三好夏凜は勇者である   作:シャリ

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 この話は、できれば『最終話:貴方と微笑む』を読んだ後に読んで下さい。


EX:その後の世界設定とオマケ話

【神樹】

 西暦2015年8月1日に突如として誕生。人類にエネルギーを提供している。バーテックスが存在した未来と違い、壁を作ったり食べ物を精製したり勇者システムに力を提供したりしていない分、大量のエネルギーを放出している。これにより世界のエネルギー問題は解決。今の世界では、謎のエネルギー発生体として扱われており、信仰している者は一人として居ない。

 第二、第三の天照が出現しないように人類の技術進歩を完全に止めている。

【その後の世界】

 2015年を境に技術進歩が止まってしまっているため、2317年現在でも世界の文化レベルは特に変化していない。

 

【三好夏凜】

 両親から「もう中学生になるんだから」と、讃州中学校に入学する一週間前(3月31日)から一人暮らしをすることが決まっている。出来の良い長男だけを手元に置いておきたい、という両親の思惑は分かっていたので文句を言うこともなく了承した。実家に戻る気が起きにくいように、というわけなのか引越した後の経済的支援は充分されている。

 兄妹仲は良好。兄は兄であり、私は私だから違うのは当たり前だと考えているのでコンプレックスは持っていない。

 何かを忘れている気がしている。 

 

【結城友奈】

 友達は多い方だが、深く関わりたいと思える相手は夏凜に逢うまではいなかった。

 何かを忘れている気がしている。

 

【犬吠埼風】

 両親、妹と一軒家に住んでいる。両親に、次の誕生日には室内犬を買って貰う約束をさせた。

 

【犬吠埼樹】

 アイドルという職業に興味を持っている。水族館で購入した、まりもの大きなヌイグルミがお気に入り。

 

【鷲尾須美】

 三ノ輪銀、乃木園子の二人とよく一緒に出かけたり遊んだりして過ごしている。三人で過ごす日々を決して忘れないように、日記を毎日欠かさずに書いている。

 

【乃木園子】

 三ノ輪銀、鷲尾須美の二人とよく一緒に出かけたり遊んだりして過ごしている。三人で居たい、という想いが三人の中で一番強い。

 須美と銀が恋愛する小説を書いているのを本人達に言っているが、園子と銀、園子と須美、園子と須美と銀、で恋愛する小説を書いていることは公言していない。

 

【三ノ輪銀】

 鷲尾須美、乃木園子の二人とよく一緒に出かけたり遊んだりして過ごしている。

 

 

  ◇ ◇ ◇

 

 

【西暦2015年7月30日:島根県:某場所:某時刻の話】

 

 島根県のとある地域に、修学旅行で香川から来た小学生六年生の子供たちがいた。昼食の時間が終わって、自由散策の時間に子供たちは地域内を歩き回っている。

 

 自由散策の時間が終わり際になる頃、一人で空を見上げる少女がいた。

 名は、上里ひなた。彼女は周りの景色を見るわけでもなく、ただ空を見ていた。

 

 そんな彼女に一人の少女が近寄って声をかける。

 

「ひなた」

 

 声をかけたのは乃木若葉、ひなたの幼馴染。

 

「もうすぐ集合時間だ。今から移動しないと遅刻するかもしれない」

 

 催促に対して、ひなたからの返事はない。若葉はひなたの隣に立ち、空を見上げた。空は雲一つ無く、見ているだけで気持ち良くなるような青空が広がっているだけで眺めるようなものはない。若葉は空からひなたに視線を移して問いかける。

 

「さっきから一体、なにを見ている?」

宇宙(そら)を見ているのですよ」

「空を?」

 

 再び空を見上げる。やはりなにも無い。

 若葉が不思議に思っていると、ひなたが空を見上げるのを止めて若葉の方を向いた。ひなたの表情は若葉があまり見たことのない程に真剣だった。

 

「若葉ちゃん」

「どうした?」

 

 若葉は時間のことは一旦置いて、ひなたの言葉を聴くことにした。

 

「私たちが生きている世界が今しがた誰かに救われたのだとしたら、平和を与えられたのだとしたらどうしますか?」

 

 どういう意図があるのか読めない質問。しかし、若葉はさほど悩むこともなくひなたに答えた。

 

「私たちの平和が誰かによるものならば、その誰かの行為が無駄にならないように私たちが平和を保ち続ける努力をするべきだろうな」

「……そうですね」

 

 ひなたの表情が先程までと違い、柔らかいものとなる。ひなたは少しの間だけ目を伏せた後に、若葉が最初にした促しに答える。

 

「それでは行きましょう。若葉ちゃんの言う通り、このままだと遅刻してしまいますから」

「あぁ、そうだな」

 

 話を終えた二人は、学校のみんなが集まる場所に歩き出した。

 

 

 オマケ話、終わり。

 


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