100万Gの男が鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮を執り、借金の返済をします。 作:Z/Xプレイヤー26
クロウは目が覚めたが、見覚えが無い場所に居た。寧ろ見覚えが無い場所どころか、真っ暗な空間だった。
「ここ何処だ?………えーっと戦って、疲れて死体の様に眠って…ん?まさか死んじまった!?マジで!?」
クロウは辺りを見渡す…しかし、真っ暗な空間が続くだけだった。
「しっかし…死因は何だ?過労死?いや、自分で言うのもなんだが…そんなに働いて無くねえか?最近は大和も書類を手伝ってくれるしなぁ…あれ?俺ってやっぱり要らなくないか?」
一人で悲しくなっていると、クロウの頭の中に声が響く。
『この様な男がスフィアリアクターとはな…ゼウスの我が居る世界のスフィアリアクターだったな…世も末かも知れんな』
「何だ!?………こいつ…直接脳内に!?」
『………本当に馬鹿かも知れん…』
「馬鹿は心外だな、声の主さんよ?ただのジョークが好きな普通の男だぜ?」
クロウの返しに、頭の中の声は黙った。
「お?黙っちまったか?顔が見えないから、居なくなったかも分からねぇや…」
『成る程な、順応能力は高い様だな。天秤の支点は折れず…か。クロウ・ブルースト…光子力研究所に来るが良い!!この世界に最も相応しい魔神を見せてやろう!!』
「それは良いんだが、いきなり話すのやめてくれ、正直ビビる…それに光子力研究所の場所知らねぇし…前に居た世界と場所違うっぽいしな」
クロウの声に、謎の声は答えなかった。
「さっきから、答えるのに時間がかかってるが、あれか!!お前、自分のキャラが定まってないだろ!!」
『は?ちげーし…あっ、違った…兎も角だ…自力で見つけろ、スフィアリアクター!!それくらいは出来ないと、元の世界に戻っても、待ち受けている敵には勝てんぞ!!』
「待てよ…元の世界に戻れるのは良いとする…また戦いになるのか!?そいつらは強いのか!?」
またも声はクロウの問に答えなかった。
「答えろよ!?」
『あ~…ちょっとゴメン…これは…ハーデス復活しちゃった?仕方ないなぁ…ゼウスの方に光子力送るかぁ…あ、クロウ君?光子力研究所は適当に探せば見つかるから…頑張って。ちょっと向こうに本腰になるから…うわぁ、ハーデスうぜぇ、マジンガーに勝てるつもりで居るわ…じゃあ、そう言う事で…』
そこでクロウは目を覚ました。
「…………キャラが定まってなさすぎだろ!!って、まあ良いか、もう訳が分からねぇのは慣れっこだからな、さて…歯を磨いて顔洗って、食堂に行くか…」
本当にクロウの順応能力は圧倒的であった。
「それにしても、適当に探せば見つかるからってなぁ…どうするか…」
歯を磨きながらクロウがぼやいていると、私室の扉が勢い良く開いた。
「クロウさん!朝ですよ!!起きて下さ……あっ」
「………おはよう、大和…鍵を掛けた扉を軽々と破壊してくれたな…」
「ごめんなさい…」
しょんぼりとする大和だったが、クロウは大和を責めるつもりは無かった。
「まぁ気にするな…結構古かったしな、新しいのに変えたかったからな、丁度良いぜ」
「ほ、本当ですか?」
「ああ、それよりどうした?慌ててたみたいだけどよ?」
ハッと我に返った大和はクロウに伝えた。
「光子力研究所が見つかりました!!」
何となく予想通りの答えが帰ってきたものの、流石に動揺した。
「本当に見つかりやがった…」
「早速行きましょう!!」
大和に引っ張られ、クロウは私室を連れ出された…しかし…
「俺まだ着替えてねぇ!!ちょっ…」
「♪」
「話し聞いてねぇし!!」
そのまま大和に引っ張られ、クロウは工廠につれていかれた…