100万Gの男が鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮を執り、借金の返済をします。   作:Z/Xプレイヤー26

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UAが30000を越えました!!ありがとうございます!!


100万Gの男、謎の組織と出会う。

クロウ達は光子力研究所へ向かうために、電車に乗った。しかし、クロウの想像していた電車とは、違う物だった。

 

「海以外は本当に平和なんだな…しかしリニアモーターで三時間か…遠いな…」

 

クロウの呟きに加賀は不思議そうな顔をした。

 

「遠い?まあ、確かに山に近い場所ね、熱海は…」

 

「やっぱり熱海なのか…だが、俺も熱海を重点的に調べたが、何も出て来なかったんだが…それと大和は席につくなり爆睡してるな…」

 

クロウの後ろの席では、大和が穏やかな寝息を立てて眠っていた。

 

「あはは…大和さんはずっと光子力研究所を調べてましたからね…あんまり寝てないんですよ。だから、今は寝かせてあげましょう」

 

「あら、意外ですわね?青葉さんがそんな事を仰るなんて…貴女なら寝顔の写真を大量に撮ると思っていましたわ」

 

「くまのんって結構酷いよね…人に対する評価って言うかさ…」

 

各々が談笑をする中、クロウの隣の席に座っている菊月はそわそわしている。

 

「どうした?トイレか?」

 

「ち、違う!!クロウ!!早く話をしてくれ!!」

 

「うわぁ…今ナチュラルにセクハラ発言したよ…」

 

クロウの冗談に怒る菊月と、クロウの発言につっこむ鈴谷。そしてクロウは一呼吸置いて、話を始める。

 

「そうだな…俺が戦いに身を投じる事になったのは、随分前なんだがな?仲間達と出会ったのはつい最近だな…」

 

「……仲間達?そう言えば、元の世界に戻りたい理由は、まだ返済してない借金と、その仲間達…だったわね?」

加賀の言葉にクロウは頷き、話を進める。

 

「そうだな。大切な仲間達だ、個性的な奴等も多くて退屈はしないしな」

 

「……仲間との絆が自分を強くするとでも言いたいのか?だとすれば、私は既に…」

 

「いや、それも勿論大事なんだが、やっぱ最後に頼れるのは自分の実力だ」

 

真面目な表情で話すクロウだったが、青葉が溜め息を吐く。

 

「なんと元も子も無いことを言うんですか…」

 

「自分の実力…しかし私は駆逐艦だ…やれる事には限度があるぞ」

 

菊月の疑問も最もだったが、クロウはそれに対して、ニヤリと笑った。

 

「自分の限界を決めつけるなよ…な?限界にぶつかったら、『それがどうした!!』ってな!」

「それが…どうした…?そんなに簡単に言える事では無いだろう!!」

 

「そうね…簡単に言える事では無いわね…皆が皆、貴方みたいに強い訳では無いのよ…?」

 

菊月と加賀はあまりクロウの言葉を受け入れられない様だった。

 

「それがどうした!!あはは!!良いじゃん!!超ポジティブ!!」

 

「暗いよりは良いとは思いますが…ですが、クロウさん?貴方も戦いに身を投じる人間…如何にその言葉を口にするのが難しいか…ご存じなのでしょう?」

 

「………そうだな、急ぎすぎたか…?何を焦ってるんだかな…俺は…」

 

(何か様子がいつもと違うわね…?やはり光子力研究所に誰かをつれて行くのが不安なのかしらね…)

 

「加賀さん?何か気付いたんですか?流石は本妻ですねぇ…青葉にも教えて下さいよ」ボソッ

 

「本妻…冗談は置いておくけれど、どうも私達を光子力研究所につれて行くのが乗り気では無さそうなのよ…」ボソッ

 

隣どうしに座っていた加賀と青葉が小声で話す。その時、リニアの車内放送が流れる。

 

《当リニアはジャックされました、次の駅には停まりません…乗客、乗員は全員あの世行き…かも知れないわねぇ?大人しくしていれば…命だけは助けてあげるわ…》

 

突然の車内放送に乗員達はパニックになる。

 

「何だ!?タチの悪い悪戯か!?」

 

「あの世行きって…テロか何か!?」

 

すぐに車内は大騒ぎなった。そして通路の扉が開き、獣の様な耳を頭に生やし、ゴーグルの様な物をつけた女兵士らしき人物が5人入ってくる。

 

「我々は《イディクス》の幹部、ヴェリニー様に仕える者だ!!大人しくすれば、命だけは助けてやる!!」

 

突然の事に、乗客は理解できていなかったが、艦娘…そしてクロウはすぐに動ける様にしていた。

 

「何だ?《イディクス》?聞いたことあるか?」ボソッ

 

「青葉は知りません…恐らく皆さん知らないですよね…?」ボソッ

 

小声で全員に確認を取るが、全員が知らないと答えた。

 

「に、してもだ…友好的な雰囲気では無さそうだぜ?どうする?」ボソッ

 

「そうね…大和、起きているのでしょう?」ボソッ

 

「はい…しかし…艤装を外した状態では、一般人よりも少し強い程度ですからね…」ボソッ

 

「日頃引きこもっているツケね…」ボソッ

 

艦娘達は落ち着いていた。正体が分からない以上、下手には手を出せないでいるが、好機があれば直ぐにでも状況を打開しに行ける程に。

 

(流石は艦娘…伊達に死線は潜ってねぇな…リニアは走行中、出入口はあの通路のみ、そしてここは車両の最後尾…あいつらを排除しちまえば少なくとも、ここの安全は確保出来る…だが、下手に動けば乗客を危険に晒す…どうするか…)

 

クロウが考えていると菊月がクロウに提案する。

 

「私が囮になろう。どうやら奴等は艦娘がどういう存在か知らないと様だからな…幼い見た目をしている私が囮になれば、気を惹ける…」ボソッ

 

「艦娘がどういう存在か知らない?その根拠は何だ?」ボソッ

 

クロウの質問に、青葉が答える。

 

「私達艦娘は、皆が同じ姿をしていますからね…青葉は何人もの青葉が居ますし、一度でも、別の『青葉』を見たことがあるなら、直ぐに青葉が艦娘の『青葉』だと気付いて、捕らえますよ…敵のリーダーが艦娘を知っていたとしても、あの三下は捕らえようとしない時点で、少なくとも、私達が艦娘だと言うことは分からないって事ですよ…」ボソッ

 

「成る程な…だがよ?菊月が囮になるにしてもだ、ここは車両の最後尾…短期決戦にはちとキツいぜ…長期戦になれば、乗客を危険に晒す事になっちまうしな…」ボソッ

 

「そうですわね…今も乗客はかなりの混乱状態。あまり時間をかけるのは得策ではありませんわね…」ボソッ

 

熊野が車内を見渡すと、確かに暴れている乗客は居ないが、冷静な判断が出来る状態では無さそうだった。

 

「クロウっち…どうしよう…とりあえず、正面の奴等だけでも倒す?正直、この距離なら2、3秒で倒せるよ?」ボソッ

 

「相手は銃を持ってるしな…それを奪えば、どうにかなるかもな?」ボソッ

 

「よっし!!決まりぃ!!気絶させて、銃を奪う!!んでもって、体勢を立てる!!文句は無いよね?」ボソッ

 

鈴谷が全員に目で確認を取ると、全員が頷いた。

 

「じゃあ、菊月…囮はお願いね?」ボソッ

 

「ああ、任せてもらおう…」ボソッ

 

そう言って、菊月は敵の正面に出ていった。

 

「そこの子供!!止まれ!!大人しく席に座ってろ!!」

 

敵が菊月に対して、銃口を向ける…しかし菊月は…

 

「うぅ…あの、その…おトイレ…行きたい…」

 

クロウ&艦娘「ぶっはっ!?」

 

「そこのお前達!!静かにしろ!」

 

「サ、サーセン…」

 

咄嗟に謝るクロウ…しかし頭の中では…

 

(え?何だ?囮って…これか!?………そう言えば、刹那もか弱い少年のふりをしていたが…確かに奴等は菊月に気を取られている…呆れる程有効な囮だぜ!!)

 

菊月の囮に関心していた。そして青葉は…

 

(今の菊月さんのセリフ…しっかりと録音させて貰いました!!因みにビデオも…ふっふっふ…)

 

軽く犯罪をしていた。

 

「菊月の恥じらう姿をもっと見ていたいけど…今しか無いよね!!ナイス菊月!!」

 

敵が気を取られている瞬間に、鈴谷が飛び出した。

 

「なっ!?クソッ!!」

 

鈴谷気付き、慌てて銃口を向けるが…

 

「食らえ!!鈴谷必殺の…甲板ニーソキック!!」

 

素早い鈴谷の蹴りが、敵を一網打尽にする。

 

「完全勝利!!さて!!クロウっち、こいつら縛らないとね~!!」

 

こうしてクロウ達は、最後尾の車両を奪還した。

 

「私は囮をしたのに…何か大切な物を失った気がするな…」

 




まあねぇ…?あの組織が有るならねぇ?あの主人公も、ねぇ?

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