100万Gの男が鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮を執り、借金の返済をします。 作:Z/Xプレイヤー26
100万Gの男、陸軍について話す。
熱海から戻ってきたクロウ達が見たものは、鎮守府に陸軍の視察が来ると言う大本営からの通達だった。
「陸軍の視察?今時になって、何で陸軍が来るんだ?」
クロウの疑問に、加賀が答えた。
「どうやら、陸軍も深海棲艦に対抗する為に、艦娘を建造しているらしいわ…だから、少しでも艦娘の情報が欲しいんじゃないかしら?」
「陸軍なのに、艦娘を?無理に建造して、下手をすると面倒だと思うが…」
クロウの言葉に、加賀が溜め息を吐いた。
「ええ…まさにその通りなんだけれど、陸の人間も面目を保つ為にやっているのよ…下らないプライドの為に…」
「…その辺りはどこの世界も一緒だな。お偉方は体面を重んじると言うか…何と言うか…」
「情報が必要なら、青葉が提供しますよ!!」
提督室に置いてあったダンボールから青葉が出てくる。
「ん?ああ、情報があるなら教えてくれ」
「えっ?スルーですか?青葉の登場のしかたはスルーですか?青葉…ショックです…」
クロウにスルーされて、若干落ち込む青葉。
「多分、馴れてきたんじゃないかしら?貴女の莫迦な行動に…」
「そうですか…まぁ、良いです…えっとですね?陸軍が開発しているのは、揚陸艇の艦娘と、『一応』潜水艦の艦娘ですね」
「言い方に含みがあるな?その一応ってのは?」
クロウは青葉の言い方に不信感を覚え、質問した。
「はい、それがですね…潜水艦なのにですね…潜るのが不得意らしいです…まだ確かな情報ではありませんけどね…」
「最早潜水艦として怪しいわね…本当に無理に建造して、下手をしているわ」
呆れた表情の加賀に対して、クロウは何かを考えている様だ。
「下手をしてでも…やるべき事だったのかもな?例えば…陸戦の深海棲艦でも出てきたとかな…」
「それは無いわよ…陸戦の深海棲艦だったら、艦娘なんて要らないわ。寧ろ邪魔ね」
加賀はクロウの発言をバッサリと切り捨てた。
「ま、そうだよな…だがよ?陸戦の敵が出てきたら…打つ手は無いよな…艤装を展開出来るのは海上のみだろ?『水上』じゃなくて『海上』だからな…島で木曾達に追われた時も、艤装は外していた…武器が使えなければ、何も出来ないだろ?」
「そうね…陸の戦力…確かに必要かもしれないわね」
「んで?加賀さん…陸軍の視察は何時来るんだ?書いてあるよな?」
クロウが確認を促すと、加賀が書類を確認した。
「来週の金曜日ね…丁度カレーの日ね…」
「相変わらず、食べ物で覚えてるんだな…ま、良いけどよ…んじゃ、陸軍さんに恥ずかしく無いように、しっかりと働くとするか!!」
陸軍の視察に備えて、クロウ達は準備を始めた。