ゼロの使い魔で割りとハードモード   作:しうか

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 日曜日に間に合いました! ええ、今回はちょっと長い上に予想外の話になっちゃってます。うん。長くなっちゃってチェックが面倒でした。いつもよりご都合主義が多いかもしれません。何度も読み返して何とか読めるかな? 程度にはなったかと;;

 それではどうぞー!


43 アマ・デトワール

 軍港ロサイスへの道程で行われたアルビオン侵攻作戦の初戦である艦隊戦が終わり、第二次警戒態勢を取った艦隊は数十分後、警戒態勢を解除し、帆を張り、蒸気機関だけでなく帆走も含めた通常態勢に戻った。敵戦列艦を曳航する小型艦とそれを護衛する二隻の戦列艦は帆走をメインにし、速度を落としつつ連合軍艦隊に合流する予定である。彼らは軍港ロサイスに拿捕した艦を係留し、カスティグリアの輸送艦と共に仮想防衛ラインまで遅れてやってくる予定であり、こちらに合流するまでしばしのお別れである。

 

 しかし、第二次警戒態勢や通常態勢と言っても俺やモンモランシー、そしてシエスタは特にする事がなかった。艦長殿も指示を出し終わり、何か変化があるまである意味暇なのだろう。しかし、一応敵の領空なので俺も艦長殿も、ブリッジから離れられない。いや、夜間や体調が悪くなるようであれば俺は自室に戻るが一応最高指令官なのだから作戦中は出来る限りブリッジにいるべきだろう。

 

 そんな微妙な状況下、艦長殿は気を利かせてくれたようで、子供以上大人未満といえるであろう年齢の俺たちが暇をもてあまさないよう、同じテーブルに着いて四人で一緒に紅茶とシエスタの焼いたケーキを楽しみつつ、あっさりと終わった初戦の流れや艦長殿が考えていた敵の動きや対応策などを話してくれた。

 

 先ほどの戦闘を元にしているのでモンモランシーやシエスタにもわかりやすかったようで、モンモランシーからたまに社交的とも取れる質問が出たが、艦長殿も笑顔で対応し、補足説明などを行っていた。俺としては艦隊戦での戦術や戦略というのは特殊すぎて少々理解が追いつかないことが多い。ぶっちゃけ竜での戦闘の方がわかる気がする。

 

 モンモランシーが興味を持つのであれば俺も話についていけるよう勉強するべきだろうか。この世界のフネは空に浮き、空を走る。つまり、空戦技術とあまり変わらないはずなのだが、存在場所を空に移してもフネは(ふね)なのだろう。ふむ。モンモランシーが興味を持つのは彼女が水の系統だからだろうか。いや、単に艦長殿の社交性に合わせ、彼女も社交性を発揮しているだけかもしれないが……。

 

 しかし、艦長殿の言ではカスティグリアのフネの進化は戦闘技術や戦術の進化を強要し、今までの戦術はもはや時代遅れになるだろうとの事だ。確かに竜部隊による対艦攻撃や風向きを気にせずに走るフネという今までにないものが生まれたのだから変化は当然あってしかるべきだろう。

 

 その時代遅れの戦術や戦略をカスティグリアの将兵が拘るようであれば開発された兵器や竜の利点がつぶされる事になるわけだが、二度の戦闘を潜り抜けたこの諸侯軍艦隊を見る限りカスティグリアの将兵らは進化を望む者ばかりだったようだ。

 

 それもそのはずで、艦長殿はフネの運用や戦術、そして戦略などを魔法学院に入学する前からずっと個人的に趣味で研究していたそうだ。学院卒業後、彼は希望通りトリステイン空軍に入り下士官から士官、つまり海尉にまでなれたはいいが、そこからが問題だった。

 

 トリステイン空軍では、海尉より上の階級や役職は、貴族の場合は爵位と縁故、平民の場合は勤務年月と能力、そして、いかに上官に従順でご機嫌取りが上手いかが一番重要なのだそうだ。彼は下級貴族であり、そのような縁故を持っていなかった上に、趣味である研究がご機嫌取りより正論を選んでしまうような性格だったそうだ。

 

 そして、同じ子爵位の者が戦列艦の艦長を任される事があっても、彼は小型艦の艦長職ですら任される事はなく、戦列艦勤務ではあったがただの海尉止まりな上、トリステイン空軍の人間とはことごとくソリが合わなかったらしい。カスティグリアでフネを任されるまではぶっちゃけ腐っていたそうだ。

 

 しかし、そんな腐っていた艦長殿は父上に「諸侯軍ではあるが艦長職を受けてもらえないか」とスカウトされたらしい。自分が乗る予定のフネに関しては軍艦であるということ以外は話せない言われ、情報の少なさ、そして王国の空軍ではなく、いち領主の諸侯軍ということから小規模なのだろうとかなり葛藤したらしい。

 

 普通に考えれば領がフネを持つとしたら輸送艦や領主が趣味で持つ超小型のフネ、良くて複数の輸送艦のための護衛につけるコルベット艦がいい所なのだそうだ。しかし、このまま戦列艦の海尉に甘んじ腐り続けるくらいならば、諸侯軍の輸送艦護衛のコルベットでも軍艦の艦長になれた方が腐らずにすむのではないかと思いなおし話に乗ったらしい。

 

 そして、いざ父上の話に乗り、長い間所属していたトリステイン空軍を除隊し、給金は破格とも言えるが生涯に渡るというかなり長い契約を結び、父上と主従関係になると、父上は彼にいきなりカスティグリアで新造されたばかりの戦列艦の艦長を任せたそうだ。

 

 彼にとって戦列艦の艦長というのは幼い頃から憧れであり、そして、現実に打ちのめされ夢に見ても叶うことはないと遥か昔に諦めていたものだったらしい。しかも、諸侯軍が戦列艦を持っているという非常識さに、二三日夢ではないかと怯えていたらしい。

 

 「実際、カスティグリア諸侯軍が用意した自分の椅子が老朽化した今にもバラバラになりそうなコルベット艦の艦長職だったという悪夢を何度も見せられましたな。」

 

と、艦長殿は苦笑しながら紅茶に口をつけた。威厳のある艦長殿でもトラウマのようなものがあるのだろう。俺もすでに色々な黒歴史を抱えてしまったが故の悪夢を見ることがあるので、彼の自嘲とも取れる苦笑に愛想笑いですら返すことが出来なかった。

 

 しかし、「いや、どうぞ笑ってください。今では見る事はありませんので」と艦長殿が空気を軽くしたため、モンモランシーやシエスタが少し控えめな笑顔を見せると艦長殿は話を続けた。

 

 初めての艦長職、長い長い間憧れていた戦列艦という最高位にある艦を任されるという喜びと重圧、艦長職の激務、空軍とは規格の全く異なる美しい戦列艦の存在が、そのつど彼に現実と認識させ、今までの鬱憤を晴らすかのように全身全霊で取り組んだそうだ。

 

 そして、艦長職の激務の合間に、息抜き(・・・)で、戦列艦の艦長職以上の者にしか開示されない情報の中のカスティグリア基準で進化していく兵器や艦の性能をどのように運用し、戦略や戦術に生かすかという研究をし続け、カスティグリアが生み出すフネの変化に柔軟に対応し、いち早く利点を生かすための運用案、戦術や作戦の立案方針案、戦略案をいくつも作成し、父上に報告していたそうだ。

 

 傍から見たらワーカーホリックやブラック企業も真っ青なオーバーワークに見えただろう。しかし、彼にとっては仕事の合間に趣味に没頭するという充実した日々を過ごしていたら、いつの間にか艦隊旗艦であるレジュリュビの艦長、そして諸侯軍の提督になったらしい。彼にとってカスティグリアが起こした変化は新時代の幕開けと体感し、その先駆者に名を連ねるという名誉ある希望を生み、まさしく生き甲斐というものが開花したような感覚を受けたらしい。

 

 ううむ。さすが父上。このようなすばらしい埋もれた人材を探し出すとは……。ぶっちゃけ艦長殿と接してきた時間は長くない。しかし、その短い時間ですら彼の社交性とユーモア、そして艦の運用や戦闘に対する情熱を感じてきてはいた。なぜトリステイン海軍の人間とソリが合わなかったのかは謎だが、確かにこのような過去を持っているのであれば今この艦隊の提督を任されるというのはまさしくカスティグリアとしては適材適所であり、彼にとっては天職だろう。

 

 そんな少し心温まる艦長殿の彼の生い立ちや艦隊戦談義などをシエスタの紅茶を飲みながら興味深く聞きいていると、あっという間に数時間が経ち、艦隊はアルビオン大陸の南端近くにある軍港ロサイスまであと一時間ほどの距離に来た。

 

 艦長殿は一言笑顔で断ったあと艦長席に戻り、風竜隊による先行偵察を指示した。俺もプリシラにお願いして簡単な索敵を行ったのだが、軍港ロサイスにアルビオン所属の航空勢力は見当たらない。そのことを艦長殿に告げ、艦長殿もそれを受けて風竜隊での捜索対象を軍港ロサイスの守備隊の捜索に切り替えた。

 

 守備隊はかなり少数で、後続の本隊もこの程度であれば抵抗にならないと判断し、艦隊は何の抵抗も受けずにロサイス上空に近づいた。ぶっちゃけこの程度であればカスティグリアの現存艦隊でもロサイスの制圧は可能だろう。しかし、制圧後の警備や一般人に偽装した兵の奇襲に怯えるくらいであれば連合軍が持つ六万の兵に任せた方が良いだろう。

 

 それに、こちらには相手の上陸阻止部隊を止めるという作戦もある。ロサイス上空を飛び交う風竜隊やアグレッサーからの報告はロサイスの守備隊に関するものだけなので、まだ三万のアルビオン兵はロサイスからは遠いのだろう。だが、彼らの目的は連合軍の上陸阻止である。彼らがカスティグリア艦隊の動きを知ったら進軍速度を上げる可能性も否めない。

 

 風向きを気にせずに進め、航行速度の速いカスティグリア諸侯軍はすでに上陸を果たせる位置にいるが、通常のフネの速度、しかも輸送用のガレオン船に合わせておりかなり遅い。そして、ウィンプフェン参謀長の示した作戦通りならば明後日ロサイスに入る予定ではなかろうか。そう考えると、すでに三万の大軍はかなり防衛ラインに近づいているはずだ。

 

 軍港ロサイスの上空に艦隊が入った。艦隊や竜部隊に対する抵抗は全く無いが、地上には上陸兵に備えているような、港湾施設に対する形で簡単な防御陣地が作られつつあるようだ。恐らくこちらに向っているであろうロマリア三万の兵が構築するには時間が足りないと判断したのだろう。だとしたらカスティグリア諸侯軍の動きがどこからか伝わっているのかもしれない。

 

 後続の拿捕した敵戦列艦、その艦の曳航を行う小型艦と護衛の二隻の戦列艦は、連合軍の艦隊と合流しロサイスまで同行することになっている。そして、敵戦列艦を軍港ロサイスに係留した後は連合軍に混ざっているカスティグリアの輸送艦をその艦隊にこちらまで連れて来てもらわなくてはならない。そのためロサイスの制圧に連合軍が手こずるようであれば少なからずこちらにも影響が出る。

 

 しかし、制圧している時間は惜しい。そして、このまま防衛ライン構築のため進むべきだという事はわかっている。ただ、風竜隊からの報告をオペレーターが読み上げ、作戦テーブルにその位置に建物や兵を表す駒が置かれていくのを見ていると、目の前に餌がぶら下げられているような心境になるのは否定できない。そして、同じようにそんな光景を見ていた艦長殿が隣の艦長席でそっとつぶやいた。

 

 「ただ通過するのも芸が無いな……。最高指令官殿、大砲の試射には良いかもしれませんな。」

 

 ふむ。確かに砲撃手の出番が今までほとんど無い。実戦で一度撃っておくのも悪くないし、周りの人間が活躍しているのに自分達に出番がなくて腐っているかもしれない。そういう心遣いもきっと艦長殿ならではなのだろう。

 

 「よろしいですかな?」と、艦長殿は一応名前だけの最高指令官である俺に確認をしてきたが、断る理由は砲弾や火薬の消費くらいなものだし、ぶっちゃけあまり出番がなくて有り余っているだろう。それに対地攻撃の実戦経験もあった方が良いに違いない。

 

 「構わないとも、艦長殿。それに砲撃手の戦友たちもあまり出番がなくてイラついているに違いない。彼らの鬱憤を晴らすためにもカスティグリア艦隊の砲撃というものを彼らに見せて差し上げるというのも……、あぁ、艦長殿。確かアルビオンのゴミ艦は空軍の礼砲で爆沈したのでしたな?」

 

 そう笑顔で何となく思いついた理由付けを伝えると、艦長殿は笑みを深くして「そうでしたな。了解しました」と言って嗤った。そして、艦長殿は俺が演説の時に借りるマジックアイテムを手に取ると艦隊に直接指示を出した。

 

 「全艦隊に告ぐ、アマ・デトワール提督だ。進路このまま。諸君、元来(がんらい)外国の港への入港時には礼砲を撃つものであることは存じていると思う。今の所(・・・)この軍港ロサイスを手中に収めているアルビオン共和国は空砲で沈むようなフネを親善艦隊に使うようだが、空砲で沈むようであれば実弾入りでもさほど変わらないのではないかと私は考える。紳士淑女の諸君、コース料理の途中ではあるが、礼砲と共にパンとスープの礼くらいは気前良くチップを渡しても良いのではないかね? さぁ紳士淑女諸君、気前よくいきたまえよ? 全艦、対地砲撃用意!」

 

 そして、迫力ある笑顔のままブリッジクルー達に追加の指示を出し始めると、ブリッジが戦闘態勢に移行し、緊張感ではなく、殺気のような、狂気のような、そんな雰囲気に包まれた。

 

 うん。通過ついでの対地砲撃でそこまでノリノリになるとは思わなかった。ここにいる人間もアグレッサー隊に所属する人間と同じ人種だったようだ。少し怖い。モンモランシーやシエスタがこの空気を恐れているようであれば慰めようと、彼女達の顔をこっそり窺うと二人とも目をキラキラさせていた……。な、何も言うまいて……。

 

 そして、艦長殿の指示が各艦に伝わり、風竜隊は竜母艦に戻り、火竜隊が出撃した。火竜隊は風竜隊が発見した作りかけの防御陣地や守備隊が駐屯していると思わしき場所へと飛んでいく。艦長殿の指示を聞いていたところによると一応防御の高い火竜隊に着弾評価をさせるようだ。

 

 一応通りすがりなので移動しながらの砲撃になる上、狙える時間もそれほど長くはないだろう。そして、比較的近い目標は小型艦がメインで行い、その辺りは当たるだろう。しかし、アルビオン式の新型砲を載せている戦列艦はかなり遠くの射程ギリギリではないかと思われる地点を目標にするようだ。

 

 艦長殿の「全艦砲撃開始!」の号令と共に、射線に互いが入らないよう適度に散開した艦隊が、艦隊を形成する小型艦、戦列艦、そして初めて砲撃を行うレジュリュビが砲撃を開始した。

 

 全ての艦隊が両弦から大砲を突き出し、船首方向から完全に制御されたように大砲が連続で轟音と火と煙を生み出す。そして、レジュリュビのブリッジまで響く体を震わせるような轟音と共に艦隊は自らが生み出した黒色火薬特有の白い煙に包まれた。しかし、帆走だけでなく巡航速度とは言え蒸気機関の力も借りている艦隊は先込め式大砲の次弾装填の間にその煙が支配する空間を抜けることが出来たようだ。

 

 火竜隊はアグレッサーのように全員に通信用のマジックアイテムが配備されているわけではないので着弾観測射撃はできないはずだ。各艦の士官や砲術長が観測し修正し実戦訓練としているのだろう。まぁ礼砲なら来た事を知らせられるだけでも良いのだろう。

 

 

 

 十数分の攻撃のあと、砲撃が止み、艦隊はロサイスを抜けた。そこからはこちらへ進んでいるであろう三万の敵から発見されるまでの時間を少しでも稼ぐため、艦隊は帆を畳み、高度を一気に落とし、地を這うように進んでいく。見張りとして風竜隊が一小隊ごと艦隊のはるか高空を飛んでいるが、敵進軍ルートへの斥候は遭遇の危険性が高いため見送られた。

 

 そして、恐らくこのタイミングがベストだと判断し、プリシラにティファニア嬢の捜索を頼むことにした。原作の印象からプリシラが判断できそうな特徴としては金髪、長い耳、恐らく森の中、多分胸が大きい、多分少数の子供と暮らしているといったところだろうか……。予想した大体の範囲と特徴をプリシラに伝え頼むと、プリシラは五分ほどでティファニア嬢を捕捉した。

 

 『あら、なぜかミス・ロングビルもいるわね』

 『ふむ。恐らくアタリだろう。その辺りにいる人間は全部で何人くらいだい?』

 『そうね、三十人以上いると思うわ。』

 

 ふむ。十人程度だと思っていたのだがそんなにいたのか。確かにその数だと学院の秘書程度の給料では養うのは無理だろう。そして、取れる手段はそう多くはなさそうだ。ティファニア嬢以外の孤児のほとんどを外国の孤児院に預けるか、自らが養うために稼ぐか……。そうなると、元アルビオンの貴族という過去がバレにくく、貴族が多く古い歴史を持つが故にお宝が多いであろう弱小国であるトリステインでの盗賊業という彼女の選んだ方法はそう悪くなかったのかもしれない。

 

 『ありがとう、俺のつがい』

 『ふふ、どういたしまして、わたしのつがい』

 

 しかし、ティファニア嬢の近くにフーケがいるのは予想外だが、俺にとっては都合がいい。それに、いくつか理由は思い当たる。まず前提は原作と違い、共に行動していた彼女の雇い主であるワルド子爵がアグレッサーに捕縛されトリスタニアに引き渡されて獄中で拷問死している。つまり、フーケとはいえワルドの脱獄幇助はリスクが高すぎて手が出せなかったか、ワルドがアグレッサーに捕縛された時点で行方がわからなくなった可能性が高い。

 

 しかし、実際フーケはあのタルブ攻略戦に参加していただろうか。最後に俺が彼女の姿を捉えたのはラ・ロシェールで彼女のゴーレムごと吹き飛ばした時だ。無傷、もしくは軽傷であればワルドと参加していた可能性は高いが、治療に時間がかかるかもしくはティファニア嬢の癒しの効果を持つ指輪の力が必要なほどであればティファニア嬢の下で静養していた可能性もある。

 

 それに、彼女はレコンキスタと直接接点があったわけではなく、レコンキスタに所属するワルドの協力者という立場だったはずだ。その協力者と離れた以上、彼女の取るだろう行動は、ワルドの捜索か、ティファニア嬢の住むウェストウッド村が戦地にならないよう警戒するか……、アルビオン共和国からの情報が入ってこないのであれば不安が募ってもおかしくはないだろう。いやまぁ、その辺りはあまり重要ではないし、気が向いたら聞いてみる程度でいいだろう。

 

 そして、あとは艦隊がいつ到着できるかだが、艦長殿の予測では防衛ラインの構築場所まで約一時間半との事だ。敵の位置も気になるが、上空から周囲を見渡す風竜はまだ敵の影を捕捉していない。艦長殿の言では風竜に指示した高さから考えて三万の兵であれば五十リーグ以上離れていても影として捕捉できると考えているらしい。

 

 艦隊は高度を落とし、ヤードやテークルを取り外すという離れ業を行いながら蒸気機関のみを使い進んでいく。

 

 防衛ラインを形成する予定の場所の地理的な情報はウィンプフェン参謀長殿の部下が、先の防衛戦で捕虜となり連合軍のオブザーバーという立場を選んだ複数の貴族や士官から聞きだし、それなりに信頼できるであろう地図を作成した。そして、それを受け取った艦長殿がすでに効率的な防御陣地構築のための作戦を作成済みだ。

 

 艦隊が出撃する前に艦長殿からその地図を見せてもらい作戦を聞いたのだが、ティファニア嬢回収のために選んだ場所は意外とこちらにとっておいしい場所だったのかもしれない。

 

 地図を見た限りだが、そこは大軍を休めるために一夜だけの陣地を敷く程度であれば問題なさそうだが、普通に考えれば防衛陣地の構築など考えもしない場所だろう。遮蔽物と言えるものが平原の脇に存在する森かこの平原が持っている起伏くらいしかない。起伏と言ってもそれほど小さいものではなく、なだらかな丘や小山と言って良いくらいの高さはあるようだし、防御陣地を作るのであれば壁を作るための木材を近くにある森から調達も可能だろう。しかし、侵略されている中、一から作るには遮蔽物がなさすぎる上に利点はほとんどないだろう。

 

 しかも、徴兵により集められた歩兵がメインのアルビオン軍三万の兵に対し、こちらは強襲揚陸艦アルビオンのデザインをいただいたそれ自体が要塞とも言える旗艦レジュリュビに、機関砲や大砲を大量に積み込んだ戦列艦、大砲を積み、蒸気機関により風向きを気にすることなく飛び回る小型艦、そして足が速く対空戦にも索敵にも信頼の置ける風竜隊と、火力と防御力を備え、砲煙弾雨の中を喜んで飛び回る火竜隊が戦力だ。

 

 戦列艦やレジュリュビの分厚い装甲がそのまま壁となり、遮蔽物がないことによりこれらの戦力がキルゾーンという名の防衛ラインを容易に形成するだろう。相手にとっては入りこんでしまった瞬間、死者を大量に生み出しながら突き進み玉砕するか、白旗を揚げて降伏するくらいしかない。過剰戦力も甚だしいかもしれない。

 

 しかしながら地上に揚がった戦列艦というのはかなり便利なものなのかもしれない。数をそろえ、並べるだけで簡単に敵の進軍を阻む壁が出来上がり、しかも陸では運ぶのが大変な大砲を一隻辺り七十~百門ほど、規格外の艦であればそれ以上備えている。なるほど、ガリアが両用艦隊を作った理由がわかった気がする。

 

 あの広いガリア王国領を守るのに、ゲルマニアとの長い国境線を守るために馬鹿みたいに長い要塞を作るのは無理だろう。要所へすぐに移動することができ、海上でも湖上でも陸上でも戦え、それ自体が壁となり要塞となる両用艦隊はまさしくガリアのためにあるのかもしれない。

 

 カスティグリアも海には面している。その防衛方法を取り入れるべきだろうか……。しかし、カスティグリアのフネも基本的に海上への着水は可能だが、それは海上での待機や風石の消費を押さえるためであり、走波性はお察しだったはずだ。

 

 新規に新設計の戦列艦を作る余裕があるだろうか……。いや、大型艦が難しいのであれば、そして、海での運用を考えるのであれば潜水艦の試作に着手しても良いのではないだろうか。前世の映画で見た“木造の潜水艦でラムアタック”というのもロマンがあって良いものだ。実際に効果が出るかは全くもって謎だが―――

 

 ふむ。考えが逸れた気がする。思考を戻そう。艦長殿の作戦では、できるだけ引き付けられるよう申し訳程度に起伏の高い丘に防御陣地っぽく土魔法で壁を作り、その後ろの低い部分に高度をギリギリまで下げて艦隊を隠す努力をするといったものだった。ただ、高さが80mもあるレジュリュビがある時点でバレる気がする。

 

 いやまぁ、レジュリュビは急遽作った要塞と誤認させるため、地上に完全に降りるそうなのだが、普通に考えてこの規模の建造物を急遽作れるものなのだろうか。いや、生粋のハルケギニア出身の貴族であり、長年趣味で作戦を考えるような艦長殿が考えた作戦なのだ。ハルケギニアでなら起こりうると考えられることなのだろう。恐るべし、ファンタジー……。

 

 そして、アルビオン側に変化がなければ連合軍の上陸を妨害すべく、アルビオン三万の兵もそんな場所へ向っているはずである。休息を取ったアグレッサー以外の風竜が交代で艦隊の上空からその三万の人間が生み出す色を捜しているが、本当に向ってきているか正直少し自信がない。

 

 そう、アンドバリの指輪で主だった将校や重鎮を操り、五万の兵を集め、最強の空軍を持ったアルビオンだったが、彼らは原作とは違いすでに全ての戦列艦と、タルブでの戦いから数えて約八十の竜騎士失っている。無傷の連合軍の艦隊がいる場所へノコノコとやってくるだろうか。もしここを抜けたとしても後続の連合軍には六十隻の戦列艦が無傷で残っており、それらと順次上陸する六万の兵が出迎えるのだ。

 

 上陸阻止のために出た艦隊や竜騎士からの報告や連絡がない時点でアルビオン側の動きが変わっていてもおかしくないのではないだろうか。まぁ作戦上ここのラインを死守すると言ってしまった以上、カスティグリアは相手が来なくてもここを死守するしかないのだが、ティファニア嬢の事が片付いてもまだ来ないようであればある程度ここに艦隊を残して打って出ても良いだろう。

 

 少々(・・)思考の海に沈んでいる間に、先ほど軍港ロサイスで行われた砲撃の評価が纏められていたようで、艦長殿から各艦の砲撃結果が書かれた羊皮紙をいただいた。これによると火竜隊と各艦から観測した結果を統合したようなので概ね信頼できるものだろう。戦列艦の砲撃の命中率は約一割程度で小型艦からの砲撃の命中率は二割を超えている。小型艦の標的は最大射程の半分程度のものが多かったのに対し、戦列艦の目標は射程距離ギリギリだったためだろう。

 

 しかし、かなり成績が良い気がする。もしかして砲撃手もアグレッサーと同じく人外になりつつあるのだろうか……。

 

 さすがに艦隊戦で遠距離から相手のマストを折るほどの精度はないとは思うが、対地攻撃であればそこまで命中率に拘らなくても良いのではないだろうか。ぶっちゃけ次の目標は三万の群集だ。砲撃だけでなく、機関砲も使うだろうが、かなりの成果が期待できる。隣に座る艦長殿も満足そうだった。

 

 「いやはや、すばらしい戦果ですな、艦長殿。大砲が生み出す轟音と威力にも魅力を感じざるを得ないと感じておりましたが、正直ここまで的中するとは思ってませんでした。これならば実用に耐えられるでしょう。」

 

 「そうですな。この距離でしたらトリステイン空軍ならこの十分の一も当たればよいでしょう。砲撃手たちの努力の成果を見れて私も大変満足しております。」

 

 ふむ。先の戦果確認も終わったし、防衛ライン到着まで時間がまだまだ時間がある。上空偵察に出ているのは小数の風竜のみで、アグレッサーや火竜隊は手が空いているはずだ。動くなら今かもしれない。

 

 「艦長殿。恐らく例の客人をプリシラが見つけてくれた。お迎えするのにアグレッサーと火竜隊をお借りしたい。それとタケオに乗艦するルイズ嬢にコンタクトを取れないだろうか。」

 

 「おお、それはすばらしいですな。アグレッサーは温存しておりますし、火竜隊も出撃が可能な状態ですから問題ありません。しかし、ミス・ヴァリエールとのコンタクトはタケオの甲板上がよろしいかと。」

 

 なるほど、確かに内密な話になるかもしれないのにマジックアイテムを使って周りのクルーに聞かれる可能性が捨てきれない。タケオの甲板上でアグレッサーに人払いを頼んだ方が確実だろう。

 

 「なるほど、確かにそうですな。では、準備が出来次第タケオに向うとしよう。ルイズ嬢、そしてその使い魔君に出れるよう準備を要請していただきたい。ああ、竜の羽衣は必要ない。

 それと、事が運んだ暁には恐らくメイジが二名、そして、彼女らが保護する約三十名の孤児を保護する必要があるかもしれない。メイジの二人にはレジュリュビに二人部屋などがまだあれば喜ばしいのだが」

 

 「了解しました。そのように手配しましょう。二人部屋に関しては少々格が落ちますが問題ないでしょう。孤児達の方も船員用の部屋にかなり余裕がありますのでご安心ください。」

 

 突然の要請ではあったのだが艦長殿は余裕を持った笑みを少し浮かべ、ブリッジクルーに命令を出し始めた。

 

 

 これから艦隊が防衛ラインに到着するまでにフーケとティファニア嬢を回収、いや、保護? ううむ……、そうそう、彼女らとお友達になりに行くわけだが、ティファニア嬢とは初対面であり、フーケに手傷を負わせた事のある俺と敵対する可能性もあるし、フーケは突然来た俺を警戒するはずだ。アグレッサーと火竜隊を出す以上、制圧は可能だろう。しかし、フーケはともかくティファニア嬢は虚無の系統であり、どの程度虚無の魔法を使うことが出来るかは今のところ未知数な上、俺はまだ一度も虚無の魔法というものを見たことがない。危険が伴う可能性が捨てきれない以上、モンモランシーとシエスタは残ってもらった方が良いに違いない。

 

 極僅かな思考のあと、「ちょっとアルビオン貴族保護してくる」とコンビニに行くが如く軽い雰囲気をかもし出しつつ彼女達に告げようと視線を向けると、モンモランシーはすでに「準備は終わってるわよ?」と言わんばかりにその身に纏う真紅のドレスを確認して簡単に整え、俺にレビテーションを掛ける準備をしており、シエスタも各自の前にあったカップなどをいつの間にか全てティーカートに片付け終わっており、モンモランシーの斜め後ろに待機している。

 

 これは確実に一緒に行くという無言のアピールだろう。むしろ、連れて行かないという選択肢はいつの間にか消滅していたようだ。俺は以前、夜間にこっそりアグレッサーに頼んでラ・ロシェールに向った件で彼女達に心配をかけ、釘を刺されている。ここで危険だから連れて行けないというのはハードルが高い気がする。

 

 そのような理由であれば戦列艦と小型艦を随伴させましょうとか言われるかもしれない上、竜母艦ごとの移動になりかねない。それはそれで問題はないのだが、どう見ても過剰戦力であり、もはや彼女たちの中では怪しいレベルかもしれないが、一応名目上は偶然発見したのだ。

 

 う、うむ。もし俺が倒れた時にはモンモランシーのヒーリングが必要になるだろうし、孤児が三十人もいるとなるとシエスタの人を安心させ癒しをもたらす無垢で輝くような笑顔が子供らを落ち着かせてくれるかもしれない。それに、脅威になるとすれば交渉相手であるティファニア嬢とフーケだけだ。使えないとは思うが、こちらが降りる前にいきなりエクスプロージョンを撃たれたり、俺が血を吐いて倒れでもしない限り負けはしないだろう。いや、使えたとして使われたら困るので対策を考えておこう。

 

 「モンモランシー、シエスタ。アルビオンの王族の血族かもしれないと思われるような隠れ住んでいる女性メイジをプリシラが発見した。少々危険かもしれないが一緒に来るかい?」

 

 そう、二人だけに伝わるよう、こっそりと囁くと、モンモランシーは驚いたように目を一度見開いたあと、優しい笑みを浮かべて「ふふ、一緒に行くわ」と俺の耳元で囁いた。その溶けるような甘い声と吐息でフラッとしたが「私もいきますね」と笑顔を浮かべたシエスタに支えられた。

 

 モンモランシーはレビテーションを俺とシエスタにかけると、ブリッジクルーの一人が案内を申し出て、フライを使ってブリッジの上部に上がった。いくつかのセキュリティを抜けてブリッジ上部の竜などが発着する小さい甲板に出ると、すでにアグレッサーの隊長殿が待機していた。

 

 隊長殿に軽く挨拶をすると、俺は隊長殿の竜に乗せられ、竜が翼を広げるとふわっと浮いた。複数の竜が降りるには少々狭いのだろう、隊長殿の操る俺の乗った竜がフネを離れると、別のアグレッサーが着艦し、モンモランシーが同じように乗り、続いてシエスタも騎乗した。

 

 すでにある程度知らされていたようで、隊長殿の「まずはタケオですな?」という確認に俺が頷くと、アグレッサーはあっという間にレジュリュビの後ろを走るタケオに降り立った。

 

 甲板の近くに、ルイズ嬢とサイトがすでに待機していたようで、明るくてほとんど見えていなかったがアグレッサーが外へと向けた円陣を組むとルイズ嬢とサイトがその中に入ってきた。

 

 ルイズ嬢は普段と同じ学院の制服に女官のものであるのだろう百合の紋章の入ったマントを着用している。サイトはまぁ、いつもと同じ服だ。なぜか顔に出来たばかりだと思われるアザがあり、服が煤けているがいつもと同じ服だ。とりあえずデルフリンガーは持ってきているようなので問題は無いだろう。

 

 しかし、俺も同じく制服を着てくるべきだったかもしれない。少し恥ずかしい。いや、モンモランシーもドレス姿なのでそれに合わせていると思えば全然気にならないはず……。

 

 「ごきげんよう、ルイズ嬢。そして使い魔君。突然呼び出してすまないね。」

 「戦争中ですもの、構いませんわ。」

 「おう、それでどうした…んですか?」

 

 ふむ。サイトは船員や竜部隊の人間と意気投合したのだろうか。少々貴族言葉が崩れかけたようだ。

 

 「作戦外の事なのだが、少々用件が出来てね。ルイズ嬢、以前もし可能であればと頼んだ魔法は見つかっただろうか。見つかったのであればぜひとも協力を願いたい。」

 

 「ええ、二つとも見つけたと思うわ。」

 

 ふむ。すばらしい。お友達であり、今や女王陛下であるアンリエッタ姫の役に立ちたいという執念がそれを可能にしたのだろうか。続けてルイズ嬢は自信を含ませた笑顔を浮かべながら二つの魔法に関しての説明を始めた。

 

 「一つ目の魔法の効果を打ち消す魔法、解除(ディスペル)はまだ試してないから効果はどの程度なのかわからないけど、二つ目の過去の閲覧に関するものはさっき見つけて試したわ。記録(リコード)って言うんだけどその時にその場にあった物に宿った記憶を私と見せたい人間に、さもその場にいたように見せることが出来るわ。使えるかしら?」

 

 ああ、なるほど。サイトのこの負傷は試しに使ったリコードで何か読まれてはならない事を読まれてしまったのだろうか……。元凶はサイトだろうが、男の子には他人に見せてはいけない事象も存在する。そして、その発掘の引き金を探すようルイズ嬢に頼んだ俺もかなりの割合で悪い気がしてきた。すまない、サイト。強く生きてくれたまへ。

 

 「ああ、使えるとも。なんともすばらしい、ルイズ嬢。そこで、その記録(リコード)と君の“女王陛下の女官”という立場が必要になるであろう事案が出てきた。そう、アルビオンの貴族らしき人物を見つけたのだが、その女性は孤児を保護しつつ隠れ住んでいる。そして、貴族派ではなく王党派の生き残り、もしくはその前に戦禍から離れたと思われる。」

 

 クラウスに最高指令官を任された時、そして、同じくこの場で以前ルイズ嬢に頼んだ時は、虚無に頼る気は全くなかった。ぶっちゃけあの時はガリア王ジョゼフに対する時の保険として頼んだ気がする。しかし、見た目はただのエルフであるティファニア嬢が、モード大公の隠し子でありアルビオンの虚無の系統であると証明するのに一番いい方法を思いついてしまったのだ。

 

 「一応俺は“捕虜や保護した人間への裁量権”というものを女王陛下と枢機卿から認められており、マジックアイテムによる審査も可能だ。しかし、相手がレコンキスタに関わりのない貴族程度ならば問題ないのだが、万が一、忘れられていた最後の王族の血統、つまり傍流や知られていなかった妾の子なんかだったりしたら不敬極まりないだろう。それに、もしそのような事であればその人間はアンリエッタ女王陛下の従姉妹という事になる上、今後のトリステインとアルビオンにかなり強い影響を与えるはずだ。そこで、女王陛下の女官である君も保護に関わった方が良いと判断した。場合によっては今後の事を君や女王陛下に任せる事体になりかねない。是非とも協力をお願いしたい。」

 

 カスティグリアが彼女を保護するのはリスクが大きい故にむずかしい。そして、アンリエッタ女王陛下に彼女の保護を依頼、もしくは彼女が自ら保護に乗り出すように証明するには、ルイズ嬢の女官という立場、そして同じ虚無の系統という立場がきっと共感を引き出すだろうし、リコードでまとめて情景を見せれば良いと……。彼女の出自、そして虚無の系統に関しては恐らく肌身離さず持っている彼女の杖が証明してくれるだろう。まぁ、ダメそうならばマジックアイテムや惚れ薬を使えばよかろうて……。

 

 「とりあえずリコードで真偽を明らかにすればいいのね? わかったわ。行くわよ、犬」

 「わ、わん」

 

と、ルイズ嬢は要約した上で気軽に請け負ってくれた。しかし、サイトは一体何を見られてしまったのだろうか……。全く思い当たる節がない。ま、まぁサイトも呼んだ理由はルイズ嬢のボディーガードだけでなく、彼がティファニア嬢のお友達になり今後の人間関係の潤滑剤にでもなってくれればと思ったのだが、もしかしたら彼の地雷を増やしてしまう行為だったのではないだろうか。

 

 しかし、きっと原作の方が体罰はきつかったはずだ。それにサイトの好きな胸の大きな美少女だ。ふむ。彼にとってそのくらいの体罰(ハードル)はスキンシップのようなものだろう。俺なら生死に関わるが、彼にとって収支はプラスという事で良いだろう。

 

 そんな事を考えていたら、いつの間にか火竜隊と合流したアグレッサーはプリシラの先導で移動を始め、ウェストウッド村の上空にたどり着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 




 はい。メロンさんまでたどり着きませんでしたね^^;
 次話を書き初めて大丈夫そうに見えたのでアップしました。最後の方はやっつけ感が否めませんね。ええ、本当にすいません。なぜか首が痛くてこれが限界でした。ロキソニンの残弾ががが!?

 前半なぜ艦長殿の話があそこまで長くなったのかは私もよくわかりませぬ。ぶっちゃけ艦長視点でモットおじさんの時みたいに書き進めても良いかと思ったのですが、オリキャラでそれはちょっと気が引けました^^;
 艦長は参謀の方が合っていたのでは? きっと彼を平海尉で手元に置いていた前艦長は彼を参謀として扱っていたのではないかと思います。ええ、目指す方向を間違えた感が否めませんね。父上がなぜ彼を採用したかですか?

クラウス「あんな有能な艦長をどこから探してきたんですか? 父上」

父上  「いや、適当に勤務期間が長い貴族の平海尉を名簿で探した。トリステイン貴族にしては珍しく税の申告が正確だったから気が合うと思った。彼からよく提案書が届くがフネとか艦隊の運用とかあまり興味ない。そこで、これまでの分も含めて全てお前に回すことにした。クラウス、後は任せたぞ。」

クラウス「まさか僕の仕事がハードモード!? 兄さんといい父さんといい……」(パタリ

 こんな感じだったり?^^ あれ? 後書きで書こうと思っていた事を何か忘れている気がする。すいません。多分何か忘れました。


 次回予告! マチルダ姉さん視点でメロンさん登場予定DEATH

次回おたのしみにー!

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