラトロワとナスターシャは考えていた。

 

 車内には技術屋なども数名乗っているが、皆一様に表情は落胆の色が薄っすらと見える。元いた場所でやっていた方が……と、考える者ばかりだった。しかし、彼らの考え方も表情も、その心臓の鼓動でさえも、数時間先に変貌を遂げることになる。

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 横浜基地へ別ルートから向かう車内

 

「まだ着かないの~?」

 

 目に映るのは廃墟廃墟廃墟……何もない。それがBETAの侵攻と、それを食い止めるために戦った衛士たちの戦場の成れの果て……そうと知っても、それに対して敬う気持ちは少し欠ける。自国の事ではないからだ。BETAを殲滅するなら全世界が力を合わせて……これには当然賛成するが、そう簡単には行かないのが人間だ。

 

 少女は頬に手を当て、肘は窓ガラスの淵に置いて、頬杖をついている。彼女の名前は『(ツイ) 亦菲(イーフェイ)』階級は中尉だ。統一中華戦線軍では『暴風(バオフェン)試験小隊』の指揮官を務める彼女は、近接格闘戦の腕は一流だ。

 

「あ、見えてきました中尉殿」

 

 そう話すのはここだけの登場の名もなき運転手だ。高台にあるその基地を目視で確認すると後部座席にいる中尉にバックミラーで目配する。

 

「あ~あれね。……はぁ」

 

 イーフェイは溜息をついた。正直な話し、何故日本に来なければならなかったのだろうか。資料を読んでも『新型OS』のことと、名前ぐらいしか明かされていない『中佐殿』のことだ。彼女は階級・年齢・新型OSの開発者という限られた情報から人物像を想像する。

 

そこには太って汗を流しながらゴミだらけの部屋に引きこもり、パソコンに打ち込むだけの姿が浮かんだ。

 

「……キモ」

「え゛?」

 

 運転手は自分のことかと少し汗を浮かべる。

 

 もう一人の人物像も浮かんできた。そこには薬品で汚れまくった白衣に身を包み、ガリガリに痩せ細った手で異様な空気の中で研究を続けるメガネがいた。

 

「……ウザ」

「う゛?」

 

 運転手は少し胃が痛くなり始めた。

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「横浜基地へようこそ中佐殿」

 

「うむ」

 

「横浜基地へようこそ中尉殿」

 

「はいはい」

 

「篁唯依中尉であります。何かございましたら私にご報告ください」

 

「タカムラ……? では貴殿が資料にあった海堂中佐の補佐官か。海堂中佐とはどのような人物だ? 資料では経歴も載っていないから情報が少なくてな」

 

「人物像……でありますか。掴みどころのない方です。会って頂いたほうが早いかと存じます」

 

「そうか、すまなかった。では明日からの正式参加と言う事でいいんだな?」

 

「はい。なので本日は自由に過ごして頂いて構いません。案内が必要であればご用命ください。ではこの者達に部屋まで案内させますので、よろしくお願いいたします」

 

 受付を通り、ソ連軍と統一中華の衛士、技術開発担当、整備担当の者たちは部屋に案内されようとしていた。篁中尉はそれを見送った。

 

 

 

「あ、アタシの殲撃(ジャンジ)届いてるみたいね」

 

 そう言ってツイ・イーフェイ中尉は窓から見えた格納庫に歩みを進める。

 

「我々も少し見ていくか。案内中にすまない、少し寄り道をするぞ」

 

 そう言ってラトロワ達も格納庫に足を向けた。

 

 

 

 

 

「あ、ねぇねぇそこのあなた。この基地にある新型のOSって凄いの?」

 

 話し掛けられたのは長い銀髪の少女だ。整備服と着て、その同色の帽子を被り、黒いネコと白いネコを連れてバインダーの資料と睨めっこしてニヤニヤしたり、悩んだり、何かを思いついたりとしているようだ。心なしか猫2匹は溜息でも吐きたそうに見えなくもなかった。

 

 そんな少女は声をかけられると顔を上げ、ツイ・イーフェイ。また後ろから少し遅れてやって来ているラトロワ達を見て少し驚きに見える表情をして返事をした。

 

「あ、あぁOSね。ん~、最初は使い辛いだろうけど、慣れれば凄いよ」

 

「チーフ。ココはどうするんですー!?」

 

「あ、ごめーん! 今日はA-01部隊の不知火の調整だけにしよう!! 戻してー!!」

 

 管制ユニットから整備兵の声が飛んできて、少女は両手を口に添えて大声で返答する。

 

「会長ーっ! ここにいましたか、篁中尉の武御雷なんですけど、ここが抜けてるんですけど……」

 

 

「あぁ、書き忘れてた ゴメンゴメン。じゃあここの設定を変更して、それで再起動かけてみてよ」

 

「30ですか?」

 

「ん~Dの28かな?」

 

「了解です試してみます。おーい! D-28に変更して再起動!!」

 

「店長~店長~!」

 

「はいは~い! あ、そこケーブル気をつけてね~。データ移行中だから、抜けると飛んじゃうからね~」

 

 少女は様々な呼ばれ方をしながら、臨機応変に質問に答えていく。

 

「ねぇねぇ、チーフとか店長とか会長って?」

 

「あぁ好きに呼ぶように言ってあるから、好きに呼んで来るんだよ」

 

「あはは」と軽く笑い、少女は照れたそぶりを見せる。

 

「ここの基地はこの様な子供まで整備として働かせているのか?」

 

 

 どの辺りから話を聞いていたのかは分からないが、遅れてやってきたのはラトロワ達だ。目の前の整備服姿の少女に向けて落胆の声をあげた。

 

「ははは、こう見えて結構力ありますから」

 

 と、敬語になった事にイーフェイは疑問を持つが、会話の中ですぐに忘れた。

 

「私よりも小さいのに凄いわね……」

 

 ナスターシャ大尉は少女を撫でながらそう言った。

 

「あ、私も撫でていい? 子供整備兵なんてカワイイんだけど」

 

「あはは、子供って……あ、新型のOSですけど、明日デモンストレーションの予定ですから楽しみにしててくださいね」

 

 

「うわっ! 予定まで把握してるの!? 偉いね~」

 

「バカにし過ぎだ中尉。悪気はないだろうがこの少女とて軍人だ。自分の所属する部門のスケジュールぐらい把握しているに決まっている」

 

「し、失礼しました! そっか、それもそうよね……にしてもこんな子供まで扱き使ってるような海堂中佐は絶対に変態ロ○コン野郎よね」

 

 

「あ、それは俺で……」

 

「あ、駄目だよ? 『俺』なんて言ったら。勿体ない」

 

 先ほどまで照れ笑いをしていた少女は苦笑いに変わっていた。

 瞬間、周囲の空気が冷たくなったように感じた。この基地の整備兵たちが作業を止めてラトロワ達を睨み付けるかのように視線を投げつけているからだ。先ほどまで活気のあった整備兵の声は静まり返り、機械の動作音だけが格納庫に響いていた。

 

「な、何よ?」

「どうしたんでしょうね?」

 

タタタタタタタタッ!

 

「マサキを馬鹿にすんなーっ!!」

 

 そこにやって来たのは強化装備を身に着けたタリサ・マナンダル少尉とステラ・ブレーメル少尉だ。模擬戦闘訓練が一段落したらしい。

 

「わっとと、タリサ落ち着いて」

 

「落ち着いてられないわね。マサキを馬鹿にされて冷静でいられるわけないでしょう?」

 

「ステラも。すみませんラトロワ中佐。意外と結構好かれてた様でして」

 

「「意外!?」」

 

 強化装備の二人は少女に驚きの声を向けながら制された。

 

「いや、我々もこの基地に着たばかりで勝手な評価をしてしまった。それだけ好かれているならばそれなりの人物なのだろう。しかし、上官を呼び捨てにするのは感心しないな。作業の邪魔をしてすまなかった」

 

「いえいえ」

 

 ラトロワ中佐はタリサとステラの返答も聞かずに踵を返して去っていった。他の派遣グループも後に続いた。

 

「はい作業にもどれーっ! 手を休めるのは休憩時間! 今は作業に集中!」

 

 格納庫は再び作業の音と声に包まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 格納庫を出ようとする頃、ラトロワは妙な引っ掛かりを感じていた。

 

「……大尉」

 

「何でしょう中佐」

 

「私はあの少女に名前を名乗ったか?」

 

「え? ……階級は会話に出ていたかも知れませんが……名前は、すみません記憶にないですが」

 

 ラトロワは「そうか」と整備服の少女に視線を向けた。銀髪の少女は受付にいたタカムラ中尉に怒られている様子だ。海堂中佐といるとストレスも溜まるのだろう。しかし、あんな娘に当たらなくてもいいだろうに。ラトロワはそう思った。

 そして、『掴みどころのない方です』と、受付時に聞いた補佐官からの評価を思い浮かべ、鼻を鳴らして部屋へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side マサキ

 

「マサキ、『意外と』ってどういうことだ?」

 

「いや? 好かれてたんだな~って」

 

「当たり前でしょう!」

 

 おぉ、嫌じゃないけど、なんていうか照れる。アピールに気付いていたとしても嬉しくもあり照れも来るもんだな。

 

「中佐?」

「おわっ唯依姫! どしたの?」

 

 後ろからいきなり声をかけられビックリした。

 

「私の武御雷に何をしたんですか?」

「何って、許可貰ったでしょ? XM3搭載したよ」

 

「……後は?」

 

 す、するどい! 俺は更に背面ユニットに手を加えて、緊急用の試作ブースターを組み込んでいた。他にも武装をちょいちょいと。他にも……見えないところに匠の技が光るような何かが……。

 

「――――あ~シロ少し汚れちゃったかな? お風呂行こうか」

「誤魔化さないでください! 真っ白じゃないですか!」

 

 ん? 何か視線を……ラトロワ中佐か。苦手なんだよな~あの感じ。

 何で来たんだろう。お、行った行った。

 

「どこを見てるんですか!」

「あ、明日を見据える男。海堂正樹です」

 

 

「何を馬鹿なことやってるのよ。海堂、明日デモンストレーションするんですって?」

 

 夕呼先生。ついさっきの話なのにどこで聞いてたんですか? 耳が早すぎます。

 

「やりあうの? 見せるだけ?」

 

「見せるだけですよ。わざわざ持って来てくれた戦術機を壊すことはないでしょう」

 

「あら余裕ね。そんな事よりも聞きたいんだけど、後で執務室に来なさい」

 

「了解です」

「ご案内します」

 

 ふふ~ん♪ 俺が迷うとでも?

 

「「(絶対に案ニャいニャしだと迷うニャ)」」

 

 ……うるせいやい。

 

 

 

 執務室に向かう途中の廊下で月詠中尉を見かけた。

 

「あ、月詠さんじゃないですか。道に迷ったんですか?」

「いえ、中佐と一緒にしないほうが……」

 

 唯依姫が月詠さんにスミマセンと謝っているが。何かがナニカ? そんな唯依姫を手で制して月詠さんは俺に向き合い口を開いた。

 

「一つ質問がございます。殿下より失礼のないようにと厳命されておりますが、お許し願えますか?」

 

「むしろ俺が失礼ですから気にしないでください。何ですか?」

 

「ありがとうございます。では、―――10月22日に未確認戦術機が確認されました」

 

「未確認……戦術機?」

 

 唯依姫は記憶を探っているようで、月詠中尉は一度頷き続けた。

 

「そして海堂中佐は同月23日に、ここ横浜基地に配属となっています。その未確認のパイロットは子供の声でした……そう、中佐のような。そして、未確認戦術機は更に先日、帝国・海外にも確認され、殿下のいる帝都城にも現れたという報告があります。何かご存知でしょうか?」

 

「ご存じも何も、あの時はすみませんでした月詠さん」

 

「っ!? では! やはりあの時の戦術機は中佐の!?」

 

「えぇ、俺の機体です」

「あのデータにあった銀色の戦術機ですか……」

 

 

 唯依姫も知ってるんだね。そりゃそうか。

 

「では……タイミング的に考えて、カザフのハイブが落ちたのは……」

 

 

「月詠中尉そこまで……それ以上は秘密でお願いします。面倒なんで、あ、その未確認戦術機も秘密で」

 

 俺は月詠さんを制止させて、執務室前で唯依姫と別れた。

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「篁中尉は知っていたのか?」

 

「いえ、この基地であの戦術機を見たことがありませんし……中佐の機体だと知ったのはたった今です」

 

「そうか……。私もどうこうしようと言うわけではないからな。失礼したことを詫びておいてくれないだろうか?」

 

「お伝えしておきます」

 

 篁唯依は敬礼して月詠真那を見送る。そして、自然と声がこぼれた。

 

「……中佐の事、知らないことだらけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side マサキ

 

「海堂正樹中佐ただいま入室しました!」

 

「うっさい。色々言葉遣い間違ってるわよ」

 

 俺は敬礼を解いて歩み寄った。今回はなんざんしょ?

 

「不知火の改良機。弐型を造るんですって?」

 

「えぇ、まぁそっちは基本構想は出来てるんで後回しでも良いんですけどね」

 

「じゃあBETAの装甲殻とかレンズとかは他の機体に使うの?」

 

「そうですね。骨に使おうと思います」

 

「骨?」

 

「戦術機とは異なる戦術機を造ろうかと思いまして」

 

「は? 何それ?」

 

 戦術機は外骨格(モノコック)構造のロボットだ。安く造れて強度が高い利点はあるが、骨格が外側になるので、各関節稼動部の可動範囲や強度に制約が生まれてしまう。そこで人間と同じように骨があって、そこに筋肉や皮があるようにする内骨格(ムーバブルフレーム)にしようという考えだ。XM3で機動性が向上してるんだから更なる性能の向上があるのだ。デメリットで言うなら骨に装甲を取り付ける様になるので重くなるという点だが、そこで登場するのがBETAの突撃級がもつ装甲殻だ。この装甲殻は重くて硬い物質が多くを占めているのだが、軽くて強度は変化なしの物質が含まれているのである。サイフラッシュでBETAを殺した時に割と殻だけ残るように死んでいくので助かる。アレだ。『プ○ラヴォス』の殻だ。殻を攻撃すると大変なことになるやつだ。何? 知らない? 時代かな……。

 

「なるほど、それで骨に肉付けする様に、武装とかを着けるわけね。レンズは何に使うの?」

 

「ビーム兵器とかに流用しますよ。割と軽い物質で出来てるんで助かりますね。ところで呼び出したのは他のことでしょう?」

 

「あら、するどいわね。00ユニットのことよ。確かにXM3は研究を大幅に進められたわ。でもどうしても00ユニットに届かない。何か分かる?」

 

「それについては俺じゃあ話になりませんよ。でも、タケルならこの世界じゃない夕呼先生に会ってるんで会いに行けばどうにかなるかもしれませんよ? どの世界でも先生は天才ですからね」

 

「この世界じゃない私……白銀の『因果導体』」

 

「そうです。えぇと、俺がわかるのは……ホワイトボード借りますね。(キュキュキュ……)こういう図とか理論であります? 俺にはさっぱりなんですけど」

 

「!? よく知ってるわね。それよ行き詰ってるのは! どうしてもそこから先に行けないのよ!」

 

「これをタケルに見せればアイツも思い出しますよ。この世界じゃない、元々いた世界の夕呼先生の授業で見たってね。でもタケルは覚えてないから理論を取りに行かせれば良いんですよ」

 

「流石ね~、いや~助かるわ~。キスしてあげましょうか?」

 

「いりませんよ。それに守備範囲外でしょ?」

 

 俺は執務室を後にした。

 部屋を出ると、唯依姫は窓の外を寂しげに見つめていた。

 

「唯依姫、どしたの?」

 

「ち、中佐! 終わったんですか?」

 

「ん? あぁ、大丈夫? 元気無さそうだけど……」

 

 

「大丈夫です大丈夫です!」

 

「そう? 何かあったら言ってね。唯依姫がいないと俺大変なことになるんだから」

 

 主に迷子。基地内で大遭難。非常食は猫2匹。

 

「「(おいこらふざけんニャ)」」

 

 

「私がいないと……ですか?」

 

「うん。そう大変非常事態です」

 

 俺は笑って言った。

 

「そうですか……仕方ないですね。格納庫までお送りしますよ(別に知らなくても良い。中佐は中佐。中佐も、私も、私の考えも、私の気持ちも、何も変わらない)」

 

 唯依姫も自然な笑顔が浮かんでくる。

 

「(ガーン……呆れられた?)」

「(みたいだニャ)」

「(シロもマサキもおんニャ心が分かってニャいんだから)」

 

 

 

 格納庫で作業割り当てを見直した後、俺はシミュレーターデッキに来ていた。そろそろタケルがXM3を思いつく頃だろう。

 

 シミュレーターデッキに来ると207小隊メンバーはタケルの操縦テクのデータに注目して俺に気づいていない。少し離れたところにヘッドセットを付けて機材を弄っているまりもちゃんを発見した。

 

「まりもちゃ~ん。タケルはいる?」

 

「お疲れ様です海堂中佐。白銀なら丁度出てくるところですよ」

 

 敬礼はいらないっちゅうに。一応されたら返してはいるけど。

 

「少し借りていいですか?」

 

「えぇ構いません。どうぞ」

 

「神宮寺軍曹! すみません少し香月副司令の元へ行ってもよろしいですか!?」

「駄目だ」

 

 俺は今にも駆け出していきそうなタケルを足を引っ掛け、体捌きをしてデッキ内の通路に押し倒した。

 

「なっ! マサキ!?」

 

「えっ!? タケルが投げられた?」

「……嘘」 

「私達なんて二人掛かりでも組み伏せるなんて不可能じゃない?」

「でもマサキさんが押し倒してますよ」

「あのような体格差で信じられん」

 

 ようやくこちらに気づく小隊の面々。

 いかん、引きとめようと思ったら勢い余って倒してしまった。

 

「すまんすまん。少し付き合え、許可は貰った」

「いや、俺今すぐ夕呼先生のところに……」

 

 

「戦術機のことだろ? いいから来い。満足できなければその後に行け」

「いや、もう引きずって、あ、いって、ヤメ……」

 

 

 俺らの後ろではすでにまりもちゃんが残された隊員の指揮を取っていた。

 

「貴様等はこれから吹雪で実機訓練に移るぞ!」

 

「「「「「りょ、了解!」」」」」

 

 

 

 

 

 俺はヘッドセットを付けて管制塔で指示を出していく。

 

「さて、タケル。君が今乗っているのは何かな?」

『何って吹雪だろ?……一体何なんだよ?』

 

「実機訓練と行こうじゃないか。ステラ、模擬戦闘をお願いできるかな?」

『了解。でも良いの?……この前の訓練兵よね?』

 

「良いんだ。その代わり、少しだけ時間をくれ、ステラは10分後に起動してくれ」

『了解』

 

「タケル。ただの吹雪と思ったら大間違いだ。お前の願いの一端がそれに詰まっている。とりあえず動かしてみろ」

『俺の願い? 意味不明だ……よっブ!?』

 

 突然の覚えのない衝撃に肺から息を吐き漏らすタケル。少しレバーを倒したつもりの吹雪が高速機動で壁スレスレまで突っ込み、何とかレバーを戻す事が出来、それを急速回避する。

 

『な……なんだぁ!?』

「良い反応だ。では10分間の準備運動だ。早くなれないと訓練にならない結果に終わるぞ? せっかくの美人衛士の個人授業(マンツーマン)だ。早く果てると呆れられるぞ?」

『あら美人だなんて』

 

 

 

 時間はあっという間に過ぎていく。まぁバグ潰しとかは終わっているし、タケルの3次元機動のデータもほぼそのままにインストしてあるから慣れるのには時間は掛からないだろう。タケルのデータは戦術機の訓練の度にまりもちゃんから唯依姫を経由して貰っている。

 

『すげぇ、こんな早く動けるのか……バルジャーノン以上だ!』

「喜んでもらえたかな? お前が考えた新型OSの性能は」

 

『は? 俺が考えた? マサキが造ったんじゃないのか?』

「そう、造ったのは俺。でも、考えたのはお前。さぁ準備は良いか? 時間だし始めるぞ」

 

 俺は誤魔化しながらステラの方に合図を送る。

 

『マサキ、私が勝ったら何かご褒美はあるのかしら?』

「勝って当たり前だろう? まぁ5分以内に勝ったら何か考えるよ」

 

『そう、楽しみにしてるわ』

 

 5分で勝てるならな。しかし、テストパイロットに相手してもらえる訓練兵なんてどこの国探しても多分いないだろう。なんとも贅沢な演習だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「上出来だな」

 

 俺は一部分だけピカピカの吹雪を見上げて言った。

 

「そりゃ磨きまくったからな」

 

 ペイント弾で汚れた箇所をタケルは磨き上げたのだ。

 

 結果として、タケルは負けた。そりゃそうだ。XM3に乗ったばかりの奴が乗り続けてるステラに適うわけがない。ましてやテストパイロットと戦術機乗り始めたばかりという差は大き過ぎるだろう。主人公補正のおかげなのか5分以上はもったけどな。ステラは無表情になって部屋に戻っていった。訓練兵に5分以上も粘られてプライドとか傷ついたかな?

 

「(ご褒美ニャ)」

「(そうニャ)」

 

 え? なーに? 聞こえなーい。

 

「さてさて、乗っての感想は?」

 

「反応速度が凄ぇ。それに……何か俺に馴染んでた気がした」

 

「そりゃそうだ。お前用に調整しといたんだからな」

 

「……何で俺にそこまで力貸してくれるんだ?」

 

「……ん? あれ? さぁ? そういえば何でだろうな? 分かるか?」

 

「俺に聞き返すな!」

 

 さて、明日はXM3のデモンストレーションか……。

 度肝抜けると良いんだけどな。ラトロワ中佐とか「その程度のOSいらん」とか言わないだろうか? 大丈夫だと信じたい。使い辛いとは言われたとしても、性能は上がるんだ。その有用性を理解しない人なわけがない。

 

「なぁ、さっき言ってた俺が考えたOSって、どういう事だよ。それが何でもうあるんだよ」

 

「んー。全ての思考が読めるわけじゃないけど、ある特定の人物の未来予知ができるんだよ、サイバスターのコンピューターで」

 

「あ、あの機体って、本当に人間が作ったのか?」

 

「魔法や精霊の力がある世界の人間が作った機体だな。で、タケルの場合は今日XM3の、あーつまり、戦術機のコンボやキャンセルを導入してほしいと夕呼先生に伝えるつもりだった」

 

「!? お、おう……」

 

「俺は、それをお前と初めて会った日から知っていた」

 

 本当は更に前からだけど。

 

「何だそれ!?」

 

「だから未来予知みたいなもんだよ。で、お前が207小隊にいる間にXM3を作って、テストも重ねて、実用段階にまで持ってきた。今はまだ、さっきのテストパイロットのステラ以外に数名と、特殊部隊ぐらいしか使ってないモノだ。で、今日そのXM3を考え出したタケルが乗った」

 

「今日考えたものが前から作られてたってのが気持ち悪いけど……未来予知って、どこまで分かるんだ?」

 

「それは言えないな。夕呼先生にも言われたけど、確定した未来以外だと大変なことにもなりかねないし」

 

「大変なこと?」

 

「占いって信じるか? 良い事しか信じないってのが人間だ。後は分かるだろ?」

 

「で、でも当たるんだろ? さっきのOSだって―――」

 

「そう、それは良い事だ。仮に明日お前は委員長に刺されるって言ったら信じるのかよ?」

 

「何で刺されるんだよ!?」

 

「ほらな、嫌な事だから信じない」

 

「いや、今のは違う気がする……」

 

「まぁ、お前は自分が考えるままに動けばいいんだよ。がんばれ」

 

 タケルは納得しきったわけじゃないが、戻って行った。全部話してもいいかもしれないけど、夕呼先生の言うとおり何が起こるか分からない。それは確かだ。BETAがもしかすると一斉攻撃してくる可能性だってあるわけだ。可能性が低いだけで0じゃない。今の俺だとサイバスターもまともに動かせない上に、戦術機の改造も終わってない。来られたら数で喰い潰される。

 

 俺も、がんばらないとな……早くサイバスターに乗れるようにならないと。

 

Side out

 

 

 

 

 




感想などは随時受付中です。




まりもちゃんとピアティフさんのハーレム入りの要望を頂きました。
まったくもって除外してたw
というか今のままだと、掠るぐらいで被弾はしないw

ちょっと考えます。

まりもちゃんとピアティフさんかぁ……。

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