【9月26日:夕方:夏凜宅】
「友奈はなにか食べたいものある?」
台所からリビングで本を読みながらくつろいでいる友奈に向かって、作ってほしい夕食の献立を聞く。
「私はなんでもいいよー」
なんでもいいって、結構困るのよね。冷蔵庫に残っているものはっと……微妙ね。友奈が食べたいものが作れないなら今からでも買い出しに行って良かったけれど、なんでもいいってことだし。暑いしざるうどんでいっか。簡単に作れるし味がわからない友奈でも、うどんの喉越しや冷たさは感じれるから丁度良い。
「なら、ざるうどんにするわよー」
「わかったー」
バーテックスの生き残りであった双子座の襲撃からもう三週間以上に経つ。あれから大赦にメールで報告すると共に生き残りは他にいないのかという疑問も送りつけた。しばらくして返ってきた返事は『現在調査中。しかし現時点で他の生き残りは確認されていない』とのことだった。早い話がなにもわかっていないのが現実。
友奈たちの身体機能の方も相変わらずで、どうなっているのか聞いたところで答えは調査中、調査中、調査中……どう調査はすすんでいるっていうのよ。
あれから今日までは生き残りの確認されることも無く、一応こうして平穏に過ごすことはできている。このまま勇者システムなんて持ち続ける必要がなくなって友奈たちの体が元の状態に戻ってくれるのが一番の理想だけど……それはいつになるのかな。
ネギを小口切りしている途中、置いていたスマホから、もうしばらくの間は聴くことのないと思っていた警報が鳴る。手に持っていた包丁を置き、慌ててスマホを手に取る。
「樹海化警報!? 大赦から予想時期もなにも来ていなかったのに!」
友奈がリビングから私のそばに駆け寄ってきた。
「どうしよう夏凜ちゃん!?」
突然の事態に彼女も動揺しているらしい。
「とにかく樹海化が終わってから敵の確認をするわよ!」
「そ、そうだね!」
現実世界から見た目は美しい樹海化世界へと切り替わってすぐに私たちはNARUKOを起動。画面には既に倒したいたはずの乙女座、蠍座、射手座、蟹座、魚座の五体と……合体する前の状態の獅子座の名前と位置が表示されていた。
「どうなっているのよ……!」
前回の双子座ならまだ分かった。二体いたところで『まぁ双子座だしね』でなんとなく納得も理解もできる。でもこいつらがまた出現しているのは明らかにおかしい、不自然よ。
「違う、考えるべき点はそこじゃない」
今は理由や原因を考えていても仕方ない。出現してしまった以上は倒すしかない。そうじゃないと私たちと全人類は滅ぶことになる。けれど、この数にこの面子はかなりまずい。どう考えても『誰かが絶対に満開を使う必要』がある。
前回の戦いで合体した獅子座を倒すのに使用された満回数は四回だった。攻撃を受け止めた風、友奈を御霊の元へと運んだ東郷、御霊を破壊した友奈、そしてその二人を受け止めた樹。また合体を許してしまったら同じ数、あるいはそれ以上の満開が必要になるかもしれない。
それを防ぐ方法としては合体するより早くに獅子座、もしくは獅子座以外の全てのバーテックスを倒さなければいけない。
でも、どちらも簡単なことではない。封印の儀でのんびり封印をしていたら、その間に封印の儀にかかっていないバーテックスと獅子座が合体してしまうだろう。かといって纏めて五体封印の儀にかけるなんてのは流石に不可能に思える。上手くいったとしてもせいぜい二体から三体が限界ね。それに封印の儀を完遂するまでに他のバーテックスからの邪魔も入ることを考えると、他の五体を無視していきなり獅子座を封印の儀で倒そうとすることは厳しい。
それらのことを考慮した場合、満開を使用してすばやく五体を倒すか、獅子座を倒すしかないということになる。
結局、合体しようがしまいが満開自体は必要。それだったら必要数が少ない方に使う方が良い。上手くいけば……満開をするのは私だけで済む。
結論を出して、覚悟も決めた。スマホを見たまま固まっている友奈に近づいて声をかける。
「友奈っ」
声を聞いたことで顔を私に向ける。じっと見つめてから目線を少し下げて複雑そうな表情をしながら言う。
「……夏凜ちゃん。使うの?」
どうやら私の左腕にある満開ゲージに目を向けていたらしい。
「ええ。みんなを守るためにね」
「そっか……」
彼女は少しの間だけ目を伏せて、目を開くと真剣な顔つきになる。
「うん、わかった。なら私もせいいっぱい頑張る」
なんにせよまずは風たちに合流をする必要がある。NARUKOの位置情報によると今は風と樹、東郷、私と友奈で別れている状態。マップをタッチして共有リンク設定のマーカーをセット。風と東郷にマップに表示されているマーカー地点で合流することをメッセージで伝えてから移動。
移動すると、私たちより先に東郷、風、樹がそこにいた。
「私たちが一番遅かったみたいね、遅くなってゴメン」
私がみんなにそう言うと風が「別にいい」と元気のない声で言ってきただけだった。
「風先輩どうしたんですか? それにみんなも」
友奈が心配そうに言う。風と東郷が答える。
「そりゃこの状況じゃね……」
「生き残りは確認されていなかった。なのにバーテックスが出現したのよ。しかも倒したはずのバーテックスたちが揃いもそろって」
やっぱりこの状況に堪えているようね。私は一歩前に出る。
「確かに現状は気になる点や薄気味悪い不安があるわ。でも、今は戦うしかないし悩んでる時間だってない。早く獅子座を倒さないと」
風と東郷はしばらく黙り込んだ後に「それもそうね」と言ってくれた。思ってたよりは気持ちは落ち込んでいない? とか考えてしまいそうになるがそういうことではないのだろう。
多分、一番の要因は樹ね。風は妹を、東郷は年下の後輩に心配させまいと思って前を向いている。その一番年下の樹もなるべく怯えや不安を顔を出さないようにしていることが分かる。
みんなに迷惑をかけたくないから心配させたくないからってところかしら。強い子ね。
いつ獅子座が合体するか分からない故に時間が惜しく、これから行う戦闘の流れを素早く纏めた。配置としては私と残り四人で二手に別れておく。最初に東郷が獅子座を除いた五体に狙撃して誘き出す。
バーテックスが接近してきて最初のあった距離が半分切ったタイミングで、離れた位置にいた私が満開して飛行。一気に海を越えて壁の上空付近に浮遊している獅子座に迫って戦闘を行う。
私が片をつけるまでの間、東郷たちにはそのまま五体と戦って引きつけてもらう。獅子座を始末した後は合流してからは、引きつけという時間稼ぎではなく本格的に攻めて封印していく。
五体いる、とは言っても既に戦った相手だ。相手の攻撃方法に関しても分かりきっているので、個々の対処は難しいことではないはず。合体した獅子座みたいに、満開が必須と言えるような個体は五体の中には存在しない。とにかく獅子座さえ倒してしまえば私たちの勝ちと言える。
仮に五体を攻撃した後に、獅子座も一緒にやってきたしてももさほど問題はない。その時は派手に動き回ってもらい、みんなが注目を集めている隙に獅子座の後ろで飛びあがって満開をする。背後から奇襲を行い、反撃される前に次々と攻撃を加えて片づけるつもりだ。
私が満開を使用することに関して風と東郷は、「理解はできても納得はしきれない」といった感じだったが、良い代案がないことと私がすでに覚悟し終えていることで承知させた。
◇ ◇ ◇
「友奈たちも配置についたようね」
マップを見て呟く。画面上の私、バーテックス、友奈たちで線を繋げれば三角形(バーテックスが△の上の頂点に当たる)が浮かび上がる配置になっている。バーテックスの方を眺めていると、そちらに向かって青い閃光が飛んでいった。東郷の射撃によるものだろう。
それが何度も飛んでいく。マップを見ると、五体のバーテックスは移動を開始していた。獅子座は前回の総力戦の時のように動かないで様子見といったところか。私も今は動かずに画面を眺めておく。
……東郷たちと五体の距離が半分切った!
「前みたいに、満開できないなんて無様なマネはしない」
使用すれば必ず友奈たちのようになるのなら、満開は恐ろしいものかもしれない。でも、今はそれが必要なの。その必要なことができないことの方がよっぽど恐怖を感じる。
だからもう、満開を使うことを躊躇ったりしない。
恐怖を感じることなんてしない。
「私は戦う。私は戦える!」
私の戦う意志に応えるように光が私を包み込む。だが、それは一瞬のことで次の瞬間には私の周りには皐月躑躅の花びらが舞っていた。
衣装を見るといつもの赤い勇者服から巫女服のような基調色が白いものに変化していた。首をまわして後ろを見ると四本の巨大な腕がついており、それぞれの巨腕は同じく巨大な大太刀を握っていた。そして変わったのは見た目だけじゃない。力が増しているのを体で感じる。この力があればきっと戦いに勝利する。
体をゆっくりと浮かせる。そこから一気に加速して海面スレスレの高さを飛行する。獅子座に気づかれるのはできる限り遅い方が都合が良いからだ。
目視で全体像をハッキリ確認できる位の距離まできたところで獅子座が光弾を生み出す。流石に気付かれたらしい。
獅子座が完成させた光弾を撃ってきた。避けること事態は簡単。けれど避けてしまったら、光弾はそのまま飛んでいき樹海に着弾して現実世界に悪影響を及ぼすことになる。かといって風のように受け止めていたら満開が解除される可能性がある。打ち消すしかない。
右側にある二本の巨腕を同時に右から左へと海面と平行に振るい、まるでレーザーのような長距離光波剣を生み出す。それの一薙ぎで光弾が爆散。
「次はこっちの番よ」
更に接近。敵は次の光弾を作成にかかっていたが、勢いそのままに光弾ごと胴体を斬る。
満開で生み出された四刀によるダメージは、流石にすぐには再生できないらしく敵の動きが鈍る。好機とばかりに反転して再び斬る。そしてトドメとばかりに上から下まで一度に斬り落とし、内蔵していた御霊を破壊。無事に獅子座を消滅させた。
「次はあっちの五体!」
まだ満開は解除されていない。あとどれくらい持つのか分からないが使える力は使える内に使うべき。友奈たちのもとへと飛行を開始。スマホを見ると乙女座は封印して倒したようで残り四体となっている。
途中で満開が解除されることも無く友奈たちの元へとやってこれた。叫んで注意する。
「巻き込まれないように気をつけなさいよ!」
獅子座の光弾を打ち消した時とは逆側、左側にある巨腕による光波剣を森の上空にいた蠍座と蟹座に向かって振るう。
蠍座は上下真っ二つになって消滅、蟹座も同じように──はいかなった。
蟹座は操っている六枚のシールドを重ねて光波剣を受け止めたのだ。シールドを四枚破壊したところで光波剣が消失。この光波剣は右側と左側で一回ずつしか使えないのでもう放つことはできない。
そこでシールドが残り二枚となり隙だらけの蟹座を森から飛び出した友奈と風が攻撃して撃墜。その光景を私が見ていたら、地面から魚座が飛び出して私の背後を取る。
魚座の体当たりを私は体を捻らせるように飛んで回避。
「遅い!」
魚座が地面に潜るより早く、地面付近へと飛行して先回り。重力のまま落下してくる魚座に狙いを定めて飛び、下から上へと文字通り四枚におろす。御霊が破壊されたことにより魚座も消滅。
「魚料理はまだ得意じゃないけれど、なんとかなるものね」
自分の右側面から殺気を感じてそちらに目をやると、射手座が光の矢を百を優に超えるほど無数に飛ばしてきていた。とっさにこちらも大量の小刀を飛ばす。矢と小刀がぶつかりあい、私と射手座の間で大規模の爆発が起こる。
爆炎で相手が見えなくなるが、それは相手の方も同じはず。満開維持時間がそろそろ限界なのを体で感じていることもあり、意を決して突撃する。
爆炎を突きぬけて反応が間に合っていない射手座の御霊がある場所を巨腕が持つ四つの大太刀と私が手に持つ二つの刀、計六本で貫く。貫くと同時に満開が解除されてしまい落下。
落ちながらも射手座を見ると、光の粒子と化して消滅していくのを確認できた。
空中で体勢を立て直してしっかりと脚から着地。
「私は右手ね……」
先程から右腕の感覚がない。それに東郷が移動する時に脚代わりとして使用しているような白い蔦が右腕全体に巻きついていた。これを利用して右腕を動かせということなのだろう。
これで、満開を使用すると必ず後遺症が発生することがハッキリした。スマホを取り出して左手で操作する。見ると友奈たちも撃墜した蟹座を封印したらしくバーテックスの反応は全て消えていた。
◇ ◇ ◇
樹海化が解除されたことで私たちは学校の屋上へと転移された。風がみんなに言う。
「えと、みんなお疲れー……」
尻すぼみに声から元気がなくなっている。東郷が下を向いて口から不満を漏らす。
「大赦はなにをやっていたの……。生き残りは確認できていない、なんて言っていたのに六体もの敵が現れた。本当に信託は出ていなかったのかしら……」
大赦への不信感。別に東郷だけじゃない、私を含めた全員がそれを持っている。しかし真実なんて誰にも分からない。
「いずれにせよ大赦に報告となんで倒したはずのバーテックスが出現したのか聞くしかないわね」
例え不信感があっても他に聞ける相手がいないのは事実。他に選択肢はない。
「夏凜ちゃん!」
突然、私の名前を言った友奈が私に近づいてきて両肩に手を置く。
「体は大丈夫なの!? どこか痛くない!?」
友奈の言葉にハッとしたように暗くなっていた風たちも私の方を見る。私は落ち着かせるようになるべく優しい声色で応える。
「大したことないわ。右腕が動かせなくなっただけだから」
「そんな……」
私の答えで友奈は悲しみ、東郷は「やはりそうなのね」と呟き、樹は目を伏せた。風が私に謝ってくる。
「ごめん」
「なんであんたが謝るのよ」
「リーダーである私が満開は使わなくて良い作戦を思いつけばこんなことには……」
「他に方法はなかったし考える時間もなかった。それに私が自分で決めたことだし風は悪くない。だから謝らないで」
「ならせめてお礼くらいを言わせなさいよ。……ありがとう」
「まぁ、それならいいけど」
調子を取り戻した風がニヤついた顔で言ってきた。
「それはそうと、似合ってるじゃないそれ」
「は? ……あっ」
自分の体を見なおすと制服の上に、お座りしている黒猫がプリントされた薄茶色のエプロン(友奈チョイス)を付けている格好。そういえばネギを切っている途中だったわねー。
【同日:夏凜宅】
私が右腕を動かせなくなったので夕食は友奈が用意してくれることになった。友奈が用意している間、私は変身して右腕を動かす練習をしていた。東郷のように補助機能が追加されたことで、それを使って右腕が動かすことができる。
腕の感覚がないのに動かす感覚はあるという不思議な状態だが動かすことに問題はなかった。この様子なら戦いに支障は出ないだろう。そして食事に移る。
「あーんってしてあげよっか?」
「必要ない」
勇者姿なら右腕が扱える。誰かに見られることのない家の中なら変身した状態で過ごせる。つまり食事等もこうして変身していれば問題ない。傍からから見ると若干間抜けな光景かもしれないが。
「今はいいけど、戦いが終わって勇者システムがなくなったらどうするの?」
「む、それもそうね。今のうちから左手でなんでもできるようにしないとね」
ん? 自然にやり取りしたけど今のって『戦いが終わっても体の異常は治らない』って意味になるような。……いや、戦いが終わるよりも回復が遅いだけとも言えるか。
「ねぇ、友奈は戦いが終わってみんなの体も元に戻ったらなにをしたい?」
「うーん、どうしようかなー。すぐには思いつかないや。夏凜ちゃんはなにかあるの?」
「私は──」
◇ ◇ ◇
翌日の9月27日。昼休みに入ってすぐ、東郷が食事も取らずに一人で教室を出て行ったので私は気になって追いかけた(友奈は日直で教材運びする必要があったので私だけで追いかけた)。朝もあまり元気がなかっただけに余計気がかりだ。やがて屋上へとたどり着く(バリアフリー化しているので車イスに乗っていても一人で屋上に来れる)。
町を眺めていた東郷に声をかける。
「こんなところでなにしてるの?」
「ちょっとした考え事よ」
そう答えて私の方へと車イスを動かして向かい合う。
「バーテックスのこと? 私たちなら問題ないわ。今回だって六体も倒せたんだし次があってもあんな奴ら──」
「次も勝てるとは限らないわ」
話している途中で割り込まれた。
「昨日、一緒にいた友奈ちゃんから聞いてないの?」
「なんの話よ?」
思い当たることは無い。
「昨日私たちが戦闘した一度倒したはずのバーテックス。どの個体も以前に比べて強くなっていたのよ」
「その話……ほんと?」
「ほんとよ。耐久力、攻撃の精度は明らかに前回の個体よりも向上していた。夏凜ちゃんが戦ったことのなかった射手座に関しても、一度に放つ矢の量が増えていたの。乙女座も砲撃の連射速度が向上していたわ」
東郷は両腕で自分の両肩を抱く。
「次に出現するバーテックスも同じように強くなっていると思うの。だから、もしかしすると次で私たちは──」
「大丈夫」
屈んで東郷の右肩に左手で触れる。
「例え強くなっている敵が現れても、私たち勇者部なら勝てる。絶対にそう」
「凄い自信ね」
「まぁね。でも五箇条にもあるでしょ。なせば大抵なんとかなるって。勝てるって信じればなんとかなるわよ。負ける、なんて考えていたら勝てるものも勝てなくなるってやつよ」
「……そうね。なら私も信じてみるとするわ。自分と夏凜ちゃんたちなら大丈夫って」
そこでお互いに黙ってしまったので、話題として昨日友奈に聞いたことを東郷にも聞いてみる。
「ねぇ、戦いが終わってみんなの体も元に戻ったらなにをしたい?」
「全てが終わったら自分が失った大切なものを見つけたい。そして、できることなら取り戻したい」
急な質問だったのにも関わらず、ハッキリと答えてきた。
「大切なものって?」
「夏凜ちゃんたちとは別に、誰かと過ごしていたような気が時々するの。親に聞いても答えてくれなかったけど、私が失った記憶の中にその人は居ると思う。きっとその人が……」
そこまで言うと自分のリボンにそっと触れる。
「夏凜ちゃんはどうしたいの?」
「私はこれからみんなと勇者部として過ごしていければ充分よ。お役目とかじゃなくて本当にただの部活を一緒にして、みんなと卒業まで楽しんでいきたいって今なら素直に言えるわ」
「夏凜ちゃんは勇者部のことが好きなのね」
「ええ。だからもちろん東郷のことも好きよ」
「あら、それは嬉しい言葉ね」
この日、大赦から前日に現れたバーテックスの謎に対する返答が来た。大赦によると、双子座の固有能力でバーテックス達のバックアップが一体ずつ作られていたとのことらしい。仮にそれが本当だとすると、今回の六体と前回の一体、合わせて七体を倒したから残るは──五体。
友奈は味覚を失っていますが、夏凜は料理をなるべく美味しく作れるように努力しています。
いつでも友奈の味覚が戻っても良いようにってことです。それと、味以外にも匂いや歯ごたえといった違いは料理によってあるので「なに食べたい?」と聞く意味は一応あります。