二人の『ゼロ』   作:銀剣士

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『愚者』と『神の盾』

「こ、これは……!?」

 

「キュルケ、もしかしてこれが今学院で噂になってる……!?」

 

緑色に落ちた世界は、血にも似た赤い染みを伴い、空に浮かぶ二つの月も、緑色の光を映す。

 

「これが、影時間。私がかつて戦いに身を投じてた世界」

 

タバサはキュルケにしがみつき、ルイズもカリーヌに抱き付いてしまう。

 

「この世界は『死』の世界、『影』の声を聴いた者に等しく『死』をもたらす世界……だった」

 

紗久弥の言葉に反応はない。

 

それでも紗久弥は言葉を紡ぐ。

 

「『私』は、この世界を作り出した存在と戦い『絆』と共に『死』との融合を果たし……永劫の眠りに着いていたの」

 

けれど、と、ルイズの髪を手で梳きながら。

 

「気が付いたら、この娘の顔が目に映った。私がどれ程の時間眠っていたかは解らない、でも……凄く嬉しかった、人を見ることが出来たから、世界はまだあるのだと解ったから」

 

感謝、してるのよと、ルイズの額に口付ける。

 

そして皆から離れ。

 

「今、この『越端紗久弥』という人間の身体は、かつて倒した『先導者』の物、所謂化物の身体」

 

紗久弥の言葉に続くように、何処からか声が響く。

 

『そして、かつて「宣告者」であった僕の身体』

 

タバサから小さく悲鳴が漏れる。

 

「やあ、小さなお嬢さん、怖がらせてごめんよ?僕はファルロス、紗久弥の『半身』さ、危害を加えるつもりは無いから安心して欲しいな」

 

姿を現したファルロスを見たキュルケは、中々可愛いじゃない?と評し、ルイズは生意気そうと言った。

 

そして、タバサはそっとファルロスの腕に触れようと手を伸ばし……ファルロスに掴まれた。

 

逃げようとするも更にしっかり掴まれてしまう。

 

「おっと、どうかな?君の怖れる様な者に感じるかい?」

 

「は、放し……?」

 

タバサは掴まれた腕の感触に覚えがあった。

 

「サクヤ……?」

 

「その通りだよ、紗久弥自身が言っていただろう?『倒した敵の身体』だと。その敵と言うのが僕なのさ」

 

そう言った途端、キュルケ、タバサ、カリーヌは杖をファルロスに突き付ける。

 

「アハハ、歓迎されては無かったようだね、でも安心してよ、言わなかったかい?危害を加えるつもりは無いからって」

 

カリーヌはルイズを背後に守り、警戒を崩さない。

 

「一つ訊きたい、今はサクヤの敵では無いのですね?」

 

「勿論さ、敵対したのだって不本意だったんだからね?」

 

「それじゃあどうして敵対何て事になったのよ?」

 

警戒を弱めたカリーヌの肩越しに、ルイズは問いかける。

 

「そうだね……僕は『死』の宣告者として彼女に訊いたんだ『安らかな死』と『絶望の中の死』と、どちらが良いか……とね。そして……」

 

「私は、足掻く事を決めたの、仲間と共に最後の最後、命の全てを賭けて『死』に抗うと」

 

「そして、僕は先導者として、『死』を誘導する為に」

 

「私は、抗うものとして『死』に立ち向かう為に」

 

二人は、敵対した。

 

『死』の定めは、紗久弥と仲間達、その絆と共に討たれ、紗久弥は『死の揺りかご』となり、春の陽気の中で、息を引き取った。

 

それから『越端紗久弥』という魂のみの存在は『死』と共に、深きその場所でたゆたうだけだった、その時までは。

 

銀の鏡は唐突に『扉』の中に現れ、眠る『紗久弥とニュクス』に触れ……

 

「そして、紗久弥はルイズ、君に召喚されたんだ『死の宣告者』の身体と共に……何故、君は紗久弥を召喚出来たんだい?」

 

「な、何でって言われても……サモン・サーヴァントは召喚者の資質に見合った『動物』が喚ばれる筈だったもの」

 

ファルロスはその言葉に思案に耽る。

 

「ファルロス?」

 

「……ルイズ、君は……いや、君もまた『旅人』なのかい?」

 

「へ……?」

 

思わずルイズはカリーヌと目を合わせ、頭を捻る。

 

「おや、そろそろ時間のようだ、今日はここまでかな?」

 

ファルロスの言葉に声をあげるのは紗久弥。

 

「私の自由になるんじゃなかったの?」

 

「ああ、制限時間は変えられないよ、以前と変わらずだね。君が自由に出来るのは始まりの時と制限時間内での終わりの時だよ、影時間その物を操れるのは『ニュクス』だけさ」

 

紗久弥がなるほどなーと、関心している間に影時間は明け、元の世界に戻る。

 

「あ、そうだルイズに訊きたいんだけど……平気?」

 

「あ、うん……サクヤは……化物何かじゃ無いからね?それで……訊きたいことって?」

 

「ありがと……でね、このルーンって結局なんなのかなって」

 

左手のルーンは、仄かな光を放っているーー

 

 

 

 

ーールーンの事は明日にして、休む事にした紗久弥達。

 

キュルケとタバサは退室し、残るはルイズとカリーヌ、そして紗久弥。

 

「流石に母娘水入らずを邪魔する訳にはいかないと思うんだけど……」

 

「あら、ベッドが狭い訳でも無いでしょう?私は構いませんよ」

 

「わ、私も構わないわ、って言うか何処で寝るつもりなのよ?」

 

そう聞かれて紗久弥は数瞬考えて。

 

「シエスタ?」

 

と答えた。

 

「シエスタってあの黒髪のメイドよね?仲良いの?」

 

「うん、昼食とかお風呂とかよく一緒してるかな」

 

そんな紗久弥の言葉に何故かルイズは不貞腐れ、じゃあその子の所に行けば?と、ベッドに潜り込む。

 

「ルイズ、女同士でヤキモチ妬いてどうするのです……」

 

「べ、別にそんなのじゃ……!」

 

掛け布団を頭まで被って嫉妬であることを否定するも、まるっきり嫉妬である為、言葉につまる。

 

「まったく……素直になることも覚えないといけませんよ?」

 

「はい……」

 

そして、顔だけ出して。

 

「一緒に、寝てくれる?」

 

と、言ってきた。

 

紗久弥は『萌えて死ぬ』とはどういう事か、この時知った。

 

 

 

 

明くる朝。

 

ここ数日ですっかり慣れた起床時間は、暁の時。

 

メイド服に袖を通して、紗久弥の一日は始まる。

 

が、その日は何時もと違い、一緒に目を覚ます者がいた、カリーヌである。彼女も朝は早い、軽く運動をして汗を流し沐浴で身を引き締める、それが彼女の朝である。

 

「おはよう、サクヤ」

 

「おはよう、カリン」

 

ルイズが聞けば真っ青な顔になるだろう挨拶を返す紗久弥に、カリーヌは満足そうに笑みを浮かべる。

 

これはルイズが眠りについた後、カリーヌが言い出したことであった。

 

曰く『友人なら友人らしい接し方があると思わない?』らしい。

 

その際、紗久弥は良いのかなぁと思いつつ『解ったよ、カリーヌ』と返したが、カリーヌは首を横に振り。

 

「親しい友は今も私を『カリン』と呼ぶわ、サクヤ……貴女はどう?」

 

それは、友に問い掛けるように。

 

それを受け、紗久弥は少し考えて。

 

「了解、カリン」

 

と、微笑んだ。

 

それが昨夜、眠る前の一幕。

 

「ルイズは……よく寝てるわ。本当、幸せそうな寝顔……サクヤのおかげかしら?」

 

「多分、カリンがおめでとうって言ってくれたのが嬉しかったんじゃないかな?さ、行こっか」

 

「ええ、そうね」

 

二人の退室に合わせてルイズは目を開ける。

 

「……何か……サクヤとお母様が長年の友人のようになってる……何なの……?」

 

自分も……と思うが、難しそうだとも思う。

 

素直になることが、あんなにも難しいと、恥ずかしいとは思わなかった。

 

「ちぃ姉様にはあんなに素直になれるのに……」

 

ルイズは知るよしもないが、もし召喚したのが平民の少年だったらば、こんな事に頭を悩ませるのはもっと後になっていただろうーー

 

 

 

ーーカリーヌと別れた紗久弥は、他のメイド達と合流し、朝の洗濯に励む。

 

「サクヤちゃんすっかり慣れたね」

 

黒髪のメイド、シエスタと並んでおしゃべりを楽しみながら行う洗濯も、大分上達したようで、シエスタに褒められた。

 

「流石にシエスタのフォローが良いからね、一人だとまだこの量は難しいかな」

 

何組かに別れて行う洗濯、一人頭は約三十着程、洗うだけでも一仕事。干すとなったら更に事で、返す時が一番難儀である。

 

部屋から引き揚げた順番通りに洗い、干して返す。

 

メモを取っていても間違えそうになるのを、シエスタがフォローして事なきを得る事が多い。

 

洗濯だけでなく、掃除や料理の配膳等も、シエスタはよくフォローしてくれる。初日の配膳は人員に余裕がある所に入ったためにゆったりと仕事が出来たのである。

 

紗久弥をシフトに組み込んだ今は、余剰人員はなく、余裕は少ない。

 

「メイドの仕事は奥が深いわ……」

 

改めて気を引き締める紗久弥を見て、シエスタもまた『頑張ろう』と思うのであったーー

 

 

 

ーーメイドとしての朝の仕事の最後は、ルイズの身支度を整える事で終わる。

 

その為には、先ずは起こす事から始めるのだが……

 

「あれ?」

 

部屋に居なかった。

 

「お早うサクヤ、ルイズならカリーヌ様に連れられて魔法の練習に行ったわよ」

 

隣のドアから丁度出てきたキュルケの言葉の後に、どぉぉぉんと音がした。

 

「昨日、貴女と夫人が戦った場所に行くって言ってた」

 

のっそりとキュルケの後に出てきたでっかいトカゲに座ったままのタバサが付け加える。

 

でっかいトカゲについてはまた後で聞くことにして、紗久弥はルイズの元に急ぐことにした。

 

 

 

 

「命中精度は上がっているようですね、ですが力んだ場合は精度云々と言うレベルではまだありませんか……」

 

カリーヌは、ルイズの魔法が逸そ爆発しかしないなら、その爆発に長けさせようと、ルイズが十になる頃には厳しく指導していたが、爆発魔法はルイズの感情に威力・精度が大きく左右されてしまう。

 

この為、ルイズ自身の心の成長が不可欠なのではあるが、紗久弥との出会いで幾分成長したのだろう、カリーヌが思っていた以上に精度を上げられるようになっていた。

 

「後は威力も上げた状態で精度も上げられるように精進なさい」

 

「はい、お母様」

 

「おお、こちらにおいででしたかミス・ヴァリエールに公爵夫人」

 

声の主はコルベール。そして何故か紗久弥も一緒である。

 

「ルイズ、公爵夫人、朝の御支度の用意が整っております、御部屋にお戻り下さい」

 

「あ、もうそんな時間?解ったわ、すぐ行くから……と、そうだ、ミスタ・コルベール。お伺いしたいことがあるのですが、お時間の宜しい時はいつ頃があるでしょうか?」

 

ルイズの言葉に、コルベールは今では駄目なのですかなと訊くが。

 

「サクヤの左手のルーンについてお伺いしたいことがあるのですが……」

 

ふむ……と少し考え。

 

「その件はオールド・オスマンとも話した方が宜しいかと思いますので、午前の授業後にまた学院長室に、オールド・オスマンには私から伝えておきますので」

 

そう伝えて、コルベールは一礼してフライで去っていった。

 

ルイズはふと思う、紗久弥に関しての事柄がやけに学院長に絡むなとーー

 

 

 

ーー午前の授業中、カリーヌはルイズへの言伝てを紗久弥に託して学院を後にした。

 

「次の虚無の曜日にまた来ます……か、でも……」

 

ルイズの懸念は二人の姉の下の方、カトレアについてである。

 

常に誰かが傍に居なければならない程の病にかかっているのにも関わらず、来週も来ると言うのだ、誰よりも傍に居ようと努めていたあの母が。

 

紗久弥は考え込むルイズに変わり、学院長室の扉をノックする。

 

昼食を食べた後、ルイズ達はコルベールの言葉に従って、学院長室を訪ねる。

 

紗久弥のルーンに関して、詳しい事を訊く為に。

 

「お待たせいたしました、どうぞ」

 

ロングビルが扉を開け、ルイズ達を誘う。

 

「度々済まんのう、ミス・ヴァリエール、そして『ガンダールヴ』ミス・コシハタよ」

 

「ガンダールヴ?」

 

ソファに座りながら、紗久弥は問い返す。

 

「うむ、そなたの左手のルーンがそうじゃな、コルベール君が調べて、解ったのがギーシュ・ド・グラモンとヴィリエ・ド・ロレーヌの決闘を起こした時じゃな」

 

「ええ!?」

 

随分早くにわかっていたものだが、オスマンが言わなかったのには理由がある。その一つにルイズと紗久弥の関係があった。

 

コルベールの調べた『ガンダールヴ』のルーンは、始祖の使い魔のルーンであると思われ、二人の関係の希薄であろうと思われる内は、明かさずにおいた方が良いだろうとしたのだと言う。

 

「始祖の使い魔……何故そんなものがサクヤに……」

 

「多分、ルイズ自身の資質に因るものじゃないかな?」

 

ファルロスはルイズを『旅人』と言った。

 

『旅人』とはかつての紗久弥でもある。つまり『ワイルド』の資質を持つ者。

 

ワイルドとは『No.0』それは、この世界に於いては『虚無』だと思われる。

 

そう紗久弥が思ったのは、ルイズからの教わったこの世界に於いての属性の相互相剋にある。

 

地水火風の四つの属性は干渉するが、虚無には不明な事が多すぎる。ただ、伝説の属性として『五芒星の頂点』にあるだけなのだ。

 

どちらかと言うと風水に於ける神獣の関係に近い様な気もする。

 

故に、何物にも干渉し、何物からも干渉されないルイズの爆発は……

 

「成る程のう……ミス・コシハタはミス・ヴァリエールが『虚無』であるから、そのルーンが刻まれたと?」

 

「多分……ですけど」

 

ううむ……と考え込むオスマン。ルイズは話の大きさに思考が着いてきていないようだ。

 

「何れにせよ……ガンダールヴと共にミス・ヴァリエールの属性については、今まで通り『不明』とする方がいいじゃろうなぁ……」

 

「あ、あの……もし私が『虚無』だとしたら……どうすれば魔法が使えるようになるのでしょうか……」

 

オスマンは首を横に振り、流石に解らないと、済まなそうに頭を下げた。

 

無理もないだろう、如何にオスマンが『偉大な者』と評され、それが二つ名となっていようとも、オスマンは『虚無』ではない。

 

「じゃが、君にはミス・コシハタが居る、彼女は君を『旅人』だと言っておったな?」

 

「サクヤと供に旅をしろと……?」

 

「いや、そうではない。もしミス・ヴァリエールが本当に虚無であるとするなら、普通に旅をすれば手がかりが見つかる……とは行くまいて。虚無が生まれるは王家の血筋とされとったはずじゃ。つまり、この場合『旅人』とは喩えであると考える方がよかろう」

 

成る程、確かにそうだと思いはするが、ではどうすれば良いのだろうとも思う。

 

幾らヴァリエール公爵の実子であれ、トリステインの姫殿下とは個人的に『おともだち』であれ、虚無に関する資料などを自由に閲覧するのは難しいだろう、あれば……だが。

 

つまるところ、現状に於いて虚無に関しては何も解らないと言うことだった。

 

「まあミス・ヴァリエールについては今悩んでも仕方が無いようじゃな……取り合えずガンダールヴの話に戻るが、ミス・コシハタや、そのルーンが刻まれてから、何か変わったことは無いかのう?」

 

変わった事かどうかは紗久弥に解らないが、左手のルーンは常に輝きを放っている事を伝えると。

 

「いや、十二分に変わってるわよ!?って言うか気付きなさいよ私……」

 

四六時中一緒ではないが、気づけなかった事が何処か恥ずかしい。

 

「まあまあ、それで、他には?」

 

「うーん……あ、そうですね『ペルソナ』の能力補助が強力になってます、ペルソナのスキルを自分で使えますし……」

 

カリーヌとの手合わせの時の事を思い出す。

 

が、オスマンとルイズは首を傾げている。

 

「ペルソナって何?」

 

と訊かれた時、そう言えばまだ教えてなかった様な気がする紗久弥。

 

「ええと……説明は影時間でした方が早いかなーー」

 

 

 

 

「ーーほほう……あの妙な世界はそう言う物じゃったか」

 

オスマンが影時間について聞いてきた事もあり、時間について教える事に。

 

オスマンも体験していたようで、興味深そうに聞き入っていた。

 

「では今日の夜中に……と言いたいが、今夜はフリッグの舞踏会じゃ、何も楽しい夜の後にせんでも良かろう?」

 

それもそうですね、とはルイズ。

 

紗久弥にはいまいちピンと来ないが、学院の生徒達には色々楽しみな夜らしい。

 

そう言えば、キュルケは特に楽みにしているよだった。

 

「ルイズも楽しみなの?」

 

だが、ルイズは別に、と何処か冷めた顔をしていたーー

 

 

 

 

ーーペルソナとガンダールヴのルーンがもたらす効果を見せてもらうのは後日と言うことにして、ルイズ達を帰したオスマンは深く溜め息を吐いた。

 

「オールド・オスマン、紅茶をどうぞ」

 

「うむ……のう、ミスロングビルや?」

 

「何でしょう?」

 

いつになく真剣な声に、少し身構えるロングビル。

 

「ミス・ヴァリエールはどれ程の定めの中に居るんじゃろうなぁ……」

 

そう呟くオスマンの見つめる先に何があるのか、ロングビルにはわk「白か……」

 

「おいこらジジイ」

 

「はっ!?」

 

真剣に生徒を思う人柄に見直したと思った自分が腹立たしい。そう思いながらピンヒールでオスマンをグリグリするロングビルであった。

 

「ああっそこはそんなっ止めーー」

 

 

 

 

ーールイズは部屋に戻り、ベッドに倒れて天井をぼんやりと眺めていた。

 

考えるのは紗久弥の事。

 

自分の虚無の可能性が霞む程に激しい人生の中にあろう彼女。

 

そして、それでも笑顔で居られる彼女。

 

(私は……彼女の様に笑顔で居られるのかな……)

 

虚無の『可能性』が『可能性』で終わらず、本当に虚無であるのだとしたら、ここハルケギニアに於いて自分の立場はどうなるのだろう。

 

このまま落ちこぼれのままでも良いのではないか……そんな事まで考える。

 

「サクヤ……私……どうしたら良い……?」

 

自分以外誰もいない部屋、カーテンさえも閉じられた部屋の中、ルイズは静かに涙を溢していたーー


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