100万Gの男が鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮を執り、借金の返済をします。 作:Z/Xプレイヤー26
クロウ、加賀、扶桑、山城、電、雷の6人は深海棲艦が現れたと報告があった海域に居た。
「どうだ?加賀さん、敵は発見出来たか?」
クロウの問い掛けに、加賀は首を横に振った。
「いいえ…まだ発見出来てはないわね、この海域に敵が居るのは間違いないのでしょうけれど…」
「案外私達に恐れをなして逃げたのかも!!」
雷の楽観的な発言に、周りが苦笑いした。
「それだったら一番良いのだけれど、そうもいかないですよね…」
「ま、そりゃそうだよな…今回の敵も恐らくは偵察部隊だろうしな…敵さんも慎重なんだろうぜ?下手をすれば、多数の鎮守府を同時攻撃する可能性すらあるからな」
扶桑の発言に対して、クロウが補足をするが、内容が内容なだけに、少し空気が暗くなった。
「全く…余計な事ばかり言うわね、駄目男…」
「山城…辛辣過ぎるぜ…俺の心は繊細なんだぜ?」
「黙りなさい、駄目男…今、偵察機から入電があったわ…敵部隊を発見…数は駆逐艦イ級複数…戦艦タ級2、レ級が1ね…空母が居ないから、レ級に注意すれば難しい相手ではないわね…駄目男…どうするのかしら?」
加賀からの報告を聞き、クロウは指示を出した。
「そうだな…イ級は電と雷…あと、加賀さんが相手をしてくれ。タ級は扶桑と山城で頼むぜ。レ級は俺がやる」
「了解なのです!!」
「分かったわ!!雷に任せなさい!!」
クロウの指示を聞き、電と雷は元気に返事をした。
「クロウさん…どうか無茶はしないで下さいね?」
「全く…扶桑お姉様に心配されておいて、殺られたら…許しませんよ?」
「了解だ。借金を返さずに死ぬつもりはねぇよ」
扶桑姉妹はクロウにエールを送り、加賀は…
「……速攻で倒しなさい…」
クロウに課題を出した。それに対してクロウの返答は…
「心得てるぜ…俺の活躍、見ていてくれよな!!」
「………あ、うん」
「………………ボケ殺しは無しだぜ…」
こうして、クロウの率いる部隊は、戦闘海域に突入した。
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「電の本気を見るのです!!」
「超ウルトラダイナミック雷ボンバー!!」
戦闘を開始した電と雷の先制攻撃は見事に敵の不意を突き、多数のイ級を撃沈した。
「やったのです!!」
「まだよ電!!クロウ司令官が言ってたじゃない!!『敵を多数倒したら、結構な確率で敵の援軍が来る』って!!油断は駄目よ!!」
「あの言葉…妙に説得力があったわよね…」
クロウに戦闘前に言われた注意を思い出す。それはスパロボなら、お約束と言っても過言では無い物だった。そして今回も…
「やっぱり…増えたわ!!電!!なるべく短期間で終わらせないと…行くわよ!!加賀さんもお願い!!」
「はいなのです!!」
「ここは…譲れません…」
艦載機を放ち、イ級を一掃する。
「援軍があった割には…所詮はイ級ね、鎧袖一触よ…でも、あまりにも呆気ないわね…偵察部隊だからこんな物かしら?いえ、戦艦達がやはり厄介かも知れないわね、貴女達、急いで援護に向かうわよ…」
加賀は急いで扶桑達の援護に向かった。
その頃扶桑と山城は…
「タ級を倒したと思ったら…敵の援軍なんて…」
「お姉様…はぁ…不幸だわ」
圧倒的な火力で敵を殲滅した二人だったが、すぐに敵の援軍が現れ、周囲を囲まれていた。
「クロウさんの言った通りになりましたね…こういうのに慣れてるのかしらね…?」
「だとしたら…あの駄目男も相当不幸ね…」
笑った二人を見て、深海棲艦が二人に問い掛けた…
「貴様ラ…何故笑ッテイラレル?貴様ラハ自分達ノ状況ヲ分カッテイルノカ?」
深海棲艦の問い掛けに、山城は愉しそうに答えた。
「…状況?別に危機的でも無いわ…貴女達を鉄屑に変えるくらい…簡単よ!!」
そう言うと、扶桑達の主砲が敵を貫いた…
「欠陥艦だと思ったかしら?甘いわよ…畜生どもが!!」
「山城…戦闘になると性格が変わるわよね…さぁ私も負けてはいられないわ…扶桑型の実力…見せてあげるわ!!」
次々と敵を倒していく二人に、深海棲艦は恐怖を感じただろう。しかし、その恐怖を感じた直後に物言わぬ鉄屑に変わった。
「援護に来た意味は…無かった様ね…」
「こ、怖いのです…」
「わ、私に頼るまでも無かった訳ね!!」
援護に来た加賀達は、敵の残骸だらけになった海を見て、心底思った。『この二人、怒らせるのは不味い』と…
「あら、そちらは片付いたみたいですね…?」
「早いですね…まだあの駄目男は戻って来てない様だけど…全く…お姉様を待たせるなんて、やっぱり海の底に沈めようかしら…」
(に、逃げるのよ!!クロウ司令官!!深海棲艦よりも危険な存在が…司令官の命を狙っているわ!!)
(こ、怖いのです!!夢に出て来そうなのです!!)
「加賀さん…援護に向かわなくても宜しいのですか…?」
扶桑の質問に加賀は答えた。
「今から行くけれど…援護ではなく…見物よ」
「見物なのです?」
「ええ、クロウ提督のブラスタ…訓練を見たことがあるけれど、あんな動きを砲撃で捉えるのは、ほぼ不可能よ?
加賀の言葉に、訓練を見たことが無い扶桑達は、頭に疑問符を浮かべるだけだった。
「とにかく…見てみれば分かるわ、行きましょう」
加賀達は、クロウの元へと向かった。
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「ちっ…相変わらず援軍が来るのかよ…」
「沈メ…提督…」
「借金を返すまでは死ねないからな…しかしあんた…硬そうだな…なら…」
クロウはクラッチスナイパーを取り出す。
「取って置きのコンバットパターンだ!!」
「クッ…陽動カ!?」
気付いたレ級だったが、もう遅い…アンカーがレ級の身体を捉える…
「ターゲットを中央に固定…」
「グガッ…」
「円の動きで追い込む!!」
集中放火を受け、レ級の装甲にヒビが入る…そのヒビを目掛けてクロウは…
「シメは真ん中を…ブチ抜く!!」
スパイカーをレ級に叩き込んだ。
「グアアァァァ!!」
レ級はそのまま消滅した…
「やっぱ、呆れる程有効な戦術だぜ…」
その様子を見ていた加賀達は…
「…無理でしょ?」
「艦載機の3倍くらいの速度でしたね…」
「クロウ司令官は凄いのです!!」
「ムカつくわ…」
「私もブラスタに乗りたいわ!!」
その後、加賀達と合流したクロウは鎮守府へ帰投した。
(今回の敵の動き…援軍のタイミング…やっぱり本隊は相当でかいな、戦力の増強は急務だな。光子力研究所が頼みだな…)
戦闘描写が下手すぎる…(泣)