「この世も末だね、そう思わないかい」
僕が声をかけても彼女は答えることはない彼女は死んでいる。
「だから言っただろ、君たちの力は強すぎると」
僕は立ち上がり彼女の遺体を回収してこの場を離れる。
「お待ちください」
仮面を付けた者に止められる。
「おや、君たちが頼んだんじゃないのかい?」
「今、貴方にここを離れられるのは得策ではありません」
「交渉人としての能力を買ってくれるのは有難いけど彼らとの交渉には巫女の生贄が必要だ」
「その用意ができました」
「ならそこからは君たちが勝手にやってくれるかい、僕には大事な用があるんだ」
動こうとしたら銃を見せられる。
「何の抵抗もできない僕を撃ち殺すきかい」
「貴方は知りすぎているこの世界には必要はありません」
どこで間違えてしまったのだろう。
怪異の声を聞いた時からだろうか。
「初めから君たちが僕を処分することは知っていたよ」
ここまで生きてここまで怒ったのは初めてだろう。
生まれてから死ぬまでの人生を知っているのだから僕はここでは死ねない。
「君たちに殺されようが僕は数日の間に死ぬんだから気長に待ってくれないかい、ここまで彼らと交渉をしてきた僕への報酬さ」
そこからの先の記憶はない。
気が付いた時には彼女を弔うために選んでいた山の中を歩いていた。
ここを歩いているということは僕は報酬を貰えたと思っておこう。
目的の場所に向かうとそこは彼岸花で綺麗に見える。
「時期はまだ早いんだけどねこれは驚いたよ」
彼女を弔うための柩の中まで彼岸花で埋められている。
まるで彼女の悲しい思い出と一緒に旅立つように花が咲いている。
「鎌の方は神社に祀り直したはずだったんだけどな」
鎌まで柩の中に入っている。
「これほど気に入られているとは」
時間はないのだから手短に終わらそう。
彼女を柩に入れ僕が用意していた白い彼岸花を持たして火葬する。
「知っているかい、白と赤の彼岸花には同じ花言葉がある『また会う日を楽しみに』」
こんな世の中ではなければ君を助けただろう。
僕が敬愛している小説の主人公の様に。
まぁ、彼女を助けるのは未来の誰かに託すとするよ。
ここまで読んでくれていた君に書いておくが僕はただ普通の子供で居たかったよ。
西暦2019年6月
神世紀300年
僕は汚れたノートを読み終えて僕は家から急いで学校に走っていく。
なぜ走っているのだろう。
ノートを見てからやらないといけないと思ったことがある。
手を伸ばさなければいけない人が居るからだ。
急な展開になってしまっているけれど作者が書きたいことは次の話で書き終わるから。
今で救いがないのなら未来で救済してしまえばいい。