NARUTOうずまき兄妹伝~天の書~   作:ハマT

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BORUTOのDVD発売記念と言うことで時系列は原作沿い
すみません前後編に分けます後編はいつか書きます


NO.0受け継がれる意志、変わらないもの前編

「行って来るってばさ!!」

ヒナタとヒマワリに見送られボルトが家から飛び出す。今から約一年前の中忍試験でボルトは父であるナルトの胸に秘める思いや過去を知った。そして自分にとってナルトがどんなに大切かを知り今は父が忙しくとも何も文句は言わない。何かの記念日でも本体が来なくとも父を攻めることはなくなった。

「ボルト、おはよう」

集合場所に来ると同じ班のミツキが声をかけてくる。

「時間には早いけどこれで全員揃ったね」

どうやら集合場所に来たのは自分が最後らしくサラダや班長の木の葉丸までいる。

 

「今回の任務は木の葉の外れのイノシシ退治だ」

「全然納得いかねぇってばさ!!」

ナルトが告げた任務の内容を聞き文句を言うボルト。それもそのはず木の葉丸班はミツキとサラダが中忍に昇格している。ボルトも試験には合格したが試験中の不正(敵の襲撃の影響で仕切り直しのため不正は無かったことになっている)を理由に自ら辞退している。そのためさすがにもう少し難しい任務を与えられてもおかしくはないのだが与えられるのはいつも草抜きや迷子の猫探しといった簡単なものばかり、さすがに不満も爆発するだろう。

「今回の任務はお前の考えているほど甘くはない……抜け忍が関係してるかも知れないんだ」

ナルトの顔が真剣になる。そして任務の詳細を聞こうとした瞬間ナルトが消える。影分身だ。

 

「結局なんだったんだってばさ………」

その後シカマルから任務の詳細を聞き現場に向かったが抜け忍のなんの関係もなかった。結局は無駄足だった。

「ただいまー」

「ヒマワリ!!!」

家に帰るとヒナタが走って来た。少し様子がおかしい。

「母ちゃんどうしたんだってばさ?」

「ヒマワリが………ヒマワリがまだ帰って来ないの!!」

ボルトの妹であるヒマワリ、昔兄妹喧嘩で半殺しにされたこともありヒマワリを怒らせるのだけは絶対にしなくなった。そのヒマワリがまだ帰って来てないことを知り探しに行こうとした瞬間、今日見たおかしな光景が脳裏を過る。ナルトは普段影分身を使い里で色んな事をこなしているが今日はその姿を見ていない。更に突然消えた火影室のナルトの影分身、帰って来ていないヒマワリ。嫌な予感が頭を過る。

「母ちゃん一緒に来て欲しい所があるってばさ!!」

 

ボルトはヒナタを連れ妹が通うアカデミーに来ていた。

「油女先生!!今日ここでなんか特別な授業しなかったってばさ!?」

「……ああ、七代目を呼んで実際に生徒との交流会を行った」

「そこに来た父ちゃんって影分身か?!」

「いや本体だ、なぜなら授業のなかで実際に組手を行ったからだそれより何かあったのか?」

「シノ君実はヒマワリがまだ帰ってこなくて………」

ヒナタはシノにヒマワリが帰って来ないことやナルトの影分身の姿を1日見ていないこと等を話す。

「なるほど事情は分かったがヒマワリは放課後にきちんと七代目と帰った。確か12時頃だったな」

「……12時?」

「ああ、今日は午前授業だからな」

ヒマワリは午前授業でも昼から友達と遊ぶ等の理由がある場合ヒナタに午前授業であることを伝えないことがよくある。最も最近は平和で大きな事件と言えば去年の中忍試験の時くらい。そのためヒナタもその辺についてはなにも言わない。その上ナルトも一緒にいるため大丈夫であると油断した。

「油女……先生……」

三人で話をしていると一人の子供が入ってきた。確かヒマワリのクラスメイトで名前は……よくわからない。

「折鶴かどうした?」

「私見ちゃったんです七代目とヒマワリちゃんが変な人達に連れていかれるのを」

「変な人達?」

「はい、みんな額当てにキズがあって、背中には傘の模様があって……」

「それって………神楽………」

神楽。色んな里の抜け忍を集めた、犯罪組織だ。メンバーは傘の模様のついた服を着ている。

 

夜、皆が眠り里の中を歩くのは酔っぱらいや野良猫や野良犬位となった頃一つの影が門に向かって走っていた。

「待つってばさ……母ちゃん」

その影ーーヒナタをボルトが呼び止める。

「父ちゃんとヒマワリを助けに行くんだろ?なら俺も行くってばさ!!」

「ボルトこれは遊びじゃないのよ!!」

「悪いがここにいる連中はそれがわかってるやつばかりだ」

ボルトの影から何人もの人が出てくる。シカマル、チョウジ、いの、サクラ、サイ、サスケ、キバ、シノ、リー、テンテン。ヒナタと親しい者たちだ。

「それにそれはパパ達だけじゃないのよ」

更にサラダ、ミツキ、チョウチョウ、シカダイ、いのじんが合流した。

「ヒナタ、ナルトとヒマワリを助けたいのはお前だけじゃないと言うことだ」

 

暗い牢屋の中、ヒマワリが縛られていた。火影の娘であるため木の葉を狙う連中に何かされる可能性がありアカデミー以前からいくつかの護身術を身に付けていた。着ている服は基本的に長袖を来ており袖もとには口寄せの術式、靴のかかとにはクナイをまた去年ヒナタからもらった髪飾りの裏にも口寄せの術式を仕込んでいる。縄抜けも会得している。冷静ならこのくらいの縄は簡単に抜けることができる。しかし時おり聞こえる父のうめき声の影響で冷静にいられない。そのため縄抜けをできないでいた。何度も聞こえる声にヒマワリは恐怖と悲しみ、絶望に心が染められていった。

 

木の葉の東、ここにはかつてどこかの一族が使っていたとされる古城がありそこを神楽のメンバーがアジトとして使っている。その古城が突然爆発する。そこにシカマル達が間髪いれず攻撃を仕掛ける。見張りをしていた忍と戦闘を開始するなかその影を通ったものが何人かいたがそれに気づけた者はいない。

 

古城の中をボルト達が走っていた。外の襲撃の隙をつき古城に潜入したのだ。しばらく走ると道が二つに別れていた。ボルト達はそれぞれの班ごとに別れる。シカダイ達がしばらく走り続けると坑道の入り口が見えてきた。よく見ると一人の男が立っていた。

「最悪だ………岩の抜け忍ツチノシン!!」

「ここに来るのはガキだけか……他の連中は伝説の世代と戦えるのに………」

あっという間だった。シカダイが影真似でツチノシンを拘束しようとするがそれをツチノシンはかわす。そこに間髪いれずいのじんの超獣戯画が襲う。それをかわした先にチョウチョウの攻撃が飛んできてツチノシンは吹き飛ばされる。

「神楽の連中もたいしたことなかったね」

「これが新生猪鹿蝶のちからか?」

チョウチョウの攻撃を食らったはずのツチノシンが何事もなかったかのように立っていた。

「私は踊るこの大地と共に」

ツチノシンが踊り出すと地面がまるで生きているようにうねりだし三人を飲み込んだ。

 

一方の陽動部隊も見張りの忍をある程度減らしそれぞれの城内に潜入していた。シカマルがしばらく進むと大きな広間に出た。

「ようこそ奈良シカマル君私の名前は恭本ワタル、草隠れの里の抜け忍だ。さぁまずは座りたまえ」

「敵にそんなこと言われて座るやつがいるか?」

「安心してくれ何も罠は張っていない」

信用したわけではないがシカマルもだてにナルトの補佐をやっているわけではない。ナルトを騙して自分のいいようにしようとするやからの言葉を見抜いてきた。だからこそ罠はないというのは本当であることがその言動から分かった。しぶしぶと椅子に座るシカマル。するとワタルはシカマルの手元にカードを渡す。カードは全部で五枚、それぞれ1、2、3、4、5、と書かれている。

「これからやるのは簡単なゲームです。あなたに渡した五枚のカードから二枚選んで下さい。それを私に見えないように裏返しにしてください。もちろん私も同じ事をします。そして交互に質問し先に相手の数字を当てた方の勝ちです。質問にたいしてははいまたはいいえのみで答えて下さい」

そういうとワタルは自分の手元にある五枚のカードをシカマルに見せる。シカマルと同じ数字が書かれておりカードには仕掛けもない。どうやらイカサマをする気はないらしい。

「では始めましょうあなたには子供がいますか?」

「おいそんな質問でいいのか?」

「構いません質問は質問ですから」

「はいだ、お前の数字は1と4だ違うか?」

「はい」

そう言うとワタルは自分のカードをひっくり返す。シカマルの言うとうり1と4がカードに書かれていた。

「何故分かったのですか?」み

「簡単な事だ人間誰でも何か数字に語呂合わせを考えたくなる。だからその数字でできる組み合わせのなかでイチゴを連想できる1と5兄さんを連想できる2と3の組み合わせはないとかんがえた。お前素直じゃなさそうだし……まぁ後は勘だな」

それだけ告げるとシカマルは部屋を後にした。

 

「そんなダンスじゃのれねぇな」

ツチノシンの土遁を食らったシカダイ達。あまりの衝撃にいのじんとチョウチョウはどこか別の場所に飛ばされここにいるのはシカダイだけだ。一人でも何とかしようと構えた時だった。ツチノシンの後ろから人影が現れた。

「?!お前は?!」

神楽のメンバーに囚われているはずのヒマワリだ。

「ヒマワリ!!そいつから離れろ!!」

誰かに助けてもらったのか?それとも自力で脱出したのかは分からないがシカダイはゆっくりとツチノシンの方に向かっていくヒマワリに声をかける。その瞬間突然ヒマワリがツチノシンに突きを放つ。油断していたのかツチノシンはかわさずその攻撃をくらう。その瞬間ツチノシンは動きを止め地面に倒れた。

「ヒマ……ワリ……?」

何があったのか分からなかった。本当に突然すぎる出来事だ。ゆっくりとシカダイの方を向くヒマワリ。その目には白眼があった。ヒマワリと目があった瞬間一気に寒気がシカダイを襲った。もし自分が忍ではなく普通の子供だったら気絶していたかもしれない。

「影真似の術!!」

本能的にヒマワリの動きを止めないと自分がやられると感じたシカダイはヒマワリを影で拘束しようとするがことごとく影をかわされる。あっという間に接近されたシカダイはヒマワリの柔拳をくらい吹き飛ばされる。

「おい!!どうしたんだよヒマワリ!!」

返事はない。完全に我を失っているようだ。ヒマワリが再びシカダイに殴りかかる。それをシカダイは受け止める。それと同時にヒマワリの動きが止まる。受け止めた時に影真似で動きを止めたのだ。

「お前に何があったかは知らねぇが、お前は七代目の娘でボルトの妹だろ!!正気に戻れ!!」

その言葉を聞いたヒマワリの目から白眼が消えその場に倒れる。どうやら眠っているようた。シカダイの言葉がヒマワリの心に響いたのか疲れはてて眠ったのかは分からないがかすかにヒマワリの口が動いた。

 

「七代目!!ヒマワリちゃん!!どこですか!!」

城の中をリーとテンテンが二人を探し進んでいた。

「すみませんが図書室では静かにしてもらえませんですか?」

「あ、すみません」

「リーここにいるってことは敵よ!!」

いつの間にか図書室に来ていた二人。図書室にいた女性に注意されリーは立ち去ろうとするがそれをテンテンが止める。ここは敵の本拠地、ならこの女性も敵である。

「まさかこんなに早くバレるとは思っていませんでした」

「テンテンいきますよ!!」

敵に向かってリーが突っ込み攻撃を仕掛けるが敵はそれを踊るようにかわす。リーの攻撃は当たらない。その合間をテンテンがクナイを投げ攻撃するがそれもかわされる。

「私はセイラ、文字と踊るもの」

セイラが空中に斬と書く。するとそこにそこに触れたリーの足から血が出る。

「空中に書かれた文字に触れたらその文字の意味のことが起きる今のは斬だから体が切れるってこね」

「そうよでもわかっても私には勝てない」

セイラが砲の上に爆を書く。すると大砲の玉みたいに爆が飛んでくる。

「セルフで大砲ですか……やりますね」

それをかわしセイラに突撃するリー。

「表蓮華!!」

「鉄!!」

自らの体に鉄と言う字を書きそれをリーが蹴りあげるがセイラの体はびくともしない。そこにテンテンが起爆札のついたクナイを投げるが全てセイラにはきかない。

「あなた達は私に勝てない」

「いえ必ず勝ちます!!剛!!」

リーは自分自身の体に剛と言う文字を書く。 その瞬間セイラがリーの体に無と書こうとするがわずかにリーの方が早くセイラを蹴り飛ばす。

「テンテン!!」

「りょーかい!!」

テンテンが巻物から剣を出すとそれをリーに投げる。リーはそれを受けとるとセイラに切りかかる。それをセイラが壁と書き防御する。

「なかなか攻撃が当たりませんね」

「なぜあなた達もこの術を使えるのですか?!」

「簡単なことよあんたの術はただの結界忍術!!だから私達にも使えるのよ!!」

セイラの術は結界の中にいる者が字を書くとその字の通りになる結界忍術。だからリー達にもこの術が使えたのだ。

「テンテン!!」

「りょーかい!!」

リーとテンテンが同時にセイラに向かって突っ込む。テンテンが剣を呼び出しセイラに斬りかかる。それをかわすセイラの目の前が突然煙に包まれる。テンテンの姿を見失った瞬間セイラの体が突然宙に浮く。リーだ。リーはセイラを蹴り上げ体を包帯で縛りそのまま地面に叩きつける。その一撃をなすすべなくくらったセイラは全く動かなかった。


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