100万Gの男が鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮を執り、借金の返済をします。   作:Z/Xプレイヤー26

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旅館偏…その1

光子力研究所に着くのは何時になるのか…


100万Gの男、部屋割りに悩む。

クロウ達は旅館で休息を取る事になった。…そして、クロウに問題が発生した。

 

「部屋割り…どうすんの?」

 

鈴谷の発言により、その問題が浮き彫りになった。

 

「え?俺は一人部屋じゃねぇのか?」

 

「一人部屋は空いてないんだってさ~!!」

 

「マジかよ…少し出費が増えるが…二人部屋を取るか…」

 

このクロウの言葉を聞き逃す筈もなく…

 

「貴方…借金があるのに、出費が増えても良いの?………私達の部屋に来なさい…構わないわ…」

 

「俺が構うわ!!女と相部屋とか、俺を殺す気か!?」

 

「そうですわね…確かに、加賀さんの部屋のメンバーは、青葉さん、菊月さん…加賀さん…ですものね…何かしらの悪戯はされる可能性が高いですわね…」

 

熊野が青葉に視線を向けると、青葉は視線を逸らした…

 

「じゃあさ?クロウっち!!鈴谷達の部屋に来なよ!!悪戯とかしないからさぁ!!」

 

「話を聞いてたか!?俺は女と相部屋が無理なんだよ!!それに、お前が一番悪戯してきそうだが!?」

 

因みに、鈴谷の部屋のメンバーは、鈴谷、熊野、大和の3人である。

 

「あ、でも、メロンちゃんと明石っちももうすぐ着くらしいから、四人部屋2つの時点で、クロウっち無理じゃん…」

 

「おっ、夕張と明石が来るのか…意外と遅かったな…」

 

「仕方がありませんよ…リニアは停止していますし…時間はかかりますよ…」

 

大和の言った通り、あの一件以降、リニアは運行を停止している。一人部屋が空いていないのも、足止めをくらった人が多い為である。

 

クロウが悩んでいると、不意にクロウに声がかかる。

 

「お前、クロウだよな?こんな所でリニアを止めた犯人が何をしてるんだ?」

 

クロウが声の主に振り返ると、そこに居たのは、この世界に来て、最初に出会った艦娘、木曾であった。

 

「木曾!?お前こそ…何でここに?」

 

「ああ!?お前が止めたリニアのせいだよ!!ったく…日帰り旅行のつもりだったのによ…姉妹全員で宿泊とか…旅館の人に迷惑だから、嫌なんだよ…」

 

ため息を吐く木曾…その姿を見て、クロウは…

 

「なぁ…やっぱりお前も入らないか?」

 

「前にも言ったが、俺は絶対に『貧乏クジ同盟』なんて入らないぞ!!」

 

そう、クロウは前々から木曾を『貧乏クジ同盟』に誘っているのである。

 

「でもよ…?お前、才能あるぜ?」

 

「嬉しくねぇよ!!何なんだよ…姉達が少し残念だからって…」

 

そのまま話し続けるクロウと木曾を見て、加賀と大和は何とも言えない感覚に陥った。

 

(話には聞いていたけれど…駄目男…クロウ提督が最初に出会った艦娘…木曾…話し…楽しそうね…)

 

(あんなに楽しそうに話すクロウ提督…初めて見ました…私では、あんな表情…)

 

そんな切ない感覚を他所に、クロウと木曾の話しは進んでいく。

 

「いやいや…お前の姉はちょっとってレベルじゃ無いだろ…近親の同性愛…あとは、熊と猫だろ?な?ちょっとってレベルじゃ無いよな…?」

 

「言い返せないのがムカつく…それより、何かあったのか?部屋がどうの言ってたみたいだが…」

 

木曾の言葉に、クロウは思い出したかのように話す。

 

「そうなんだよ…一人部屋が空いて無くてな…俺が泊まれないんだよ…」

 

「そうなのか?なら、俺の部屋に来るか?実は、球磨姉と、多摩姉が何故か二人部屋を取っちまってな…北上姉と、大井姉は言わずもがな…で、二人部屋しか空いて無いから、俺の部屋が空いてるって訳だ…あ、勿論部屋代は半額貰うぜ?」

 

木曾の提案に、クロウは戸惑った。

 

「そいつはありがたいが…」

 

「分かってるよ…女嫌いだろ?なるべく距離を取って寝るようにすれば良いだろ?それに、野宿は流石に嫌だろ?探せば他にもホテルや、旅館はあるかも知れないが、大抵はもう満室だろうな…リニアが止まってるしな…なぁ?」

 

誰かのせいで…と言わんばかりの態度である。

 

「まぁ、無理にとは言わねぇよ…お前も提督になったんだ。自分の艦娘と話し合って決めれば良い。だろ?」

 

木曾が加賀達に視線を向ける。

 

「そうだな…だが、どのみち部屋が空いていない以上、新しく部屋を取るしか無いわけだが…」

 

「………そうね…木曾の厚意に甘えても良いんじゃないかしら?」

 

加賀が木曾の提案に賛同した。

 

「そう、ですね…私達がリニアを止めてしまったのは事実ですし…その犯人が部屋を多く取って、他のお客さんが泊まれなくなるのも良くないですし…」

 

大和も同意をする。

 

「まぁ、加賀さんと大和さんが文句無いなら、鈴谷も構わないよ?」

 

「私も構わない…それに、私は早くお風呂に入りたいのでな…ふあぁぁ…」

 

他の艦娘達も、了承した。

 

(ここで変に意地を張っても無駄ね…)

 

(クロウ提督が野宿するよりはマシですよね…)

 

こうして、クロウは木曾の部屋に泊まる事になった。そして、その様子を見ている影が二つ…

 

「ふっふっふ…野性の勘が大当りクマ!!二人部屋にして正解だったクマ!!」

 

「面白い事になってきたにゃ!!」

 

二人部屋を取った主犯が…生暖かい眼差しで見ていた。




次回は温泉回かも知れないよ!!(笑)

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