キャラの口調はアニメを見ながら書いたのですが自信がないのですみません。
犬吠埼風 1
それは運命だったのか必然だったのかそれとも偶然だったのかそれとも最初から出会うことが決められていたのかも知れない。
「そこの貴方にぴったしの部活があるわ」
それが犬吠埼風先輩との出会いであった。
「あっ、もう入る部活決めているので」
僕は目の前にいる先輩に頭を下げてその場を去ろうとしたら先輩に回り込まれた。
「えっと、そろそろ部活の体験に行きたいんですけど」
「どこの部活に入るのか教えてもらっていいかな?」
その先輩の顔がすごく怖く僕は本能的に教えてしまった。
「バスケ部ですけど、先輩の名前を教えてください」
「私は犬吠埼風よ、悪いことは言わないからバスケ部はやめておきなさい」
「犬吠埼先輩ですね、助言は有難いのですがこれで失礼します。
それと僕は吉野川遥です」
もう一度、先輩に頭を下げて僕は茫然としている先輩の隣を通り過ぎて僕はバスケ部のある体育館に向かった。
side 風
彼との出会いは大赦からの命令であり勇者の一人として私は彼に勧誘を行った。
私はスマホに送られてきた大赦からのメールで彼の顔を教えてもらっている為、彼を探すのは簡単だった。
「そこの貴方にぴったしの部活があるわ」
このセリフを言うのは友奈達以来だが初対面の子に言うのは少し恥ずかしい。
彼、吉野川遥はキョトンとした表情でこちらを見て何もなかったように言った。
「あっ、もう入る部活決めているので」
吉野川君はそう言って頭を下げて体育館に向かおうとしていた彼の前に回り込んだ。
あれ、大赦からのメールでは彼は入る部活を決めていなかったはずだった。
「えっと、そろそろ部活の体験に行きたいんですけど」
吉野川君は困ったような表情をしていたが私はそれどころではなかった。
「どこの部活に入るのか教えてもらっていいかな?」
私は心の中で大赦に怒りながら彼に問いただした。
彼は後ろに半歩下がり少し肩をビクつかせて言った。
「バスケ部ですけど、先輩の名前を教えてくれませんか」
バスケ部か……同じクラスのゴリラが面白いやつを見っけたって彼の事だったのね。
「私は犬吠埼風よ、悪いことは言わないからバスケ部はやめておきなさい」
あの部活にだけは彼を取られるわけにいかない。
「犬吠埼先輩ですね、助言は有難いのですがこれで失礼します。
それと僕は吉野川遥です」
彼は茫然としている私に頭を下げて体育館に向かった。
大赦からのメールの内容と彼の性格が全く違っていた、このことは後で大赦に報告しておくことにするが私は吉野川君がどこか私に似ているような感覚がした。
side out
side 吉野川
僕は周りの人と少し違っている、それは僕には味覚と痛覚がないことこれは数年前に病院で生活していた時に気が付いた。
それともう一つは病院に入る前の記憶がすべてなくなっていることそれは交通事故によるものだと医者に言われた。
そしてその交通事故により親を亡くした僕は父親の祖父に引き取られた。
周りの人間のことを忘れている僕は誰にも迷惑をかけにために大抵のことは自分でしようと決めた。
そして今日もバスケ部の体験入部に顔を出した。
「ふぅ、今日も疲れた」
犬吠埼先輩にはやめておけと言われたがそう悪いような部活でもない、それどころか練習は強豪校並みなのかわ知らないが結構ハードだった。
そして僕は帰るために下駄箱に向かうと犬吠埼先輩と鉢合わせした。
「どうも、お久しぶりです」
僕は頭を下げて帰ろうとしたが犬吠埼先輩はそんな僕を呼び止めた。
「吉野川君待って」
下駄箱には僕以外にも部活の先輩もいる、同じクラスの人もいる。
「犬吠埼先輩ここはあれなのでかめやで話しませんか?」
僕は周りの目線を気にしながら言ったらそれに気づいた先輩は顔を赤くしながら頷いた。
そんな先輩を見てドキッとしたのは心の底に閉まっておこうと思った。
僕と先輩はかめやまで話をすることなくうどんを来るのを待っているときに先輩が口を開いた。
「吉野川君、よかったら一度だけでもいいから私の部活に来てみない?」
この先輩はまだ部活の勧誘を諦めていなかった。
「そうですね行かずに断るのもあれですから一回だけ行かしてもらいます」
そういうと先輩の表情は明るくなった。
なんでかこの先輩のコロコロ変わる表情に惹かれている自分がいるのを知った。
それから店員が持ってきたうどんを目にした先輩の表情がこれまでにないくらいに嬉しそうにしていた。
「では、いただきます」
僕は静かにうどんを食べ始める。
「吉野川君は静かに食べるわね」
うどんを御代わりした先輩は僕の食べ方に関心するかのように言った。
「食べ方は昔からそうだったので」
記憶がないから自分がどのような家庭で育ったのかを知らない。
「ということは坊ちゃん育ちなのね!」
犬吠埼先輩は正解だ、みたいに確信した表情をした。
「それは僕にも答えられませんがそうだったのかもしれませんね」
先輩は新しいうどんを食べようとしたが箸をおいて静かに言った。
「もしかして私、馬鹿にされてる?」
ジト目で見てくるが僕は語るか迷ったがこの人ならいいだろうと思い僕は口を開いた。
「実は記憶がないんですよ」
そう言ったら先輩は真剣な顔をした。
「昔、交通事故にあったらしいんですがそれが原因で記憶を失くしたらしいです」
なんでこの先輩はこんな嘘かも知れない話をそんな真剣な顔で聞けるんだろう、そしてなんで僕のためにそんな悲しげな顔をしてくれるんだろう。
この先輩と会うのは2回目のはずなのに僕はなんでこんなことを話したんだろう。
「まぁ、冗談ですよ」
そう言って僕は薄ら笑いでごまかした。
「大丈夫よ、私は信じてあげるから」
その言葉に心が嬉しさを感じた。
彼女なら先輩なら頼ってもいいんじゃないのか、信じてもいいんじゃないのかと僕はこの感情が恋なのだと思ったこれが初恋の感情なのだと知った。
でも、この時僕は知らなかったこれが初恋ではないということを失われた過去に大切な少女を忘れていたことを忘れないともう恋をしないと誓った過去を僕は忘れていたのだから謝らせてほしいあんなにも楽しかった日々を忘れてしまった僕を君を守れなかった僕を君を裏切ってしまったことを許してほしい。
ごめん。