勇者部の恋物語   作:りりなの

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早い最近はネタが浮かんでくるので書く速さが異常じゃない。

というわけで2話目です。



結城友奈 2

 夏凜ちゃんと違い暁人君は勇者部の活動によく参加してくれる。

 

 参加してくれるのは嬉しいが話しかけても会話が続かない。

 

 もっと仲良くなりたいのに暁人君はどうでもいいかの様に話を聞き流す。

 

 それで私は暁人君に聞いてみた。

 

「暁人君はなんで勇者部の活動に参加するの?」

 

「君の行動を監視していたほうがいざの時に行動がとりやすい」

 

 そんな答えだった。

 

 バーテックスの襲来がないから暁人君が傷ついた姿は見たことないが想像もしたくない。

 

「でも、なんで私だけなの?」

 

「大赦から君以外の事は話されていない、だからほかのものは興味もないし関わりあう必要もないと思っている」

 

「それって寂しくない」

 

「寂しいという感覚が分からない、それに仲良くなってどうする?」

 

「友達ができて楽しい生活が送れるよ!」

 

「記憶がないからそんな事も忘れているし必要だと思ったこともない」

 

 そう言って静かに作業を続けていく暁人君、なんでそんな風に振る舞えるのだろう。

 

 私にはできない、したくない。

 

 皆で笑いあいながら過ごしたい。

 

「これから樹ちゃんの歌の特訓でカラオケに行くんだ! 暁人君も行こ」

 

 私がみんなの中に入れられる空気にしたい。

 

「必要ない、精神が弱いからそうなるメンタル面を強化すればそんなことで臆する必要もない」

 

 そう言って部室から出ていく。

 

「何よあいつは偉そうに」

 

 夏凜ちゃんは怒りながらそう言う。

 

「暁人って大赦に居た時からあれだったの?」

 

 風先輩が夏凜ちゃんに大赦に居た時のことを聞いた。

 

「えぇ、そうよ、あいつはいつも偉そうにして上から言ってくる奴だったわよ! 思い出しただけで腹が立つ!」

 

「最初の印象よりもドライな人なんですね出雲さんって」

 

 樹ちゃんは言われたことにショックを言いながら感じたことを言ってくれた。

 

「そうですね、友奈ちゃん以外の人との接触を避けてますし」

 

「バーテックスを倒す目的は同じだけどその理由事態が私たちと異なっているし」

 

 そう言って風先輩は私に視線を移した。

 

「まぁ、暁人は友奈に任せるわ」

 

「なんでそうなるんですか!」

 

「暁人とまともに話ができるのは友奈だけだし、私たちが話しかけても大事な内容以外はスルーされるし……部長の私にはお手上げよ」

 

「そうですけど」

 

「友奈にとっての行動をするんだから友奈個人のお願いなら聞いてくれるんじゃない?」

 

「頑張ってみます」

 

 そう言った私は暁人君とどうしたら仲良くなるのか考えてみるが浮かばない。

 

 うどんに誘ってみるとか……それだ!

 

 暁人君を誘ってかめやに来たのはいいのだけど何を話したらいいのかわからない。

 

「それで呼んだ理由はなんだ?」

 

 暁人君はうどんのメニュー表を見ながら言った。

 

「えっと、うどんが好きかと思って……」

 

「記憶にないだが、好きなのかもしれない」

 

 えっ、記憶にない。

 

「記憶がないのは辛くないの」

 

「さぁ、辛いと感じたことはない」

 

「そ、そうなんだ」

 

「記憶がなくても感じるままに生きればいい、今は受けた任務だけするだけだ」

 

 そう話している間に暁人君は肉うどんを頼んだ。

 

「それに友奈を守るためなら何でもする、それが今の自分にできる事なら」

 

「なんでそこまで私を守るの?」

 

「分からない、だけど僕はどこかでそんな約束をしたから誰かは忘れたが絶対に守ると約束した」

 

「そうなんだ」

 

「だから友奈が心配する必要はない」

 

 肉うどんが暁人君のところに到着して暁人君は静かにうどんを食べ始めた。

 

「ところで友奈は何杯うどんを食べるんだ」

 

 静かに横に置かれた器を見ながら聞く。

 

「難しい話をするとお腹が減って」

 

「面白いな」

 

 そう言って優しく微笑む暁人君はどこか懐かしくて温かかった。

 

「そ、そうかな」

 

「これが美味しいから箸が進むのは分かるがその年でそのカロリーは……いや、うどんだからそこまでカロリーはない」

 

 そんなに悩むことかなと思いながら私は笑ってしまったがこんな楽しい時間が一瞬で終わるとは思わなかった。

 

「近い」

 

 暁人君はうどんを食べ終わるとそんなことを言った。

 

「なにが近いの?」

 

「早く来い」

 

 暁人君は私の分もお会計をして店の外に出ると景色が怪しく光っていた。

 

「最悪の事態か」

 

 そう言っていたら端末に樹海警報の文字が出ていた。

 

「安心しろ友奈は守る」

 

 そんなことを言われながら景色は樹海に変わった。


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