NARUTOうずまき兄妹伝~天の書~   作:ハマT

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No.-1次世代に繋ぐ意思

「お前の術の正体は分かってんだ!!」

ジャシンのところに来たナルト。ナルトはチャクラモードと仙人モードを重ねがけしている。

「僕の術の正体だと・・・ならこれをかわせるっていうのかい!!」

そう叫ぶとジャシンの姿が消える。現れたのはナルトの後ろ。無防備なナルトに棍棒が振り下ろされる。しかしそれをナルトが受け止める。

「お前の術は時間を操る術だ・・見えねぇ攻撃も、早え動きも全部時間を止めているからできることだ!!それに時間を止めている間はお前は攻撃できねぇそれと仙人モードをかけている奴は止められねぇってことだろ!!」

ジャシンの術の説明をするナルト。そのナルトが空を見上げる。それに釣られジャシンも空を見上げるととんでもない光景が目に入った。

ーー空を覆い尽くさんばかりのナルトがいた。それぞれが手に螺旋丸を持っている。

「仙法・超大玉螺旋多連丸!!」

全てのナルトがジャシンに向かって降り注ぐ。螺旋丸の雨が止んだあとそこには傷だらけのジャシンがいた。

「これほどとは・・・・さすがアシュラの転生者だ・・・」

「なんでお前がそれを知って・・・・まさかお前大筒木・・」

「ここまで鋭いのは厄介だな」

この言葉を聞いてナルトはジャシンの正体に気づいた。もしそうだとすれば今ここで野放しにしておくのは危険だ。

「うずまきナルト・・・君には闇の中でさまよってもらう!!」

それだけ告げるとジャシンはどこかに去っていった。

 

「あなたは誰ですか!!」

木ノ葉病院では目が覚めたばかりのヒナタが一人の男と向かい合っていた。出産の疲労はまだ抜けきっておらず、どうやら立っているのもやっとみたいだ。

「うずまきヒナタ、うずまきボルト、うずまきヒマワリ・・君たちには消えてもらう姉上復活のために!!」

「させっかよ!!」

そう叫んで入ってきたのはナルトだ。どうやら先ほどの術で多くのチャクラを使ってしまったのか仙人モードもチャクラモードも消えている。

「ヒナタ!!そいつは危険だ!!四獣封印をやるってばよ!!」

そう聞いた瞬間何かを言いたそうにしたヒナタだがナルトの目を見て言葉を詰まらせる。ナルトは本気でこの術をやるつもりだ。頷いたヒナタはジャシンに向かって攻撃を仕掛ける。ヒナタの放った柔拳はジャシンに簡単にかわされる。

「ヒナタ準備できたってばよ!!」

ナルトがそう言うとヒナタは少し下がる。気づくとジャシンはナルト、ヒナタ、ボルト、ヒマワリに四方を囲まれている。

「「封印術四獣封印!!!」」

ナルトとヒナタが印を結ぶと地面に模様が浮かびジャシンを光が包み込む。この術は四人で対象の四方を囲むことでできる封印術だ。二人以上で発動する術には術者の連携が必要な術と人数さえ揃えば発動する術とに分かれる。後者の方は術に必要なチャクラを誰かが肩代わりすることができる。この封印術も同様でありナルトは、ほかのみんなのチャクラを肩代わりしている。もちろん肩代わりしチャクラがなくなった場合その者は死亡する。

必死にチャクラを肩代わりするナルトだがチャクラが足りない。先ほどの戦いで使いすぎたのだ。このままだと術そのものが発動しない。それに気づいたナルトの目の前で大きなチャクラが上がった。ヒナタだ。ヒナタも足りないチャクラ量を肩代わりしたのだ。ヒナタの顔を見るとニコリと微笑んだ。そしてその瞬間まばゆい光が辺りを照らした。その光が消えるとジャシンの姿はなくその場にはナルトとヒナタが倒れていた。

「ヒナ・・・タ・・ごめん・・なお・前を巻き・・込んじまって・・」

「大丈夫だ・・よナ・・ルト君・・私は・・ナル・・ト君となら・・どこにいって・・もいいから」

二人とも互いに足りないチャクラを肩代わりしそのチャクラは尽きてしまった。

「ヒナ・・タありが・・とうな俺・・を家族に・・してくれて俺・・愛情って・・のを知・・らなかった・・からな・・本当に・・ありがとう」

「ナルト君・・」

私もナルト君と家族になれて良かった。その言葉はかすれてしまいその口から発せられることはなかった。二人は互いに手を伸ばし互いに握りあうとその瞼を閉じた。

 

「ハナビ少し急ぎすぎだぞ」

「だってお姉様の子供ってもうすぐ産まれるんでしょ?早くみたいよ」

そう言ってヒアシたちを急かすハナビ。日向家の用で少し里を離れている日向家の一部の者たちはもうすぐ産まれるナルトとヒナタの子供を見るのが楽しみだった。もしかしたら里にいない間に産まれている可能性もある。そう報告が来ればここにいる何人かは里に戻るだろう。ヒアシも予定を放棄し里に戻るつもりでいた。

「ヒアシ様!!緊急事態です!!至急里にお戻りください!!」

突然現れた暗部は仮面の上からでも分かるほど焦っている。暗部は基本感情を殺すように特訓されているはずだが・・・

「何があった!?」

「先程里が何者かに襲撃を受けました。幸いにも死者はほとんど出ませんでしたが・・」

「それは良かった・・」

「誰が死んだと言うのだ?」

ヒアシが暗部に向かって問いただす。その質問にハナビたちは少し疑問に思い考えると暗部は死者はほとんどいない、つまりゼロではないと言ったのだ。やっと分かった皆に最悪の言葉が告げられた。

「うずまきナルト様とうずまきヒナタ様がお亡くなりになれました」

 

ナルトとヒナタが死んだと言う報告を受け日向家の皆は急いで里に戻り木ノ葉病院に向かった。ヒナタの入院している病室に行くと五代目火影の綱手やその弟子のサクラ、さらには同期のメンバーが集まっており部屋にある二つのベッドには見たことのある服を着た人物が横になっており顔には白い布が被せられていた。ヒアシはベッドに行き二人の顔の布をそっとめくる。そこには一年前結婚したばかりの娘夫婦の姿があった。二人の姿を確認したハナビはその場には座り込み嗚咽を漏らしながら鳴き始めた。

「ヒアシこの二人を・・・」

綱手がヒアシのもとに二人の赤ん坊を連れてきた。

「名はボルトとヒマワリ・・二人の子供だ」

綱手がそう告げると涙を堪えていたヒアシも涙を流し鳴き始めた。

 

かつてこの忍界を救った英雄。その英雄の早すぎる死に忍界全土が悲しみに包まれた。

その死から12年ーー新たなる世代の新たなる物語が始まる。

 




荒太の出番は多分ないので言いますがイタチが里を抜ける前に作った子供です。

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