HUNTER×HUNTERの世界で動物とじゃれあいたいです   作:唯野歩風呂

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 私はくじ運が悪い。

 

 小学校の席替えのくじはいつも教師が目の前という、真ん中の一番前。

 何かをやるあみだでは必ず当たり(悪い意味で)、何かをやるときはいつも一番をひく。

 

 

 そんな悲しいくじ運の人生を二十年送ってきて、今現在、私は鳴り響くベルと拍手の音に唖然としている。

 

 

 「おめでこうございます!特賞!特賞でございます!!」

 

 

 特……賞……?

 

 

 私は確か、買い物をしていた。

 そして、たまった懸賞のくじ引き引換券を使って残念賞のティッシュでももらおうと、ガラガラ(回すと色のついた珠が出てくるやつ)を回し……。

 

 

 「……え?」

 

 「はい、こちら特賞の商品でございます」

 

 「え?」

 

 

 渡された白い紙に、『特賞』の文字。

 

 

 頬をつねってみると……痛い。

 

 

 これは、夢じゃない…………現実だ!

 

 

 「あ、ありが」

 

 「特賞、『異世界に転生』!おめでとうございます!!」

 

 

 

 「…………は?」

 

 「では、さよならー!!」

 

 

 

 「はあああああああああああああっ!!??」

 

 

 

 気づいたときには落ちていた。

 

 

 最後に見たのは、満面の笑みで手を振っている無精ひげのおじさんの顔だった。

 

 

 

 

 そして思う。

 

 

 

 あぁ、やっぱりくじ運悪いなぁ――と。

 

 

 

 

 

 

 

 


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