なんだよ、一時間でかききれるじゃねぇかよ
何やってんだよ!
頭の中でよぉ、オルガが止まるんじゃねぇぞって追っかけてくるんだ…そんなの見たら止まれねぇじゃん
「何処で僕は選択を間違えたのだろう」
燃え盛る景色を見ながら呟く。
脳裏に映るのは泣いている友奈の姿だ。
心が痛い。
「それでも僕はこの選択が正しいと思っている」
そう言って俺は前に足を出した。
なんでこんな事になったのか、それは俺の慢心だったのだろう。
ちゃんと俺が管理していたらこんな事態にはならなかったのに。
そう言って思い出すのはこの数日の間のことだった。
「暁人君、少しいいか」
そう言って部屋に入ってきたのは三好春信さんだった。
「どうしたんだ」
俺は資料から視線を外して眼鏡を外した。
「例の件だが」
「勇者候補だった娘達のことだね」
俺が知らない間に動いていた量産型勇者の試作品のテスト。
「部下からの情報だと過激派の奴らは奉火祭を決行しそこの巫女を生贄に使うと言っていたそうだ」
それを聞いて僕は机を殴った。
「アイツ等は人がやりたくない事を平気でやりやがる」
「その話にはまだ続きがある最も神に近いものにコンタクトを取ると」
俺はその言葉を聞いて友奈の姿を脳裏に映った。
「数人、結城友奈の監視に回せ」
アイツ等の目的は友奈だ。
それだけは絶対に手を出させない。
「分かっていると思うが私情で人を動かすなよ」
「分かっている! 友奈は体の8割以上を満開で持って行かれて神樹様の創り出したものを使っているその意味が分かっているだろ!」
「資料に目を通したがそれが本当だとしたら」
「友奈の体は神に近い、それがもし生贄にされたとしたら別の神はどう思う」
「和解、それとも解放」
「そうだ、こちら側の神をだしたと勘違いしたら? 和解に持って行けるとして解放まで行けるかは分からないが数年は進行はないだろう」
だけどそれは俺が赦さない。
誰かを犠牲にしてこの国を守りたくない。
「記憶が操作できたとしても人は何時か思い出す……魂に刻んだものは忘れる事は出来ない! 思い出した人が悲しむ、俺はそんな顔を見たくないもう二度と」
「その為に俺たちができることをするんだったな」
「だから神童と呼ばれた貴方の知恵が必要だこれ以上、赤嶺家の奴らの手のひらで踊らされたくもない」
もしこの時にでも奉火祭の件を飲んでいたら?
鷲尾須美、東郷三森の事を忘れていなければ俺は別の選択をできたのだろう。
何か妨害ができるか考えた。
考えたが何も出てこない、犠牲を出さずにやり過ごすことも考えた。
でも何も思いつかなかった。
そして今の今まで外の事を気にしてなかった。
「暁人君!」
そう言って部屋に春信さんが入ってきた。
「なんですかこっちは調べ物で忙しいと」
春信さんは静かに俺に紙を渡してきた。
「読んだら分かる」
この時、春信さんの表情が読めなかった。
俺は受け取り紙に目を通した。
それは俺がここに居た間に起った外の報告書だった。
「な、なんで友奈が」
友奈が神の祟りに侵されている事だった。
「えっ」
俺は手から報告書を落とした。
「頭のいい君なら分かるだろ」
そうだったのか、俺は最初から騙されていた。
まだ手の平で踊らされていた。
「君はこの写真を見て決断は付くだろ」
それは泣いている友奈の姿だ。
「俺は、オレは――」
ごめんね。
俺は友奈が一人になった時に会いに行った。
「暁人君」
その顔はとても悲しみにあふれていた。
「久しぶりだね、友奈」
そう言ったら友奈は突然抱き着いてきて泣き出した。
「暁人君、私、私ね」
俺は優しく頭を撫でた。
「大丈夫、何も言わなくても知ってるから俺が何とかするから」
俺は笑顔で告げる。
「何時もの元気な友奈で居て欲しい」
「ごめんね、私のせいで」
友奈にも話は告げられていたのだろう。
だったらなお愛おしい。
「また友奈に会いに来るから」
そう言って静かに友奈にキスをした。
最初で最後の愛する人の温もり。
それだけで十分だ。
「だから行ってくるね」
そう言って歩き出す俺に友奈は叫ぶ。
「私、待ってるから! 暁人君が合いに来るのをずっと待ってるから」
2人とも分かっている。
会えないと。
Bad endでした。
いかがでしょうか?
以外にもね頭の中でスラスラ出てくるんだよ