HIGH SCHOOL D×D ―――(再)―――   作:ダーク・シリウス

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エピソード16

休日の日となり、冒険部の一誠たちは予定通りにグレモリー領へ行くことを学園の

理事長であり魔王のフォーベシイに頼みこむと案の定、ネリネとリコリスも連れて

行って欲しいと願われてユーストマからもシアを連れていくようにと願われ、

必然的にイリナたちもついて行く形で―――。

 

「おお・・・・・っ!冥界に行く為の列車があるなんて凄いな・・・・・!」

 

純粋な子供のように目を輝かせて一誠は―――次元の狭間を通過する列車の中ではしゃいでいた。

その姿に微笑ましくリーラたちは見詰めていた。

 

「まさか、教会に属する私たちも冥府に行くなんて思いもしなかったな」

 

「護衛対象が冥界に行くですもの。私たちも行かないと主に顔を向けれないわ」

 

「何とも皮肉なことだ。私たちは天国に行く為、主に仕えているのに天罰として地獄に

送った者たちと同じ世界に足を踏み入れるとは」

 

ゼノヴィアたちも天界側の、教会側の者として冥界に行くことを今でも何とも言えない

心情でいる。

 

「ふふっ、大いに楽しんでくれたまえ。この列車は私専用だから私の顔パスでキミたちの

安全を保証できる」

 

「ありがとう、魔王のおじさん」

 

「いやいや、気にしないでおくれ。でも、できればお礼はお義父さんと一言欲しいかな?」

 

優雅に腰を下ろしているフォーベシイの要求に一誠は躊躇もなく言った。

 

「ありがとう、お義父さん」

 

微笑みながらの感謝の言葉。フォーベシイは感無量とばかり「神ちゃんに勝ったぞぉっ!」

と心の中で高らかに歓喜の涙を流しつつ狂喜の乱舞をし出す。そんな事を表に出さず

ポーカーフェイスで隠し通して一誠の頭を撫でた。

 

「魔王さま、魔王専用の列車に乗せてくださるとは何とも光栄です」

 

そう発するリアスが頭を下げた。グレモリー領に向かうならグレモリー家専用の列車に

乗ればいい話しなのだが、フォーベシイは自分の列車で乗ることを勧め、

一誠たちを送っているのだ。

 

「私も魔王領に用があってね丁度良かったのだよ。帰りはグレモリー家の列車に

乗せてくれるかな?」

 

「はい、勿論です」

 

一誠たち一行を乗せる列車は順調にグレモリー領へと走って向かっていく。

 

「懐かしいな冥界。イリナと別れて以来だな」

 

「そこで一年間過ごしたんだっけ?」

 

「その上、リアスと朱乃、白音、黒歌、ネリネとリコリスと出会ったんだよ」

 

「ええ、あの時のことがもう昔に思えるまで時が過ぎたなんて早いわね」

 

「いいんじゃないか?こんなに綺麗に成長したんだから。サーゼクスのお兄さんも嬉しいだろう」

 

イリナとの会話にリアスも加わって来て一誠に赤い髪を撫でられ、

その手が下がり吸いつくようなリアスの頬の肌にまで触れられた。

 

「・・・・・イッセー」

 

一誠の手を触れて自らすり寄せる。好意を寄せている異性の手はとても心地のいい温もり。

男の手のはずなのに意外とゴツゴツしていないのが不思議で女の子みたいな感じの肌触り。

そして一誠の瞳とぶつかって心なしか二人だけの世界と雰囲気が―――。

 

『ゴホンッ!』

 

周囲から強い咳の声が聞こえてリアスの意識が戻された。周囲に目を配ればジト目で

見られていた。

 

「私たちの前でイチャイチャしないでください」

 

「一年間一誠くんといたからって幼馴染の絆の強さは舐めないでよね!」

 

ルーラーとイリナが一誠を慕う代表者としてリアスに恋の

ライバルの存在をいることを覚えさせた。

それにはムッと面白くないとばかりリアスは一誠を抱きしめた。

 

「いいじゃない。私はイッセーのことが好き。これだけは同じ想いのはずよ」

 

「それはそれ、これはこれです。一誠くんを知っているのはあなただけではないのですから」

 

「へぇ、面白いことを言うのね。―――じゃあ、一誠が女の子の服を着ると可愛いのは

知っているかしら?」

 

と、自信満々気に言い放ったリアス。リアスの思い通り、一誠に恋する乙女たちの反応は

低く名乗りでなかった。ただ一人除いて。

 

「私は知っていますよ?」

 

「え?」

 

「うふふっ、その時は天使の翼を出していてとても可愛かったです♪」

 

ヴァレリー・ツェペシュ。人間と吸血鬼のハーフの少女が懐かしげに口元を緩まして

リアスに言ったのだ。

 

「天使の翼を出している一誠の・・・・・ですって・・・・・!?」

 

背後に雷が落ちたような幻覚と、ヴァレリーの発言に愕然とするリアスに衝撃を

与えるのに十分だった。

 

「そ、その時のことをもっと詳しく・・・・・」

 

「は、はいすっ・・・・・!」

 

「う、うん・・・・・」

 

ネリネとシア、リコリスも大層興味心身にヴァレリーから聞こうとする。

三人だけじゃなく、イリナたちもヴァレリーに視線を送って訊く姿勢になっていた。

 

「師匠は女装趣味だったのか?」

 

「ンなわけあるかぁっ!」

 

「ちょっと、興味あるかも」

 

「待て、そんな純粋な目で俺を見るんじゃない」

 

ここで爆弾が投下された。

 

「一誠さまが女の子の服を着た時の写真はいくつかありますが?」

 

『な―――――っ』

 

まるで自分が一誠を知りつくしているとばかり、どこから取り出したのか分からない

写真が収まっている分厚いアルバムを見せ付けるリーラ。

 

「・・・・・リーラ、それはもしかしなくてもだが・・・・・俺のアルバムなのか?」

 

「誠さまや一香さま、そして私が共同してお生まれになった一誠さまの赤子の頃から

撮ってきました三百六十五日分の写真だけでなく、お風呂での入浴時や就寝時の寝顔、

神話体系の神々とお戯れている時の写真が全て収まっております」

 

「うぐ・・・・・っ!?」

 

一誠にとって恥ずかしい赤裸々が詰まった一品。それをリーラが持っていたとは知らなかった。

 

「冥界にお着きになられるまで時間はございます。ご覧になられますか?」

 

「ちょっ―――――!?」

 

『なられます!いえ、お見せください!』

 

「うぁああああああああああああっ!見るんじゃなぁああああああああああああああいっ!」

 

赤面でアルバムに飛び掛かるものの。フォーベシイによって邪魔をされてしまい、

 

 

『か、可愛い・・・・・っ!』

 

『ちいさいイッセー、ちいさいイッセー・・・・・あはぁっ』

 

『懐かしいわ!あっ、一緒に寝ている時のもあるなんて!』

 

『これ、何時の間に隠し撮り―――』

 

『ふむ、確かに女の子の服を着ている師匠の写真があるな』

 

『これ、コピーできませんか?』

 

 

グレモリー領に着くまで女子陣に赤裸々な過去の写真を見られてしまったのだった。

 

 

―――○●○―――

 

「・・・・・グス(泣)」

 

「もう、泣くことじゃないじゃないの」

 

「泣き顔が可愛いです(そうですよ一誠くん)」

 

「ルーラー。多分だが本音と建前が逆だと思うのだが」

 

無事にグレモリーの領土に辿り着いた一行。ただ一人だけ無言で涙を流し物凄く落ち込んでいた。

 

「もうやだ。帰って部屋に籠りたい」

 

「なにを言うのだ。せっかく冥界に来たのだぞ」

 

「アハハ・・・・・傷付いていますね先輩」

 

そんな一誠をリアスは呆れつつ声かけた。

 

「一誠、あなたは部長としてここにいるのだからしっかりしなさい」

 

「・・・・・じゃあ、サーゼクスのお兄さんに頼んでリアスのアルバムを見させてもらうぞ」

 

「いやっ!それだけはやめて!」

 

「そうだよそれだよ!その気持ちをずっと列車の中で抱いていたんだぞ!穴があったら

入りたい気持ちをお前らも絶対に知るだろう!」

 

赤面するリアスだけじゃなく、ビシッ!と女子陣に指して宣言した一誠。

 

「・・・・・まぁ、気を取り直そう」

 

深く息を吐いて何時までも落ち込んでいるわけにはいかないと気を取り直して一誠は言った。

 

「とある植物がグレモリーの領土に花を咲かせている。それを採取するのが今回の部活活動だ」

 

「私の領地にどんな花を求めるの?」

 

「ん、これだ」

 

どこからともなく取り出したファイルを広げ、一枚の写真付きの花の詳細が

記されているページを見せ付けた。

 

「・・・・・この花、私も知ってるわ」

 

「だろうな」

 

「でも、私もこの花の現物を見たことはないわよ?あくまで知識として知っていて

どこに咲いているのかハッキリ言って分からないの」

 

「この花のデーターがあるということはグレモリー一族の誰かが提供したんだろう?

だからリアスの家族に訊いてから探すんだ」

 

「なるほどね。なら頼んでおいて正解だったわ」

 

リアスは視線をとある方へ向けた。そこには馬車が何台も用意されていて、

その前には銀髪のメイドが佇んで一誠たちを出迎えていた。

 

「・・・・・グレイフィアさん、じゃないな。顔は似ているけど」

 

「あら、確か初めてだったはずだけれどよく気付いたわね」

 

銀髪の女性に手を翳しながらリアスが自己紹介を述べ始める。

 

「彼女は私のお兄さま、グレモリー家現当主のサーゼクス・グレモリーの『女王(クイーン)』であり

妻のシルヴィア。グレイフィアの姉でもあるの」

 

「初めまして、シルヴィアと申し上げます。以後お見知りおきを」

 

恭しく頭を一誠たちに垂らすシルヴィア。その仕草は優雅さも兼ねていてどこかの貴族の

姫さまのような洗礼された挨拶だった。

 

「あのお兄さんの妻?リアスとサーゼクスお兄さんってどこに住んでいるんだ?」

 

「私は人間界よ?お兄さまは冥界で当主として暮らしているわ」

 

「朱乃は?」

 

「私もお母さまと一緒にリアスと住んでいるわ。一人だけ女の子を住まわせるわけには

いかないとリアスのお母さまの提案で一緒に住むことになったの。

私だけじゃなく白音ちゃんや黒歌、イザイヤちゃん、

リアスの専属メイドのグレイフィアさんも一緒なのよ?」

 

改めて知ったリアスの家の事情。それから一行は別れて馬車に乗り出してリアスの家に赴いた。

因みに一誠はシルヴィアを始めとしてリーラ、オーフィス、イリナとリアスと一緒に乗っている。

 

「・・・・・兵藤一誠さま」

 

舗装された道にガタガタと進む馬車に揺れる中で声を掛けられた。シルヴィアに視線を

向けると突然頭を垂らした。

 

「リアスお嬢様の婚約の件について申し訳ございませんでした」

 

「ん?なんのことだ・・・・・?」

 

「あなたさまを巻き込ませたリアスさまの代わりに謝罪を申し上げております」

 

そう言われてようやく合点した一誠。リアスに視界を入れると目を丸くしていて

あの時のことかと他人事のように思いつつ首を横に振った。

 

「もう終わったことだから謝らなくて良いよ。でも、そっちはそっちで話しはどうなったんだ?」

 

「はい、グレモリー家とフェニックス家の間では何事も問題なく婚約の件は破棄とされました。

フェニックス卿もあなたに感謝の言葉を送っていたとか。

―――フェニックスは万能、無敵ではないということを一族の能力を過信していた

ライザーにとっていい薬になったと」

 

親がそこまで言うならライザーとの婚約を懸けた決闘は無駄ではないということ。

そして両家の間に問題が起きていないことを安堵で息を吐く。

 

「それが少し心残りだったけど訊いて安心したよ。それでライザーはどうなってんの?」

 

「あなたさまに負けてしばらく部屋に引き籠って落ち込んでいましたが、

直ぐに立ち直っているようです」

 

立ち直り早いなと思わず漏らした。プライドの塊みたいな男が立ち直るのにまだ時間が

かかるのかと思っていたのだが中々どうして。シルヴィアが一誠たちに一言。

 

「そろそろ御着きになられます。降りる準備をしてください」

 

 

 

 

懐かしいグレモリー城に辿り着いた一誠。他の面々もリアスの家の大きさに感嘆の声を漏らして

リアスとシルヴィアの後に続く。一誠に顔だけ振り返ってリアスは尋ねる。

 

「お父さまとお母さまから花の事を聞くのね?」

 

「うん、知っているかもしれないから」

 

「花、とは?」

 

「イッセーたちはグレモリー領にしか咲かない花を採取する為に訊きたいことがあるって」

 

「・・・・・もしかしてあの花のことでしょうか」

 

意外にもシルヴィアからも出た花の情報。知っているの?と

視線に想いを籠めて向けた一誠に口を開いた。

 

「グレモリー領にしかないというより代々グレモリー家当主が花を育てているだけです」

 

「育てている?自然に咲いているんじゃなくて?」

 

「あの花は少々特殊で深い愛情を持つ者でないと咲かないのです。

情愛深いグレモリー家ならではの花であり、咲けば永遠の愛が結ばれる曰く付きです」

 

シルヴィアからの情報を聞いた一誠は首をかしげて写し書きした情報と比べたが、

そこまでは記されていなかったようで不思議そうにしていた。

 

「普通に育てれば咲く?」

 

「育て方は人間界の花と同じです。なので、愛情深い者が育てることで花は咲きます」

 

「その種はある?」

 

「・・・・・育てるのですか?」

 

コクリと頷く一誠。シルヴィアは思案顔で顎に手をやって何か考えていると、

 

「・・・・・ついてきてください」

 

『・・・・・?』

 

敢えてただそれだけしか言わないシルヴィアを一誠たちは不思議な気持ちを抱きながら

リアスさえ見たことない花のある方へシルヴィアの転移魔方陣で向かった。

何度か転移魔方陣でジャンプしていくと最終的にたどり着いた場所はグレモリー領の辺境で、

そこからでも見える巨大な工場施設その周囲には花畑。そして―――。

あるものを発見した一誠たちは驚嘆、感嘆の声をあげた。

 

「あれ、植物って言うの?」

 

「それを言わずなんというのですか」

 

「そうだね。でも、」

 

「うん、それにしたって」

 

「ああ」

 

皆の心が一つになった!

 

『大きすぎるだろう!植物のレベルじゃないっ!』

 

工場施設や一誠たちが小さくなった気分を醸し出す森は巨大で木に巨大な花も咲いていて、

よく見れば木の花に悪魔たちが群がって何かをしているのがうっすらと見える。

 

「木に咲いている花がグレモリー家の特産品の蜜の原料である

ジャイアント・ハニー・フラワーです」

 

淡々と木に咲く花の名前を述べたシルヴィア。愕然と手元にある資料に目を落とす一誠。

 

「俺が調べた花と違うけど、アレは自然にあんな大きさにまでなったのか?」

 

一誠からの問いかけに遠い目で口を開いたシルヴィア。

 

「・・・・・まだ三大勢力戦争が続いていた頃の話です。とある悪魔の科学者が」

 

『自分自身が巨大化すれば魔力もそれ相応に増えて神を簡単に越えるかもしれない!』

 

「と、巨大化になる術を研究・開発した末に完成はしました。無機物・有機物、

様々な物に試しその悪魔の科学者の予想通りの結果となりました。試した物の全てが

巨大化したのです。あの森はその名残でもあるのです」

 

ほー、と悪魔の科学技術に感嘆する一行。

 

「その悪魔の科学者は今は?」

 

「・・・・・その効果は敵対勢力の士気を削ぐほどでした。

その時の悪魔の科学者は自ら巨大化となって、堕天使や天使を倒し、

悪魔側の勝利も目前かと思ったのでしたが・・・・・」

 

『・・・・・?』

 

「悪魔の弱点を解消したわけではなく、あっさりミカエルに葬られました」

 

巨大に成りすぎて大きな的となっていることを最期まで気付かなかったようだった。

ネリネはあることに気付く。

 

「甘い匂いがしますね」

 

「あの花の蜜はとても濃厚な甘みが凝縮されていて上級貴族が食すデザートにも使われています。

リアスお嬢様もよく厨房からこっそりと持ち出し、隠れながら食べていたほどです」

 

「シ、シルヴィア!イッセーたちの前でそんなこと言わなくて良いの!」

 

顔を真っ赤にして抗議するリアスの反応を本当なんだと悟った一誠たち。

 

「その蜜とサーゼクスお兄さん、どっちが好きだとか比べたこともある?」

 

「ええ、その時のご反応をどう思いますか?」

 

「甘い蜜の方じゃないか?」

 

一誠の答えにシルヴィアは口元を緩ます。

 

「いえ、両方が好きだと我がままな答えを仰いました」

 

「はははっ!かわいーやつめ!」

 

「ううう・・・・・っ」

 

恥ずかしい過去を曝され、リアスの顔は耳まで真っ赤になり羞恥心で涙目になる。

 

「一誠さまも似たようなことを仰りましたが?」

 

「え?どんなとき?」

 

「誠さまと一香さま、どちらが好きかと質問をされた時です。その時の一誠さまどっちも

好きだと言いました」

 

「そんな時があったんだ。でも」

 

一誠は真っ直ぐリーラの顔を見詰めた。白磁の肌に琥珀の瞳、

幻想的な銀色の髪のメイドに真っ直ぐ言ったのだ。

 

「家族としてはハッキリとそう言うけど、異性としては何時も傍にいてくれた

リーラが一番好きだよ」

 

「――――――」

 

突然の告白に冷静沈着なリーラは目を丸くした。このタイミングでそう言われるとは心底驚き、

同時に告白されたのを理解し、瞳が潤い始め胸が熱くなってくる。

 

「そのお言葉は・・・・・誠ですか・・・・・?」

 

「うん、ヤハウェさんに誓って偽りじゃない」

 

「・・・・・メイドと主が愛し合うことができるなんて・・・・・」

 

「シルヴィアさんとサーゼクスお兄さんのように幸せになろう?愛しているリーラ」

 

「・・・・・はいっ。我が主、兵藤一誠さま―――」

 

どちらからでもなく、二人は顔を寄せ合い唇を重ねた時だった。周囲の花畑に異変が起きる。

草色の広大な土地が一斉に花を咲かせてまるで二人を祝福するかのような甘い香りも漂い始めた。

 

「うー!イッセーくんが取られちゃった!」

 

「いえ、まだです。私は諦めませんよ!」

 

「YES!その通りデース!」

 

「嫉妬の前にまず祝福したらどうなんだ?」

 

「こんな時こそ祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)の出番なのに持ってきてないよー!」

 

「素敵・・・・・」

 

「あれが愛と言う奴なのか・・・・・」

 

突然の告白シーンに様々な反応だが間違いなく祝福されている。

二人の幸せな時間と人生はこれから始まり、終わりが来るまで永遠に連れ添うだろう。

 

「・・・・・まさか、再現されるとは思いもしませんでした」

 

同じく祝福をするシルヴィアも脳裏に―――。

 

『私と結婚をしてくれないかシルヴィア』

 

サーゼクスにこの場で告白をされ自分が受けた時、一斉に咲いた花々に祝福された。

これこそ一誠たちが求めていたラヴ・フラワーなのであった。

 

「・・・・・私はあの赤い髪に恋し、彼もまた赤い髪の持ち主・・・・・どこか、

私たちに似ていますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

『あらあら!告白されちゃったの!?よかったわねーリーラ!』

 

『はっはっはっ!何時かこうなると俺は信じていて待っていたぜ!リーラ、幸せになれよ?』

 

「誠さま、私と一誠さまはまだそこまでは・・・・・」

 

『なーに言ってんだ?お前とリーラは同じ存在(・・・・)なんだ。

永遠に近い生の中で生きるんだからもう結婚したのも当然だ。

どこかでこっそりと結婚式でも挙げるか!』

 

『このこと、他の皆に知らせないと!あー、孫の顔が早くみたいわぁっ!』

 

「い、一香さま・・・・・っ!」

 

 

 

 

「・・・・・残念ですが、リアスお嬢様ではなくリーラさまをお選びになられました」

 

「そうか、リアスを選んでくれなかったか。いや、まだまだチャンスはある。

ハーレムと言う概念が存在する限り彼はリアスも受け入れてくれるだろう。

それにしてもあの場で告白か・・・・・私たちと同じだねシルヴィ?」

 

「はい・・・・・サーゼクス」

 

「後はグレイフィアも良き伴侶が見つかればキミも安心できるだろう?」

 

「それはそうですが・・・・・中々見つかりませんよ」

 

「ふふっ。それはどうかな?案外身近にいるかもしれないよ?」


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