私は目覚めた。その気配を感じたから。
だからその名を呼ぶんだ。
「お父さん!!」
そう言いながら私は、飛びついた。
彼、リュウセイさんに。
そしたらみんなてんやわんやの大騒ぎ、でも気がついた。
だから謝った――お父さんみたいな気配がしたから、抱きついた。
間違えてごめんなさいって。
そしたらみんなゆるしてくれた。
ラトゥーニさんとよく話をするようになった。
じっとリュウセイさんを見ていたから、気になるのかな。
でもラトゥーニさんから、お母さんみたいな気配がするんだ。
起きた時みたいに、この人がそうだって言うような、はっきりしたものじゃないけど。多分お母さんの近くにいたんだと思う。
会いたいな。
その夜、虫さんたちが来た。
みんな防衛のために出払っちゃったんだけど。
どうしてもついていきたい私はこっそりと、誰も乗っていないリオンを見つけてそれで出撃して。
みんなの援護をした。みんなからは心配されたり、怒られたりしたけど。
このリオンを乗りこなせるのは私しかいない、その確信があった。
そうして見事に虫さんたちを撃退したんだけど。
どうしてかな、虫さんたちと同じ雰囲気が、イングラムさんからもしたんだ。
騎士との約束でみんなには言ってないんだけど。
どうしてかな。
あと、私もPTに乗せてもらえることになった。
ゲシュペンストだって、こっちもここに残っていたんだ。
まるで私が使うことが前提になっているみたいに。
偶然かな。
あちらは、色々と大変なことになっているだろう。
なにせ姫がリュウセイに対してお父さんと呼ぶのだから。
あながち間違いではないが、DNA上であるのならば、確かに親子関係が認められるのだ。
あちら側にも二人はいたのか、それともこちら側の誰かが私の両親にあたる人物のDNAをこちらに渡したのか。どちらにしても悩むところではある。
後者の場合ならば尚の事だ。
そんなことを上の空で考えていた私は、どこかの川で何度も何度も顔を洗っていた。
赤くなった目を、ここに連れてきた人に決して悟られないように。
私の悲しみを洗い流すために。
そうやって洗っていた顔をもう何度目だろうか。もう大丈夫だと思ってあげては、湧き上がる悲しみに慌てて洗うを繰り返していた。そうやって今顔を上げたその時だった。
「そこまでにしておきなさい、風邪をひいてしまいますよ」
そう言って頭の上にタオルがふわっとかけられる。
振り向くと、シラカワ博士がいた。
「それほどまでに、父親を重ねていましたか?」
もらったタオルに水滴を吸わせながら――
「いいえ、父親を重ねていたのは自分ですし。それを父親のあり方だと認識してしまったのが私です」
「……それは……いえ、ひとつ聞きたいことがありましたので、少々失礼かと思いましたがあしながお兄さんから質問させていただいてもよろしいでしょうか」
「ッ! 聞いてしまったんですか?!」
「あれのプロテクトを解除したのは私です。大丈夫です、聞いていたのはビアン博士と私だけですし、たとえあれがコンピューターに残されていようとも、私の仕掛けたトラップが全てを消し去っていますよ」
「……いえそちらではなく、無論残しておいたのはミスですがそのことではなく……おほん。それで話とはなんでしょうか」
若干頬が赤い、いや決して恋心などではなく羞恥心で。
そんな私の様を、スカしたような笑みで受け流し――
「あなたは、どこで私の、いえあなたも含めたすべての情報を知ったのか、教えていただけますか?」
「……あなたは前世というものを信じますか?」
「前世ですか……なるほど、その国は神でもいたのですか?」
「少なくとも、信じれば救いが……ましてや神様がやってくるような世界ではありません。まあ神様と呼ばれるような人はいますし、適度なオカルトとそのオカルトを駆逐する科学がある世界で、悲劇もなくなりませんし、それと同時に幸福もなくなりません。それでも戦争からは遠い場所に住んでいましたからね。『もうやだこの国』が時として褒め言葉な国ですよ。宗教は自由で、そんな声もしないであろう。優しくても厳しい国です」
そう告げると、顔を手で隠しながら答えてきた。
「なるほど、あなたはいびつだ。しかしそのような国なら、私も過ごしてみたいと思いたくなりますね」
どこか憧れや願望を含ませた言葉は、私の耳に残った。
「私も一介の神官です。知っているでしょう。あなたを慰めに来たと言ったらどうしますか?」
「そうですね、しかし私は無信教ですし、そもそもこの名は悪霊としても扱われますので、あなたの胸を貸していただけますか?」
「いいでしょう、神官としての私ではなくただの私ならいいのですか?」
「ただのクリストフ・グラン・マクソードだからいいのです」
抱きついて、しがみついて、声が漏れる。私の全てを吐き出すように、悲しみを一度、全て吐き出せるように。
しばらくして、自分が驚くほどすっきりした気持ちで彼に感謝をして、二人は別れた。
次に出会うとき、それは。
眠り姫ことディー・トリエルですが、参戦期間の短いキャラです。
ステ的には、
ディー・トリエル
ALL180
精神 消費 LV
直感 15 01
集中 10 01
不屈 10 05
覚醒 50 25
愛 70 45
ツイン
絆 50
NTLV9 念動力LV9と同等
アタッカー
ガード
戦意高揚
援護防御LV4
援護攻撃LV4
エースボーナス
MAP兵器と射程1の兵器以外の全ての兵器の射程+1、移動力+1、ユニットの武器適性と地形適応を一段階上げる。
具体的にはGGDSのオリジナルに近づけているコピーという扱いですが、幼さが目立ちますので実力を発揮できているかは不明です。