100万Gの男が鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮を執り、借金の返済をします。   作:Z/Xプレイヤー26

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不定期更新で、しかも駄文です…それでもよろしければ、宜しくお願いいたします!!

クロウ「チッ…呆れる程に有効性が無い駄文だぜ…」


序章~借金再来
100万Gの男、遭難する。


少し前から、この世界は未知なる敵『深海棲艦』の脅威に曝されていた。それにより人類は殆んどの海域を追われ、交易も儘ならなくなっていた…。しかし、人類には希望が残っていた、深海棲艦には通常の兵器は効かない。そんな深海棲艦に対抗できる『艦娘』の存在だ。艦娘の登場により、深海棲艦の勢力図は一変した。勢力図は均衡している状態までに回復した。

 

そして現在、艦娘を運用している海軍は新たな問題に直面していた。それは2つ、先ず1つ目は、艦娘を指揮する提督の不足である。深海棲艦の勢力は減ったが、それだけの戦果を挙げるために、多くの艦娘と提督が戦死した。それにより提督が不足していた。

そして2つ目は、『次元震』と言われる原因不明の現象である。次元震は深海棲艦が原因と考えられているが、詳しい事は解明されていない。そして大きな次元震が発生すると、稀にその地点から見たこともい『物』が見つかる。なので一部の研究者は、『異世界と繋がっているのではないか?』と言われていた。いつしか深海棲艦は異世界から来た怪物と認識されていた。

 

そして今、この『世界』で初となる、『人間』が次元震でこの世界にやって来た。しかし、その人間は途方に暮れていた…次元震によって飛ばされた場所は、誰も居ない無人島なのである…

 

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次元震によって飛ばされた男…クロウ・ブルーストは無人島の海岸線を歩いていた…

 

「金がない…いや、行く宛すらない…もっと言っちまえば、この『世界』に知り合いすら居ない…」

 

誰も居ない、誰も聞いていない独り言をクロウは呟いた。

 

「今回は貧乏クジってレベルじゃねえぞ…ただ単に博士に頼まれた買い物をしていただけなのによ…しかし…財布の中身が1Gだけとは…初めて博士に会った時を思い出すぜ…」

 

クロウは大きな溜め息を吐いた。

 

「しかしここは何処だ?海はスゲエ綺麗だが…船も飛行機も全く飛んでねぇ…あぁ…空はあんなに青いのにな…不幸だぜ…」

 

またも溜め息を吐いたクロウ…これでも世界を救った英雄なのであるが、何故かクロウには不幸、(主に借金であるが)努力が報われない男である…

 

「まあ、なんとかなるか…幸い果実や池はあったからな、この程度のサバイバルは慣れてるしな」

 

普通の人間ならば絶望しそうな場面でも、クロウは諦めなかった。何度も絶望的な場面でも仲間と乗り越えてきたクロウにとっては、無人島での生活などは問題ではなかった、しかし…

 

「それにしても、気がかりなのはCDSの借金が返せてない事だ…俺の主義に反する…」

 

前に居た世界での借金の事を思い出していたクロウ。何とかして元の世界に戻らねば…と、思っていた矢先にクロウがある『物』を見つける。

 

「これは…!!手漕ぎボート!!」

 

クロウが見つけたのは、ボロボロになってはいたが、手こぎボートであった。

 

「俺にも運が残ってたか!!」

 

クロウが手漕ぎボートに駆け寄る。どうやらまだ使える様だ。

 

「これだけ傷んでいると、長時間の使用は難しいが、移動手段が見付かったのはでかいぜ!!」

 

クロウが喜んでいると、海の上に動く何かを見つけた…人の様な形をしていたため、クロウは不思議に思った。

 

「海の上に……人?」

 

海の上を滑るように動いている『何か』をクロウは確認した…

 

「人間ダト…!?バカナ!!コノ場所ガバレタノカ!?」

 

クロウの姿を見て、その『何か』は敵意を剥き出しにした。

 

(こいつは…殺気!?見た目は少し変わってるが、この世界の人間は皆こんな姿なのか?しかしいきなり殺気を向けられるとは…)

 

「答エロ!!キサマハ何処ノ鎮守府ノ人間ダ!私達ヲ殺シニキタノカ!?」

 

クロウは相手の言葉を聞いて、少し驚いた。

 

(いきなり殺しに来たのか…って、かなりヤバイ世界なのか…?この様子を見ると、話をしても到底聞いて貰えそうにないが…)

 

「待ってくれ!!俺に敵意は無い、それに俺はその鎮守府とやらの人間じゃない、だからそんなに怒らないでくれないか?」

 

ダメ元で説得を試みるが、案の定相手は聞く耳を持たなかった。

 

「嘘ダ!人間ハ所詮私達ヲ利用スル事シカ考エテナインダ!!ダカラ私ハ深海ニ沈ンデ…コンナ姿ニナッタンダ!!私ハ人間ヲ許サナイ!!死ネェ!!」

 

クロウに向けて砲弾が発射される。クロウはそれを紙一重で避けると、森の中に逃げ込んだ。

 

(何だ!?一体どうなってやがる!?あれは改造人間か何かか!?くそっ!!どうやら話し合いは通じないみたいだ…ここは逃げるしかねぇ!!)

 

「ニガスカ!!許サナイ!!」

 

全速力で逃げるクロウに対して、海の上から何度も砲弾を撃ってくる。陸の上では動きが鈍るのか、陸に上がって追撃はしてこない様だ。

 

「これなら逃げ切れそうだな…ん?」

 

ふと相手の方を見ると、相手の後ろから何かが迫ってきている。砲身のような物を向けて、後ろから撃とうとしている、それを見てクロウは思わず叫んだ。

 

「オイ!!あんた!!後ろから狙われてるぞ!!」

 

「エッ?」

 

クロウの叫びを聞き、後ろを振り向くと、強い衝撃が襲った。

 

「気合!!入れて!!いきます!!」

 

後ろから放たれた砲弾に直撃したのである。それを受けて『何か』は海に沈んだ…それを見て、クロウは何故か心が痛んだ…

 

(何なんだ…あの海の上に浮いている奴らは…さっきの仲間か?いや、攻撃してたって事は、さっきの奴と敵対関係って事か…)

 

「あっ!!皆!!見るクマ!!人が居るクマ!!」

 

クロウに気付いたのか、数人いる内の一人が周りに声をかける。

 

「何でこんな所に人が居るんだ?遭難者か?」

 

右目に眼帯を付けた女性がクロウに近付く。

 

「あ、ああ…少し面倒事に巻き込まれちまってな…次元震に巻き込まれるとは…」

 

次元震…その言葉を聞いて、全員がクロウに武器を向けた。

 

「………オイオイ…こりゃ一体どうなってんだ?いきなり武器を向けるなんて、俺、何か気にさわる事言ったか?」

 

「しらばっくれるなよ…次元震から出てきたって事は、深海棲艦の仲間だろうが!!人間に化けれる様になってたなんてな!!情報を吐くなら楽に沈めてやるぜ?」

 

眼帯を付けた女性がクロウに提案…もとい、脅迫する。

 

「……何か誤解をしている様だが、言っても聞いてくれないよな?」

 

「あ、当たり前クマ!!何をヘラヘラしているクマ!!」

 

クロウがまるで怯えておらず、あまつさえ笑っているのを見て、周りは苛立ちを覚えていた。

 

「…貧乏クジにも程があるなと思っただけだ…因みにこういう場合に陥った時の俺の行動は…」

 

「動くな!!何をするつもりだテメェ!!」

 

眼帯の女性がクロウを止めようとする。だが…

 

「逃げるに限るぜ!!じゃあな!!」

 

とてつもない速度で森の中に逃げ込んだ…

 

「クソッ!!艤装を外して追うぞ!!」

 

「了解クマ!!」

 

「気合!!入れて!!追います!!」

 

全員がクロウを追って森の中に入って行った。

 

(チッ…さっきの奴とは違って普通に追って来やがった、しかも動きが速い!!不味いな…)

 

クロウは考えながら森の中を移動していた。

 

「待つクマ!!大人しく捕まるクマ!!」

 

物凄い勢いで迫る長い茶髪の女性から逃げながら、クロウは考えていた事が会った。

 

「さっきから気になってたんだが、その『クマ』ってのは、流行ってるのか?」

 

「う、五月蝿いクマ!!大人しく捕まるクマ!!」

 

「答えてくれても良いだろ?しかし森の中でクマクマ五月蝿い奴に追いかけられるとは…笑えねぇぜ」

 

そう言いながらも、苦笑いをクロウはしていた。その顔を見た女性は怒りに震えた。

 

「今、球磨の事を馬鹿にしたクマね!!絶対に許さないクマ!!八つ裂きにするクマ!!」

 

更に速度を上げてクロウを追いかける女性。それを見て、眼帯の女性は注意を促した。

 

「球磨姉!!焦りすぎだ!!罠があるかも知れないぞ!!」

 

その叫びと同時だった…ワイヤーが切れる様な音が聞こえたのは…

 

「クマ?」

 

「女を罠に嵌めるのは好きじゃないが…悪いな」

 

「球磨姉!!横だ!!」

 

茶髪の女性に向かって巨大な丸太が襲い掛かった。

 

「クマーッ!?」

 

丸太が直撃し、3メートル程飛ばされる…その先には…

 

「ビンゴだ…落とし穴に注意しな」

 

「クマーーーーッ!?」

 

深さは5メートル程だろうか…見事にホールインワンである。

 

「くっ…球磨姉の仇だ!!」

 

「おっと…刀かよ…」

 

眼帯の女性が刀でクロウに斬りかかる。

 

「避けただと!?やっぱり普通の人間じゃねえな…」

 

「それはお互い様みたいだな…?何者なんだ?海に浮いてたり…」

 

クロウの質問を聞いて、眼帯の女性は鼻で笑った。

 

「ハッ!!まだしらばっくれるつもりかよ!!艦娘の事を知らないとか抜かすつもりか!?俺がそんな戯れ言に騙されると思ってるのか!!」

 

「艦娘?いや、マジで知らないんだが…うおっ!?」

 

クロウの態度に更に気分を害したのか、先程よりも更に速い一撃をクロウに浴びせようとする。

 

「チッ!!また避けたか…深海棲艦の仲間にしては中々やるな…」

 

「生憎、刀の相手ならくろがね五人衆の先生にやらされたからな…」

 

クロウはまたも苦笑いをした。そんなクロウの背後に1つの影が現れた。

 

「おりゃあ!!」

 

「何!?しまった!!もう一人居やがった!!」

 

後ろから現れた女性の一撃をガードするクロウ…しかし後方に数メートル程飛ばされてしまう。

 

(グッ…なんて力だ…本当に女の力か!?)

 

「やったか!?比叡!!」

 

眼帯の女性がクロウを殴った女性に駆け寄る。

 

「木曾さん…フラグを建てないで下さい…しかも確実にやってませんね、あの人…殴られる直前に後方へ飛んでダメージを減らしました…」

 

「チッ…なんて奴だ…だが、流石に気を失ったみたいだな…比叡、球磨姉が落とし穴に落ちた、引き上げるのを手伝ってくれ」

 

二人が茶髪の女性を落とし穴から引き上げようと、穴の中を見ると…

 

「Zzz…」

 

茶髪の女性は眠っていた…

 

「……………」

 

「……………」

 

二人が顔を見合わせる。

 

「こりゃ気持ち良さそうに寝てるな…クマだけに、穴で冬眠ってか?」

 

「ッ!?しまった!?」

 

「…あれを受けて気絶もしてなかったとは…少しショックです…」

 

後ろから気絶をしていると思っていたクロウに話し掛けられ、驚く二人…そしてクロウの手には、蔦の様な物が握られていた…

 

「こっちの丸太は…手動だぜ!!」

 

クロウが蔦を引っ張ると、勢い良く巨大な丸太が二人目掛けて迫った。

 

「ッ!?比叡!!受け止めろ!!」

 

「はい!!気合!!入れて!!いきま…」

 

丸太を受け止めるべく、女性が構えるが…

 

「残念!!丸太は囮だぜ!!」

 

クロウが二人に向かってタックルをした。丸太に気を取られていた二人はバランスを崩し…

 

「うわぁ!?」

 

「ひえ~っ!?」

 

落とし穴に落ちた…

 

「痛いクマ!?何か落ちてきたクマ!?」

 

二人は見事に茶髪の女性の上にのし掛かる形になっていた…そして、落とし穴は決して広い物ではないため、3人が入ると、上手く身動きが取れなくなっていた。

 

「ク、クマー!?木曾!?変な所を触るなクマ!!」

 

「そ、そんな事言ったって…」

 

「ひえ~っひえ~っ!!」

 

「何かスゲェ罪悪感を覚えるな…」

 

クロウは必死にもがく3人を見て、罪悪感を覚えていた。

 

「なあ、あんたら…ここで取引をしないか?」

 

「と、取引だと!?誰が敵の言う事なんて…」

 

いきなりのクロウの提案に、眼帯の女性は食って掛かった…しかし、クロウの横に置いてある古びたバケツを見て、嫌な予感がしたのか、食ってかかるのをやめた…他の2人も、心なしか顔が青くなっていた。

 

「と、取引の内容は何クマ!?いや、その前にそのバケツの中身は何クマ!?」

 

「………この中身は言えないな…取引の内容は…この島から、街まで送って貰うことだ…そうしてくれるなら、その落とし穴から引き上げてやるぜ?」

 

唾を飲み込む3人…普通なら、深海棲艦の仲間の可能性がある奴の言う事なんて聞く事は、有り得ない…有り得ないのだが…クロウの横に置いてあるバケツが凄まじい存在感と威圧を放っていた…

 

「も、もし断ったら…どうするんだ?このまま放っておくつもりは無いんだろう…?」

 

「………………心苦しいが…『コイツ』の中身をその落とし穴に放り込まなければならなくなっちまう…全く…貧乏クジだぜ!!」

 

クロウが脅しをかける…

 

「な、何が『心苦しいが』だクマ!!良い笑顔をしてやがるクマ!!コイツは最低だクマ!!深海棲艦よりも酷い存在だクマ!!」

 

茶髪の女性が半泣き状態でクロウに怒鳴る…

 

「……条件追加だ…この世界の情報も教えて貰えるか?あんたらに不利な情報は言わなくても構わねぇ、今が何年で何月何日かだけでも構わねぇ…駄目か?」

 

クロウの態度の変化に何かを感じたのか、眼帯の女性が話始める。

 

「……ここの場所も知りたいのか?」

 

「出来ればな…」

 

「分かった」

 

「木曾さん!?敵かも知れない奴に情報を与えるつもりですか!?」

 

「そうクマ!!止めるクマ!!」

 

2人が眼帯の女性を止めようとするが、眼帯の女性は冷静に答えた。

 

「別に問題は無いだろ?俺達に不利な情報は話さねぇから…それで良いよな?」

 

眼帯の女性がクロウに確認をとる。

 

「ああ…俺の信念に誓ってな」

 

「………今は○○年7月21日…場所は日本の本土から、かなり南の島としか言えんな。後、お前の取引の条件である、『街まで送る』だが、街まで行くにはどうしても鎮守府に立ち寄る必要がある…正直に言えば、不可能だ…」

 

眼帯の女性の説明を聞いて、クロウは質問をした。

 

「なあ、あんたらは、ブリタニアや、エリア11って聞いた事があるか?」

 

「………聞いた事が無いな…球磨姉は?」

 

「知らないクマ」

 

「比叡もです」

 

クロウの質問の意味が分からないといった感じだが、3人は質問に答えてくれた。

 

(あんまり期待はしてなかったが、やっぱり俺が居た地球とは違うみたいだぜ…これからどうするか…ハァ…貧乏クジだぜ…デュオや、青山が居てくれればな…貧乏クジ同盟が恋しいぜ)

 

クロウがはた迷惑な恋しさを感じていると、眼帯の女性がクロウに質問した。

 

「で?どうするんだ?そもそも、取引が成り立たない訳だが…」

 

「そうだな…今、そこから出してやる、待ってろ」

 

「「え?」」

数分後、クロウが穴にロープをおろした。

 

「一人一人登れよ?ロープも古いからな」

 

「あ、ああ…球磨姉、最初に登ってくれ」

 

「わ、分かったクマ」

 

恐る恐るロープを登る茶髪の女性。

 

「わ、罠は無いクマね?よいしょ…」

 

次に眼帯の女性が登った。

 

「よっと…」

 

最後にクロウを殴った女性がロープを登り、全員が落とし穴から出てきた。

 

「どうして俺達を穴から出したんだ?取引が成り立たない時点で、俺達を穴から出す理由は無いだろ?」

 

眼帯の女性が不思議そうにクロウに訊ねる。

 

「別に元々俺に敵意は無いんだぜ?それに質問に答えてくれた。それだけで充分だ」

 

「…………変な奴だな」

 

「ホントだクマ」

 

「ですね」

 

自然と3人はクロウに対する警戒を解いていた。

 

「俺達を開放したのは良いが、お前はどうするつもりだ?街に行く手段は無いんだろう?」

 

「そうだな…なんとかなるだろ…悪運は強いんでな、これでも何回も死にかけて、生還してるからな…今回も大丈夫だろ、いざとなったら手漕ぎボートがある」

 

根拠の無いクロウの自信を聞いて、3人は溜め息を吐いた。

 

「ハァ…どうする?球磨姉…」

 

「仕方無いクマ…鎮守府に連れていくクマ…あの次元震から出てきたのが本当なら、鎮守府で尋問するのが一番クマ…いざとなったら海の藻屑にすれば良いクマ!!」

 

「ですね…今回の事は、私達の手に余りますね…提督に判断をして頂くのが一番ですね…」

 

3人は意見を合わせると、クロウに提案した。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「助かったぜ、いやぁ…渡りに船…いや、渡りに艦娘って言えば良いのか?」

 

クロウが手漕ぎボートに乗り、眼帯の女性がボートを引っ張るといった形で、クロウは移動していた。

 

「ったく…調子の良い奴だ…」

 

「そう言えば、自己紹介がまだだったな…俺はクロウ・ブルーストだ。クロウって呼んでくれ」

 

クロウの名前を聞き、3人が自己紹介をする。

 

「俺は木曾だ…」

 

「球磨だクマー」

 

「比叡です!!」

 

3人の名前を聞いたクロウは気になる事があった。

 

「球磨って名前だったんだな…だから語尾がクマだったのか…」

 

「そうだクマ!!別に流行りでもなければ、ふざけている訳でも無いクマ!!そこんとこ宜しくクマ!!」

 

球磨はクロウに念を押した、どうやら語尾の事でからかわれている事も多い様だ。

 

「OKだ、宜しく頼むぜ」

 

「クマー、クロウは案外良い奴だクマ!!」

 

「球磨姉…信用し過ぎるなよ?」

 

木曾が球磨に注意をすると、比叡が木曾を見てニヤニヤしている。それを見て木曾は不思議そうに比叡を見た。

 

「何だよ比叡…何か言いたそうだな?」

 

「いやぁ…一番クロウさんを信用してるのは木曾さんだと思いましてぇ~」

 

それを聞いた木曾は顔を真っ赤にして、比叡を怒鳴った。

 

「ば、馬鹿な事を言ってるんじゃねぇ!!誰がこんな奴を…」

 

「そうだぜ…俺に『ソッチ』の趣味はねぇ…」

 

ピシッ…空気が凍る音が聞こえた…球磨と比叡が震えていた。

 

「ん?何だよ…?何で全員黙ってるんだ?木曾も何とか言ってくれよ…ま、まさか…お前は『ソッチ』の趣味があるのか!?」

 

クロウの一言に…更に空気が凍る…

 

「クロウ…テメェは…俺が男に見えるのか…?」

 

「え?違げぇの?海賊のキャプテンみたいな格好してるし、マントもしてるからてっきり…すまん!!」

 

両手を合わせて木曾に謝ると、木曾の反応は軽い物だった。

 

「慣れてるから良いさ…気にしてねぇし…」

 

「そ、そうか?」

 

「ああ…気にするな…もしもお前が深海棲艦の仲間だったら…躊躇い無く斬れるようになっただけだからな?気にしなくても問題ない」

 

反応は軽い物だったが、内心はかなりのお怒りだった。

 

「そ、そろそろ鎮守府に到着するクマ!!」

 

そう球磨が言うと、鎮守府が見えてきた。

 

「………さて、俺は無事で居られるか…」

 

そんな事を考えるクロウ…そしてクロウは鎮守府に到着した。

 

「ところで、あの時のバケツの中身は何クマ?」

 

「落とし穴を掘る時に出てきた大量のミミズだぜ…」

 

それを聞いて、3人は泣きそうになっていた。




第1話だけ長いです…これ以降の話は、短い予定です…

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