艦娘カウンセラー   作:kakikaki

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十六話 クソカウンセラー

清が鎮守府を出て本部のほうへ戻ったころ、夕立の暴走の件については亮は知らなかった。

 

「・・・大丈夫か?」

 

「ぽい!!いっぱい頭撫でてもらったから平気!!」

 

そういってなぜかぴょんぴょん飛び跳ねる。ウサギ、いや、卯月かお前は。何はともあれ機嫌が戻ってよかったとも思っているが寧ろここからが本番だろう。あれを見てほかの艦娘はどう思うのか?皐月に対してのあの滅多打ちを見る。夕立に恩を感じている艦娘もいるだろうから表面上は気を使うなど器用なこともできるだろう。しかし、本心はどう思っているのか?

 

そんなことを思っているといつの間にか提督室に戻っていた。これからの予定の確認をしこの後に何をしなければならないのかを考える。残りの艦娘は・・・

 

「クマー。夕立はいるクマ?」

 

「ん?どうしたんだクマ?」

 

「なんで真似するクマ?亮のイメージが崩れるからやめてほしいクマ。夕立、それより今日の夕方は・・・」

 

「うぅ・・・」

 

少し夕立がうだっているがやはり何かされ・・・

 

「今日もまた神経衰弱をする約束クマ。食堂にいるクマよー」

 

そういって何も感じないように球磨はさっさと出て行った。

 

「ほら、遊びに誘われてんだ。行って来い」

 

「・・・ぽい!!行ってくるッぽい!!」

 

そういってさっきの沈んだ表情はなくなり、さっきのようにぴょんぴょんは寝ながら部屋を出て行った。

 

「なんか、深刻に考えてたけど意外とどうでもいいんだろうな」

 

夕立に恐怖を感じてるのなら球磨はもっとおどおどとするだろうし少なくとも何かしらのぼろは出るだろう。それもなかったしそれ以前にそうなってしまっていたら遊びに誘うなんてしない。

 

「・・・さてと」

 

そういって提督室を出ようとする時に・・・何かを聞こえた。バンバンっと何かがぶつかっている音だ。

 

「・・・あの部屋か」

 

その音の正体のほうに向かっていく。

 

「今日こそあのくそに!!」

 

なんか耳をすませばなんか物騒な声がする。何するんだ?

 

「・・・何をしてるの?」

 

「うわぁ!!」

 

「うわぁってなんか古典的な驚きね」

 

「・・・朧か?」

 

「ええ、そういうあなたは見ない顔だけど?」

 

綾波型七番艦朧だ。二日目の夕方にして初めて顔を見せてくれた。

 

「艦娘カウンセラーの狩島亮だ。この部屋には他に・・・」

 

「私の妹たちがいる。それじゃ」

 

そういってこれ以上あなたとは話したくないような雰囲気を出し部屋に入ろうとするがそれを制止する。

 

「俺もいいか?」

 

「いい、カウンセリングなんていらない。いま近づかれても誰も心なんて開いてくれないもの」

 

そういって彼女はそれ以上何も話さず部屋に戻っていった。

 

「・・・ふぅ、なるほどな」

 

そうつぶやきその部屋を後にした。

 

そういって食堂へと向かい、夕立の元へ

 

「またはずれっぽい!!」

 

「ホントに弱いクマ」

 

神経衰弱の終盤。なんでまた一枚も取れてないんだお前は?

 

「全くにゃー」

 

「あ、亮じゃん?亮もやる?」

 

姿を見つけた北上は亮のほうに手を振っている。その後ろにいる大井が少し怖い。

 

「いや、これから仕事だ」

 

「わかった。じゃああたしもいこっかな?」

 

「北上は休んでろ。お前に俺の仕事を手伝う必要はない」

 

「やりたいから言ってんだよ」

 

よっこいしょというババくさい掛け声とともにだらだらと椅子から立ち上がる。

 

「アホ。座れ」

 

そういってまた座らせる。

 

「えー。なんでさ?」

 

「大井。止めといて」

 

「なんで私があなたのいうことを聞かないと・・・」

 

「俺と北上が二人きりだぞ?」

 

そう耳打ちすると怒りじゃないけど嫉妬心をあおったのですぐに食いついた。

 

「北上さぁん!!私と今度は大富豪でもしましょう!!」

 

そういってトランプをかたづけ出し配っていく。北上も断れない雰囲気になっていた。

 

「夕立お前も今日は休んでろ」

 

「えっ・・・でも・・・」

 

「お前は働きすぎ。今日は遊んでていいよ。」

 

「じゃあ夕ご飯」

 

「気にするな。俺が適当にやっとくから」

 

そして厨房にあったあるものとあるものをもって工房へ向かった。

 

 

「夕張いるか?」

 

「ん?亮じゃん何か用?」

 

がらくたの山の前で何を作っていたのかわからないが火花が散っていた。

 

「作ってほしいものがあるんだが・・・」

 

「何々?魚雷?電探?」

 

なんでそんなにワクワクしてるんだ?初めて遊園地に来た子供か?

 

「実は・・・」

 

とりあえず作ってほしいものをいう。

 

「オッケー!!小一時間もらうね!!」

 

「わかった。それと炭を少しもらっていくな」

 

そういってその辺に散らばってたすみをっ数本拾い上げて先ほどの部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコンとノックをするが返事はない。誰もいないというのはないだろう。居留守だ。

 

「だよな・・・」

 

だけど、相手は駆逐艦。簡単にいくだろう。

 

そういって、彼は食堂から持ってきた・・・七輪。そして、サンマ。これを部屋の前で炭をたく。窓も明けて喚起もする。

 

「・・・・・・」

 

これで部屋からあぶりだす。なんてくだらない方法かとも思うが、俺が来てからも飯を食ってないだろう。食べてたとしたらまともじゃないものだ。そして、ロクな補給もさせてもらえないのなら人間は食欲の我慢が聞かなくなる。部屋の前でうちわパタパタさせて匂いを散らばらせる。

 

「・・・・・・」

 

ほら、いつの間にか扉があいてる。よだれが垂れたピンク髪のツインテールが顔をこちらにのぞかせている。

 

「・・・・・・」

 

亮も無言でそちらを見る。目が合うとのぞかせていた顔をひっこめた。

 

「・・・・・・」

 

だが、またのぞかせている。気付かれないようにうちわをパタパタとして火を強めるとサンマが香ばしくなってきた。

 

「あー、うまそー」

 

そうわざとらしく聞こえるようにいって皿に移す。いいころ合いだ。

 

「・・・食べるか?」

 

「はい!!」

 

そういって皿に移したサンマを渡すと逃げるように部屋に戻っていった。

 

「意外と元気だな」

 

そういって彼女に続くように入っていく。

 

「なに入ってんだ!!」

 

「ガッ・・・」

 

入った瞬間腹に強烈な一撃・・・

 

「このクソ野郎!!」

 

二発目は受けたくないので軽くはじく。

 

「元気なのはいいがいい加減部屋から出てこいよ」

 

二発目をはじかれて不機嫌になっているのは八番艦の曙。そしてサンマ盗んで行ったのは九番艦の漣。

 

「早く出てけ!!クソ人間!!」

 

「ハイハイ、ちょっとは落ち着け、この部屋は四人部屋で朧と潮はどこ行った?」

 

資料を見返すとこの部屋にいるのは朧、曙、漣、潮の四隻だ。 

 

「教える義理はない!!あんた誰?」

 

「艦娘カウンセラーだってさ」

 

ちょうど部屋に戻ってきたであろう朧が説明する。

 

「別に来なくていいって言ったでしょ?」

 

「仕事だからな」

 

「嘘でも君たちのためとか言えないのね」

 

「嘘をつくことはよくないことだ」

 

そんなどうでもいい会話をしてもらちが明かないの朧が手に持ってるものを見てみると・・・雑草?

 

「ああ、これ?今日の晩御飯よ。全部食べられる野草だから」

 

確かに全部食べられるものだ。だがこれでは何の病気になるかわからない。

 

「そんなことしないでも食堂に来い。作ってやる」

 

「いいのよ。人間にはあきらめがついてるから」

 

「そういうわけにもいかない。せめて検診させてくれ」

 

「やだ」

 

「サンマ食うか?」

 

「いらない。これあるし」

 

そういってさっきから持っている雑草を目の前に見せる。

 

「バカか」

 

「うるさい。出てって」

 

「ならせめて潮の姿でも確認させてくれ」

 

「・・・そこのベッドで寝てるけど」

 

そういって二段ベッドの下にある方を指さした。

 

「ありがとう」

 

そういって布団にうずくまっているのか顔が見えないが布団は膨らんでいる。

 

「・・・なるほどな」

 

「どう?満足?」

 

潮の姿はまず眠っていた。そして、なぜか縛り付けられてた。

 

「なんで縛ってるんだ?」

 

「今は寝てるからわかんないだろうけど、起きたら襲ってくるわ。殺す気でね」

 

「・・・どういうことだ?」

 

「もう、潮は終わってるのよ。貴方たち人間のせいでね。もう彼女の移る景色は襲ってくるここの提督しか映ってないみたいよ」

 

「幻覚か?」

 

だとしたらそれこそ早く手を打たないとまずいだろう。だがそれを彼女たちは許してくれない。

 

「そういうこと、妹の心身こんなのにされて私たちはあなたたちに従うとでも?」

 

「カウンセリングを受けてもらう」

 

「はぁ!!バカじゃないの?私たちがそんなことするわけないじゃないなめてんのクソカウンセラー!!」

 

曙がいきなり話に乗り出す。

 

「言ったでしょ!人間には愛想がついたの・・・だから私はこの四人で生きて行く」

 

「そうか・・・」

 

彼女たちのいうことは十分すぎる理由だ。妹がこうなってしまった状況を受け入れて強く生きようとしている。これを邪魔するわけにもいかないが、そういうわけにもいかない。

 

「そういうことですよ。カウンセラーさん。サンマありがとうございます」

 

そういっていつの間にか食べ終わっていたサンマの皿を返してきた漣も意思は変わらないようだ。

 

「ん。お粗末さま。一応お前らの晩飯も用意しとくから腹減ったら食堂・・・じゃないな。今日は鎮守府の演習場に来い」

 

そう言い残して部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーと、これだな」

 

提督室に戻ってきてアナウンスをしたいのだがそれに苦戦していた。がようやく電源が入った。

 

「あーあー・・・よし、みんな聞こえるか?今日は演習所に行ってバーベキューするから外に出てこい」

 

それだけつたえアナウンスの電源を切る。

 

「さて、食堂言って肉運ぶか」

 

そういってそのままやることをする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい出来たよ。頼まれていたコンロ!!」

 

島風と一緒に工房で作ったもの。それはさっき頼んでおいたコンロだ。いまからするのだから欠かさない。

 

「よし、お前ら肉焼くぞ!!、皐月の合格おめでとう会を始める!!」

 

そういって俺が出会った艦娘たちはワイワイと盛り上がっている。胃にふたんがある艦娘は焼き野菜や果物を食べてもらっている。

 

「さて、いぶりだしたいところだが・・・」

 

「肉ウマ!!」

 

「それあたしが目をつけてたやつ!!」

 

「おいしい」

 

「いいなぁ肉」

 

そんなよくある会話が飛び交っているがと瑞鶴が声をかけてくる。

 

「亮も飲む?」

 

「お前・・・酒なんてどっから持ってきたんだよ?」

 

握られていたのは一升瓶。紙コップに注がれる。

 

「食堂にあったからね・・・今日はいろんなことがいっぺんにあったから少し飲みたい気分」

 

それもそうかあの壮絶な過去を話してくれてこっちとしてもうれしいものだし清が預かっていた笹岡一馬からの手紙もあった。

 

「仕事中の飲酒は禁止だが、一杯だけなら付き合おう」

 

「「乾杯!」」

 

そういって軽く飲む。正直酒は苦手だが、祝いなので付き合うことにする。

 

「さてと・・・まだか・・・」

 

バーベキューは中盤、そろそろ出てきてもおかしくはないだろう。が彼女たちも意志が固いということか。

 

「そろそろ漣当たりが出てきてもおかしくないんだが・・・」

 

マジであの雑草食ってんのか?亮はそう思ったので部屋の様子を見に行くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら出来たよ。」

 

そういって四人の目の前に出されたのは殺気の野草を湯がいただけのもの。どう見てのそれだけでは足りない。

 

「・・・今頃バーベキューか」

 

「漣!弱音を吐かない。これなんて野草?」

 

「ggrks」

 

「あんたには聞いてないわ」

 

「ねぇ、やっぱ、行かない?」

 

「駄目よ。人間に負けてたまるもんですか」

 

「そうよ。私は潮の面倒見てるから・・・」

 

そういって野草を潮の前に持っていき曙が食べさせる。

 

「なんなんですか!あの人間は!!」

 

「ま、私たちをおびき出そうってことだとは思うけど、どっかの誰かはサンマにつられたし」

 

「うう!!」

 

「かっかしない。変なところで体力使わないの」

 

そういって朧は野草を少量よくかんで食べる。

 

「味気ない。肉食べたい・・・」

 

「・・・あ」

 

誰かのつぶやきが聞こえた。それは三人の後ろのほう、潮が目を覚ましたのだ。

 

「あぁ・・・提督・・・やめて・・・・・・いっぱい・・・そんんあ来ないで!!!!」

 

「ああ!」

 

曙が食べさせようとしていた野草は暴れた潮により蹴られ地面に転がった。そして暴れまわる潮は火事場のバカ力

かわからないがその縄を力づくでちぎった。そして、目の前にいた曙の首を締め出す。

 

「・やめ・・て・・うし・・お」

 

「怖い怖い怖い来ないで来ないで来ないで助けて助けて助けて・・・・・」

 

なにかぶつぶつと言っているが聞き取れなくもない。潮は怯えている。

 

「やめて潮!!」

 

そういって止めに入ろうとするが簡単に弾き飛ばされてしまう。

 

「来ないで!!!」

 

漣はもう恐怖で動けていない。部屋の隅でがくがくと震えている・・・

 

「・・・助けて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと言ったか、バカ朧」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガァン!!と扉を蹴とばす音がしてそこから入ってきたのは・・・亮だ。

 

「変にプライド高いっていうか負けず嫌いだからな。ガキ四人で飢えた生活するなんてそんな甘いもんじゃない」

 

そういって朧の頭に手を添える。

 

「だが、今までよく頑張っていた。もう休め」

 

「え?」

 

「さて、仕事だ」

 

そういって懐からピストルを取りだそうとするが、やはりやめる。正直傷つけたくないからだ。だが、取るべき行動は急いで曙を助け出すこと、彼女はもうぐったりしている。

 

「潮!!手を離せ!!」

 

「やめてやめてやめて・・・」

 

こちらの声には耳も傾けてくれない。寧ろ絞める力が強くなった。

 

「離せ!!」

 

そういって潮の腕をつかみ離させようとするがすごい力だ。つかんでいると潮の詰めが右頬をかすめ血が出た。だが、そこであきらめるわけにもいかない。むしろそれに集中しているなら・・・

 

「だったら寝ろ」

 

そういって注射を刺す鎮静剤入りだ。それを受けると潮はまた眠った。それと度同時に首を絞める力が緩まった。

 

「大丈夫か曙!?」

 

「うぅ・・・」

 

「しっかり息を吸って、落ち着け・・・水飲むか?」

 

そういって彼女に水を手渡しておく。

 

「にしても・・・毎回こんな感じだったのか彼女は?」

 

そういって自分の分の水をとりだし一気に飲み干す。

 

「うん・・・でも縛ってはいたから襲われることはなかった」

 

「で、襲われた時の対策は何もしないで赤簿のがこうなり漣は何もできない状態か」

 

「潮と曙は俺が見ておく、お前らはこんな雑草食ってないで演習場に行け。肉あるぞ」

 

「・・・!!」

 

そう聞いた瞬間に漣は部屋を出て行った。たぶん向かったんだろう。だが、朧は動かなかった。

 

「どうした?この二人は俺が見ておくぞ」

 

「いい、私もいる」

 

そういうと扉を背に座り込んだ。

 

「曙?大丈夫か?」

 

「はぁ・・落ち着いては来た・・・って!!なに触ってんだクソカウンセラー!!」

 

そういって話させようとするが流れている血を見て顔色が変わる。

 

「ちょ・・・じっとしてて」

 

曙は自分の裾を破りさっきもらった水でしみこませそれを頬に当てる。

 

「ッ・・・」

 

「我慢しなさいクソカウンセラー・・・」

 

ちょんちょんと叩くように布でふいてくれているが曙は泣き出した。

 

「なんで助けたの・・・さっきあんなに酷いことしたのに」

 

仕事だからとも言おうとしたが今回はちゃんとした理由があった。

 

「そこでふさぎ込んでいる朧が助けてって言ったからだ」

 

「な・・・」

 

朧は図星をつかれて顔を赤らめている。

 

「だってそうだろ?」

 

「・・・そうだけど」

 

「あっそ・・・じゃあ、もうやめるの?」

 

「・・・そうなのかな・・・」

 

「それは勝手にしていいぞ。お前が自分で頑張れるっていうなら俺は何もしない。だが、助けてほしかったら」

 

「・・・頑張ってみるよ・・・でも・・・」

 

「何かあった時には・・・その・・・頼らせてもらう」

 

「そうしてくれ何から何まで頼られちゃ意味がないからな」

 

それを聞いた朧は立ち上がり。

 

「じゃあ・・・お肉いただきます・・・」

 

恥ずかしそうに彼女は駆け足で部屋を出て行く。泣いてるようにも見えたが何も言わないでおこう。

 

「お前もお前でどこに泣く要素があるんだ」

 

まだ布で泣きながら拭いてくれている。

 

「うるさい。クソカウンセラー・・・うれしかったのよ。人間のくせに」

 

「はいはい、どういたしまして」

 

そういって彼女の頭を撫でる。

 

「撫でる・・・な・・・うぅ・・・」

 

だが、されるがままになっている。

 

「ほら、お前も行って来い。俺が潮を見ておくから」

 

「・・・クソカウンセラーも来るの?」

 

少し上目使いで聞いてくる。

 

「後で行くから」

 

「・・・わかった」

 

そうやって彼女もまた宴の場へ向かった。

 

とりあえず拭いてくれたところに医療道具に入っている絆創膏を貼る。

 

「・・・朧と同じ位置に絆創膏か」

 

まぁ、たまたまだ。それよりも、今回で一番の問題であろう。艦娘が味方を襲うなど、もう手遅れになっていてもおかしくない。

 

「(いつ何が起こるかわからないから、こいつは提督室に置こう・・・いや、それも怖いか・・・)」

 

彼女は時間がかかるだろう。そうおもいこれからの予定を考えてるとガチャッと扉が開いた。

 

「あ、いたいた」

 

さらに肉をもって来たのは北上だ。

 

「ほ~いなくなっちゃいそうだから確保しといたぁあよ!!!」

 

「あぁ、ありがとう」

 

しかも酔ってやがる。少しめんどくさそう。

 

「今回はこの子たちね」

 

「どうだ?なじめてるか?」

 

「子供らしく肉に喰らいついてるよ」

 

そういいながら俺の隣に座ってきた。

 

「順調?」

 

「まぁそれなりに」

 

「そっか」

 

少しの無言が続く。

 

「ねぇ亮・・・もっと頼ってくれてもいいんだよ?」

 

「雷か前は?」

 

「北上よ。かみなりじゃないわ。そこんとこよろ・・・しく・・・ZZZ」

 

なにを言ってるんだ?。そう考えていると彼女は肩に寄りかかり寝てしまった。

 

「はいはい、俺も食べるか」

 

持ってきてくれた肉を食べ始めた。

 


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