勇者部の恋物語   作:りりなの

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活動報告では短編を書くつもりでいたのですがこの話を書いていました。

お気に入り登録100件記念として郡千景編を書いていきます。

千景は作者の好きなキャラなので書いてみたい気持ちはありましたが運命は変わらないから書いてて絶望しそうだからと断念しましたが書きます。


では、久々に書いていきますか!


郡千景編
郡千景 1


 平成2015年6月30日

 

 彼女は周りから比べたら物静かで影の薄い子だと僕は思っていた。

 

 でもそれは僕の中だけで彼女は虐められていた。

 

 理由は知らない他の人の考え方まで知りたいとは僕は思わない。

 

 けど僕は彼女にだけ興味を持った。

 

「やぁ、君が郡千景ちゃんだね」

 

 僕が好きだった小説の人物の喋り方を借りて話しかけてみたが無視された。

 

「早速無視かい? さすがに僕でも傷つくよ」

 

「何の用」

 

 こちらを見た彼女の瞳は濁っていた。

 

 だから彼女はアレに惹かれているのかも知れない。

 

「暇そうだから僕の話し相手になってくれるかい?」

 

「嫌よ」

 

 表情もなく死人に近い表情だろう。

 

「じゃあ、これから話すのは僕の独り言だ」

 

 そう言って僕は語りだす。

 

 交渉人として知っている事を話しておかなければならない。

 

「近々各地で天変地異が起こると予想されている、君は少なからずこれの被害者になるだろう」

 

 そう言ったら睨まれてしまった。

 

「助かる方法を知りたいかい」

 

 僕は挑発的な言葉を放った。

 

「教えて」

 

「これは言ってもしょうがないが君は勝手に助かる」

 

「はぁ?」

 

「助けが来るわけなく君は勝手に一人で助かるよ」

 

 僕はそう言って立ち上がる。

 

「さて、僕は調べることがあるからこれで失礼するよ」

 

 立ち去る前に言って置く言葉があった。

 

「まぁ、覚えなくてもいいけど僕の名前は……そうだな忍野とでも呼んでくれ」

 

「偽名」

 

「そう、僕は近々姿を隠さないといけないからね本名は今捨てたよ」

 

 それじゃねとそう言ってこの場を去る。

 

 去ってすぐに黒塗りの車が目の前に止まった。

 

「大社って言うのは仕事が早いんだね」

 

 車のドアは勝手に開く乗れとの事だ。

 

「僕にできることは少ないんだけどな」

 

 そう言って僕は乗り込む災害が起こる前に香川に向かうべく。

 

 

 平成2019年2月

 

 大社の仕事で色んな所に行ってきたけど命が幾つあっても足りない。

 

「まぁ、そんな仕事も今日で御終いなんだけどね」

 

 災害が終わってから3年振りに四国に足を踏み入れた。

 

 各地の勇者の情報、地域ごとの汚染情報をまとめてみたけど酷いものだ。

 

「これで残っているのは四国(ここ)と……」

 

 長野も長いこと持っていたみたいだけど終わってしまったみたいだ。

 

 僕にできることは何もないのだけど。

 

 大橋を渡り終えると迎えの車が待っていた。

 

「おや、今日戻るとは言ってなかったんだけどね」

 

 僕は頭をかきながら車に乗り込み四国を守っている勇者が集まっている丸亀城に向かう。

 

 今回の調べたことを大社に報告する義務があるからだ。

 

「それにしてもここは変わりないね、外は荒れに荒れているのにね」

 

 この地は他の地よりも勇者の数が多いのがあったからだろう。

 

 それともう一つの御蔭でか。

 

「君たちの方もなにか情報は得ているんだろ」

 

 僕は正面に居る男に話しかけると紙の束を渡された。

 

 その紙を見て納得いった。

 

「まぁ、僕の予想通りだよ」

 

 さて、彼女たちにレクチャーしなくてはならないな。

 

 彼女たちが使っている物がなんなのか。

 

「こういうのは僕の仕事じゃないんだけどね」

 

 彼は感情のない声でそう言って窓の外を見る。


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