勇者部の恋物語   作:りりなの

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今回の話は作者の仮説が混ざっています。

ご了承の上お願いします。


郡千景 2

 3年前に私におかしなことを言った男が私たちの教室に入ってきた。

 

「どうもお嬢ちゃんたち、今日から君たちに特別講習を受けてもらうよ」

 

 変わっているのは冬なのにアロハシャツを着ている事だけ。

 

「さて、ここに居るお嬢ちゃん達は奥の手を使ったことがある者は手を挙げてくれるかい」

 

「その前に貴方の名前は」

 

 乃木さんは手を挙げながらそう言った。

 

「僕の名前は言っても意味ないから言わないよ」

 

 そう言って生えている髭を触りながら見渡していく。

 

「まぁ、挙げなくても大社から情報を貰っているから挙げてない子がいても意味はないけどね」

 

 そう言って私達を見渡していく。

 

「お嬢ちゃん達は自分たちの精霊の名前を憶えているかい? まずはそこからだね」

 

 私はそんな事を聞いてもお役目には関係ないと思い聞かないでおこうと思った。

 

「まず、そこで僕の話を聞こうとしていない千景ちゃん答えてくれるかい」

 

 そう言って彼はこちらを見ながらそう言った。

 

「今、千景ちゃんはなぜって思っただろ? 答えは簡単だ君たちの性格などの情報も貰っているから聞かないであろう君をあらかじめ決めていた」

 

 目を見開いて彼を見る。

 

「まぁ、言いたくないのなら僕が勝手に言うだけだ」

 

 そうして彼は答える。

 

七人御先(しちにんみさき)なんだけどお嬢ちゃん達はこの名前を知っているかい?」

 

 この言葉に誰も口を開かない。

 

「全滅かい? 伊予島杏ちゃんなら知っていると思ったんだけどな」

 

 彼は教卓を指で数回たたいてから解説を行った。

 

「お嬢ちゃん達に分かりやすく言うのならば妖怪の類だよ」

 

 妖怪

 

「今回、大社から聞いた報告書には一目連、七人御先、輪入道、源義経、最後のは妖怪に関わりのある人間なんだけど」

 

 そこまで言い切って彼はとんでもないことを口走った。

 

「ここからは僕の持論になるんだけど、バーテックスは神の使いだ」

 

 いきなりすぎる妖怪の話だと思ったらバーテックスが神の使い。

 

「僕はおかしなことは言ってはいないよ、神樹にアクセスして奥の手を使うのにそれが妖怪の類であるこれが僕の仮説を成り立たせるには必要なものさ」

 

「妖怪は人に害、悪をもたらすものって言うのは理解しているだろ」

 

「それを力に変えている時点で可笑しいと思わないかい? もし、神様が力を貸してくれているのならその力はイザナギ、アマテラス、ツクヨミ、スサノオと言った神へのアクセスができるはずだ」

 

「だが、それは出来ないのならば僕の仮説は正解へと導いてくれる」

 

 そう言って彼はポケットから携帯を取り出して時間を確認する。

 

「まだ、時間的には余裕があるね」

 

 そう言って画面が見えるように教卓に置き話を続ける。

 

「この話を聞いて反論したい気持ちがあるには分かるけど、この仮説を覆すだけの持論がお嬢ちゃん達にはない」

 

「まぁ、これは仮説だから信じなくてもいいかな」

 

 そこまで言って置いて信じなくてもいいと言われてもどうしようもない。

 

「お嬢ちゃん達が知っておくのは君たちが使う奥の手は大変危険なものだと認識してほしいだけさ」

 

 そう言って教卓に置いてある携帯をしまい。

 

「これで特別講義は終了だ、しばらくはこの敷地にいるから質問があるなら声をかければいいさ」

 

 ではと言って彼は部屋から出て行った。

 

 彼は何をしたかったのか、私達をどうしたいのだろうと思った。

 

 だけど私は私の為に戦わないといけない。


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