俺、総二と愛香が大好きです。   作:L田深愚

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ドラグさんはロリだけど、スワンギルディとかは巨乳でも普通にイケそう。ナース好きだし。
そして俺ツイ二次恒例のオリジナルエレメリアン登場。


第三話「アルティメギル宣戦布告! 二大怪人、ツインテールを襲撃!!」

 ────どことも知れぬ、人類には決して感知することのできない空間の狭間に彼らの居城は存在した。

「リザドギルディがやられただと!? 馬鹿な、有り得ん!!」

 鈍色の大ホールを埋め尽くすかのような様々な姿の怪人たち────エレメリアンが、先遣隊の敗北に動揺し、収拾がつかぬほどに騒ぎ立てている。

「静まれいっ!!」

 それを一喝する軍団長。竜の姿を模した偉丈夫は、記録された映像を映し出し同胞の死を悼む戦士たちを鼓舞した。

「おお、なんと美しきツインテールか……! これがこの世界の守護者……!!」

「俺は紅き幼女がよい」「我は黒髪のほうが……」

「予期せぬ強敵にまみえてこそ武人の血が騒ぐというものよ……」

 軍団を束ねる黒竜、ドラグギルディは愉悦と狂気に顔を歪め、高らかに笑う。

 奴らはアルティメギル。この地球へ襲来した非情なる侵略者である────多分。

 

□□□□

 

 陽月学園の体育館では臨時の全校集会が開かれ、メイドたちを引き連れた神堂会長が壇上から生徒たちに語り掛ける。

 その内容は当然の如く昨日起きたマクシーム宙果での一件についてだ。

「皆さん、知っての通り昨日現れた怪人たちによって街は未曽有の危機に見舞われました」

「わたくしも、現場に居合わせ狙われた一人です」

 その瞬間、固唾を飲んで会長の発言に耳を傾けていた群衆から怒号が上がった。学園のアイドルが被害に遭ったというのだ、怒りが爆発するのも無理はない。

「ですがその危機を救ってくれた方々が居ました。あの時の、颯爽と駆けつけてくれた二人の少女にわたくしは心奪われましたわ!!」

 スクリーンにテイルミラージュとテイルレッドの姿が映し出されるとともに、会長の発言に賛同の声を上げていた生徒たちから更なる歓声が上がる。

「ちっちゃい正義の味方に憧れるちっちゃい会長はあはあ!!」

「ミラージュさああああああん! 俺のハートも撃ち抜いてくれえええええええ!!」

「あたし……お姉様の棒で貫いてほしい!!」

 等々……入学初日の総二より明らかに重症じゃねーか! なんでこのノリでツインテール部をスルー出来ねえんだこのロリコン&おっぱい星人ついでにガチレズども!! と心の声が漏れ出そうになるのを俺は必死に抑える。

 そんなこんなで会長の話も佳境に入り、神堂家はこの方々……ツインテイルズを全力で支援いたしますわ! との言葉に大歓声と熱視線が俺たち二人が映るスクリーンへと向けられ、総二は「俺のツインテール……みんなに見られてるぅ……」ときゅんきゅんしていた。

 

 昼休み、俺と総二、愛香の三人で机を並べて弁当をつついていると、当然のようにそこかしこからツインテイルズの話題で持ち切りなクラスメイト達の会話が漏れ聞こえてくるが、恋香さんに鍛えられた俺たちの鋼の精神力は、あの程度のトンチキ発言など意にも介さない。

 レッドの映るタブレット端末にちゅーを敢行するアホがいようとも、「こうすると、ミラージュさんのおっぱいもんでるみたいだよな……ハアハア」と画面に映る胸を指で拡大縮小し続けるアホが世迷言をほざこうとも、俺たちの箸に乱れは一切ない。

「どうだその唐揚げ、昨日から漬け込んでおいた自信作なんだ」

「ん、おいしいじゃない。味付け卵も半熟なのが憎いわね」

「俺にもくれよ、生姜焼きやるからさ」

 当然のように「はい、あーん」でおかず交換する二人の姿に飯が進む。愛香と総二の弁当の中身を別物にしておいた甲斐があったというものだ。

「でも結、これだけの量作るの大変だったろ?」

「俺たちの分なんて、ほとんど愛香の分の余りみたいなもんだし、家族の分の食事作るのと大して変わらんよ」

 お前ん家でバイトしてて量作るのには慣れたし。とランチボックス四段重ねの弁当が愛香の腹に消えてゆくのを横目で見ながら白米を掻き込む。

「……ねえ愛香、そのお弁当、長友君が作ったの? でも観束君と付き合ってるんだよね?」

 俺たちのやり取り……いや、総二と愛香のイチャコラか。に聞き耳を立てていたらしい女子が、その内容に疑問を抱き声をかけてきた。

 よもや愛香が堂々と二股をかけているなどとぬかすのではあるまいな?

「うん、そうだけど? ……ああ、特に変な理由はないわよ? 結、うちのお姉ちゃんと付き合ってるからよく食事の用意とか手伝ってくれるの」

「嘘でしょ────!?」

 と、中学時代のいつだったか愛香の家にも遊びに来ていた植坂さんが悲鳴を上げ、事情を知らない他の女子にも説明を始めた。途端にざわめきがクラス中に広まってゆく

 植坂さん、恋香さんにも会ったことあるもんな、そりゃあ俺なんかが付き合ってるなんて知ったら驚くわな。キモオタが美人と付き合っちゃ悪いのかよ、グスン。

 その後俺が彼女持ちであることを知った男子も詰め寄ってきたが、ツインテイルズのことを引き合いに出してとっととお帰り願った。

「お前らはレッドのお兄ちゃんやミラージュの弟になりたいんだろ? 俺が愛香たんのお兄ちゃんになる邪魔をするんじゃないよ」

「くっ……確かにそうだ。俺たちの心はツインテイルズに捧げている! よそ見をしている暇なんてないんだ!!」

「長友、観束! 末永く幸せにな!!」

「でもリア充爆発しろ!」

 知らないってのは幸せなもんだよな。と今まさにそのツインテイルズと言葉を交わしていたクラスメートの後ろ姿に乾いた笑みを向けると、俺はペットボトルの烏龍茶をグビリと飲み乾した。

 

□□□□

 

 放課後、完成した基地を見に行くため俺たち三人はアドレシェンツァへの帰路についていた。校内では部活の勧誘もあったが、今はツインテイルズの活動が優先されるべきだろう。と部活選びは保留にしている。

 そんな時、不意に空が巨大なスクリーンへと変じ、竜を思わせる傷だらけの古強者といった風貌のエレメリアンによる演説が始まった。

『この世界のすべての人類に告ぐ! 我らは選ばれし神の(ともがら)アルティメギル!!』

 周辺の民家からも同じ声、携帯のワンセグを起動しても同じ内容が映し出されている。

「空に映像で宣戦布告とは、お約束をわかっていらっしゃるなあ敵さんも」

「感心してる場合じゃないでしょ!」

「奴ら……世界中にこの映像を流しているのか……?」

 抵抗しなければ命は保証するだの、存分に挑んでくるがよいだの好き放題言いやがって。アルティメギル……この地球をターゲットに選んだことを必ず後悔させてやる!

「総二、あいつらに地球には俺たちツインテイルズが居るっていうことを思い知らせてやろうぜ!」

「ああ! この地球(ほし)平和(ツインテール)は俺たちが守るんだ!!」

 宣戦布告から間を置かずに、映像に出ていたブルマを狙う亀のエレメリアン、タトルギルディが隣町の女子高に襲来したとの通信が入り、ドライバーを着けた俺はトゥアールの送ってくれた位置情報を転送装置へ入力する。

「テイルオン!」「ドライブ・オン!!」

 赤と銀、二色の光が瞬くのと同時に、愛香を残して変身を完了した俺たちはエレメリアンのもとへ跳んだ。

「総二、結……頑張りなさいよね」

 

「────そこまでだエレメリアン!!」

「むう!? 貴様らがツインテイルズか!!」

 部活中だろう体操服姿の女子高生たちに襲い掛からんとしていたタトルギルディの前に舞い降り、立ちはだかる俺たち。すでにレッドも俺も得物を手に臨戦態勢は万全だ。

「今回はアタシにトドメやらせてくれ」

「わかった! たああああああああああああああ!!」

「リフレクションビ……オーラピラー!!」

 生徒たちを巻き込まないようにブレイザーブレイドで空中へ跳ね上げられたタトルギルディへ、リフレクターリボンから放たれた光条がメガネ状のエネルギー弾となって殺到する。

 着弾と同時に乱反射する光の檻に拘束された敵へ、俺は必殺技の体勢をとった。今回はミラージュマグナムバージョンだ。

「────エレメ……完全開放(ブレイクレリーズ)!」

 前後に連結され大型化した拳銃が銃身を伸長させてライフルの様相を呈し、その銃口に属性力の火を点す。

 さっきからリフレクションビームやチャージアップをいちいち言い直しているのは、いくら元々別のギアとはいえ仲間なんだから掛け声くらい統一しておきたいという気持ちの表れである。

 ツインテイルズとして名乗ってしまっているわけだし、戦う交通安全と単身赴任のお巡りさんではなく、せめてギンガの森の戦士と黒騎士でありたい。

「────プリズム……シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥト!!」

 放たれた虹色の光弾が、空中で拘束されたタトルギルディを貫いた。

「ぬおおおおおお! せめて……せめて最後はテイルミラージュの安産型の尻にブルマを穿かせて我が背中で跳び箱をしてもらいたかったあああああああああああああああああ!!」

 爆散。ブルマブルマうるさい亀怪人ここに眠る。

 ぬいぐるみ幼女にハアハアしていたリザドギルディといいこいつといい、アルティメギルには変態しかおらんのか?

 俺は頭を抱えつつも、次の瞬間起こるであろうことを予測し、テイルレッドを校外へと放り投げた。

 予想通り黄色い歓声を上げて殺到する女子高生の群れ。その誰もが興奮した荒い息を吐き、情欲に滾る危ない目をしていた。

 ────総二、お前だけでも逃げるんだ。犠牲になるのは俺だけでいい。

 俺は、飢えた獣の群れを前にして、静かに目を閉じた。

 

□□□□

 

 翌朝のニュース番組で流された映像を、俺は死んだ魚のような目で眺めながらモソモソと朝食を摂っていた。食卓を囲む津辺姉妹もその光景に言葉もない様子だ。

『お姉様! 私、お姉様にあやかりたいです。その素敵なおっぱい揉ませてください!!』

 その勇気ある言葉を呼び水に、返事も待たずに蹂躙される俺の肉体。

 一部始終が記録された携帯動画が提供されたのだろう。朝からお茶の間に流すにはいささか刺激が強い、女子高生に揉みしだかれ羞恥と快楽がないまぜになった表情を晒す俺の姿に、昨日のことがありありと思い起こされ死にそうになる。

「……あのおっぱいは私のなのに」

「……なによ、貧乳が一人もいないじゃない。あやかる必要なんてないでしょ……」

 それぞれ違う理由でギリギリと歯ぎしりする二人。

「……総二だけでも守れてよかったお」

 精神的にくたくたで、語尾が某所の白饅頭のようにあやふやだ。

『────俺はボインちゃんが大好きでな』

 学校の関係者と名乗る、傷だらけの顔面をしたどう見ても堅気に見えない男がインタビューで答えていた。誰だよお前。

 昨日突貫工事のせいか疲れ気味のトゥアールに見せてもらった秘密基地の嬉しいハイテクさも、喫茶店の奥に秘密の出入り口という戦隊らしいお約束も、女子高生にまとわりつかれセクハラを受けるという衝撃体験のせいで上滑りしてゆく。

「結……辛いことがあったら言ってね。出来る限り力になるから」

 愛香たんマジ天使。俺は恋香さんの胸に顔を埋めながらそう思った。

 

 まだ二回しか戦闘していないにもかかわらず、ツインテイルズのまとめwikiやらブログ、ファンサイトなどが無駄に充実しているようだとため息をつく総二と合流しつつ、足取り重く登校した俺たちは、今日こそは平穏無事に過ごせてほしいと祈りつつ授業を受ける。

 

 ────やはりと言うべきか、俺たち戦士の日常に平穏という言葉は似合わないとでも言いたげに、放課後になった途端エレメリアンが攻めてきた。

『エレメリアンの反応が二か所あります! 一つは街の郊外、もう一つは海水浴場です! 今回は二手に分かれていただくしか……』

「わかった、じゃあ俺が海の方に行く。総二は他を頼む!」

「任せろ! ────テイルオン!!」

 

 到着した俺が目にしたのは、逃げ惑うウェットスーツ姿のサーファーたちと、昨日倒したばかりのタトルギルディにそっくりなエレメリアンだった。だが色は赤茶けており、両腕も丸太のように太い。

「我が名はトータスギルディ! 我が兄タトルギルディの仇を討たせてもらう!!」

「トータス……成程、陸亀の怪人か」

「我が属性は全身服(ボディスーツ)! 貴様のぴっちりとした衣装を心行くまで堪能し属性力をいただかせてもらう!!」

 というか陸亀が海に来てるんじゃないよ、昨日のと逆じゃねーの?

「やれるもんならやってみな!!」

 タトルギルディは弱かったが、見るからにパワータイプな腕の太さが気にかかる。牽制にマグナムを撃ち込んで様子見だ!

「────甘いぞ!」

 光弾は背中の甲羅であっさりと弾かれてしまう。傷一つ付かないとはなんて強度だ。

「至高のぴっちりスーツを求めて流離った武者修行の旅で鍛え上げられた俺の甲羅に、生半可な攻撃は通用せん!!」

 変身した俺の格好は乳袋まで完備したぴっちりコスチューム……犬の前に餌を置いているようなもんだ。

 ロッドモードで殴り掛かっても首をひっこめて避けられ、反対にカウンターの拳を喰らってしまう。

「がはっ……お前本当にタトルギルディの弟……? 兄貴とは大違いじゃない」

「我らエレメリアンに肉親というものは存在しない。だが尻に密着したブルマとボディスーツの共通点が、我等を結び合わせ魂の契りを交わさせたのだ!!」

 あー、さいですか。どうせなら弱いところも似てくれりゃあよかったのに。

「受けてみよ! 我が必殺の技、ツーヨイ・ゾ・ガ・メーラ!!」

 手足を甲羅の中に引っ込め、円盤のように高速回転して突っ込んでくるトータスギルディをすんでのところで躱す。

 避けるのは元から得意だし、スーツが動体視力や反射神経を強化してくれるからこの速度でも対応できる。

 だがUターンして戻ってくる奴は徐々に旋回半径を狭め、投げ放たれたベーゴマのように回避一方の俺を追いつめてゆく。

『結さん! 総二様がピンチです、至急向かってください!!』

「なんだって!? でもこっちもピンチだ……!」

 トゥアールからの通信を受けた俺は、友の危機に駆けつけたい一心で逆転の一手を模索する。しかし戦闘中に気を逸らしたのがまずかった。砂に足を取られタイミングを誤った俺は、体当たりの直撃を喰らってしまう。

「ぐあああああああああああっ!!」

 そのまま押し倒される形で砂浜に組み敷かれた俺は、かなりの重量を持つトータスギルディによって完全に動きを封じられてしまった。

 体表を覆うバリア、リフレクションコートのお陰で痛みはさほどでもないが、衝撃と大重量による圧迫感が文字通り重くのしかかる。

「ぬふう……我が腹の下で形を変えるぴっちりスーツ越しの爆乳……たまらぬ!!」

「やめろおおおお! アタシの上で鼻息荒くモゾモゾ動くなあああ! 絵面的にヤバ過ぎるだろうがああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「テイルミラージュさんが怪物に押し倒されてるぞ!! ……はぁはぁ」

「が、がんばれー」

「ワクワクテカテカ」

 ……野次馬ども、正座して眺めてるんじゃねえ。

 

□□□□

 

 その頃、基地では戦いの様子をモニターしていた愛香が悲鳴を上げてトゥアールにすがりついていた。

 テイルレッドは複製された自らのツインテールを人質に動きを封じられたうえ、延々とフォクスギルディと戯れる自分の姿を見せられるという精神攻撃に晒され、テイルミラージュも物理的に身動きを取れないでいる。このままではツインテイルズの敗北は必至だ。

「どうしよう! このままじゃそーじと結が! ここから攻撃とかできないの!?」

「……一つだけ、手があります。愛香さんにしかできないことです」

「何!? あたしにできることならなんだってやるわよ!!」

 トゥアールは、白衣のポケットから取り出したものを愛香の手に握らせる。

「これって……テイルブレスじゃない!」

 その手に光るのは、総二のものとは対照的な蒼いブレスレットだった。

「今朝完成したばかりのテイルギアです。テストもまだなのでお渡しするのは非常に心苦しいのですが……」

「ねえ、トゥアール────これ、あんたのテイルギアなんでしょ?」

 不意に放たれた、核心を突く愛香の言葉。トゥアールはそのサファイアブルーの目を見開いて驚愕した。

「────! ご存じだったんですか?」

「ごめん、盗み聞きするつもりはなかったんだけど……お姉ちゃんたちとの話、聞こえちゃってた」

「……聞かれていたのでしたら正直にお話しします。確かにこれは以前私が使っていたものです。旧式だったので改良を行っていたのですが……まさかこんなに早く出番が来るとは思ってもみませんでした」

「とりあえずそーじを助けられればなんだっていいわよ」

 危険など、百も承知だ。愛香は迷わずブレスに腕を通す。

「少しは悩むかと思ったら、即答で総二様を優先なさるんですね」

「だって結も同じこと言うに決まってるもん。この状況で結を優先させたらあたしがアイツに怒られちゃう」

「そうですか……では、総二様を頼みます!」

「任せて! ────テイルオン!!」

 蒼く輝くフォトンコクーンが愛香の体を包み、弾けるのと同時に現れた蒼き戦士が自慢の双房をなびかせて転送装置────空間跳躍カタパルトへ飛び込んだ。

「待っててそーじ……絶対助けるから!!」

 

□□□□

 

「結さん! 総二様のところには愛香さんが援軍に向かいました、お二人が向かうまでどうにか持ちこたえてください!!」

「それはよかった。これでこいつの相手に専念できる……!」

 連戦を考えなくてよくなったおかげか、不意に閃いたアイディアが俺の体を突き動かした。

「────リフレクションビーム!!」

 普段はオーラピラーとして拘束技に使うそれを、攻撃モードでトータスギルディの顔面に叩き付けてやる。零距離での発射はバリア越しでも自分のダメージとなるが、今勝てれば後のことなどどうでもいい。

「ぎゃあああああああああ! 目が! 目がああああああああああああああああああ!!」

 隙が出来た。顔を押さえてもがき苦しむ亀公の下から自由を取り戻した俺は、巴投げで砂浜へ叩き付ける。

 ────形勢逆転だ亀野郎……今までのお返しをしてやるぜ!!

「────ミラージュロッド・ロングモード!!」

 ギアによって増幅された筋力を総動員して歯を食いしばり、ロッドの伸長に突き出す勢いを追加した渾身の一撃が、狙い過たず奴の土手っ腹を柄も(とお)れよとばかりに貫き、逆転勝利をもたらした。

「む……無念……!」

「────完全開放」

 解き放たれた属性力に内側から焼き尽くされ、トータスギルディは爆散した。

「つ……疲れた……」

 疲労が一気に襲い掛かってきたような有様で、大きく息をついた俺はどっと噴き出した汗をぬぐい砂浜へ座り込む。

 愛香が向かってるんだ、総二はきっと無事だろう。絶対的な信頼とともに確信した俺は、ロングロッドを杖代わりにして立ち上がり、転送装置を起動した。

 

 ────そして基地へ戻った俺が見たのは、モニターの中でテイルレッドと肩を並べて笑い合う、青いスーツに身を包んだ幼女と、それを眺めて涎を垂れ流す痴女の姿だった。




はい、速攻でLAP(第一段階)発動。ブルーのギアは露出の低い(肌が見えていた部分を前面は白い生地、背中は青い生地で塞いでます)ものに改装されました。
トゥアールが夜なべして頑張ったんです。ダブルようじょのために!
あと学校関係者はマッハでスペシャルなドリルの人。テレビ、スイッチオン!!

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